【感想・ネタバレ】亡霊星域のレビュー

あらすじ

ついに内戦が始まった。かつては宇宙戦艦のAIであり、いまはただひとりの生体兵器“属躰(アンシラリー)”となった“わたし”は、宿敵のアナーンダから艦隊司令官に任じられる。“わたし”は復讐心を胸に秘め、正体を隠して新たな艦で出航する――大切な人の妹が住む星系を守るために。乏しい情報と未熟な副官、誰が敵か味方かもわからない困難な状況ながら、かつての悲劇はくりかえさないと決意して……。ヒューゴー賞、ネビュラ賞など7冠制覇の『叛逆航路』に続き、ローカス賞&英国SF協会賞をダブル受賞した、本格宇宙SFのニュー・スタンダード第2弾!/解説=大野万紀

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

1エスク19の個人的思いと役割としての使命感、そして交錯する乗船員やステーションの住人の思惑が重ねて描かれていて、多層的に物語が展開されていく感覚が非日常感をもたらして面白かった。星郡艦隊に期待大。韻を踏んだ詩…。

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2024年07月15日

Posted by ブクログ

「叛逆航路」シリーズ第2弾。

 前作の最後で皇帝アマーンダに艦隊の司令官に任命されたブレクは、宇宙の辺境のにある閉鎖された星系間ゲートの調査に向かう。

 ゲートを管理しているのは宇宙ステーションAI。このステーション内の住民は茶の栽培などで生計を立てている。いわゆる農村地域で、貧しい人が多いのだが、一方で富裕層もいる。居住地域は異なり、富裕層はステーションの上部。貧困層や、アウトロー的な生き方をしているの人たちは‘’アンダーステーション‘’で暮らしていた。

 皇帝の勅命できた司令官ブレクを支配層は歓迎するが、星間国家間で結ばれた重要な停戦条約に違反する、ある重大な秘密を隠していて、それがバレないようにブレクたちを常に監視する。

 誰が味方で、誰が裏切り者なのか。
 そして停戦条約違反の犯罪行為とは何か。

 閉ざされた辺境の宇宙ステーション内でおきる陰謀劇の幕が上がる。

 1作目が「動」の物語なら、2作目は「静」の物語。ほぼ派手なアクションはない。爆破事件が起きるくらい。でも面白い。
 
 スターウォーズもエピソード2で、辺境の地で後のクローン戦争で主力となるクローン造っていたのが明るみになったけど、そんな感じ。3部作の2作目ってだいたいこういう陰謀が明らかになるって展開が多い気がする。

 今回活躍するのはステーションのAI。住民ファーストで考えるようにプログラムされているから、最後までどっちにつくのかわからない。基本は皇帝に従うのだけど、このときはもう皇帝アマーンダ自身が分裂してしまっているので、皇帝の判断に従うという選択肢はもはやなく、ステーション自身の判断でどっちにつくか決めなければならない状況。
  
 静かな展開の中でも、心臓の鼓動がドクドクと耳に響いてくるような緊迫した展開。
 今作も一気読み!

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2021年10月26日

Posted by ブクログ

ヒトではないのに艦隊司令官。一体どうやって行動していくのだろう、ブレクは。AIにも愛情と呼べるものがあれば憎悪もあるのかもしれない。乗員には人と思われているみたいだったのにそのままで行けなかったのだろうか。
完結編が楽しみ。

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2016年07月16日

Posted by ブクログ

「それは正義といえるのか?」

SFでありながら、シェイクスピアのようでもあり、アガサ・クリスティでもある。

前作『叛逆航路』同様にレトロな香りのする日本語題名、原題は《Ancillary sword》、第1作に比べてスケール感は縮小するも、相変わらず独特の世界観で読む人を引き付ける。
特に“ジェンダーを区別しない”文章表現への試みは、現代のジェンダー問題を主張するというより「当たり前となったときの状況」がよく描かれている。

舞台となるアソエク星系では「アーナンダ同士の分裂抗争」により星系間ゲートが閉ざされ混乱が生じている。主人公ブレクは艦隊司令官として、自身が《トーレンの正義》だったころの副官オーンの妹が住むこの地を訪れることに……。

この星系は、「お茶」の一大生産拠点として支配層であるラドチャーイ、農園労働力としてのヴァルスカーイ人、元からの住人サミル人が、決して交わることなくそれぞれの社会を形成している。
人種差別、マイノリティ問題、さらに人を兵器として作り直す「属躰という奴隷」。
かつてAIで属躰の一人であり、今は「何者でもない」主人公ブレクが何を思いどう行動するか……。

SFというステージで作者の意図を伴い、物語は自由に繰り広げられる。

さて、次は第3作『星群艦隊』、いよいよ「元AIブレクの放浪」に決着がつくのか……。

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2021年12月13日

Posted by ブクログ

キャラクターが前作の設定のまま、作風が落ち着いた感じになった。面白かったけど、前作のスタイルのほうが好み。Ancillaryの視点が頭の中でどうイメージが出てくるのか凄く気になる。映像化できないよな。

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2021年09月18日

Posted by ブクログ

賞総なめの読み応えのある本格SFの続編。本作も前作に劣らずハードなSFだ。心理描写主体なので、アメリカ人には受けなかったのかな?タイトルは、こちらも、原題のアンシラリーソードのほうがぴったりくるし、かっこいいのになと思った。

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2018年11月12日

Posted by ブクログ

 前作の叛逆航路を読んだ方ならべらぼうに面白い。
 知覚の届く範囲に偏在するブレクという存在。
 そしてラドチ皇帝に支配される世界が描かれるだけで面白い。
 ラドチ皇帝には世界がどのように見えているんだろう。
 次巻で完結とのことで、翻訳が楽しみである。

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2016年06月12日

Posted by ブクログ

叛逆航路の直接の続編

三部作の二作目ということだが、期待していたよりも対アナーンダのストーリーが少なく、本当に次で完結するの?と不安になるストーリーテリング。完結編のために張られた伏線はいくつもあるので、次回作に期待する。

三作目の二作目という位置付けにこだわらず、もっと壮大な物語の中のエピソードの一つだと考えられれば、叛逆航路とは雰囲気が違うものの十分に楽しめる。

次回作を読めば、本作の位置付けが分かるかもしれない。
いずれにせよ、次回作が楽しみな内容。

原書では全部出てるらしいので、原書で読んでしまおうかとも検討している。

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2016年05月28日

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