地獄の思想 日本精神の一系譜

地獄の思想 日本精神の一系譜

ビジネス・実用
858円 (税込)

4pt

4.1

日本人は、生の力を肯定する思想とともに、生の暗さを凝視する思想を愛した。この地獄の思想こそ、人間の苦悩への深い洞察と、生命への真摯な態度を教え、日本人の魂の深みを形成してきた。源信、親鸞、紫式部、世阿弥、近松門左衛門、宮沢賢治、太宰治などは、みな現世に地獄を見た人びとであった。これら先人の深い魂の苦闘の跡を知らなければならない。生命の強さは、どれだけ暗い生の事実を見つめるかによって示されるからである。

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地獄の思想 日本精神の一系譜 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    割と一気に読めた。
    断言的な文章に疑義はなくも無いがわかりやすかった。
    西洋の地獄と日本の地獄との比較や源氏物語、平家物語などでの地獄の考察は興味深いものがあった。
    縦横無尽な著者の知識•見識には脱帽した。
    梅原猛の最初の著書である事を初めて知った。

    0
    2026年09月18日

    Posted by ブクログ

    芥川作品の影響で地獄というものに少なからず興味を抱き、地獄絵図を集めた画集などいろいろと読み漁っていたのですが中でもこの本は特に優れていました。
    一度読むだけでずっしりと体の奥に響きます。
    日本人として(?)一度は読んでおいてほしい一冊。
    ただ、これを読んでいると頭おかしい人認定をされるとか…

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    人生の深みは苦悩、地獄の中にある。
    大乗仏教における地獄の思想を分析しつつ、平家物語や源氏物語、宮沢賢治、太宰治などの文学に描かれる地獄の描写を追うことを通じて、日本人の底流に流れる精神性を紐解いてゆく。

    全ての感情の原点は哀しみではないかと考えていたおり、本書に出会い共感した。

    陰陽の摂理とも言えるかもしれない。
    哀しみがあるから喜びがある、喜びがあるから哀しみがある。

    地獄を明らめることで、
    人生はより豊かなものになるのだろう

    0
    2026年04月05日

    Posted by ブクログ

    源氏物語、平家物語、世阿弥、近松門左衛門、宮沢賢治の作品から地獄の思想を読み説くのが本書の内容なのですが、僕はそういうのを求めていたわけじゃないので、ちょっとがっかりでした。
    『地獄の思想』というタイトルから、地獄の体系と歴史が書いてあると思っていたのですが、どうもそれらは末節のようです。

    生の中に地獄あり。愛欲、人情、義理に見る個々人の葛藤こそが地獄であり、死によって罪を贖い、来世に希望を託すのは、まさに仏教思想の真髄ですが、『割りとキリスト教と似てるんじゃね?』と、表面的には現世が辛く、死後報われる世界観という共通点があります(大雑把に言えば)。
    宮沢賢治の修羅の世界(食う・食われるの連鎖関係から離れたいという気持ち)など、んーなるほどなぁと唸る部分もありますが、全体的には何か物足りない感じを受けました。生きながらの地獄を見てきましたが、どこか他人事で、人によって人生が天国だったり地獄だったり、色々あるなぁ~と改めて思いました。
    僕の評価はAにします。

    0
    2014年12月05日

    Posted by ブクログ

    梅原猛のデビュー作に「地獄の思想」というタイトルが付けられているのが象徴的だ。
    彼は死ぬまで「地獄の思想」を凝視し続けた思想家だったと言えるのだ。

    宗教にも思想にも明と暗の二面性がある。
    片方だけでは片手落ちだ。
    明の宗教や思想は美しくても深みに欠ける。
    宗教や思想に付き纏う暗部を梅原は「地獄の思想」と呼ぶ。
    人類の歴史は不幸と悲惨と苦悩に満ち満ちている。
    地獄を見つめることは、人間の苦悩と悲惨から眼を逸らさないことだ。
    だから闇を見据えた「地獄の思想」は思想としての深みが増し、悲惨の淵にいる人々の心に届くことになるのだ。

    本書で取り上げられる地獄の思想家(地獄を凝視し続けた思想家)は、以下の通りだ。
     源信
     親鸞
     紫式部
     世阿弥
     近松門左衛門
     宮沢賢治
     太宰治

    このデビュー作で語られた親鸞についてはその後何度も、様々な角度から語られる。
    93歳で書いた最後の作が「親鸞四つの謎を解く」であったというのも梅原らしい。
    デビュー作「地獄の思想」において、地獄を見続け、地獄からの救済を求めた親鸞を語ったのを始まりに、死の直前にまた親鸞に戻って、親鸞の謎を解いて死んでいったのだから。

    地獄を見つめる勇気が現世を生きる力を与えてくれる。
    日本人が無条件で聖人として信奉してきた聖徳太子にも、地獄の思想を見た梅原猛だからそこ、須く地獄の思想家には敏感なのだ。
    梅原は柿本人麿にも、人麿のライバル山部赤人にも、地獄の思想を見出していく。
    その二人をフィーチャーして「万葉集」を編んだ大伴家持も勿論、地獄の思想家だ。
    地獄の思想家は地獄の思想家を見抜くのだ。

    仏教由来と思われる地獄の思想を日本の思想に探っていくと、あれよあれよという間に、平安、飛鳥時代を通り越して、縄文時代にまで突き進まざるを得なくなる。
    縄文の発見、縄文の「地獄の思想」の発見は梅原猛の重要な功績だ。
    地獄の思想は、仏教伝来に遥かに遡って存在していたのだ。
    梅原は縄文への新たな視点を投げかけてくれ、日本人の思想の源流に潜む「地獄の思想」を明らかにしてみせた。

    日本文学の中に底流のように流れる民話、浄瑠璃、能、歌舞伎にはたっぷりと「地獄の思想」が込められていることを本書は教えてくれる。
    後に梅原は、文学における「地獄の思想」復権のために、自ら歌舞伎の脚本まで書き、スーパー歌舞伎というジャンルまで作り出している。
    梅原の地獄の思想の探求に終わりはないのだ。
    それだけ地獄の思想家が日本史の中にはゴロゴロいるということだ。
    最澄と空海、法然、円空、写楽、三岸節子。。。
    そして、極め付けは梅原猛自身。
    梅原の著作は全て「地獄の思想」シリーズだったことが分かる。
    その原点がここにある。

    0
    2024年08月27日

    Posted by ブクログ

    梅原猛さんで初めて読んだ本。
    ここから梅原さんと日本古代への好奇心は始まった。

    ただ日本史、仏教史に詳しくない自分には理解できたとは言えない。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

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    0
    2011年04月04日

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