あらすじ
最初の出会いから季節がひとめぐりした夏---。すずと三人の姉たちは、父の一周忌で再び河鹿沢(かじかざわ)温泉を訪れた。複雑な思いを胸に抱くすずだが…?家族の「絆」を鎌倉の美しい自然とともに描く、大注目のシリーズ第三巻!四人姉妹それぞれの時間がゆっくりと動いていきます。楽しいことも悲しいことも家族の中で彩られ昇華され、いつしか美しい思い出になる。
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稲村ヶ崎、佐助稲荷、江ノ電のホーム…読むたびに潮の匂いが蘇る。鎌倉・湘南も吉田秋生さんも大好きな私にとって、まさに俺得な作品です。
29歳・22歳・19歳の姉妹と13歳の腹違いの“妹”が、父の死をきっかけに一緒に暮らすところから始まる物語。1995年発表の『ラヴァーズ・キス』と設定が一部リンクしているので、併せて読むのもおすすめです。
エピソードのそれぞれが、誰もがいつか直面する人生のワンシーンです。死にゆく人との向き合い方、実らぬ恋の終わらせ方、抗えない現実を受け入れる方法…と並べると深刻なようですが、吉田先生のタッチと相まって読後感はとても清々しいです。
モノローグの一つ一つが印象的で、中でも「死ぬために故郷へ帰ってきた人と 生きるために故郷を棄てようとする人 どちらもつらく悲しい」(2巻より)という一節は、ふるさとの意味を考えさせられます。それでも鎌倉は山も海もただ静かに在って、人々を見守り見送る街として描かれています。読めばきっと鎌倉を歩きたくなりますよ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
・思い出蛍
父の一周忌のため四姉妹で山形の山里へ
すずと義弟との交流
母と弟と離れて暮らす小3の和樹くん可哀想すぎる
赦すことと赦さないこと、そのどちらも尊重する、というテーマが通底している。
“「嫌い」は「好き」よりずっと早く伝わってしまうのかもしれない”
“あたしたちはとうとう家族にはなれなかった でも和樹も智樹も幸せでいてほしい”
男子三日会わざれば……で、これから和樹たちもどんどん成長して大人になっていって初めて、すずは彼らと仲良くなっていけるのだろう。人の縁
ホロリと泣ける
・誰かと見上げる花火
幸は幸でかなり自分勝手でワガママなんだな。親の血が……とか言っちゃうと絶対怒るやつ
千佳がシャチ姉の「不倫」に気付くコマ、切り取って使いたいくらい好き
すず、マジで裕也にちゃんと惹かれてるのか……美帆との三角関係待ったなし!! 裕也側はどうなんだろう
エエーッ! みぽりん裕也のこと諦めちゃうの!? そ、そんなぁ…… それですずのこと応援するなんていい子すぎるけど三角関係がぁ〜!
「愛の狩人」と「愛の旅人」 草
そ、そうか……裕也お前彼女いたんか…… ここでサッカークラブの身内だけで恋愛関係が完結しないのがリアルでいい。すずと美帆、ふたりまとめて振られちった。そのあと、港の船までふたりでトボトボ歩くシーンが最高。踏切を渡る引き水平ショットのコマとか小さいのによく描くなぁ。
佳乃は銀行の同僚係長男と新たな恋をするのか。酒好き同士。「弁天さん」とかハンドルネームで呼び合ってるのなんなんだ。
え、幸は不倫相手の小児科医男じゃなくて、まさかのサッカーコーチ男(ヤス)に乗り換えるのか?? すげぇいい雰囲気だけど。。
友達と同じ人を好きになっちゃって三角関係になったかと思いきや2人ともフラれるやつ。こういうのも好き(片想い/失恋描写ならなんでも好き並感)
“当分裕也に会うたび心のどこかが騒ぐんだろう 線香花火の最後のジジジみたいに”
鎌倉七酔人ww 佳乃そんなコラムやってるんだ、なるほどね。
いざという時(風呂場にカマドウマが出た時)シャチ姉に頼る佳乃かわいい
今回は幸、佳乃、すずの3人をかわるがわる視点人物にした群像劇だったな。四姉妹で今のところ千佳だけ主人公感が薄く、いい意味でサブキャラ感がある。いつもそこにいてくれるマイペースな人、という点で。
・陽のあたる坂道
すず視点
風太だけは裕也のプレーの良いところをちゃんと見抜いていた。やるやん風太!さすがキャプテン!!
