加賀山卓朗のレビュー一覧
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ニューヨークの出版社の編集部員であるエドワードが週末を過ごす別荘へ向かう車中で出版予定の小説原稿に添えられた写真と名前は別荘で待つ妻マリーだった・・・小説は事実を基にした70年前の毒殺事件でマリーである筈がないがエドワードの心にはシコリが残る。。。
時期を同じくして別荘近くの大地主でデスパード家の当主が病死するが甥で友人でもあるマークから砒素を使った殺人の疑いがあり容疑者探しを行う。
妻似の70年前の砒素毒殺事件犯人は魔女で”不死者”といわれ時代を超越した幽霊が犯人なのか?
霊廟に安置された筈の当主の亡骸は何処へ?
唯一の目撃情報である”古いフランス様式のドレスを着た女性”は誰なのか?
デスパード家の一族・使用人とエドワード夫妻及び友人医師の怪しい人間関係と隠されたトリックは予測出来ない驚きです!
火刑法廷とは毒殺犯罪者(主たる犯罪者は女性が多い)が処刑として生前や死後に焼かれる事。
特に毒殺は魔術とされ火刑で罰せられた女性を”不死者”として魔術信仰された。 -
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もともとこの夏はディケンズ作品を読もうと思っていたが、ちょうど来月からオーブでこの作品のミュージカル版が上演されるとのことで、一作目は『オリヴァー・ツイスト』にした。
700ページ越えだから早々に挫折するかと思っていたけど、2日で終わった笑
先の展開が気になるように伏線をはるディケンズの手腕を感じましたね…。
酷い場面や恐ろしい場面、血生臭い場面と、安心してほっとできる幸福な場面が交互に描かれて、ある種のスリリングさがあった。
救貧法や新救貧法についても後から調べて勉強になりました。
オリヴァーを中心とした周囲の様々な階級、職業、地位の人々の描写を通して、新救貧法という制度が社会に何をしていたかを露わにするような作品。
実際、この作品が為政者を動かす世論づくりに貢献したという。
エンタメ小説っぽい展開なんだけど、社会批判的視点も含まれているという大衆受けとのバランスがちょうど良かったのかなと。シンプルにオリヴァーが可哀想でこれ以上酷い目に遭わせないで!って思うもん。オリヴァーの描写は当時の子ども観らしく純粋ではあるものの、お母さんを侮辱されたら(責められたほどではないけど)暴力も振るうし、At the Back of the North Windのダイヤモンドよりは全然ましだったかな。
反対に、邪悪または愚かな人々の描写一言一句に大袈裟な皮肉が込められていて面白かった。ただし、偏見が色濃いユダヤ人のフェイギンの描写が舞台版でどう描かれているか気になる。
ちなみに教区吏のバンブル氏は「尊大な下っ端役人」という意味で普通名詞bumbleになっているとか。
女性の描写も結構興味深かった。親切で心の美しいお嬢さん、生まれ落ちた環境のために悪の中で生きざるを得なかったがいまだ優しさや情など女心のようなものを持つナンシー、バンブル氏を尻に敷く抜け目のない夫人などなど…
ヴィクトリア時代の小説の女性も家庭の天使って感じのが多いけど、バンブル氏の夫人はかなり痛快だった。
あとフェイギンの一味の中でも、ナンシーや、少年(名前ど忘れした)は改心の余地があるように描かれていたが、ナンシーはサイクスを愛したがために自ら囚われたまま結局殺されることとなり、まだ若い少年は抜け出すことができたというのも興味深いと思った。
まだチケット取ってないけど、ミュージカル版観たいなと思う。 -
Posted by ブクログ
ピエテル・モリーン、ピエテル・ニィストレーム『死ぬまでにしたい3つのこと』ハーパーBOOKS。
スウェーデンの二人の合作新人作家によるミステリー。昔の未解決事件を捜査するというのはよくあるパターンだが、FBIの特別捜査官がスウェーデンを舞台に事件を捜査するというのは珍しい。読み終えてみれば、余り驚きも無く、さもありなんという無難な結末に少し拍子抜けした。
