吉田秋生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「恋は突然やってくる
そして苦悩が始まる」
by林田類(幼なじみ4人組の1人)
2巻目は1巻目よりも更に充実した一冊だった。「健康で文化的なー」とこのシリーズだけは、新刊を買って読むことにしている。と前巻の時に決めて、私の目利きを誉めてあげたいと思った。
東北の川沿いの小さな温泉街に住む幼なじみたちの、次第と大人になって、恋をして、社会人になって、人生を刻んでゆく様が愛おしい。そしてまさかの「現代的な」四角関係。
温泉街なので、訳ありの人が自然と集まるようだ。子供たちの親は一様に訳ありで、登場人物たちの家系図を作らないことには、これからの展開を予想できない。そう思って、今回作ろうと思って -
Posted by ブクログ
思った以上に充実した一冊だった。
特別なドラマは起きない。河鹿(カジカ)鳴く川が名物の架空の小さな温泉街の日常を描いたマンガである。そこで育った子供たちは独り立ちの秋(とき)を迎えている。その1年間をゆっくり描いている。「海街ダイアリー」と地続きの世界。いつか是枝監督が描いてもいい(描くべき)世界だと思う。
吉田秋生はデビュー時から少女マンガに大人の身体を持ち込んだ(「カリフォルニア物語(1979)」)。当時美大に在学していたから身体のデッサンはしっかりしているが、おそらく理由はそれだけではない。吉田秋生は周りが子供であることを許さない環境で「健全に」育ったのだろうと、私はいま推測している。