梅原猛のレビュー一覧

  • 学ぶよろこび : 創造と発見

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     「君子の学は己の為にす、人のためにせず」という言葉がある。真理を前にしたら、孤立しても構わないという勇気が君子たる人間の態度である。一方、小人は他人からの評価のため、出世のために学問をするのである。どちらが人間として尊敬できる行き方であるかはいうまでもない。新しい仮説の発見にまさる喜びはない。だからこそ、孤独や長く苦しい検証作業にも耐えられるのだ。

     ニーチェのツァラトゥストラはかく語りきに「三段の変化」という一節がある。それはどういうものであるのか?

      忍耐強く、精神的な重み、精神の砂漠を放浪する駱駝の時期を経て、やがて駱駝は獅子となる。そこで、何千、何万年の歴史をもつ真理という名の

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    2012年07月14日
  • 仏教の思想 1 知恵と慈悲<ブッダ>

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     角川ソフィアが出た頃に買ったはずの本なので、1996年には買っていたと思う。
     それから、半分ぐらいは読んだのだけれど以後読まずで今まで18年間放置されていた本。本棚の奥まったところに移動せず、常に手前にあったことから「読む気だけはあった」と思う。

     今回初めて最初から最後まで軽く流す。
     今までは冒頭の地理のところで「参った!」状態の白旗。例えるのなら新約聖書の冒頭の家系図で頭が痛くなるような物か?
     そこを突破してしまえば釈迦の語った仏教の基礎的な教えがしっかりと書いてある良書だと思う。今回はさらっと通り過ぎたが、この後天台、真言と読み進めまた読み返すと思う。


     それにしても、釈迦

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    2012年06月24日
  • 学ぶよろこび : 創造と発見

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    幼少時代に好きで夢中になってのめり込むモードはその後の人生に重要なのだなぁ。

    今でも現役で研究をされているのは本当にすごい。
    自分が80代とかになったときに、引退とか隠居してるのが当たり前と今から思わずにいようと思った。

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    2012年05月23日
  • 仏教の思想 9 生命の海<空海>

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    仏教を学ぶものとしてこのシリーズは先ずおさえておくべき。
    梅原イズムはいささか独特なものがあるが、本書は泰斗、宮坂宥勝との共著であり空海の歴史、思想を知るには好ましい。
    「仏教の思想」シリーズ各巻に付けられたサブタイトルは絶妙であり、空海に関するこの巻は「生命の海」と名づけられた。

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    2011年11月16日
  • 生ききる。

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    生ききっている二人にしかできない対談。確かに読む価値のある本ですが、そこから何をすべきかは見えてきません。

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    2011年11月05日
  • 森の思想が人類を救う

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    絶版になってたのか、中古で手に入れました。
    話し言葉なので、非常にすらすらと読めました。95年発行ということでしたが、震災後の今でも考えさせられることもありました。

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    2011年11月04日
  • 梅原猛の『歎異抄』入門

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」。
    強烈なパラドックスを含むこの成句で有名な『歎異抄』。
    その一言一句から発せられる「毒」と「薬」は、時代や階層をを超え、人々の魂を揺り動かしてきた。
    親鸞の純粋なる信仰を、直弟子唯円が大胆率直に記述した『歎異抄』の魅力はと何か。
    わが国で最も優れた宗教書であると絶賛する著者が、その真髄をあまさず語る。
    法然と親鸞、親鸞と唯円という師弟関係を通して浮かび上がる独自の世界。
    道徳の延長ではない宗教の本質を抉る。
    原文と現代語訳、年表付きの決定版。

    [ 目次 ]
    第1章 『歎異抄』わが心の恋人
    第2章 「専修念仏」への道
    第3章 法然、親

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    2011年04月22日
  • うつぼ舟III 世阿弥の神秘

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    やっと世阿弥にきたのだが、「世阿弥の人生を論ずるには彼の作品の範囲を確定し、それらがいつつくられたのかを明らかにしなければならないが、それはまことに困難なことである」(p8)。
    ということで著者の挑戦に拍手を送りたい。
    WEBマガジンに載っていない、湊川神社や須磨への調査を6章と7章に載せてあるのが、旅を誘惑します。先週、五色塚古墳を見にいったときに正成や義経は念頭にありましたが、源頼政が須磨に縁があったとは知りませんでした。

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    2011年06月30日
  • うつぼ舟I 翁と河勝

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    2008年12月に京都のジュンク堂四条店で手にした翌日には、赤穂へ行ってきました。梅原猛氏のように坂越しの大避神社行き、生島を見てきました。そもそもこの本は能の祖先は秦河勝という伝承を扱うため、古文の引用が多いので難しいのですが、論旨が明快なのでした。本書に載っていた奥藤商事の「忠臣蔵」をちゃっかり買って京都に戻りました。

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    2011年06月30日
  • 最澄と空海(小学館文庫)

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    最澄と空海。鎌倉新仏教に対する、加持祈祷の古い仏教として教科書では扱われていましたが、平安の2巨人を梅原猛さんが偲びます。彼らの生い立ち、思想までをカバーしてるので、どんな宗教家だったのかを理解する一助になるかと思います。

    個人的に発見だったなと思うのは空海。空海のえらくポジティブな仏教は、閉塞感ある現代にこそ意味がありそう、そんな気がします。

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    2010年08月11日
  • 最澄と空海(小学館文庫)

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    高野山で買って帰ってきてようやく読みました。
    本当は高野山に行く前に読んでおけばよかったかな~

