ブレイディみかこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
デビュー作。著者も「若書き」と言っているが、特に始めの方は勢いがある。言葉遣いは悪いけど、これはワーキングクラスの誇りを敢えてこういう表現にしたのだろう。
『僕はイエローで‥‥』の方が万人向けだが、こちらも同じ魂で書かれた本である。
著者のような生き方をする人は少ないけどいる。ああ、日本人社会では窮屈で生きられないだろうなあ、という日本人はいる。が、みんなが文才があるわけじゃない。
文才にもいろいろあるけど、この人はさっぱりとしてキリッとしてるのがいい。爽快。決して上からものを言わない。でも視野は広くて懐は深い。
『僕はイエローで‥‥』もそうだけど、多様化とか国際化とか言ってる頭の硬い役所の人なんかが読むといいと思う。
「清貧。などというのはあれは趣味だ。貧乏とは、足りないことで負けてることで醜いことだ。自分から負けることを選んでいるような趣味の問題野郎どもに、勝ちたくても負け、必死で勝とうと努力するのにやはり負け、負けたくないのに負け続けている人間の気持ちがわかるか。ちっとも負けてないやつに限って敗北の真髄なんてものを語りたがる。そんなに好きなら貴様も降りてきやがれ。」(P185)
「だが、生きる甲斐がなくても生きているからこそ、人間ってのは偉いんじゃないだろうか。最後には各人が自業自得の十字架にかかって惨死するだけの人生。それを知っていながら、そこに一日一日近付いていることを知っていながら、それでも酒を飲んだり、エルヴィスで腰を振ったりしながら生きようとするからこそ、人間の生には意味がある。」(P191)
「他人に悪態をついたり、他人のあげ足を取ったりするのは、はっきり言って、大人でも嬉し楽しいものだ。だが、大人と呼ばれる人間(歳とは関係なく)がそれをしなかったり、限界というものをわきまえていたりするのは、自分も傷ついた経験があるからだ。しかし、子供(しつこいようだが、年齢とは無関係)は、人生経験の乏しいバカ故にその楽しみや喜びをマキシマムに追求しようとする。」(P203)
「家庭とは、個人が、個人の責任でもって個人的に幸福になろうとしている人々のユニット」(P239)
「パキスタン人の美しい男性に恋をした英国人のひょろっとした青年が失恋して痛飲して道端で吐いている背中を日本の豚骨ラーメンの街から来たババアがさすってる。民際的ってのは、こういうことじゃねえのか。」(P272) -
購入済み
なぜ
なぜ第一章から第五章へと飛んでしまったのだろう。まぁ、読みたければ買えといわれれば何とも言えないのだが。第一章で、「起」を読んで、これからどうなっていくのか気になった。だが、せめて「承」を少し齧るくらい読ませてもらえないと興味は半減する。いや、それ以上に。
あと、宗教や人種について多少の知識がないと読み進めていく上で引っかかる部分があると思う。 -
Posted by ブクログ
ブレグジットの背景を学ぶには良い本だと思います。
1.この本を一言で表すと?
・イギリスのEU離脱とその背景をリポート、分析した本。
2.よかった点を3〜5つ
・少なくとも私の知る範囲では、ブレグジットに多大な夢や希望を抱いていた人はいない。(p31)
→トランプ現象とブレグジットの大きな違いだと思う。
・第?部 英国労働者階級の100年
→自分の知らない歴史だったので勉強になった。
・90年代以降,歴代政権は,階級の問題を人種の問題にすり替えて,人々の目を格差の固定と拡大の問題から逸らすことに成功してきたのだ。これは経済的不平等の問題に取り組みたくない政治家たちによるシステマティックな戦略でもあった。(p263)
→「労働者階級の反乱」というタイトルは最初意味がわからなかったが、上記の政治の欺瞞への抵抗反乱という意味だというのが理解できた。
・日本の多くの人は「欧州の危険な右傾化」と「ポピュリズムの台頭」が原因であるというところで止まってしまい、「緊縮が理由などと書くのは、右傾化した労働者階級を擁護することになり、レイシスト的だ」と苦情のメールもきた(p273)
・「他者の立場になって考えてみる、異なる意見を持つ人間に感情移入してみる」努力ができるということこそが、想像力という知性を持つ人間の特性なのだ。
そもそも、EU離脱を招いた「政治と地べたの乖離」が、その知性の欠如に端を発していたことを思えば、わたしたちはそのことを再び思い起こす時代に来ているのだと思う。(p284)
→今後社会の壁を乗り越えるには我々はどうしていけばいいか、この文に集約されていると思う。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・p25の表
→米国大統領選では中間層や富裕層のトランプ支持・クリントン支持は数が拮抗しており、一概に富裕層だからトランプ支持とは言えないのではないか?
