あらすじ
数学と暦に基づいて通常の物理法則を超越する科学体系〈暦法〉を駆使し、広大な宙域を支配する星間専制国家〈六連合〉。この国の若き女性軍人にして数学の天才であるケル・チェリスは、鉄壁の〈不変氷〉シールドに守られた巨大宇宙都市要塞・尖針砦で起こった反乱の鎮圧を命じられる。ただしそれは、シュオス・ジェダオ――史上最高の戦略家にして、敵味方もろともに百万人以上を虐殺した最悪の反逆人――の精神をその身に宿す、という条件つきだった。ローカス賞第一長編部門受賞、ヒューゴー賞・ネビュラ賞候補の、魔術的本格宇宙SF!/解説=渡邊利道
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
頭の中の胃袋が、満足する正餐(面白いお話)でした。文句なしの星5つ。
物理大系を侵食される宇宙の運命と、体制に忠誠を誓う兵士に宿った、大逆人の霊体というちぐはぐバディもの、という時点でもう面白い。
章区切りで、ある種のシーン描写を省いているな?という疑惑はもちますが、そこはこの作者の味とみなします。
ただ一点だけ難を申し上げると、解説および周辺の読者の態度。
著者がFtMでゲイだからって、娯楽作品に作者のジェンダー観が投影されているとか、フェミニズム(最近はうす汚いモノとなり果てた)的読み解きをするのは如何なものかと。
娯楽作品は娯楽作品として楽しむのが、粋というものです。
Posted by ブクログ
SF的な世界観をファンタジーを取り入れて描かれたような印象を受けた。
独自の用語が多いこともあり、少し物語に入り込みにくいところもあったが、ストーリー設定や世界観はとても面白く、読み応えがあった。