赤尾秀子のレビュー一覧

  • 星群艦隊

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    ネタバレ

    3部作なのは事前に知っていた(オビにも書いてある)ので、拡げた大風呂敷をどう回収するのかに興味があった。
    結果としては、回収しない(;皇帝の争いにオチは付けない)という終わり方になっていた。

    同様の世界観で新作が出ているのを知っているし3部作も後ろに行くほど面白くなっていったのだが、
    それでも1巻がひどい出来だったという印象が強い(単独で買っていたらその後を買わないぐらい)ので、次回作を買うかは微妙なところ。

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    2024年02月27日
  • 黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選

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    スペースオペラな短編集

    時空の一時的困惑 
    禅と宇宙船修理技術 
    甲板員、ノヴァ・ブレード、大いに歌われた経典
    晴眼の時計職人
    無限の愛
    見知らぬ神々
    悠久の世界の七不思議
    俺たちは宇宙地質学者、なのに
    黄金の人工太陽
    明日、太陽を見て
    子どもたちを連れて過去を再訪し、レトロな移動遊園地へ行ってみよう!
    竜が太陽から飛び出す時
    ダイヤモンドとワールドブレイカー
    カメレオンのグローブ
    ポケットのなかの宇宙儀
    目覚めるウロボロス
    迷宮航路
    霜の巨人

    大分じっくり読んだけど、忘れた頃にもう一度読みたい。

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    2023年12月09日
  • フローリングのお手入れ法

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    表題は、作中に出てくる架空の本のタイトルなんだけど、これが、世間によくある「おしゃれライフスタイル本」のパロディで、主人公がその本を読むところ、シチュエーションが絶妙でおかしくて笑ってしまった。

    全体として、非常に緻密に考えられた設定の話(ジャンルとしてはミステリになるのかな?)で、なかなかおもしろかった。
    ちょっとしたミスを隠そうとしてどんどん悪い状況に転んでいく、という展開は、読む方も最初から分かっているんだけど、私が最初に想像したよりはるかにとんでもない状況になっていって、でもちゃんと全部きれいに回収されて、すごく納得のいくラストだった。

    作者は建築・デザイン関係のライターだというけ

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    2023年03月10日
  • 星群艦隊

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    ゼイアト通訳士のおかげで一気に面白くなった。慣れてきたせいもあるかもしれないけど、三部作の中でこの巻が一番好き。

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    2022年09月25日
  • 星群艦隊

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    あなたが、まだ前の2作を読んでいないのなら、そこから始めることをお勧めします。
    きっと<叛逆航路>シリーズは、三部作というより超長編SF小説なのでしょう。
    「素晴らしい想像力をお持ちの方」以外は、ぜひ順番に読んで。

    さて、三部作最終話『星群艦隊』。
    派手目なアクションシーンも加わり、ラドチ皇帝アナーンダとの対決はいよいよクライマックスの盛り上がりをみせる。
    さらに前作で謎だったゲートの向こうに潜む影が、徐々に明らかに……。
    特にこの編で、人の話の中だけではなく「通訳士」という実態で登場する「蛮族(エイリアン)プレスジャー」の存在が、ものすごく重要になる。
    プレスジャーとの条約は「人類は意義あ

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    2021年12月23日
  • 亡霊星域

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    「それは正義といえるのか?」

    SFでありながら、シェイクスピアのようでもあり、アガサ・クリスティでもある。

    前作『叛逆航路』同様にレトロな香りのする日本語題名、原題は《Ancillary sword》、第1作に比べてスケール感は縮小するも、相変わらず独特の世界観で読む人を引き付ける。
    特に“ジェンダーを区別しない”文章表現への試みは、現代のジェンダー問題を主張するというより「当たり前となったときの状況」がよく描かれている。

    舞台となるアソエク星系では「アーナンダ同士の分裂抗争」により星系間ゲートが閉ざされ混乱が生じている。主人公ブレクは艦隊司令官として、自身が《トーレンの正義》だったころ

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    2021年12月13日
  • レイヴンの奸計

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    『ナイン・フォックスの覚醒』続編
    未読の作家の作品を和訳で読めるのは嬉しいけれど、
    後書や解説で続編について触れておいて和訳が出ないケースが多過ぎなんだよなぁ

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    2021年09月19日
  • 亡霊星域

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    キャラクターが前作の設定のまま、作風が落ち着いた感じになった。面白かったけど、前作のスタイルのほうが好み。Ancillaryの視点が頭の中でどうイメージが出てくるのか凄く気になる。映像化できないよな。

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    2021年09月18日
  • スチーム・ガール

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    決して面白くないわけでは無い作品なのだが、
    タイトルから想像するに、サクラ大戦(帝国華撃団)的な
    蒸気で駆動されるパワード・スーツ同士の集団白兵戦の描写を
    勝手に期待していたので、予想外に地味な展開に肩すかしを食らったかのような読後感。 
    でも、ゴールドラッシュ時代のアメリカの雰囲気が楽しめたので良しとしよう。

    *** 追記 ***
    そういえば、日本語の『みしん』とは、
    英語の“Sewing Machine”の“マシン”が訛ってできた
    和製英語でしたね。
    だから語源的には、ミシン(Machine)が
    パワードスーツに変形しても問題ないとの理屈なのかしら。

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    2021年08月12日
  • 叛逆航路

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    はぐれAIの物語

    邦題『叛逆航路』とはえらく昭和の香りのするタイトルだが、原題は〈Ancillary(隷属する)Justice (正義)〉と、随分と意味深。

    物語は「ラドチ」という専制国家が広く銀河を支配している時代で、中世ヨーロッパの様な閉塞感漂うスペースオペラファンタジー???

