梅原猛のレビュー一覧

  • 教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」

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    将棋本だが盤面作られている方の話、将棋の歴史を教えてくれたりとバラエティ。将棋に合駒を考えた人は天才だと思う。
    羽生先生と梅原猛先生の対談が将棋のみならず様々な点に及んでいて面白かった。『隠された十字架』は未読だけど裏話があり対応する羽生先生の見識も素晴らしい。「大山康晴先生は盤面を見ないで相手を見て指す」というエピソードが印象に残った。

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    2023年02月21日
  • 教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」

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    哲学者の梅原猛氏と羽生善治永世七冠の対談が非常に面白い。理系的直感と文系的経験、大山康晴と升田幸三、一見ムダに思えることがブレイクスルーを生む、けれどもAI全盛の今は「新手一生」が「新手一勝」といった話。
    いい具合に対話が広がっていって気持ちいい。

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    2023年02月01日
  • 教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」

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    将棋本としてはイマイチかな。
    将棋そのものというか、それに関連する周辺の話というか。それぞれが逆に短すぎるような気がした。
    小学生に将棋を教える先生の話が一番面白かったか。まず、「負けました!」と大きな声で言えるところから始まる。

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    2022年07月01日
  • 歎異抄

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    浄土真宗の家系だが、あまりにも何も知らないので読んでみた。

    全ての人は念仏で救われるという、浄土真宗の教理は懐が深いが、同時に突き放したものだなと感じた。
    多くの宗教は、戒律や修行、こうした生き方をしなさい的なものが大概あると思うのだけど、浄土真宗は現世の生き方についての指針を特に示してくれていないように思う。
    念仏で悪人でも善人でも救われ浄土に行ける。
    善行、悪行というのは凡人である人間が勝手に判断しているものだからでしょうか?
    他力とは、縁や環境、あるいは欲望に添って生きなさいということなんだろうか?その辺りがどう解釈していいのかわからない。
    ある程度の縛りがある方が、宗教を信仰するのは

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    2021年02月23日
  • 教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」

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    将棋をいろんな角度からとらえた本。今の将棋と昔の将棋の違いや、日本将棋が誕生したとされる頃の分析とかもあって面白かった。

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    2019年09月03日
  • 人類哲学序説

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    中国で密教を学んだ円珍・円仁が天台宗を密教化し、良源が天台密教を完成させた。草木国土悉皆成仏で表現される天台本覚思想は、浄土、禅、法華の鎌倉仏教の共通の思想的前提になったことから、日本仏教の根本思想であるといえる。

    釈迦の弟子たちは、人里離れた地にある寺院にこもって厳しい禁欲生活を送ったが、龍樹は、自分だけ悟りを開いて安静の生活をすればよいという自利の仏教では町にいる苦しめる人間は救えないと考え、欲望の有無にとらわれない「空」の立場に立つ仏教を主張し、悩める人間を救う仏教者を菩薩とする大乗仏教を生んだ。

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    2018年10月31日
  • 生ききる。

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    東日本大震災後に行われた瀬戸内寂聴さんと梅原猛さんの対談を1冊の本にしたもの。
    ともにアラナインティーでそれなりの地位を確立された方々なので、まさに歯に衣をきせぬ対談でした。

    でも、ちょっと梅原さんは思想が凝り固まってるかな…。
    柔軟性で言えば女性で僧侶でもある瀬戸内さんのほうが、どんな意見もいったんは受け入れるって姿勢を感じました。

    戦争を知っている世代として、原爆投下がなければ本土決戦でもっと多くの日本人が死んでいたから、被爆された方々のその犠牲を心から感謝したうえで今をしっかり誰かのために生きていきたいって瀬戸内さんが言っていたのが印象的でした。

    梅原さんもさすがにいろいろと研究を

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    2016年01月30日
  • 老耄と哲学 思うままに