すずに褒められて、チャリで遠ざかりながらニヤニヤする風太にこちらもニヤついてしまう。
女子サッカー強豪校として藤枝と富士の高校の名前が出てきた。
幸姉は両思いの不倫相手とのことを悩んでいるご様子。男性用の長い箸を、妹に見られないところで買おうとする。
夏の陽のあたる坂道を姉とふたりで歩く。短いながら風格がすごい……
・止まった時計
幸視点
調子に乗った佳乃が買ったイチキュッパのスーツの値札タグが後ろからのコマで初めて見えるの、つくづく漫画のコメディが上手いな〜となる。前話のニヤつく風太もそうだけど、台詞を使わずに絵だけでこっそり読者に向けて笑わせる。
いまだ一度も姿を見せない「ダメナース」のアライさんの意外な良い一面を発見する幸。
襲ってきたトンビを仁王立ちで睨む幸の顔すき
やっぱ別れるかぁ〜〜 そりゃあすずを置いてけないもんねぇ、自分から引き取ると言い出しておいて。
今度はヤス監督といい感じになるのかな
すずたち中学生の青春恋愛模様と、幸たち大人の不倫恋愛模様とのギャップがたまらない。幸本人にとってもそうだろう。それでも、明るくなったすずが青春を謳歌している姿を見て励まされるように、両者には確かにギャップだけじゃない、通じ合うものがある。どちらも人間がすること、ヒューマンドラマなのだから。
おお〜…… 浜辺の無人の横断歩道、「お元気で」。風格がすごい……(定期)
3巻おわり。
四姉妹の話というより、実質、すずと幸のW主人公モノという感じの巻だった。
すずは風太や裕也との青春恋愛模様を順調に進め、かたやシャチ姉は不倫相手と色々あって別れることに。
大人の恋愛模様を子どもが期せずして目撃して、色んな影響を与えることもある。なにせ鎌倉の町の一画という狭い範囲で繰り広げられている物語なのだから。
外で恋人と会って、いつ知り合いに会ったり見られたりするか分からないよなぁ。妹の男友達の酒店に、彼や妹が教わるサッカー監督と一緒に行くのとか、自分なら嫌だけどなぁ。誰に出会して噂を回されるか、たまったもんじゃない。
素晴らしい
『海街diary』には印象的で心に残る言葉やエピソードが多数あります。
すずちゃんの『「嫌い」は「好き」よりも早く伝わってしまうのかもしれない』という言葉は胸に突き刺さって心に残りました。
また風太くんが良い味だしてますね。『となりのトトロ』のカンタくんみたい。彼の物事の捉え方は他人とは違って見えにくい部分を見つけることのできる才能がある。魅力的なキャラクターです。
みんなが繋がっていく
世間は狭いなってくらい繋がりが深くなっていきますね。ついに幸姉の彼のことも姉妹にバレてしまった!すずと風太の事も気になるし、よっちゃんが新たな恋に発展するかも気になる♡
Posted by ブクログ
すずが香田家三姉妹と鎌倉で暮らすようになってから1年。すずの中で止まっていた時計がまた動き出してほんとうに良かった。
恋の終わりと、そして始まりの予感がいろいろ…。
由緒ある鎌倉の町が生み出す人情とか情緒、良いなぁ。
Posted by ブクログ
すずの恋が思わぬ方向に(当然といえば当然なのかもしれないけれど)。そして、幸の恋愛にも変化が...。恋から始まる関係に、悩みながらも、各々が結論を出す巻でした。お父さんの一周忌。波乱もありでした。
Posted by ブクログ
今回も人間ドラマが濃厚でした。濃厚すぎて、読むのにちょっと気合がいるというか(褒めてます)。骨太でリアルで、読み終えた後は、自分が実際にこの世界で登場人物たちと一緒に喜怒哀楽を共にしたくらいの心地よい疲れがあります。
Posted by ブクログ
幸姉が医者と別れるとは思わなかった。
このへんになるとそろそろ次の展開も気になってきます。
こうなるといいなぁ・・・などと妄想も広がりつつ、次の巻を読み始める。
あ、そういえば今年は梅ジュース作ったんだね。
Posted by ブクログ
四女のすずが中心に話が進む3巻。
初恋にきづき、そしてそれが叶わなかったと知ったときの、折り合いの付け方がすごく切なくて、いいシーンでした。