4.全体の感想・その他
・イギリスの労働者階級の人たちがどのような考えをもってEU離脱に賛成したのかということを的確に伝えていると感じた。
・第?部のインタビューは、現場の生の声がよくわかったので面白かった。
・緊縮財政の負の面がブレグジットの背後にあることから、緊縮財政に懐疑的になった。
・離脱派の人たちは排外主義や不寛容といった単純な発想から離脱に票を入れたわけではないということが分かった。
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Posted by ブクログ
最後の方の人権とはなんぞやについての説明がすごくわかりやすくて納得した。欧米人と話していて「なんか噛み合わないなあ」って思ってたことが「そういうことだったのね」と合点がいった。
自分含め、日本では「働かざる者食うべからず」とか「自業自得」っていうのが基本になってると思う。だから他人に迷惑かけないことが当たり前というか美徳になってるけど、それはいろんな事情があって他の人と同じようにできない人達のことを排除することにも繋がってる。
私自身、左寄りの欧米人の言うことを頭では理解できるし、いいね、そうだね、と同意することすらあるけど、頭の中の右寄りな自分にどう説明したら納得させられるのか?はいつも解決できてなかった。その答えが、人間なら誰でもってことだったんだなあと…書くと小学生の作文にしかならないけど。
でもこの人の文章は横文字多過ぎて、馴染みがない人には内容入ってこなさそう -
Posted by ブクログ
ネタバレ《Summary》
大雑把にいうと左派による左派自省の書。
現在の左派(日本でいうと旧民主党系・共産党系)は、経済について語られることなく、イデオロギーの戦いに終始しているということを、左派自身で反省し改善するための方策を中心に記載している。
面白いのは下記の4極の差異と比較を通じて、日本の左派として取るべき道を記載している。
①. ブレグジットに揺れ動くUK
②. ドイツを中心とした緊縮財政のEU
③. 極右/立つグローバルに舵を切ったUS
④. 右派的な政治スタンスを取りつつ金融緩和を続けるJP
結論としては、右派左派というイデオロギーで思考を分断するのではなく、"経済"を物事の中心に据え置いて政治的な判断を行うことが良いと(まぁ当たり前のことを延々語っていたが)
ケインズ経済学/新古典経済学を軸に記載しているので、割と理解しやすい内容かなと。
《Topic》
面白いのは、著者は左派だけど、左派のダメなところを指摘すると、左派の周りの方々から右派扱いされる…という、面白い現象が起きている。
回り回って、左派的な人が、「現政権は良いんじゃね?」という事を立証してしまっている事が、読んでいて面白かった。
《Forecast》
ただ、イデオロギーに関係なく日本の経済状況は、東京オリンピックを境に冷え込むことは見えているとの事。数年後を見越して準備しておいたほうがいい。 -
Posted by ブクログ
うーん、俺Leftだから、当然反緊縮だよ?
弱者だからこそ保護が必要だと思う側だ。
だから、この本でいうLeft1.0的なことを、この本で言う「日本型リベラル」が主張してないとも、ましてや緊縮を主張してるとも思ってないんだけど、
いわゆる「フツーの人たち」がLeftを批判している文脈が理解できたのは良かった。
Leftは緊縮を主張してると思われてるんだな。そりゃ排斥されるわ。
ぼくとしては「安倍政権はセイの法則だよりで、金融で反緊縮してるけど、効くわけがない。使う人間に直接分配しなきゃ、需要は喚起できない。成熟社会で、供給が需要を生む筈ないだろ?」ってこと
また(若干の違和感はあるけど)右派は人々を左右に分けて区別し、Leftは上下に分けて区別をしてる。というのも、なんとなくわかった。
この本の主張は「もう安倍政権はこのまま完全雇用まで走り抜けるから、Leftは出る幕ないね」というもので、ぼくもトキすでに遅し。と覚悟せざるを得なかった。 -
Posted by ブクログ
日本の保育園とイギリスの保育園を比較しながら、日本の保育の問題を対談形式で掘り下げていく本。
保育園の理念とニーズがずれてしまっているという点について警笛を鳴らしている。
子供の人格が形成される大切な時期に、いかに生活環境を整えて接するかが重要であるが、待機児童問題の対策として、基準の緩和、子供一人当たりの面積の縮小、保育士の見る児童の数の増加が解消策になってしまっている。
政治家たちがきちんと保育の理念と現実を理解できていない。イギリスには国で統一された保育へのチェック制度があるが、日本はそれぞれの基準で運営できてしまう。という問題点を明確に指摘する。
自分の体験からも、保育園と一言にいっても、色々な保育園があり、保育士たちが疲れ切ってギスギスしている保育園もあり、ビジネスとして考え割り切っている保育園には非常に危機感を覚えたことがあるので、この本に書かれていることは実感として得られるところがある。
ただ、一方で、なんとか保育園に預けて仕事を継続することを重視する自分もいて、良い保育園に当たったからよかったものの、芯の部分では、保育とは育児とは何が大切なのかということをしっかり考えて対応しなければいけないのだなと感じた。
イギリスの理念は良いと思うが、階級社会の中で富裕層がより良い保育園を選べるという現状があり、色々な総が一つの保育園に通っている日本の状況も悪くはないのではないかと感じた。
本にも書いてあったが単純に日本とイギリスを比較できないので、社会背景も含めて良いところを取り入れるべきだと感じた。