梅原猛のレビュー一覧
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もくじ
第一章 少年の夢(梅原猛68歳の時の講演。高校生向け)
現代と少年の夢/夢を見るのは人間だけ/人はだれでも心に傷がある/法然の心と傷と父/法然の心の傷と仏教革命/湯川秀樹のコンプレックス/大きな仕事は心の傷を埋める/豊田喜一郎の心の傷とトヨタ/養父母の愛情/「だれか食べるでええわい」/空想にふける少年/落第と失恋/西田哲学の京大/学問と仮説/ひらめく人/孤立する勇気/傑作は未来にしかない/二十一世紀の哲学/夢見る時代/学歴なんて通用しない/自然との共生/新しい文明をつくる夢
第二章 生い立ちの記(梅原猛56歳の時の言)
学問は楽しいもの/過去という巨大な闇(消失する過去 両親のこと -
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本書は、現代文明が直面する危機を乗り越えるために、西洋哲学の持つ「人間中心主義」を否定し、「日本文化の思想」を基盤とする新しい世界哲学ー「草木国土悉皆成仏」を提唱した。
ハイデガーを掘り下げていったら、なんと梅原猛にぶつかった。いくつかの興味深い示唆があった。
農業にとって、必要なものは太陽と水である。
エジプト文明は、3000年近く続き、遺跡も巨大で多くある。その中で、太陽神ラーの崇拝があった。太陽神の次に崇拝されているのが、イシスという豊穣の女神。太陽は毎日日暮と共に西の空に沈み、そして翌朝、蘇る。人間も夜眠り、朝起きる。太陽は夜になると死に、翌朝、死から復活する。太陽と同じ命を生 -
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最澄に連なる比叡山中興の祖である良源は天台宗本覚思想を完成した。日本文化の本質を解く鍵はこれにある。本覚思想とは、草木国土悉皆成仏、一木一草のなかに大日如来が宿っているという思想である。本覚思想は鎌倉仏教の共通の前提となっている。
さらに遡ると縄文文化に行き着く。縄文とアイヌには連続性があり、アイヌの貝塚思想は生きとし生けるものの再生を願うものである。
草木国土悉皆成仏、アミニズムは世界の原初的文化である狩猟採集文化共通の思想である。
デカルトは世界を変えるのではなく自分を変えろと考えた。これはストア派と類似する。アリストテレス以来自然とは神の意思の実現であるとされていた。デカルトは自然とは数