なにげないシーンの一つ一つがすごく心地よくて、鎌倉という街、古い一軒家での生活が本当に魅力的に映ります。
Posted by ブクログ
爽やかな表紙絵だね~~。写真で景色を切り取るのもエエがこんな風に自分の気持ちを乗せた水彩画ってのもエエな~。ま、絵が上手けりゃの話だが。
今回も、真綿で包みこむように大切に作られた4偏のお話しが載っておった
長女「幸」バリバリの看護師さん。小児科医と不倫中。
次女「佳乃」地元信用金庫でOL。酒好き。最近若いツバメと別れる。
三女「千佳」スポーツ用品店勤務。店長と恋愛中。
四女「すず」上記三人とは異母妹となる。サッカー大好き少女。
女を作って出て行ってしまった父親が、「亡くなりました」ってな知らせを突然受け
面倒だが…山形まで葬儀に出席しに行った3姉妹。
そこで、自分たち3姉妹から父を奪った女の子供である「すず」と対面する
「すず」の母は既に病気で亡くなっており、父は懲りずに3度目の結婚をしておった
しかも今度の女は2人の子持ちときたもんだ(笑)
ただ、この家族の要だった父が亡くなった今、残されたのは…再婚相手の女と
その連れ子の幼い男児二人、そして3人とはまったく血の繋がりのない「すず」である
幼子を抱え狼狽する女の騒ぎっぷりを目の当たりにした3姉妹は
自分たちの異母妹である「すず」を鎌倉の自宅へ引き取ることにしたのであった~。
注)以下、気が付かない程度のネタバレあり(笑)
「思い出蛍」
あれから一年。法事の知らせを受け、今度は山形まで4姉妹で出かけて行く
ところが…父の三番目の妻は、すでに男を作り二人いた子のうち一人を連れて町を出ており
法事には出ない、施主はヨロシクとのたまう
一年前の父の葬儀の場で、子供も小さいし中古だが家を買ったばかりなので
相続権を放棄してくれろっと三姉妹に言っていた女が…である(笑)
そりゃ~おめおめとこの場には来れないわな~~(アハハハハハ)
仕方が無いので長女の幸が施主を引き受けるのだが…そのスンナリと受け入れる幸の態度が
なんだか「すず」には面白くない(笑)
私なんぞから見れば、引き受ける幸の態度も硬く、やっぱり若さが出ておるように見えたが
中学生のすずから見れば、大人な対応をソツなくこなしているように見え
「なんで暴言の一つも吐かん」っとイラっと来たらしい
そんな、やっぱり法事もすったもんだしたか…ってなお話しを
季節外れの蛍の光のように、フワフワと漂い流れるタッチで描いておる作品である
さて…まずこの父親はまったく「女を見る目が無い」と言える(アハハハハ)
多分「私一人じゃ何にも出来ないの~」的なズルイ女に頼られると…
無視できないんだろうな~優しいが、トンでもなく優柔不断な男
何が一番大事かを見極める力が不足しており、その場の雰囲気に流されてしまう男
コイツをフワフワ~と漂う蛍に例えるあたりなんぞは笑えると思う
今度からこういう男を「蛍男」と呼ぼうか?(ハハハハハハ)
それと…同じ男でも、なんともイジラシイのが父の三番目の女のオジ「飯田さん」(笑)
両親を早くに亡くした姪を、目の中に入れても痛くないように育ててしまった尻拭いを
ココまで頑張るオジも珍しい(ハハハハハハ)
姪の置いていった息子の一人を引き取り育てておるし…
法事出席のために来た4姉妹を駅まで迎えに出て、宿泊先も用意してくれ、
姪の不始末を平あやまりしている。
施主が誰になっても、坊さんとの打ち合わせをしただけで滞りなく進むように
準備万端、可なりな気とお金の使いようであった(笑)
田舎であるので質素な法事といえども、その準備に掛かる金額はバカにならんだろう
それに外野もウルサイしの。小さな町だで針のムシロ状態だと思うだ
彼の妻が漏らした姪を擁護する言葉を「オマエは黙っておれ」と遮ったシーンに
彼の妻の苦悩と彼自身の誠実さ、また実直で真っ直ぐにしか生きられない不器用さが
良く現われておるの~っと思った
そこまで誠実だと…もしや彼は、すずが元気で幸せか?の確認もしたかったのだろうか?
