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稲村ヶ崎、佐助稲荷、江ノ電のホーム…読むたびに潮の匂いが蘇る。鎌倉・湘南も吉田秋生さんも大好きな私にとって、まさに俺得な作品です。
29歳・22歳・19歳の姉妹と13歳の腹違いの“妹”が、父の死をきっかけに一緒に暮らすところから始まる物語。1995年発表の『ラヴァーズ・キス』と設定が一部リンクしているので、併せて読むのもおすすめです。
エピソードのそれぞれが、誰もがいつか直面する人生のワンシーンです。死にゆく人との向き合い方、実らぬ恋の終わらせ方、抗えない現実を受け入れる方法…と並べると深刻なようですが、吉田先生のタッチと相まって読後感はとても清々しいです。
モノローグの一つ一つが印象的で、中でも「死ぬために故郷へ帰ってきた人と 生きるために故郷を棄てようとする人 どちらもつらく悲しい」(2巻より)という一節は、ふるさとの意味を考えさせられます。それでも鎌倉は山も海もただ静かに在って、人々を見守り見送る街として描かれています。読めばきっと鎌倉を歩きたくなりますよ。
アクションもサスペンスもないのに、この抑制の効いた緊張のあるストーリーが秀逸でした。
長すぎず短すぎず、複数の人物の人生の一区切りを描ききった作者の手腕に、脱帽。
またこのような素晴らしい作品を読ませてもらいたいと思います。
Posted by ブクログ 2019年07月12日
白や余白を生かした、シンプルな美しさ。
説明のいらない、完璧にキャラが立った多彩な登場人物。
時折見せるユニークな表情と真剣な表情。
日本のマンガの最高技術を見る。
映画化もされたけど、マンガとしての表現力こそやはり味わうべき。
構図、見せ方、セリフなど、マンガの構成要素の全てが魅力的です。
2...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月21日
姉妹4人の優しい物語が遂に完結。
それぞれの人物描写や会話の言葉選びがさすがの丁寧さで、読み終えてしまうのが惜しかった。
最終巻の巻末にすずの昔の家族の物語が1話挟まれていて、多分これは今連載されている作品の1部だなと思った。
まだ海街diaryの余韻が残っているので、少し時間をおいてからそちらも読...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月26日
これが最終巻です。第1巻から楽しみに買っていました。映画化されると聞いたときは、やめてくれと思いました。でも、監督するなら是枝裕和監督ならいいかなと思っていたら、そうなりました。そして海街の世界を壊さず、是枝監督らしい映画になっていました。広瀬すずという女優を発見しただけでもすばらしい映画。梅酒の...続きを読む
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