赤尾秀子のレビュー一覧

  • 蘇りし銃

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ジェダオがクジェン(不死なんだけど)を亡き者にしようとする戦い。9年前と現在を行ったり来たりする前半部分は気を付けて読まないと迷子になりそう。ジェダオも上層部の都合で生かされているわけでもなく、実は〇〇だったりして、クジェンと対峙する場面は、ぐっとくる。派手な戦いもあるにはあるが、凄惨にならないように交渉、陰謀、力説などがされるところが緊張感を持って読める。最後はなんとなくクジェンも含めて落ち着くところに落ち着いたかなあ。若干、ジェダオが将来的に苦しむ人生をおくるかもしれない。

    0
    2026年09月19日
  • スチーム・ガール

    Posted by ブクログ

    久しぶりに読んだスチームパンク作品だったが、本当に面白い本格SFだった。
    実在の歴史に蒸気機関のテクノロジーが見事に溶け込んでおり、様々な場面でガジェットが活躍する展開が読んでいて痛快だ。
    作中で描かれる女性たちの活躍やバディ要素、虐げられた人々が立ち上がる姿は見ていて気持ちがよく、
    登場人物がみんな生き生きとキャラが立っている。
    本国ではすでに3巻まで出ているものの、日本では1巻の翻訳までも時間がかかった。
    時間はかかってもいいので、ぜひ続きの邦訳を期待して待ちたい。

    0
    2026年06月13日
  • ナインフォックスの覚醒

    Posted by ブクログ

    世界観を理解するのに時間がかかったが、巻末の用語集を先に読めば理解の助けになるだろう。この作品をひと言で表現するのは難しい。スペースオペラとサイバーパンクとミリタリーとジェンダーとファンタジーをミキサーでかき混ぜたような感じだ。すでに霊体となって生かされているジェダオは戦闘の指揮官として最適であるが肉体がない。ジェダオに憑依されたチェリスというかチェリスに憑依したジェダオが主人公になるのだが、徐々に二人が融合していく様の表現が自分の脳内も溶けさせる。三部作のようなので、続きも読まないと作品世界を理解できないんだろうなあ。感想が難しい。

    0
    2026年05月31日
  • フローリングのお手入れ法

    Posted by ブクログ

    完璧主義の友人オスカーから、1週間ほど部屋の留守番と猫の世話を任される「ぼく」。完璧なフローリングを守ろうとする執念と、不運が次々と重なっていく展開が、ブラックユーモアたっぷりに描かれている。面白くて一気に引き込まれたが、猫と清掃係のエピソードはさすがに笑えなかった。「住まいを完璧に保つのは難しい」というローラの言葉には思わず頷く。特に猫と暮らしている人なら、より実感できるはず。装丁とタイトルのセンスも良い!

    0
    2026年04月26日
  • レイヴンの奸計

    Posted by ブクログ

    前作と比べ、戦闘の他に、シュオス・ミコデズの視点から語られる六連合の首脳たちの権謀など、ストーリーの背後の描写が増え、物語のスケールが大きくなったように感じた。
    独特の文体や表現がされていることもあり一つ一つのシーンを想像するのが少し難しいが、前作と同様、設定や世界観には惹かれるものがある。
    この物語の銀河がどのような結末を迎えるのか、次作も楽しみに読みたい。

    0
    2025年08月31日
  • ナインフォックスの覚醒

    Posted by ブクログ

    SF的な世界観をファンタジーを取り入れて描かれたような印象を受けた。
    独自の用語が多いこともあり、少し物語に入り込みにくいところもあったが、ストーリー設定や世界観はとても面白く、読み応えがあった。

    0
    2025年05月19日
  • フローリングのお手入れ法

    Posted by ブクログ

    『フローリングのお手入れ法』
    著者 ウィル・ワイルズ
    訳者 赤尾秀子(あかおひでこ)

    【帯より】
    猫をソファに上げないこと、床を汚さないこと
    完璧主義の友人宅の留守番を引き受けた
    ぼくの悪夢のような八日間
    恐ろしくもおかしいカフカ的不条理! 