とか、深読みしたくなる(笑)
昨年葬儀で、出棺の挨拶を故人の妻である姪が「辛くて出来ない~」と
「すず」に押し付けようとした時に、「これは、大人の仕事です!」っと
幸が一喝したシーンがあったが、28歳の若い幸に言われ、当の本人の姪には通じなかったが、このオジの心には何か通じたモノがあったのであろう
一緒に暮らせなくても、このオジやオジの所での生活を選んだ血の繋がらない弟など
すずに気遣いを見せる人が居ると解っただけでも、何だか気持ちが爽やかになる。
姪の不始末や、すずを手放した事などを考えれば、彼の行動は当然と思いがちだが
かといって誰でも出来る行為ではないだ。
「誰かと見上げる花火」
4姉妹の暮らす鎌倉で、花火大会が開催される
4姉妹4人4様の「誰と花火を見るか?」が、恋やら愛やら酔いやらと絡み合い
今後の展開を暗示させる作品となっている(笑)
さて…鎌倉の花火大会。例年は8/10が開催日となっておりますが
今年は8/10が大潮にあたるため、少々早めの7月21日(水)となってます(笑)
(大潮だとな、浜辺が少なくなって見物客が見るスペースが減るだよ~)
場所は鎌倉海岸の材木座・由比ヶ浜です
なんと言っても大人気の花火大会でやんす。毎年平日開催なんですが
それでも、相当な混雑が見込まれるかと…思われます
我も「すずちゃんと同じ花火を見たい!」とか思ったアナタ。心してお出かけ下さい~
「陽のあたる坂道」
で…タイトルにもなっておる「陽のあたる坂道」どす。ここから受けるイメージは…
明るい前途は見えておるが、そこへ至るまでがシンドイ。かの…(アハハハハハ)
ま、これは最近ユルイ坂でも息が上がる私世代の感覚どすがの~(笑)
夏休み中の「すず」と長女の幸が二人揃って買い物に出かけるのだが
帰り道、「コッチの方が近いよ~」っとすずが選んだ道「切り通し」
この道がまた…ロングロングな坂道での~~(笑)
この道をすずはサッカーの練習が終わってから「自主練」と称し駆けあがっておる
そういえば…父親の葬儀の時にも「こっちの方が近いので」っと
3姉妹をいざなった道も、ロングロングな登り坂だったよな~(アハハハハ)
そして…そんなロングロングな登り坂に父との思い出があったりする
坂道には、困難に出会っても真っ直ぐに進むすずの、素敵な性格が隠れておるな~
「なんか いくら努力しても どうにもならないことって やっぱあるけど
だからって別に 終わりじゃないんだなって」
この坂を姉と二人で登りながら、そんな風に感じたことを話す「すず」
この坂とは別な、大きな坂を一つ登ったねっと暖かく見つめる「幸」
この二人、似ておるの~(笑)
「お姉ちゃーん、甘め? 酸っぱめ?」「すっぱめー」
「薄めー? 濃いめー?」「濃いめー」
昨年漬けた梅ジュースを姉の分まで作るすず。
こんな会話からも、一年ですっかりこの家に馴染んだ「すず」の様子がうかがえて
ちょっとニヤリっとしてしまう、そんなお話しであった
「止まった時計」
止ってしまった時計の針が動きだす瞬間って見たことあるかい?
