【感想・ネタバレ】櫻の園のレビュー

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ネタバレ購入済み

花開く乙女心をしたためて・・・

2019年07月18日

春は終わりと始まりの季節。何かを失くし、何かを手にし、何かを想う乙女達。一度しかない青春時代の花の盛り。刹那の一幕を情緒深く綴る香しい群像劇・・・と言うと堅苦しいですが、正直そんな堅苦しさもあります(笑)だって堅苦しい上に垢抜けなくて澱んでて古臭くて晴れ晴れしない・・・誰もが学校と言う空間に対して少...続きを読むなからず思いませんか?
この漫画はそんな平凡な女子高の空気を切ないにおいを伴って表現し、女とは?青春とは?と問いかける傑作です。
「櫻の園」を上演する食傷気味な伝統を背負う演劇部員4人の悩みは、どこか似てたり似てなかったりする思春期特有の物ばかり。
彼氏と喧嘩する子あれば男を蔑む子、失恋する子もいて皆落ち着かない。女性であればそんな女心のざわつきに頷いてしまう場面が少なからず見つかると思います。
舞台の本番は描かれませんが、元々「櫻の園」は過去や愛を胸に巣立つ人々の喜劇とも悲劇ともつかない人生の物語。各々の恋や疑問や葛藤を経て変わったヒロイン達にぴったりで大成功だったはずです。
敢えて本番の代わりに演劇部OGの感慨深い再登場で話が締めくくられる演出が粋です。最初は苦い初恋の思い出に涙し、物語に影を落としていた彼女ですが、「感情だけが支配する場所、夫を持たない王女達だけ」と評される学園で桜を仰いだ頃を笑って夫に語る姿は、季節と共に何かを乗り越えた王女達の未来の姿に違いありません。

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Posted by ブクログ 2011年01月04日

その女子高校は、卒業する女生徒達が毎年植える何百本の桜の木に取り囲まれ、「桜の園」と呼ばれている。

美しく咲き、ぱっと散っていく桜はまさに少女時代そのもの。
この場所で、自分の性に恋に葛藤し、少しずつ大人になった少女達。
彼女達が残した桜の木は、春には満開になり、そして散ってゆく。
今少女の人、か...続きを読むつて少女だった人なら誰もが共感し、
彼女達と同じ、何の目論見もない透明な涙を流せるはず。
ずっと手元に置いておきたいし、いつか娘ができたら読ませたい。
吉田先生、ありがとう。

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購入済み

やはり大好き

2021年11月16日

初版の単行本の表紙の美しさを思い出しました。緩やかなオムニバス形式のお話、思春期のコイバナ。80'sデートと「ジェダイの復讐」。JKなんて呼び方はなかった彼女たちのお話。やはり読んでて気持ち良いです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年07月31日

この漫画を原作にして、中村明日美子先生にリメイクしてもらったらそれはそれはえろ素敵な雰囲気漂う女子高漫画になる気がする。
このままでも素敵なんだけどね。

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Posted by ブクログ 2011年11月08日

ずっと昔から時々読み直している本です。
ほんとうに好きで好きでたまらなかったのよ
というお姉さんよりどんどん年上になってしまうけれど・・・

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Posted by ブクログ 2011年05月07日

桜に囲まれた女子校の演劇部で毎年繰り返す演目の「櫻の園」。
と云う舞台装置で展開する、大人への転換期を生きる少女たちの物語。
ストーリー構成と心理描写が絶妙な味わい。

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Posted by ブクログ 2010年09月22日

一年に一回は、必ず読み返す漫画です。
そして、読むたびに胸が痛くなる漫画です。
女子には、間違いなくお勧め。
乙女心って??と思ってる思春期男子にもお勧め。「せいりだー!」などと叫んでるおバカな男子は、一生恨まれるということを学んでください(笑

連作短編の形を取った、少女漫画です。

...続きを読む人的には「花紅」の杉山が一番好き。
「派手な子たち」(本人は楽しいと思ったことをやってるだけなんだけど)、と後ろ指をさされ、挙句の果てには「売春」やらダークな噂を立てられた時の、この台詞。