    主人公のAIはなぜ身分を隠し「ヒト」として辺境の星を彷徨ってるのか……

    相棒?のセイヴァーデンの存在が、物語のちょとしたスパイスとなっている。

    後半になって、やっと民族、習慣、宗教、社会情勢などの世界観?に慣れてくる。

    たしかに面白い。三部作、さあどうするか……。

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    2021年07月23日
  • ほろ苦デザートの大騒動

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    ジュリー・ハイジ―の「大統領の料理人シリーズ」の第8弾!

    予算削減のため、スタッフが一時解雇されるなど厨房にもさまざまな制約がかかり、頭を抱えるオリー。

    ‎そんなとき視察のため、外国からシェフたちがやってくることに。

    外交上も重要な相手国のシェフたちと、問題を起こさずに2週間も一緒に働かなくてはなりません。

    重要な外交担当としての任務に気を引き締めるオリーですが、彼らをホワイトハウスに迎えた途端、おかしな事件が起こり始めます。

    やっとはじまった新婚生活でも、夫から人生を揺るがす提案が持ち上がり、仕事もプライベートもいろいろと落ち着きません。

    オリーは、無事にこの2週間を乗り切れるで

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    2020年03月08日
  • 叛逆航路

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    ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞、クラーク賞など、7冠獲った小説だというから読んでみた。

    おもしろかった!

    最後まで、主人公の性別が分からなかった。女性・・・・でいいの?でもなんか、たくましいし、オーン(=女性だよね?)を慕っていたていうし、なんとくなく男性のようなイメージもある。擬体使いというつながりで、私の脳内イメージは素子少佐だったんだが、それでよいのか・・・?

    そして、セイヴァーデンがむちゃくちゃ萌える。なんなのこのダメ男。序盤は「なんだこの糞は?!」と思っていたが、途中から主人公に向けて出る矢印がまぶしくて、くっそ萌えた。(矢印が
    セイヴァーデン→→→→→→

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    2018年12月09日
  • 動乱星系

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    ネタバレ

    あらたな3部作の導入編っぽい。船長と流れ者とじゃじゃ馬、3人の凸凹宇宙旅がはじまる期待感にわくわくするが、前3部作の大事件も背景でじわじわにじむのもいい感じ。続編出たら買うしかねえ。

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    2018年11月15日
  • 星群艦隊

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    三部作完結編。派手な戦闘はないが、心理的な描写で、どきどきしながら読み進められる。一度読み始めると、心を掴んで離さない。

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    2018年11月12日
  • 亡霊星域

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    賞総なめの読み応えのある本格SFの続編。本作も前作に劣らずハードなSFだ。心理描写主体なので、アメリカ人には受けなかったのかな?タイトルは、こちらも、原題のアンシラリーソードのほうがぴったりくるし、かっこいいのになと思った。

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    2018年11月12日
  • 叛逆航路

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    読み応えのある本格SF。さすがに主な賞を総なめしているのも分かる。内容的には原題のアンシラリージャスティスのほうがぴったりくると思った。

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    2018年11月12日
  • 動乱星系

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    辺境にある星系国家。有力者の娘イングレイの進む道は…

    ひと騒動の後の彼女の変化した姿勢が頼もしい。少しの自信が心の持ちようを支えてくれる。星を渡り歩ける世界観は想像するしかないけれど、地球という星を今のところ離れられない私たちと共通することはきっとあるのだと思える。

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    2018年10月14日
  • スチーム・ガール

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    久しぶりの小説。

    蒸気機関が異常発達した1900年台初頭(?)のアメリカが舞台。SFではあるものの、SF描写そのものよりも登場人物の心理描写、特に主人公の少女カレンと少女プリヤの恋心への描写がすばらしい。

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    2018年08月26日
  • 君の彼方、見えない星

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    ネタバレ

    「宇宙で窒息カウントダウン」×「追放されて死の間際にようやく結ばれるふたり」×「近未来社会派SF」の3要素を見事に織り交ぜたストーリー。主人公のマックスとカリスは生存の可能性が着実に遠ざかる中でお互いの人生と出会いを振り返り、本当の自由は地球の管理社会から追放されて行き着いた宇宙空間にあったと知るおはなし。古典的な主題ではあるものの緊迫感と切なさが入り交じる良作でした。

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    2018年05月30日
  • スチーム・ガール

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    蒸気機関で動くミシンがモビルスーツ代わりに武器として使うことが出来る19世紀のアメリカが舞台。
    売春宿や黒人保安官や中国人やゲイが主要な登場人物を占めていて、マイノリティばかりを描く独特な描写だ。
    蒸気歩行ミシンが活躍するシーンはちょっとだけなので、殆んどはストーリーと小物のガジェットで楽しむスチームバンクだ。
    面白いけど少し長い。
    設定命と言うわけでもないが、設定を活かしきれているとも言い難い。ビミョーな作品。

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    2018年04月16日