赤尾秀子のレビュー一覧

  • フローリングのお手入れ法
    表題は、作中に出てくる架空の本のタイトルなんだけど、これが、世間によくある「おしゃれライフスタイル本」のパロディで、主人公がその本を読むところ、シチュエーションが絶妙でおかしくて笑ってしまった。

    全体として、非常に緻密に考えられた設定の話(ジャンルとしてはミステリになるのかな?)で、なかなかおもし...続きを読む
  • 星群艦隊
    ゼイアト通訳士のおかげで一気に面白くなった。慣れてきたせいもあるかもしれないけど、三部作の中でこの巻が一番好き。
  • 星群艦隊
    あなたが、まだ前の2作を読んでいないのなら、そこから始めることをお勧めします。
    きっと<叛逆航路>シリーズは、三部作というより超長編SF小説なのでしょう。
    「素晴らしい想像力をお持ちの方」以外は、ぜひ順番に読んで。

    さて、三部作最終話『星群艦隊』。
    派手目なアクションシーンも加わり、ラドチ皇帝アナ...続きを読む
  • 亡霊星域
    「それは正義といえるのか?」

    SFでありながら、シェイクスピアのようでもあり、アガサ・クリスティでもある。

    前作『叛逆航路』同様にレトロな香りのする日本語題名、原題は《Ancillary sword》、第1作に比べてスケール感は縮小するも、相変わらず独特の世界観で読む人を引き付ける。
    特に“ジェ...続きを読む
  • レイヴンの奸計
    『ナイン・フォックスの覚醒』続編
    未読の作家の作品を和訳で読めるのは嬉しいけれど、
    後書や解説で続編について触れておいて和訳が出ないケースが多過ぎなんだよなぁ
  • 亡霊星域
    キャラクターが前作の設定のまま、作風が落ち着いた感じになった。面白かったけど、前作のスタイルのほうが好み。Ancillaryの視点が頭の中でどうイメージが出てくるのか凄く気になる。映像化できないよな。
  • スチーム・ガール
    決して面白くないわけでは無い作品なのだが、
    タイトルから想像するに、サクラ大戦(帝国華撃団)的な
    蒸気で駆動されるパワード・スーツ同士の集団白兵戦の描写を
    勝手に期待していたので、予想外に地味な展開に肩すかしを食らったかのような読後感。 
    でも、ゴールドラッシュ時代のアメリカの雰囲気が楽しめたので良...続きを読む
  • 叛逆航路
    はぐれAIの物語

    邦題『叛逆航路』とはえらく昭和の香りのするタイトルだが、原題は〈Ancillary(隷属する)Justice (正義)〉と、随分と意味深。

    物語は「ラドチ」という専制国家が広く銀河を支配している時代で、中世ヨーロッパの様な閉塞感漂うスペースオペラファンタジー???

    主人公のA...続きを読む
  • ほろ苦デザートの大騒動
    ジュリー・ハイジ―の「大統領の料理人シリーズ」の第8弾!

    予算削減のため、スタッフが一時解雇されるなど厨房にもさまざまな制約がかかり、頭を抱えるオリー。

    ‎そんなとき視察のため、外国からシェフたちがやってくることに。

    外交上も重要な相手国のシェフたちと、問題を起こさずに2週間も一緒に働かなくて...続きを読む
  • 叛逆航路
    ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞、クラーク賞など、7冠獲った小説だというから読んでみた。

    おもしろかった!

    最後まで、主人公の性別が分からなかった。女性・・・・でいいの?でもなんか、たくましいし、オーン(=女性だよね?)を慕っていたていうし、なんとくなく男性のようなイメージも...続きを読む
  • 動乱星系
    あらたな3部作の導入編っぽい。船長と流れ者とじゃじゃ馬、3人の凸凹宇宙旅がはじまる期待感にわくわくするが、前3部作の大事件も背景でじわじわにじむのもいい感じ。続編出たら買うしかねえ。
  • 亡霊星域
    賞総なめの読み応えのある本格SFの続編。本作も前作に劣らずハードなSFだ。心理描写主体なので、アメリカ人には受けなかったのかな?タイトルは、こちらも、原題のアンシラリーソードのほうがぴったりくるし、かっこいいのになと思った。
  • 叛逆航路
    読み応えのある本格SF。さすがに主な賞を総なめしているのも分かる。内容的には原題のアンシラリージャスティスのほうがぴったりくると思った。
  • 星群艦隊
    三部作完結編。派手な戦闘はないが、心理的な描写で、どきどきしながら読み進められる。一度読み始めると、心を掴んで離さない。
  • 動乱星系
    辺境にある星系国家。有力者の娘イングレイの進む道は…

    ひと騒動の後の彼女の変化した姿勢が頼もしい。少しの自信が心の持ちようを支えてくれる。星を渡り歩ける世界観は想像するしかないけれど、地球という星を今のところ離れられない私たちと共通することはきっとあるのだと思える。
  • スチーム・ガール
    久しぶりの小説。

    蒸気機関が異常発達した1900年台初頭(?)のアメリカが舞台。SFではあるものの、SF描写そのものよりも登場人物の心理描写、特に主人公の少女カレンと少女プリヤの恋心への描写がすばらしい。
  • 君の彼方、見えない星
    「宇宙で窒息カウントダウン」×「追放されて死の間際にようやく結ばれるふたり」×「近未来社会派SF」の3要素を見事に織り交ぜたストーリー。主人公のマックスとカリスは生存の可能性が着実に遠ざかる中でお互いの人生と出会いを振り返り、本当の自由は地球の管理社会から追放されて行き着いた宇宙空間にあったと知るお...続きを読む
  • スチーム・ガール
    蒸気機関で動くミシンがモビルスーツ代わりに武器として使うことが出来る19世紀のアメリカが舞台。
    売春宿や黒人保安官や中国人やゲイが主要な登場人物を占めていて、マイノリティばかりを描く独特な描写だ。
    蒸気歩行ミシンが活躍するシーンはちょっとだけなので、殆んどはストーリーと小物のガジェットで楽しむスチー...続きを読む
  • スチーム・ガール
    19世紀後半のアメリカ北西部の港町をモチーフにしたスチームパンク小説。
    ラピッド・シティの高級娼館モンシェリで働く主人公カレンが、別の娼館から足抜けしてきたインド人の美少女プリヤをかくまうところから物語は始まる。
    カレンはプリヤに一目惚れしてしまい、プリヤのために彼女の妹を救出しようとして……ってい...続きを読む
  • スチーム・ガール
    タイトル通り、スチームパンク×少女たちの物語。なのだが、思ったよりもスチームパンク(SF)要素は少ない。キャラクターはどのキャラも魅力的で、ストーリー後半は怒涛の展開、まさに冒険活劇といった印象。終盤のカレンとイリヤの関係性がとてもよい。あとは、縫い子という表現が新鮮で面白かった(縫い目を解かせる、...続きを読む