「マジでチャランポランをやるには このくらいでめげてはいかんのだよ」

この前向きすぎる台詞と、後姿。
どんな顔をしているのかは描かれていないところが、堪りません。演出(っていうのかな?)が上手すぎます。そしてカッコよすぎです。

気持ち的に分るというか、胸が痛くなるのは「花酔い」の志水さんの物語なんですけどね。
「女である」と意識する(される)事が何よりも嫌だった思春期。みんな、何処かしらに思春期を残したまま、大人になっていくのかもしれませんね。だから、この漫画を読むと、胸が痛くなるんでしょう。

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Posted by ブクログ 2010年06月30日

女くさすぎて、どきっとしてしまう。女というものの本性をこんなに鮮明に繊細に暴かれて、私はおろおろと一人で狼狽するしかなかった。すごい作品だ、これは。

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Posted by ブクログ 2009年11月20日

少女がオンナという生物になる過渡期を、本当に丹念に描いている作品。何と言うか……侘び寂びの世界なんですよねぇ。これは。
女子高出身の方は、より理解が深まるんじゃないかと思ったりします。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

「桜の園」と呼ばれる女子高を舞台に、性や恋、あるいは自己実現をめぐって揺れ動く少女たちの繊細な心を描く連作。
自身の若さや女性性への不安感や戸惑いが丁寧に描写されてゆく。
どの話でも、目の前の困難を、逡巡しながらも乗り越えて大人になってゆく少女たちの姿は力強い。
きっと彼女たちは“僕の周囲にいた彼女...続きを読むたち”なのだろう。

「次生まれ変わるなら女性に生まれてみたい」なんてことを思ってしまった。なかなかしんどそうだけど楽しそうだ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

今は手元にないマンガ。
初版本を持ってました。売っちゃったけど。。。
最近2度目の?映画化みたいですね。
売らなきゃ良かったなぁ。もったいないことした。。。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

女として生きていくことの喜びと悲しみ、そして息苦しさ。名作中の名作。素晴らしい。巻末の解説もよかった。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

毎年春の創立記念日に『桜の園』を演じるのが伝統になっている女子校で、演劇部に所属する少女たちの葛藤を通じて、少女たちの人間関係と心理を描く。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「ほんとうに好きで好きでたまらなかったのよ」

《カテゴリー→女女、男女、女子校、同期》
日々の中で忘れた制服の重さは
制服を着れなくなった頃、やっと分かる。
そんな年代の人が読んでこそ泣ける。
本当に好きで好きでたまらなかった、そんな言い訳しか
できないくらい無我夢中な気持ちを知ってしまったら
...続きを読むうしてそれを忘れられるだろう。
たとえ自分の隣に誰がいようと、その人を忘れることはできない。
それが私たちの性だと思う。

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Posted by ブクログ 2010年09月25日

「河よりも長く..」が男子高校生を描いているものだとすれば、これは女子高校生たちのオムニバス形式の物語。
思春期の頃は些細なことで傷つき、悩んでいた。いつまでこの苦しみが続くんだろうと思っていたが、思い返せば長い人生であんな繊細な感情を持つ時期はほんの一瞬だ。少女から女性に変わる正にその一瞬の時期を...続きを読む見事に描き出している作品。それぞれの短編につけられた題名もいい。中でも「花冷え」に関してはネットをざっと見ても非常に評価が高い。私も勿論「花冷え」を含む全ての物語が好きだが、初読の時は「花酔い」で初恋のお兄ちゃんの前で清水さんが泣いてしまうシーンにぐっときた。当時彼女達と同じくらいの年齢だった私は「そうだよね、これは泣くよ」と頷いた覚えがある。何故なのか理由はうまく言葉で説明できないのだが、これを丁寧に描き出す吉田秋生はすごいなと思う。

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Posted by ブクログ 2017年02月05日

『海街diary』作者・吉田秋生の初期作品。
なんだか絵が全然違う……けど、構成や魅せ方はさすがというか。

少女が女になる時って、初潮とかロスト・ヴァージンとか、そういう生物学的なところではなく、“心が自分の女性性を受け入れた時”なんじゃないかと感じさせる話。
そう考えると、自分は二十歳を過ぎてか...続きを読むらだったから、割と遅い方だったかな。

