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花開く乙女心をしたためて・・・
春は終わりと始まりの季節。何かを失くし、何かを手にし、何かを想う乙女達。一度しかない青春時代の花の盛り。刹那の一幕を情緒深く綴る香しい群像劇・・・と言うと堅苦しいですが、正直そんな堅苦しさもあります(笑)だって堅苦しい上に垢抜けなくて澱んでて古臭くて晴れ晴れしない・・・誰もが学校と言う空間に対して少なからず思いませんか?
この漫画はそんな平凡な女子高の空気を切ないにおいを伴って表現し、女とは?青春とは?と問いかける傑作です。
「櫻の園」を上演する食傷気味な伝統を背負う演劇部員4人の悩みは、どこか似てたり似てなかったりする思春期特有の物ばかり。
彼氏と喧嘩する子あれば男を蔑む子、失恋する子もいて皆落ち着かない。女性であればそんな女心のざわつきに頷いてしまう場面が少なからず見つかると思います。
舞台の本番は描かれませんが、元々「櫻の園」は過去や愛を胸に巣立つ人々の喜劇とも悲劇ともつかない人生の物語。各々の恋や疑問や葛藤を経て変わったヒロイン達にぴったりで大成功だったはずです。
敢えて本番の代わりに演劇部OGの感慨深い再登場で話が締めくくられる演出が粋です。最初は苦い初恋の思い出に涙し、物語に影を落としていた彼女ですが、「感情だけが支配する場所、夫を持たない王女達だけ」と評される学園で桜を仰いだ頃を笑って夫に語る姿は、季節と共に何かを乗り越えた王女達の未来の姿に違いありません。
Posted by ブクログ
この漫画を原作にして、中村明日美子先生にリメイクしてもらったらそれはそれはえろ素敵な雰囲気漂う女子高漫画になる気がする。
このままでも素敵なんだけどね。
Posted by ブクログ
櫻花学園では、チェーホフの「櫻の園」を創立記念に演劇部が上演する。校舎に「ごきげんよう」と声をかける習慣もある女子高で、櫻の園を演じる少女達を描く。少女から大人へ、細やかな心理描写がいい。