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    幅広く深い思索は、お歳を召されても衰えることはなく、保守派なのに、平和主義・反戦・反原発が小気味よい。
    歌舞伎、縄文文化、仏教への蘊蓄等も面白くかつためになり、著名人との交友も広く、様々な組織や企画の役職も歴任されているので、その記述は示唆を多く含むが、一般庶民からしてみればちょっと自慢気と感じられないこともないが、数多の功績に免じてよしとしよう。

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    2015年04月08日
  • 法然 十五歳の闇 下

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    下巻では、法然の思想形成後の経歴と、後世への影響が論じられています。

    法然は、源信の『往生要集』を論理的に分析すると同時に、彼自身の思想を強く読み込もうとしました。それが、念仏において「観念」よりも「称名」を重視する発想です。こうした法然の強い信念は、『選択本願念仏集』にも見いだされています。

    声を上げ、名を称えることが念仏の要だと強く主張した法然は、叡山を下りてみずからの思想を広く世間に問う生き方を選びます。

    著者は、その後の法然の受難の背後に、天台座主を務めた慈円と、その兄で法然のもとに帰依した九条兼実の対立があったとする見方を提出しています。

    末木文美士の「解説」では、本書の魅力

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    2017年12月03日
  • 法然 十五歳の闇 上

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    「浄土仏教の思想」シリーズ(講談社)の一冊として刊行された本の文庫版。著者独自の視点から、法然の生涯と思想を論じています。

    上巻では、法然の生い立ちから、師の叡空を批判して独自の思想的立場を確立しつつある時期までを扱っています。

    例によって著者は、田村円澄に代表されるアカデミズムの通説に反旗を翻し、三田全信による伝記資料の研究に依拠しつつ、法然の出家の謎に迫っていきます。通説では、法然が9歳のときに父の漆間時国が殺害され、その後に法然が出家したと考えられてきました。これに対して著者は、弟子の源智が残したとされる『法然上人伝記 附一期物語』(通称『醍醐本』)を重視して、父の殺害が起こったのは

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    2017年12月03日
  • 生ききる。

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    東日本大震災後におこなわれた対談です。このとき、寂聴が89歳、梅原が86歳だそうです。寂聴は、壮絶な恋愛の末に出家するという経歴をもつ作家であり、他方梅原は、日本古代史の分野で大胆な仮説を次々と提示し、さらにはスーパーカブキの原作をも手がけるという異端の思想家です。

    人生の酸いも甘いも噛み分けた二人の対談なので、東日本大震災後の日本人へのメッセージといっても、日本の文化全般にまで話は進んでいきます。仏教の自利利他の考えかたや、『源氏物語』から、日本人の精神について説き起こすといった内容になっています。もっともそのぶん、震災から話が離れてしまっているのではないかという疑問も生じますが。

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    2014年02月09日
  • 古事記 増補新版

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    28年ぶりの再読であったが,やはり,理解出来ず…残念ながらまたしても「古事記」の面白さを理解することは出来なかった…己の文学的センスのなさを恨むばかりだ.

    長たらしく難解な登場人物の名前に翻弄され,物語の内容は,欺きと権力闘争,そして近親相姦,親子兄弟の殺し合いというタブー,などなど…ある意味非常にスリリングな展開となりそうな要素は満載なのに,それが淡々と羅列されて行くような展開は,ハリウッド映画のような派手な演出に慣らされてしまった現代人の一人である想像力の欠如した僕にはどうにも退屈で…f^_^;

    しかし,巻末に付けられた「古事記に学ぶ」まで読んでその考えは一変する.