電池が切れてしまった時計の場合、電池を入れ替えると
時計の針は、なんの戸惑いもなくスっと前へ進んでいく。あっ気ないくらいである(笑)
人の心の中にある時計が止ってしまった場合でも、
何か電池に変わるようなキッカケがあると、あっ気ないほど簡単に前へ進む時がある
そんな出来事が長女の幸に起こった
ただ人の心は機械で出来ている時計と違い、キッカケは一つではないし
誰かの手から与えられたモノでもなく、自分で見つけてこそキッカケとなりうるので
幸の場合、3年かかった
それは、「終末医療の現場で働かないか?」と婦長から打診を受けたことだったり
看護師として、もう一歩踏み込んだ心のケアが必要と感じ始めた気持ちの変化だったり
人の悪所ばかりを指摘し、良い所を見ていなかった事に気付いたときだったり
中学生の妹が、キラキラする何の後ろめたさもない青春を送っている姿を見たときだったり
そんなそれぞれな出来事が、心のパワーとなり栄養素となろうとしている時に
自分の時計の針を止めていた原因が、遠く他所の国へ行くと言う
その瞬間、幸の心の中で全てがスパークし、新たな稼動を生み出す電池が生まれ
そして、止っていた針が、スっと前へ進んだ(笑)
夜勤明けの幸は早朝、出勤前の彼を海辺へ呼び出し二人で海を見ながら朝食を取る
そして爽やかに「一緒に行けない」っと告げた
海辺のある町ってエエな~~っと思った瞬間である(笑)
幸が海辺である生き物を「パコ~ン」とカバンで引っぱたくシーンがこの後あるが
今回の巻の中で、この場面が一番好き。見事なホームランであった(ガハハハハハ)
妹はサッカーだが、長女は野球か?っと解り、笑った
この漫画を読み終えた時、初夏、まだ海水浴客が押し寄せる前に
「海へ行こう!」っと思った
我が家から一番近い海、それは幸いな事に…鎌倉である(アハハハハハ)
ワシって。幸せかもしれん!
そんな気持ちにさせてくれる漫画であった~(笑)
Posted by ブクログ
以前暮らしていた地に戻って家族になれなかった人たちとの再会、失恋、幸の恋愛事情を知ることですずは大人になっていっている。高校受験の話も出たり、こうだったね、だけじゃない、こうしよう、という明日が描かれている。幸曰く「すずの時計の針は少しずつ動きはじめてる」のと同じように、楽しくて後ろめたい時間と別れを告げた幸も明日に進む一歩を踏み出したんだろうな。帯コピー「後悔と決断。」
Posted by ブクログ
父の一回忌、陽子にははや次の恋人ができて土地を離れてた/陽子の息子のうち和樹は河鹿沢温泉に残っていた《あたしたちはとうとう家族にはなれなかった》p.40/すずは裕也のことが気になりはじめるが裕也には彼女(らしき相手)がいた/幸の不倫が妹たちにバレた/幸と新設の緩和ケア病棟/佳乃と坂下係長/裕也が試合形式の練習に参加、皆がショックを受ける中、風太だけは反応が違った/幸の別れと新たな道。
■簡単な単語集
【浅野陽子】→陽子
【あづまや】父が働いていた旅館。河鹿沢温泉にある。
【アライ】さちを悩ませることが多いドジ看護師。姿をなかなか見せてくれない。この人と組むと急変多発。おたんこナースって感じやけど本当に重大なミスはしないし患者への手当はていねい。
【アロマテラピー】井上に聞いて幸も講習会に参加してみた。
【飯田】陽子の叔父で司法書士。
【井上泰之/いのうえ・やすゆき】湘南オクトパス監督で市民病院リハビリ科勤務の理学療法士。この人のおかげで裕也の命が助かったという面が強い。オクトパスの子どもたちからは「ヤス」と呼ばれている。