    正に帯にある通りですね。笑 面白かったです。
    (内容はヤングアダルトのノリかな。笑)
    しがない物書きの“ぼく“が暮らすロンドンのアパートは埃っぽい床。そして学生時代の友人オスカーに留守を頼まれたのは高級な無垢フローリング。彼が大切にしているその床に、あろうことか赤ワインの染みをつけてしまい、その修復に悪戦苦闘する八日間のお話です。留守宅では“ぼく“の行動を予測したオスカーの指示メモが、あらゆるところから出てきますよ。笑

    どこにでもいるような至って普通の人の“ぼく“。決して悪い人ではありません。そこがまた、このバタバタとした展開をユーモラスに、不幸だけれど笑えてしまうストーリー仕上げています。笑(“ぼく“の心情になると穏やかではいられませんがね、汗)

    正に、泣きたくなるような状況が次々と起こります。前半は、知的な部分と汚れた雰囲気(個人的には何となく『シェークスピア&カンパニー書店の優しき日々』を読んだ時の感覚を思い出しました)でしたが、後半はもう殆どコメディです。不幸の連続です。泣笑

    目次は初日/二日目/三日目/…八日目と区切られていて、不運にも“ぼく“は徐々に追い詰められていきます。この展開、予測通りと言えばそうなんですが、次々に起こる不運な出来事を、何とかリカバリーしようと試みる“ぼく“の努力、そして更なる不幸に見舞われていく不運なる状況。笑えない状況だけれど、これは笑ってしまいます。笑
    (星は3ー4で迷いました。掃除婦のおばさんのことを思うと3ですが、“ぼく“の努力に4で!)

    著者紹介に、ウィル・ワイルズ、1978年インド生まれ、ロンドン在住の作家で建築・デザイン関係のライターとしても有名。とあります。
    訳者のあとがきでは、『本書は「ぼく」とオスカーの戦い、すなわち混沌/カオスと秩序/ルールの戦い。このアイデアは知人のフラットで過ごした実体験から生まれたそうです。(床は美しい天然木、猫も二匹いたそうです。ー「だけど何も起きなかったよ。傷ひとつなく、猫も人間もみんな元気だった」とありますね。無事で良かった。笑)

    0
    2024年10月06日
  • 星群艦隊

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    3部作なのは事前に知っていた(オビにも書いてある)ので、拡げた大風呂敷をどう回収するのかに興味があった。
    結果としては、回収しない(;皇帝の争いにオチは付けない)という終わり方になっていた。

    同様の世界観で新作が出ているのを知っているし3部作も後ろに行くほど面白くなっていったのだが、
    それでも1巻がひどい出来だったという印象が強い(単独で買っていたらその後を買わないぐらい)ので、次回作を買うかは微妙なところ。

    0
    2024年02月27日
  • 黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選

    Posted by ブクログ

    スペースオペラな短編集

    時空の一時的困惑 
    禅と宇宙船修理技術 
    甲板員、ノヴァ・ブレード、大いに歌われた経典
    晴眼の時計職人
    無限の愛
    見知らぬ神々
    悠久の世界の七不思議
    俺たちは宇宙地質学者、なのに
    黄金の人工太陽
    明日、太陽を見て
    子どもたちを連れて過去を再訪し、レトロな移動遊園地へ行ってみよう!
    竜が太陽から飛び出す時
    ダイヤモンドとワールドブレイカー
    カメレオンのグローブ
    ポケットのなかの宇宙儀
    目覚めるウロボロス
    迷宮航路
    霜の巨人

    大分じっくり読んだけど、忘れた頃にもう一度読みたい。

    0
    2023年12月09日
  • フローリングのお手入れ法

    Posted by ブクログ

    表題は、作中に出てくる架空の本のタイトルなんだけど、これが、世間によくある「おしゃれライフスタイル本」のパロディで、主人公がその本を読むところ、シチュエーションが絶妙でおかしくて笑ってしまった。

    全体として、非常に緻密に考えられた設定の話(ジャンルとしてはミステリになるのかな?)で、なかなかおもしろかった。
    ちょっとしたミスを隠そうとしてどんどん悪い状況に転んでいく、という展開は、読む方も最初から分かっているんだけど、私が最初に想像したよりはるかにとんでもない状況になっていって、でもちゃんと全部きれいに回収されて、すごく納得のいくラストだった。

    作者は建築・デザイン関係のライターだというけれど、確かに完璧な建築みたいな設定と結末で、頭のいい人だなぁと感心した。

    正直にいうと、主人公の物思いが冗長すぎて前半はかなり退屈なので、それで★ひとつマイナス。

    タイトルを見たとき、私の大好きな本『悪意と憂鬱の英国式週末テニス』(マデリーン ウィッカム著)をなぜか想起させられて読んでみたくなったのだが、思った通り、その本と同種のユーモアの本だった。強いて言うなら、悪意と憂鬱の英国式ユーモア?