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Posted by ブクログ 2014年06月02日

女の子、女子、女、オンナって全部違う生き物だけどひとつの囲い(学校とかクラスとかヒエラルキーとか)に囲われても共存できうるのはすごい。だからその内で理解できないことがあっても特段不思議な、それによって苛立つことなど何もない。

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Posted by ブクログ 2013年02月11日

評判が高いので、手を出した。読み始めた時は、何でそんなに良いと云われるのかピンとこなかったが。もっと、乙女チックな画風かと思っていた。少女達の顔の書きわけがあまり巧くないんじゃないかな。

チェーホフの櫻の園を演ずる伝統がある女子高校という設定だが、チェーホフの劇に重なる部分があるわけじゃ無かった。...続きを読むやがて過ぎ去っていく少女時代を櫻の園と呼んでいるんでしょうね。桜の木々がもっと奇麗に描かれていたら、印象が良かったかな。

でも、なかなか女の娘は難しいもんだな。最後まで読み通すと、なるほど若い女性の共感を得たのが判った。
オジサンは30数年前の高校時代は男子校だったけど、男の子なんて単純なものだったよ。

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Posted by ブクログ 2012年07月29日

“数百本の桜に囲まれた丘の上の女子高校、桜華学園。花の季節になると。薄紅のかんむりをかぶっているように見え、誰が名付けたのか、そこは「桜の園」と呼ばれていた。桜華学園演劇部では,その名にちなみ春の創立祭には、必ずチェーホフの「桜の園」を上演するのが、伝統になっていた―。そんな演劇部に所属する乙女達の...続きを読む思春期のほのかな心情を桜の花に寄せて綴る―。”―裏表紙より。

 ◇櫻の園1.花冷え
 ◇櫻の園2.花紅
 ◇櫻の園3.花酔い
 ◇櫻の園4.花嵐

 ◇スクールガール・プリンセス


満開の季節には、かすむほどの桜の木に囲まれた、女子高が舞台。少女達の思春期の悩みを描いたオムニバス作品です。

かなり昭和の香り漂う作品で、共学だったワタシには共感しかねる部分も多々あるけれど、学生時代のこんな切なさは、みんな通り過ぎてきたんじゃないかなぁ?

ときどき読み返してみたくなる、なんだか卒業アルバムみたいな一冊です。

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Posted by ブクログ 2011年08月21日

ありふれた青春の日々。なぜなのか「花冷え」では涙があふれた。時は流れて大人になって、思い出すその時のことを。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年08月18日

櫻花学園では、チェーホフの「櫻の園」を創立記念に演劇部が上演する。校舎に「ごきげんよう」と声をかける習慣もある女子高で、櫻の園を演じる少女達を描く。少女から大人へ、細やかな心理描写がいい。

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Posted by ブクログ 2010年02月07日

思春期の少年少女の心の揺らぎ、みたいなものを
すごくよく描いていると思う。
吉田秋生さんはアクション・SFもいいけど、
こういう何気ない日常を描いた話がすごくいい。

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Posted by ブクログ 2012年07月12日

創立祭で毎年上演される「櫻の園」
その女子高演劇部員の子たち、友人、卒業生の姉など、女子の心の機微を、
生々しくも、生き生きとした感情で表現された名作。
読み終わると、いつも心がざわめいてしまう。
いつまでも、どこかで共感できる気持ちを持ち続けられたらいいな、と図々しくも願う。
最近、監督自身でリメ...続きを読むイクされたとのこと
でもでも、やっぱり、中島ひろ子が好き♪

監督 中原俊
主演 中島ひろ子 つみきみほ
1990年

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

吉田秋生さんの描く女子校を舞台にそれぞれに主人公の変わるシリーズものの短編集。どの主人公のテーマにも共感する部分があるけど、その共感する部分がせつなく、悲しい(◆)

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

いわゆる通過儀礼の物語かな。
「あのぎこちないキスはもう2度としてもらえない」
これはかなり切なくなりました。

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Posted by ブクログ 2018年06月28日

(01)
およそ4人の女子高(*02)の高校生それぞれの,4章からなる物語で,家庭と社会の間にある学校,そして友人や恋人の関係が描かれる.ゆえに描かれる時間は,ある寸前でもある.
重要な演劇の寸前でもあるし,それは高校2年生から3年生へと,開き,散り,実る寸前でもある.主要な人物たちには,高校生なり...続きを読むのそれぞれの時間間隔がある.小学生という過去の自分,姉や年上の彼に重ねられる未来の自分,作品の中では短い時を取り上げているようでいて,過去や未来を含んだより長い時間,やや言い過ぎであるかもしれないが,永遠という無時間の中で,自分の時間が相対化されており,その引きの感覚が,作品に情動を与えている.