【岩井寛/いわい・かん】朋章と同じショップで働いている。
【岩崎光司/いわさき・こうじ】朋章のとこに出入りしていた植木屋の息子。自殺した。朋章は「おれが殺した」と言った。
【大船】通称「大船」、名字不明。香田三姉妹の大叔母。ぶしつけ攻撃あり。
【尾崎光良/おざき・てるよし】風太の兄。
【尾崎風太】→風太
【和樹】陽子の息子。河鹿沢温泉に残った。
【カマドウマ】茶色っぽいコオロギのような昆虫。一部ではGとええ勝負なくらい嫌われている。佳乃の天敵。個人的には知人の別荘開きを手伝ったとき倉庫にビッシリいるのを見てゾッとしたことはあります。一匹一匹ではそんなに気になりません。
【緩和ケア病棟】市民病院に新設される予定。そこにいかないかと幸に打診が来る。
【嫌い】《「嫌い」は「好き」よりずっと早く伝わってしまうのかもしれない》第三巻p.39
【坂下】佳乃の上司、係長。お人好しっぽい。たぶん佳乃のお相手になりそう。
【佐助稲荷】ご近所の稲荷神社。
【幸/さち】長女。香田幸。佳乃は「シャチ姉」と呼ぶ。市民病院の看護師。
【椎名和也】市民病院の小児科医。裕也と親しい。クリスマス会でトナカイのかっこうをしていた。奥さんとは別居中。幸とつきあっている。箸を噛む癖がある。
【湘南オクトパス】地元の少年サッカーチーム。
【すず】浅野すず。腹違いの四女。父の不倫→再婚相手の娘。仙台にいた頃少年サッカーチームの強豪青葉JFCでレギュラーだった。出会ったときは健気さが前面に出ていたが、サッカーをやってるときは活発で強気な面が出ている。
【父】不倫して離婚、その相手と結婚しすず誕生。その相手が亡くなった後陽子と結婚した。
【千佳/チカ】三女。香田千佳。葬式に出るにあたってなぜかパンチパーマにした。スポーツマックス藤沢店勤務。ヘビが苦手。
【朋章/ともあき】藤井朋章。佳乃の現在の恋人だが高校二年生だと発覚。稲村のマリンショップで夜だけバイトしている。ルックスは良い。佳乃はガテン系の男とつきあうことが多かった。母親は医師のようだ。今度叔母さんのいる小笠原のショップで働くことになった。
【智樹】陽子の息子。陽子といっしょに出ていった。
【浜田】チカの勤めるスポーツマックス藤沢店店長。
【原尚之/はら・なおゆき】朋章と同じショップで働いている。
【風太】尾崎風太。湘南オクトパスの選手。背番号十八番。
【藤井美佐子】旧姓。さちの看護師の先輩。伝説のスーパーナース。甥っ子がうちのショップで働くことになったと言っているので朋章の小笠原にいる叔母さんて人のことなのだろうと思われる。
【藤井病院】朋章の実家。藤井産婦人科のドラ息子は有名らしい。
【藤沢女学園】通称「ふじじょ」。お嬢様学校。みぽりんはそこの生徒。
【将志/まさし】緒方将志。湘南オクトパスの選手。関西出身。
【みぽりん】坂下美帆。湘南オクトパスのゴールキーパー。腰越漁師の娘。兄は佳乃の上司で係長。
【都】香田三姉妹の実母。
【面掛行列】九月十八日。
【ヤス】→井上泰之
【裕也】多田裕也。湘南オクトパスの選手。主将。重篤な病気が発覚脚を切り落とすことになった。
【陽子】父の今の奥さん。父は再再婚ですずを連れ、陽子さんは再婚で男児二人を連れてきた。
【佳乃/よしの】次女。香田佳乃。スタート時二十二歳。鎌倉八幡信用金庫勤務。父親は優しかったという印象が残っている。酒好き、男運なし。カマドウマが苦手。
匿名
リアルなダメさ
香田家の三人とすずの四姉妹は、彼女たちの父親の一周忌のために久しぶりに山形を訪ねていた。