    ディテールがほんのりとおかしい。
    音楽家のオスカー(←超神経質な性格)の作品「路面電車の時刻表による変奏曲」とか。
    主人公がどう思ったかはともかく、私はオスカーいい奴じゃん、と思ったけどな。

    0
    2023年03月10日
  • 星群艦隊

    Posted by ブクログ

    ゼイアト通訳士のおかげで一気に面白くなった。慣れてきたせいもあるかもしれないけど、三部作の中でこの巻が一番好き。

    0
    2022年09月25日
  • 星群艦隊

    Posted by ブクログ

    あなたが、まだ前の2作を読んでいないのなら、そこから始めることをお勧めします。
    きっと<叛逆航路>シリーズは、三部作というより超長編SF小説なのでしょう。
    「素晴らしい想像力をお持ちの方」以外は、ぜひ順番に読んで。

    さて、三部作最終話『星群艦隊』。
    派手目なアクションシーンも加わり、ラドチ皇帝アナーンダとの対決はいよいよクライマックスの盛り上がりをみせる。
    さらに前作で謎だったゲートの向こうに潜む影が、徐々に明らかに……。
    特にこの編で、人の話の中だけではなく「通訳士」という実態で登場する「蛮族(エイリアン)プレスジャー」の存在が、ものすごく重要になる。
    プレスジャーとの条約は「人類は意義ある非人類を殺さない⇔プレスジャーは人類を殺さない」というもの。
    「通訳士」は、常に人類の文化や文明などを観察し、条約履行状況を報告しているようだ。
    終盤で皇帝が通訳士に「AIや属躰は私(人類)が作った所有物であって、非人類ではない」と主張すると「すべての人類は人類自身から作られているのに、どう違うのか?」と反論される(この時代、人の誕生はすべて人工授精で皇帝自身はすべてクローン、でも哲学的には自然出産も含めてもいいかも)。そのとき、絶対であったはずの皇帝がプレスジャーを前にひれ伏すのか……。

    異なる者の存在に対する「畏怖」と「嫌悪」から「排除しようとする感情」、これらを乗り越えないと<共存する社会>は生まれ得ない。

    「書きたい事がなければ物書きではない、面白くなければ小説家ではない(と誰かが言っていた?)」……面白かった。

    0
    2021年12月23日
  • 亡霊星域

    Posted by ブクログ

    「それは正義といえるのか?」

    SFでありながら、シェイクスピアのようでもあり、アガサ・クリスティでもある。

    前作『叛逆航路』同様にレトロな香りのする日本語題名、原題は《Ancillary sword》、第1作に比べてスケール感は縮小するも、相変わらず独特の世界観で読む人を引き付ける。
    特に“ジェンダーを区別しない”文章表現への試みは、現代のジェンダー問題を主張するというより「当たり前となったときの状況」がよく描かれている。

    舞台となるアソエク星系では「アーナンダ同士の分裂抗争」により星系間ゲートが閉ざされ混乱が生じている。主人公ブレクは艦隊司令官として、自身が《トーレンの正義》だったころの副官オーンの妹が住むこの地を訪れることに……。

    この星系は、「お茶」の一大生産拠点として支配層であるラドチャーイ、農園労働力としてのヴァルスカーイ人、元からの住人サミル人が、決して交わることなくそれぞれの社会を形成している。
    人種差別、マイノリティ問題、さらに人を兵器として作り直す「属躰という奴隷」。
    かつてAIで属躰の一人であり、今は「何者でもない」主人公ブレクが何を思いどう行動するか……。

    SFというステージで作者の意図を伴い、物語は自由に繰り広げられる。

    さて、次は第3作『星群艦隊』、いよいよ「元AIブレクの放浪」に決着がつくのか……。

    0
    2021年12月13日
  • レイヴンの奸計

    Posted by ブクログ

    『ナイン・フォックスの覚醒』続編
    未読の作家の作品を和訳で読めるのは嬉しいけれど、
    後書や解説で続編について触れておいて和訳が出ないケースが多過ぎなんだよなぁ

    0
    2021年09月19日
  • 亡霊星域

    Posted by ブクログ

    キャラクターが前作の設定のまま、作風が落ち着いた感じになった。面白かったけど、前作のスタイルのほうが好み。Ancillaryの視点が頭の中でどうイメージが出てくるのか凄く気になる。映像化できないよな。

    0
    2021年09月18日
  • スチーム・ガール

    Posted by ブクログ

    決して面白くないわけでは無い作品なのだが、
    タイトルから想像するに、サクラ大戦(帝国華撃団)的な
    蒸気で駆動されるパワード・スーツ同士の集団白兵戦の描写を
    勝手に期待していたので、予想外に地味な展開に肩すかしを食らったかのような読後感。 
    でも、ゴールドラッシュ時代のアメリカの雰囲気が楽しめたので良しとしよう。

