吉田秋生のレビュー一覧
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「河よりも長く..」が男子高校生を描いているものだとすれば、これは女子高校生たちのオムニバス形式の物語。
思春期の頃は些細なことで傷つき、悩んでいた。いつまでこの苦しみが続くんだろうと思っていたが、思い返せば長い人生であんな繊細な感情を持つ時期はほんの一瞬だ。少女から女性に変わる正にその一瞬の時期を見事に描き出している作品。それぞれの短編につけられた題名もいい。中でも「花冷え」に関してはネットをざっと見ても非常に評価が高い。私も勿論「花冷え」を含む全ての物語が好きだが、初読の時は「花酔い」で初恋のお兄ちゃんの前で清水さんが泣いてしまうシーンにぐっときた。当時彼女達と同じくらいの年齢だった私は「 -
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「きみは愛するものに対する攻撃にはほんとに弱い人だね…自分自身に加えられる攻撃には信じられないほど強いのに いつか必ず、そのことがきみの命取りになるだろう でもきみは―それでも仲間を見捨てることなんかできないんだろうね…」
バナナフィッシュの「刷り込み」により、英二を殺そうとするショーター。アッシュの呼びかけにより一瞬だけ正気に戻った彼は、殺してくれとアッシュに懇願する。再び自我を失い英二を襲うショーターの心臓に、拘束を解かれたアッシュの銃口が向けられる。引き続き痛い流れです。バナナフィッシュの生みの親、ドースン弟に弾切れになっても放心したまま銃を撃ち続けるアッシュも、ショーターの前での最後の -
購入済み
全巻読み切った!!
16巻くらいまで、面白さを感じなかったけど、疾走感が良くて没頭して読んでしまった。
個人的に「光の庭」が一番好き。アッシュはいないはずなのに、圧倒的な存在感を感じた。
世間で絶賛されてる程にはハマらなかった…けど、アッシュとエイジの2人が愛される理由はとても分かった。読んで良かったと思う。 -
Posted by ブクログ
『BANANAFISH』はキャラクターや関係性が魅力的で親しみやすさがありましたが、『夜叉』はキャラ以上にストーリーが重視され、『BANANAFISH』よりもさらに作り込まれていると感じました。遺伝子工学や国際関係、軍事、沖縄の伝統文化、日本古来の言い伝えなど様々なモチーフが複雑に絡み合っていて吉田秋生先生の勉強熱心なところが伺えます。シン・スウ・リンが再登場したところも激アツでした!今の少女漫画にはない、ハードボイルドなカッコよさと、やっぱり吉田秋生先生ならではの男性キャラの色気があります…!恋のかけひきも余白が多く、文学的で上品かつどえろいです。これは有末静や凛が次に活きてくるであろう『イ