しかし、父親の妻であった陽子はすでに別の相手がいて結婚を前提にお付き合いをしておりもう旅館にはいなかったのだった。
そんな状況なので陽子の代わりに幸が喪主を務めることになってしまう。
空いた口が塞がらないという感情が無くはないが自分たちの母親のこともあり気持ちを抑えてドライになる香田の三人に対して、父親がかわいそうで感情的になるすず。
ひとり飛び出して頭を冷やす彼女の元に千佳がやってきて二人で話す。
その中で父親が仕事も家の事も頑張っているから恋愛のことについて口出しするのもどうかと思い彼の好きな人ならと受け入れたが、本音は最初から陽子のことが好きではなかったと吐露するすず。
しかしそうすることで気持ちの整理がつくのだった。
陽子の子供である和樹の成長具合にびっくりしたが、陽子の頼る相手を常に見つけて周りを振り回す人生にドン引きした。
Posted by ブクログ
4人の姉妹を設定することで、それぞれの物語を並行して走らせ、かつ絡み合いながらということに成功している。巧みである。一部映画化にも盛り込まれたエピソードがあった。この巻では、長女・幸の問題が一段落するところが描かれていた。先が読みたいが、まずは映画版を再度見ておきたいと思う。
Posted by ブクログ
3人姉妹と、昔に離婚した父親の母親違いの子供の4姉妹の物語。焦点を個々に当てることで、ここまで瑞々しく新鮮に見える景色があることに驚く。さすが。
Posted by ブクログ
すずが鎌倉に来て1年。かたくなだったすずが少しづつ心を開いてきて、本音が出せるようになってきた。幸と喧嘩したり、裸で扇風機に涼んだり。でも、カーテンは使えない。
幸や佳乃にも新しい出会いがあったような、ないような。
Posted by ブクログ
お父さんの一周忌。あれから1年が経ったんだな。すずは少しは中学生らしくなれただろうか。花火にまつわるエトセトラ。それぞれの想い。
鎌倉の坂ってすごいんだ・・生活圏内にあったら大変そう(- -;)
Posted by ブクログ
〜「嫌い」は「好き」よりずっと早く伝わってしまうものかもしれない〜
〜山は人の心の中にあるのかもしれない〜
〜どうにもならないことってやっぱあるけど だからって別に終わりじゃないんだなって〜
〜自分自身にも嫌気がさした それでも楽しかったあの時間 あれはいったいなんだったんだろう〜
Posted by ブクログ
お父さんの一周忌で山形に行ったら、陽子さんが既に男を作って町を出ていた、という衝撃の事実が発覚する。
ある意味予想通りというか、期待を裏切らないというか……。
色んな人が意外なところで繋がってるのね……というのが段々と見えてくる。
“ご都合主義”っていうよりは、それだけ狭い街なんだろうなー、という感じ。
Posted by ブクログ
鎌倉を舞台にした四姉妹の『海街diary』の第3巻。
30歳の長女さんは不倫相手が離婚したにも関わらず別れを決意か~。
トシとるといろいろと大変だね。
逆に一番下のすずちゃんは、青春まっただ中でいいなぁ…。
ってわが家の昭和生まれ女性陣たちが言っています。
Posted by ブクログ
第三巻「陽のあたる坂道」。
この一冊で、すずちゃんがずいぶん成長した印象(^ ^
もちろん他の人々も成長はしていく訳ですが、
すずちゃんがとても表情豊かになってきたし、
年相応の「はつらつさ」が出てきた感じで
良かったよかった(^ ^
そして、やはり鎌倉の風景やお祭りなど
作者は鎌倉ネイティブなのかなぁ...