    *** 追記 ***
    そういえば、日本語の『みしん』とは、
    英語の“Sewing Machine”の“マシン”が訛ってできた
    和製英語でしたね。
    だから語源的には、ミシン(Machine)が
    パワードスーツに変形しても問題ないとの理屈なのかしら。

    0
    2021年08月12日
  • 叛逆航路

    Posted by ブクログ

    はぐれAIの物語

    邦題『叛逆航路』とはえらく昭和の香りのするタイトルだが、原題は〈Ancillary(隷属する)Justice (正義)〉と、随分と意味深。

    物語は「ラドチ」という専制国家が広く銀河を支配している時代で、中世ヨーロッパの様な閉塞感漂うスペースオペラファンタジー???

    主人公のAIはなぜ身分を隠し「ヒト」として辺境の星を彷徨ってるのか……

    相棒?のセイヴァーデンの存在が、物語のちょとしたスパイスとなっている。

    後半になって、やっと民族、習慣、宗教、社会情勢などの世界観?に慣れてくる。

    たしかに面白い。三部作、さあどうするか……。

    0
    2021年07月23日
  • ほろ苦デザートの大騒動

    Posted by ブクログ

    ジュリー・ハイジ―の「大統領の料理人シリーズ」の第8弾!

    予算削減のため、スタッフが一時解雇されるなど厨房にもさまざまな制約がかかり、頭を抱えるオリー。

    ‎そんなとき視察のため、外国からシェフたちがやってくることに。

    外交上も重要な相手国のシェフたちと、問題を起こさずに2週間も一緒に働かなくてはなりません。

    重要な外交担当としての任務に気を引き締めるオリーですが、彼らをホワイトハウスに迎えた途端、おかしな事件が起こり始めます。

    やっとはじまった新婚生活でも、夫から人生を揺るがす提案が持ち上がり、仕事もプライベートもいろいろと落ち着きません。

    オリーは、無事にこの2週間を乗り切れるでしょうか。

    待ちに待ったシリーズの続編で、オリーをはじめとする登場人物たちに再会できて本当にうれしかったです!

    エグゼクティブシェフとして厨房スタッフをまとめながら、ホワイトハウス内でうまく立ち回るオリーは、たくましさを増しています。

    新婚生活での心やすらぐシーンでは、これまでのシリーズ作品にはない幸せな雰囲気が出ていました。

    このシリーズの魅力である、陰謀うずまくミステリも健在。

    食べ物を扱う厨房内の緊迫感と、最後の最後まで気を抜けない展開にハラハラさせられました。

    今後のオリーのシェフとしてのキャリアがどうなっていくかも含め、シリーズの続編も楽しみです!

    ◇おすすめポイント
     ・ホワイトハウススタッフの視点で描かれるホワイトハウスの日常
     ・新婚オリーの幸せな時間
     ・働く女性のジレンマも描かれる

    ◇こんな方におすすめ!
     ・ホワイトハウスのシェフの仕事に興味がある
     ・陰謀ミステリが好き
     ・働く女性が主人公の物語を読みたい

    0
    2020年03月08日
  • 叛逆航路

    Posted by ブクログ

    ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞、クラーク賞など、7冠獲った小説だというから読んでみた。

    おもしろかった!

    最後まで、主人公の性別が分からなかった。女性・・・・でいいの?でもなんか、たくましいし、オーン(=女性だよね?)を慕っていたていうし、なんとくなく男性のようなイメージもある。擬体使いというつながりで、私の脳内イメージは素子少佐だったんだが、それでよいのか・・・?

    そして、セイヴァーデンがむちゃくちゃ萌える。なんなのこのダメ男。序盤は「なんだこの糞は?!」と思っていたが、途中から主人公に向けて出る矢印がまぶしくて、くっそ萌えた。(矢印が
    セイヴァーデン→→→→→→→||||越えられない壁||||ブレク→オーン
    こんな風に出ていて、その報われないっぷりにまた萌えた)

    しかし、なぜセイヴァーデンが1000年後に現れたかの伏線は、投げっぱなしで回収されなかった。

    続編があるから、そっちで回収するのかな?

    0
    2018年12月09日
  • 動乱星系

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あらたな3部作の導入編っぽい。船長と流れ者とじゃじゃ馬、3人の凸凹宇宙旅がはじまる期待感にわくわくするが、前3部作の大事件も背景でじわじわにじむのもいい感じ。続編出たら買うしかねえ。

    0
    2018年11月15日