    とりあえず最澄と言う人はすごい人だと思いました。そして空海はものすごいカリスマですね。当時の日本で文化の最先端を担っていた僧という存在は本当に考えに考え抜いて自分の信仰と言うものに向き合っていたんだろうと思います。それだけでもすごいな。

    今の感覚で考えてはいけないのでしょうが確かに弘法大師は何でもありの方ですね。神格化されても無理ないかなあ。その分最澄の方が人としてすごいな、と思いました。今度は比叡山にも登ってみたいなあ~

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    2010年03月24日
  • 法然 十五歳の闇 上

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    梅原さんの著作を見かけるとつい買ってしまいます。相当な梅原信者だとこの頃思うようになりました。

    仏教の宗派や僧の名前はたくさんあるし何がどう違うんだろう?と思うくらいであまりきちんと調べたことも考えたこともなかったのです。仏教に特に関心があるわけではないのですが一生をかけて熱心に極楽往生の道を研究し、勉強し衆生を救おうとした一人の人間の物語として読んでもとても面白いと思います。
    人一人の思想の変化を見るとき、その人の過去があり、歴史がありその人物の考えが作られていくということがよくわかります。
    現地の言い伝えや伝承などから読み説かれていく法然の幼少の姿は推理小説を読んでいるように面白か

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    2009年10月07日
  • 歎異抄

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    親鸞の死後に、弟子の唯円が彼の教えをまとめたものである。仏教だけでない、人としての生き方すらこれから見えてくる。彼の人生は、波乱であった。当時、驚かれるべき結婚もし、島流しにもあい、息子と絶縁もしている。その中で彼は常に仏教を信じていたが、自分の生き方について悩んでもいた。悩んだ末己の仏教の形、つまりは悟りを開いていったのだ。そして師の法然が説いた「悪人正機説」によって、悪の自己中心性を自覚させ、世の秩序を図った。その存在が、当時の人々をどれだけ救い、仏教に帰依させただろう。今現代にも残る、その信心を我々は知らなければならない。

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    2009年10月04日
  • 仏教の思想 8 不安と欣求<中国浄土>

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    竜樹に端を発する大乗浄土思想が慧遠、羅什、曇鸞、道綽、善導と発展する過程が興味深い。一神教的仏教である浄土教は中国に於いても社会不安と法難が契機になって拡大した。易行、他力の思想は大乗の一つの極点でもある。

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    2009年10月07日
  • 梅原猛著作集1 聖徳太子(上)

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    2002年以来久しぶりに続きを読みました。いや覚えてたよ。すげえ俺。いや覚えてる内容を書いた梅原猛がすごいのか…。

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    2009年10月04日
  • 哲学する心

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    哲学を難しく語ることは誰もがすることだけど
    こうやってエッセイの形で平易に語られているものは少ないんじゃないかな。
    「人間とは何か」という根源的問題から
    「笑い」や「遊び」なんてものまで
    その対象は何でもあり。
    パチンコや喜劇にまで言及してますから。
    非常に知識のある人の
    楽しくてためになる話を聞いたような
    そんな気分になる本。

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    2009年10月04日
  • 聖徳太子I仏教の勝利

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    気になるのによく知らないこと、曖昧なままで雑然とした知識、それらが整理されはっきりしてくる何とも言えない快感を味合わせてくれる読書であった。
    東アジアの4世紀から7世紀にかけて、日本の政治や宗教、大陸や朝鮮半島と日本との関係がこの作品の重要な背景である。古文書からの引用にはカナが振ってあり、すべては読み切れないが、克明で丁寧に説明している。学説の違いや争点にも両論併記の気遣いを見せるが、いわゆる専門学者の研究書とは一味違う。
    筆者の持論が大胆に展開され、一般の読者をも意識した書き振りである。

    かつて教科書の「日本史」で学んできたことや興味本意の読書の知識がほんの一部に過ぎなかったこと、その後

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    2025年11月22日
  • 法然 十五歳の闇 下

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    慈円が法然に対して、あるいは浄土門に対して、例えば法難を陰から操っていたと言うのはどうなんだろうと思いました。慈円の百人一首の歌からは想像できず信じられないなぁ。そういう仮説も含めて面白く読みました。

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    2025年05月11日
  • 地獄の思想 日本精神の一系譜

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    梅原猛のデビュー作に「地獄の思想」というタイトルが付けられているのが象徴的だ。
    彼は死ぬまで「地獄の思想」を凝視し続けた思想家だったと言えるのだ。

    宗教にも思想にも明と暗の二面性がある。
    片方だけでは片手落ちだ。
    明の宗教や思想は美しくても深みに欠ける。
    宗教や思想に付き纏う暗部を梅原は「地獄の思想」と呼ぶ。
    人類の歴史は不幸と悲惨と苦悩に満ち満ちている。
    地獄を見つめることは、人間の苦悩と悲惨から眼を逸らさないことだ。
    だから闇を見据えた「地獄の思想」は思想としての深みが増し、悲惨の淵にいる人々の心に届くことになるのだ。

    本書で取り上げられる地獄の思想家(地獄を凝視し続けた思想家)は、以

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    2024年08月27日
  • 老耄と哲学 思うままに

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    古本で購入のため
    内容が少し前の事で
    こんな事あったな〜等と
    当時を思い出しながら読む

    読みやすい文章だなと思う

    古本トワサンにて購入

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    2023年12月04日