とすら思わせるほどさり気なく、
かつ印象的に散りばめられている(^ ^
あぁ...鎌倉行きたい...(^ ^;
Posted by ブクログ
幸の元先輩が朋章の叔母とか(前巻)佳乃の上司が美帆の兄とか、どんだけ世間が狭いの鎌倉…(笑)。ひとつの出来事について、様々な立場からの視点を丁寧に描いている点は流石だと思う。風太がすずとイイ感じになって、フニャってカオになるところが好き。追記20130816;すずがチカとキャッキャはしゃいでいる場面。両親を亡くした子どもが、こんな風に笑えるようになってよかったね、ほんとによかったね、と、涙がにじんでくる。(2013-07-27L)(2019-09-12)
Posted by ブクログ
街の中を誰かを歩くのっていいなぁ。
おねーさんとだったり、風太だとだったり。
千佳以外の3人が3様の花火の風景だったり、同じイベントを視点人物を変えてというエピソードが多いんだけど、人物がそれぞれに出てたり、それぞれの前後だったりで面白い。
ヤスとさちが接近して、見直しエピソード。そして、つぶれてアプローチを保留。そして、椎名先生とはお別れ。どんどん接近してるなぁ。
佳乃と係長も、見直しエピソードが。こっちはちらっと。
風太もかっこいい。毎巻かっこいいところがあるなぁ。やるな風太。
誰かと見上げる花火で、最初にメールが来た時に、自販機を前に係長が携帯構ってるシーンがあって、伏線になってたんだなぁーってのが驚き
力餅家って実在するんだね。ちょっとおどろいた
Posted by ブクログ
…巧みな心理描写は「死」を描くことで深さを増す。登場人物たちの死に対する思い、その交錯が見事。死を身近に体験した者が知る、悲しみと優しさと強さが全編に。小説とひと味違うリアル感だ。その点で、中学生に、中学生を持つ親や先生に読んで欲しい…続く…
Posted by ブクログ
すずはまだ子供だし、お父さんとの思い出もある訳だから
シャチ姉も本当のことばかり言わないで
もう少し寄り添ってあげたら良いのに。
チカは一番歳が近いからか、よく寄り添ってくれるのがほっとする。
シャチ姉はしっかりした人だと思う反面
八つ当たりで他人に厳しく当たることが多いのが気になる。
アライは確かに駄目なのだろうが、周りを怯えさせ患者も驚かせ
仏頂面で体操する理由が不倫相手とのデートがキャンセルされたから、なんて勝手過ぎ。
父親が他の女が出来て出て行ったのに
よく自分が不倫する気になれるものだ。
ぎゃんぎゃん怒られた直後に二人で出かけられるような
さっぱりとした関係は羨ましいなと思う。
すずが
いくら努力してもどうにもならないことはあるけど
だからって別に終わりじゃない、と言うのが良い。
いつかカーテンを選べるようになるのを待つのは良いが
それまでブラインドとかロールカーテンでも
買ってあげれば良いのに。
シャチ姉も前に進めそうで良かった。
クズしか出てこないww
すずの継母だった陽子もとんでもないクズだったw
生活力なくて男にぶら下がってしか生きる事のできない女。
それでもしたたかに子どもを守るっていうならいいんだけど、自分第一でそうじゃないからなぁ。
和樹も苦労する。
Posted by ブクログ
すずちゃん中心の話は一旦落ち着き、長女の恋愛話。
話の中で姉妹たちが行く鎌倉のいろんな名所を地図で確かめたいと思い(3巻まできてようやく)、まずは光明寺を。材木座にあった。行ってみたい。
Posted by ブクログ
気になるのは。。
和樹の行末。
あの街で、彼はどんな暮らしをし、どんな成長をするのだろうか。。。
家族を持つことができたすず。
家族から話された和樹。
すごくそれが気になっている。
Posted by ブクログ
父親の一回忌で山形へ。
義母の事だったり、義弟の事だったり、テーマは重いはずなのにちっとも暗くなく、むしろほっこりする感じに描かれている不思議。
他の人も書いているが
「嫌いは好きよりずっとはやく伝わってしまうのかもしれない」 ナルホド。
長女の恋に決着。
四女のカーテンの話にリンクして、でも前向きでよかった。。
アライさんてどんな人なんだろう。。