浦賀和宏のレビュー一覧
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浦賀和宏『カインの子どもたち』実業之日本社文庫。
書き下ろし作品。『Mの女』『十五年目の復讐』との関連作品であり、この作品にも桑原銀次郎が登場する。
死刑確定から40年以上拘置され続けている祖父の孫である立石アキに、アキと同様に死刑囚の祖父を持つジャーナリストの泉堂莉菜が接近する。二人の祖父は冤罪だと主張する泉堂莉菜と立石アキは共に真犯人を捜すのだが……
終盤のしつこいくらいのどんでん返しの果ての救いの無い結末にはがっかりした。また、あろうことか、せっかく登場した桑原銀次郎は泉堂莉菜に大敗北を喫し、以降沈黙。これでは桑原銀次郎を登場させたいみはない。と、浦賀和宏に対する文句は山ほどあるが -
Posted by ブクログ
ネタバレ○ 総合評価 ★★★☆☆
〇 サプライズ ★★★☆☆
〇 熱中度 ★★★☆☆
〇 インパクト ★★★☆☆
〇 キャラクター★★☆☆☆
〇 読後感 ★★★☆☆
〇 希少価値 ★☆☆☆☆
「犯行直後に目撃者を殺した場合」と「犯行直後に目撃者を殺さなかった場合」の二つの設定に分けて「パラレルワールドを描いた作品」だと思わせることがミスディレクションになっている。
プロローグで,「犯行直後に目撃者を殺した場合」の視点人物である花田欣也(加納豪)と編集者の間で「パラレルワールドをテーマにした小説を書きたいんです。」という会話をさせることで,自然と、この作品がパラレルワールドを書いた小説だ -
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あまり感心しない出来栄えと言いますか…特に最終章を読んでも驚くようなことはありませんでした…。
ヽ(・ω・)/ズコー
なんかやたらと会話文が続いて、登場人物がしっちゃかめっちゃかに交錯するものですから、印象の薄い登場人物とか忘れちゃいますよ!? きちんと頭ん中で整理して読んでいかないと混乱しますねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、それにしてもパラレルワールド?的な構成も組み込みつつ、きちんとミステリ作品に仕上げるんですから浦賀氏も変わったというか…初期の、思春期特有の鬱屈したアレとかはもう無くなった感がありますねぇ…。
「記憶の果て」とか、自分は青春小説として読んでい -
Posted by ブクログ
ストーリーよりもトリックを重視する類のミステリである。帯に「絶対に騙される!」とあるように、一部のトリックに感づいても、人物の関係や殺人の動機等、大半の内容は推測できなかった。そのような意味で、本格ミステリとして見れば良作といえるのだろう。ただ、ストーリーやキャラクタをそれぞれ見た場合はどうか。
論理的で話の筋は通っているが、現実的とは感じなかった。もちろん、創作物、特に本格ミステリにおいては現実性どうのでの批判はお門違いの部類に入ることはわかっている。しかし、現実性度外視のミステリは少なくとも私の好みではない。また設定上、キャラクタを深く掘り下げることはできないため、登場人物の魅力は必然的 -
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浦賀和宏『ifの悲劇』角川文庫。
実験小説のようなパラレルワールドミステリー。そして、週刊標榜のライター・桑原銀次郎シリーズでもあった。奇をてらった感が強く、現実味が感じ取れなかった点で小説としては失敗だと思った。しかし、ミステリーとしてはそれなりの面白さはある。
北海道に住む小説家の加納豪が溺愛する妹の彩は婚約者の奥津の浮気を知り、自殺する。妹を死へ向かわせた奥津への復讐を誓った加納は奥津を殺害するも、遺体を車で運ぶ途中に交通事故を起こす。交通事故をきっかけに殺人が露呈した場合としなかった場合の二つの場合が交互に描かれ、やがて二つのストーリーは交わり、衝撃に真実が明らかになる。