序盤は2009年のスウェーデンと2019年のアメリカを舞台に物語が展開し、物語の中心は2019年のスウェーデンとなるのだ。
2009年、スウェーデンを代表する企業の社長令嬢エミリーが大量の血痕を残し、失踪する。直前、彼女のFacebookには腕の3つのチェックボックスのタトゥーの最後の1つが埋められていたことを示す写真が残されていた。容疑者として少年ビリー・ネイルマンが浮上するが、死体が発見されず、未解決事件となる。
2019年、FBI特別捜査官ジョン・アダリーは麻薬密売組織の囮捜査を終え、証人保護プログラムが適用される。新たな身分を得たジョンはアメリカを離れ、母国のスウェーデンでヴェルムランド県警察の刑事となる。10年後にエミリーの死体発見の報に、ジョンは捜査に加わり、異父弟のビリーが真犯人だったのかを暴こうとするが……
本体価格1,440円
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ジェイン・オースティンを読む合間に、別の本を読んでみようと思って、同じく英国の代表的作家であるディケンズを読んでみた。
話はそれるが、サマセット・モームの「世界の十大小説」(1954年)の国別構成は、英4、仏3、露2、米1となっていて、作家とタイトルを挙げると、
イギリス
フィールディング 「トム・ジョーンズ」 1749年
オースティン 「高慢と偏見」 1813年
エミリー・ブロンテ 「嵐が丘」 1847年
ディケンズ 「デビッド・コパーフィールド」 1850年
フランス
スタンダール 「赤と黒」 1830年
バルザック 「ゴリオ爺さん」 1835年
フローベール 「ボヴァリー婦人」 1856年
ロシア
トルストイ 「戦争と平和」 1869年
ドストエフスキー 「カラマーゾフの兄弟」 1879年
アメリカ
メルヴィル 「白鯨」 1851年
と錚々たる作品が並ぶ。
英国人のモームだけに、イギリスが多いの当然だろうが、「トム・ジョーンズ」は英文学の研究者以外には、あまりなじみのない作家ではなかろうか。
その代わりにだれを入れたらよいか、モームに合わせて1800年代の作家と作品で考えてみたが、「モンテ・クリスト伯」のアレクサント゛ル・デュマか、「レ・ミゼラブル」のヴィクトル・ユーゴーが思い浮かんだ。
ディケンズが入っているなら、この二人でもいいのではないか。
とちらか一人を選ぶのが難しいというなら、「嵐が丘」ただ一作のエミリー・ブロンテをはずして、デュマとユーゴー両人とも入れてもおかしくないと思うのだが、そうすると英2、仏5になってモームとしては承服し難いだろうから、やっぱりこういう結果にしかならないのかもしれない。
ドイツがないのが意外なのだが、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」は1774年だし、トーマス・マンの登場は1900年以降なので、うまくいかない。あとはスペインのセルバンテスだが、「ドン・キホーテ」は意外と古く、1600年初頭だ。
というわけで、このラインナップ、「トム・ジョーンズ」を除けば誰もが知っている名作中の名作なので、できれば20代のうちに一度は読んでおくべき作品群だ。
それで本作品の「オリバー・ツイスト」なのだが、これまで読んできたオースティンの作品にくらべると、さほど面白くない。オースティンばかりでなく、デュマの作品よりも劣ると思う。面白くさせようさせようという意図が目立ちすぎて、逆に面白くない。
ディケンズの他の作品に較べてデキが良くないだけなのかもしれないが、そういえば過去に読んだ「デビッド・コパーフィールド」や「大いなる遺産」もそれほど面白くはなかった。それからすると、モームの自国びいきがなかったら、はたして十大小説のラインナップに名を連ねることができるのだろうか、そんな気もしてくる。
とはいえ、オーウェルはじめ、イギリス人のディケンズに対する評価はきわめて高いので、こちらの読解力不足もあるのだろう。
でも、その真価と魅力がわかりずらい作家だ。
そう思うのは私だけだろうか。