(02)
女性性とは何か.現代のジェンダーの問題にも通じており,4人ほどの主人公たちは,それぞれ自分という不思議な存在を,高校生という枠組や社会が求める女性性の型に,うまく嵌め込めずにいることのメランコリックがある.
あれでなければいけない,これでなければいけない,という制約の一方に,演劇という,あれなるもの,これなるもの,という世界を対置し,若き存在たちがそのあたりで震えている.
目鼻口が省略されるのっぺらぼう,コマ割りに顔面の口から上の鼻や目や頭が切断されるショット,この空白や枠外に読者の想像が及び,作品世界が読者それぞれによって補完されているようにも感じる.

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年05月27日

ほとんどの作品には、人生のうちで読むべき旬があるように思う。幼い頃に読むべき本、思春期に入って読むべき本、成年後に読むべき本、老年に入って読むべき本……。この作品は、珍しく読むタイミングを選ばない本なのではないかな。青春時代に読んで自分を重ねてもよいし、成年後に過ぎ去った時代を思い出しながら読むのも...続きを読むよいんだろう。懐かしい気持ちになった。吉田秋生の作品はハズレが少ないけど、その中でもこれは名作だ。

元ネタの櫻の園を読んでいないのだけど、読んでいたらもっとこの作品を楽しめたんだろうな。

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Posted by ブクログ 2013年04月10日

舞台は女子校だけどそれぞれの悩みや葛藤は女子校だからと言うことでもない感じ。10代の危なかっしさとかズルさとか不器用さとか。

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Posted by ブクログ 2011年05月09日

私、この手の悩みって通ってこなかったのかしら。これがピンと来ない自分を分析したい。
女子校ストーリーよりも、最後の夫婦物語の方がぐっときた。

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Posted by ブクログ 2010年03月30日

「あたしは彼女たちを嫌うのやめました
不平不満もほどほどにしようと思うし
あいかわらず道草はやめられないけど
なんたってあたしには気の合う女友だちがいて大好きな男の子がいて
それだけでなんか世の中楽しくなるような気がするんです」

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Posted by ブクログ 2010年02月03日

チェーホフの「桜の園」をしっかり読んだので、再読。
映画にもなった作品で興味深く、購入していた。
何度目かになるが、今回は戯曲「桜の園」と絡めた視点で読んでみた。

シチュエーション的に学校自体が「桜の園」なわけだが、それが売りに出されるわけでも無い。
ただ、桜にかこまれた女子校に「桜の園」を上演す...続きを読むる伝統がある、という設定だけのように見えるが、勝手にこじつけてみる。

今作品は、女性の少女から大人への変化を描いている。
大人になってしまう事への罪悪が、とても的を得ていて、凄いなぁと関心してしまった。
私自身が強く感じてきた事なので、多くの女性が感じている事に驚いた。
繊細な描き方に関心する。

この「変化」というのがチェーホフと関係があるような気がした。
華々しい青春の象徴のような桜の園の中で、実は大きな変化が刻一刻起きている。
というのは考え過ぎだろうか?

桜の精霊は男だ。だからこの女子校は何千もの男たちに囲まれている、というエピソードが好きだった。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

アツコ、すぎやま、由布子、知世子。
少女から大人の女性へと変わっていく物語。
感情だけが支配する場所、夫を持たない王女たちだけの国。

未だに彼女らの不安のようなものを感じて生きてる自分。
この国はすごい心地がいい。
・・・一種のネバーランドかね、もしかしたら。

吉田秋生ということで、Book1s...続きを読むtにていつだったか購入。

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