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ブッダ出現以来、千年の間にインドで展開された仏教思想。読解の鍵となる思想体系「アビダルマ」とは? ヴァスバンドゥ(世親)の『アビダルマ・コーシャ』を取り上げ、仏教思想の哲学的側面を捉えなおす。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
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Posted by ブクログ
北伝仏教で基礎学と言われる倶舎論を、初心者でも学べる数少ない書籍。入手の容易さや文庫故に安価であることも考慮に入れると、唯一の入門書と言っても過言ではないだろう。 最近では南方上座部の瞑想法の実践者も増えていることから、上座部のアビダンマの解説書はいくつか出版されている。しかし、大乗仏教の基礎と...続きを読むなっているのは、上座部ではなく、本書で解説されている説一切有部のアビダルマ、具体的には世親の書いた倶舎論のものだ。 したがって、大乗への思想的な流れを知りたい人、大乗の基礎学に関心がある人には、本書が最良のアビダルマ入門書となるだろう。
アビダルマを学ぶのに最適。 本書ではサルヴァースティ・ヴァーディン学派のアビダルマの思想をヴァスバンドゥのアビダルマ・コーシャをテキストにして説明している。 仏教における天地創造の定義が非常に味わい深い。「この世はサットヴァ・カルマンにより生まれる」のだという。つまり、仏教では宇宙を創生するエネル...続きを読むギーと一人間の行動する力が根源的に同一であると考える。
本書『仏教の思想2 存在の分析〈アビダルマ〉』は「仏教の思想シリーズ」の第二巻になります。このシリーズは仏教思想入門として長らく愛され続けてきたベストセラーで、私が教えを受けている仏教学の先生もこのシリーズを推薦しています。 本書ではアビダルマという、一般読者だけでなく私たち僧侶にとっても巨大な壁...続きを読むとなっている存在がテーマとなっています。「アビダルマ=難解、煩瑣」なイメージがすでに出来上がってしまっていますが、このアビダルマという仏教思想が大乗仏教を学ぶ上でもどれだけ大きな意義があるかを本書では知ることになります。
5世紀頃に輩出した世親の仏教思想を軸にその哲学的側面を根源から捉え直す。 -20101202
1巻目がとても面白くあっという間に読み終えてしまったのに対し、 このアビダルマ編は非常に手強かった。 読んでわからない内容では無いのだが、どうも今ひとつ腑に落ちて こない感じ。煩雑で極端に細かい理論に走り、その批判から大乗仏教が 生まれたと言われるのも何となくわかる感じだ。 ただ、この理論の部分が...続きを読む今の日本仏教から欠け落ちているのも事実で あろう。今この時代にアビダルマに視線を向ける意味は少なからず あるはずだな。
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