    これは,日本とい

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    2014年02月02日
  • 人類哲学序説

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    物語や神話ではなく理性で世界を説明してくれるのが哲学だと思っているから、生きる理由を宗教で解説されても説得力がないんだよな。じいちゃんになると西洋哲学から離れて、日本の宗教に傾倒して死への恐怖から逃れるんだろうなと思った。

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    2013年09月04日
  • 人類哲学序説

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    人間中心の西洋哲学の論理では先行き不透明な現代を救済できないということで、武器として天台本覚思想「草木国土悉皆成仏」を引っ張りだす。

    文明・科学技術 VS 自然との共生。

    実にストレートな提言。

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    2013年07月06日
  • 人類哲学序説

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    著者の哲学に対する思いが良く伝わってくる。
    講義録をベースにしているからか、高校生くらいまでの読者を想定した哲学の本よりも理解しやすかった。

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    2013年06月01日
  • 人類哲学序説

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    ネタバレ

    第四章の、プラトンのイデアはエジプトに起源を持つという説を吉村作治が唱えてる、という話が面白かった。カーという概念がイデアの原型ではないかいうことです。ユダヤ教の起源に関して吉村作治がイクナトンのアテン教ではないかと言ってると、書いてあるが、これは少し不正確かも。この説は既に昔からあって、フロイトなんかも主張していて、それに関する筑摩学芸文庫から訳本が出てます。

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    2013年05月27日
  • 仏教の思想 12 永遠のいのち<日蓮>

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    長かった仏教の思想シリーズも最終巻「日蓮」である。

    仏教宗派の中でただ一つ創始者の名前が宗派の名前になり、のちの
    多くの新興宗教の母体となる日蓮の思想が、今となっては明らかな
    間違いである(決して無価値ではないが)天台宗の祖「智ぎ」の教判に
    基づいているというのが興味深かった。

    迫害を受けることで使命感とその宗教的世界を深めていった日蓮が
    もし当時の為政者に受け入れられていたらはたしてどうなったので
    あろうか。

    まだ仏教熱は冷めていないようなので次は龍樹あたりを攻めて
    みようかと。

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    2013年03月25日
  • 古事記 増補新版

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    梅原猛のバイアスがかかっているかもしれない「古事記」の現代語訳。

    スサノオはマザコン[p21]、アマテラスはひきこもり[「岩戸隠れ」p26]。 ヒーローで名高いヤマトタケルは、あのまま現代にいれば凶悪な犯罪者になるだろう[p127]。神話全体がスカトロジーに貫かれている(これは糞が肥料になるなど、当時の社会に根差していたか)。男女の生々しいエロティシズムは当たり前で、川でウンコしているときに矢が女性器に刺さって、その矢が男になったり(ウンコが流れる下流からではなく、上流から流れて来たらしい。よかった。[p101])、風俗の写真見学みたいに女を品定めしたり[p102](天皇の浮気は当たり前。ゾ

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    2013年03月10日
  • 仏教の思想 11 古仏のまねび<道元>

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    只管打坐。とにかく座禅をしろと言う道元の思想は、私の中で今ひとつ
    確固たる像を結ばなかった。

    出自から来る潔癖なまでの反権力と世俗との決別。
    十五歳にして大乗仏教の根本に疑問の視線を向けうる驚くほど聡明な
    知性。
    そしておそらくは如浄のもとで経験したのであろう座禅による宗教的
    体験。
    道元の中の様々な要素が一つに結びつかないのである。

    これは勝手な想像だが、おそらくは道元自信もそんな様々な要素を
    抱えたまま修行生活を送ったのではないだろうか。ん、勝手すぎる
    か(苦笑)。

    次はいよいよ最終巻の日蓮。読み終えてから仏教の「どこ」に
    向かうか、が問題だな。

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    2013年03月18日
  • 仏教の思想 10 絶望と歓喜<親鸞>

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    日本で最も知られ愛される仏教者と言っても過言でない親鸞。
    その教えは単純で信念と念仏ということになるだろうか。
    この本では単に親鸞の思想を抽出するのではなく、その思想と生涯とが
    不可分だと考え、思想家や学者ではなく、修行者や仏教を生きる者と
    しての親鸞を追っている。

    頭でっかちの私にとっては最も遠いとも思える親鸞だが、実際生きて
    会っていれば最も影響を受ける仏教者だったのかも知れない、などと
    思いつつ。

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    2013年02月24日