人類哲学序説

人類哲学序説

836円 (税込)

4pt

日本には「草木国土悉皆成仏」という偉大な思想がある――。原発事故という文明災を経て、私たちは何を自省すべきか。デカルト、カント、ニーチェらを俎上に近代合理主義が見落としてきたもの、人間中心主義が忘れてきたものを検証し、持続可能な未来への新たな可能性を日本の歴史のなかに見出す。ここに、新たな「人類哲学」が誕生する。

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人類哲学序説 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    この本は2011年の秋に行われた講義を元にしたものです。

    デカルトから始まった西洋の近代哲学は人間が中心で、自然を征服するもの、という考え方ですが、この考えでは人類は滅んでしまう、と梅原先生は話ています。

    草木国土悉皆成仏、この動物や人間だけでなく、草木も国土もみんな仏になることができる、という

    0
    2025年09月05日

    Posted by ブクログ

    これまでの科学技術文明が人類の生活水準を劇的に押し上げてきた反面、環境破壊を通じて地球への負荷も目に見えて大きくなっています。そのような中で本書では人類全体が指針とすべき新たな「哲学」として、天台思想の「草木国土悉皆成仏」を挙げておられます。これは生きとし生けるものすべてが仏の本性を持っている、とい

    0
    2023年04月28日

    Posted by ブクログ

    とても分かりやすい本。初めてふれる人でもとっつきやすいし、理解もしやすい。

    科学技術の発達は哲学にも影響を与えている。
    その中で日本人には、日本人らしい哲学があうのではないかなと思うし、これを証明するのにもいいのはうれしい。

    0
    2015年02月19日

    Posted by ブクログ

    3.11を経験した筆者がその違和感を探って思いついたのが、草木国土悉皆成仏、デカルトの思想の批判、アイヌや宮澤賢治の再発見である。ニーチェやキリスト教への言及もあり興味深い。
    デカルトの方法序説は確かに便利だが、そこで見落とされるモノが今回の自然災害を発端とする災厄の元凶であり、その理由や西洋思想で

    0
    2013年08月24日

    Posted by ブクログ

    本書は、現代文明が直面する危機を乗り越えるために、西洋哲学の持つ「人間中心主義」を否定し、「日本文化の思想」を基盤とする新しい世界哲学ー「草木国土悉皆成仏」を提唱した。

     ハイデガーを掘り下げていったら、なんと梅原猛にぶつかった。いくつかの興味深い示唆があった。
     農業にとって、必要なものは太陽と

    0
    2025年11月20日

    Posted by ブクログ

    最澄に連なる比叡山中興の祖である良源は天台宗本覚思想を完成した。日本文化の本質を解く鍵はこれにある。本覚思想とは、草木国土悉皆成仏、一木一草のなかに大日如来が宿っているという思想である。本覚思想は鎌倉仏教の共通の前提となっている。
    さらに遡ると縄文文化に行き着く。縄文とアイヌには連続性があり、アイヌ

    0
    2022年06月01日

    Posted by ブクログ

    西洋哲学が主流になったのは、その言葉による構成力だと思います。

    しかし、世界には東洋をはじめ、色々な知恵が点在しています。

    それらを統合して哲学を新しくしていく、それこそが人類哲学、多様化の時代の哲学です。

    本書はそのものでは有りませんが、読むとその姿をほんのりとイメージできます

    0
    2022年01月30日

    Posted by ブクログ

    大きな題目となった。人類哲学。今までの西洋哲学ではこれからの世界の未来を担えない。その思想が「草木国土悉皆成仏」だそうだ。なんだかアニミズムのような感じがするが。天台本覚思想を一言でいうとそうなるとか(?)。

    0
    2018年10月20日

    Posted by ブクログ

    西洋文明により、豊かで便利な生活が生まれ、デカルトの哲学に基礎づけられて自然科学文明が勃興し、近代医学の発展があった。
    著者は、西洋文明の偉大さを認めながらも、「現代は、もうそのような科学の進歩を謳歌する思想がそのまま通用する時代ではない」と近代西洋的な人生観では、駄目であるという。
    確かに今まで人

    0
    2014年09月07日

    Posted by ブクログ

    人類文化を持続的に発展せしめる原理とは?......

    かつてとんでもないSF映画があった。
    「インデペンデンスデイ(ID)」。
    地球人が宇宙人のマザーシップにコンピュータウイルスを感染させてバリアを破壊、攻撃するというあまりにも想像力プアーなあらすじは、ゴールデンラズベリー賞の最低脚本賞にもノミネ

    0
    2014年06月28日

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