梅原猛のレビュー一覧

  • 森の思想が人類を救う
    故梅原猛氏が探し求めた日本古来の思想を今こそもう一度深く考えてみるべき時ではないかと思う。「オワコン日本」などと言う人もいるが、今後発展していくアジアの中でも特有の文化や思想を持っているように思える日本はしっかりと研究すべき対象だと思います❗️
  • 仏像[完全版] 心とかたち
    仏像の造型の種類から日本人の心を読む。
    50年以上前に発行された『仏像』『続 仏像』を1冊にまとめて読みやすく(…とありますが、最後の章にさらりと今回の本には入っていない話が出てきたり)

    まずそれぞれの造型についての解説があり、最後に梅原先生がその心を探るという構成。
    解説はわかりやすく説明されい...続きを読む
  • 人類哲学序説
    大きな題目となった。人類哲学。今までの西洋哲学ではこれからの世界の未来を担えない。その思想が「草木国土悉皆成仏」だそうだ。なんだかアニミズムのような感じがするが。天台本覚思想を一言でいうとそうなるとか(?)。
  • 梅原猛著作集6 日本の深層
    梅原猛 「 日本の深層 」原日本文化論であり東北論。結論は 「東北は 原日本文化の中心地」〜民俗学や土着信仰から日本文化論を仮説展開。蝦夷=アイヌ説。個別の文化系列から 日本文化 全体を仮説した点は 面白い

    著者の仮説
    *日本の文化の源流は 縄文文化
    *縄文文化を継いだのは 蝦夷文化、アイヌ文化
    ...続きを読む
  • 歎異抄
    親鸞 の弟子 唯円による 「 歎異抄 」

    歎異抄は 最も平易な宗教哲学書だと思う。易行他力、「悪人こそ救われる」という言葉に触れただけでも 懐の深さと大きさを感じる

    100分de名著 で、「自力で 生きていると思ってたが、実は 生かされていたと気づくと 人間と世界の見方が変わってくる」とあった。...続きを読む
  • 古事記 増補新版
    日本人なら必ず知っている古事記。
    梅原猛が現代語訳していたので初めて全編読んでみた。
    日本の古代の神々が人間味を持っていて面白い。因幡の白兎、ヤマタノオロチ、国譲りなど知っている話でも流れが掴めた。
    また戦闘においては非常に騙し討ちが多い事にも驚く。勝者の歴史なので都合が悪ければ書き換えれば良いのに...続きを読む
  • 人類哲学序説
    主に気になったところや勉強になったところを以下に記します。

    ・インドでは、命を持っているのは動物までで、植物に命はない。仏教者はベジタリアンで、命あるものを食べない。……P14
    ・アイヌの再生の祭り。……P29
    ・アイヌの思想はまさに「草木国土悉皆成仏」。山も川も人間も生きている。昔の日本人もそ...続きを読む
  • 森の思想が人類を救う
    各地の講演録をまとめたもの。読みやすいが物足りない部分もあった。タイトルから想像される文明論的な内容はあまりなかったが、日本の土着の信仰が仏教の中に入り込んでいく流れはおもしろかった。

    縄文土器の文様は木の精への信仰をあらわしている。アイヌのイオマンテは、クマの魂を送るという意味で、死んで天国へい...続きを読む
  • 地獄の思想 日本精神の一系譜
    源氏物語、平家物語、世阿弥、近松門左衛門、宮沢賢治の作品から地獄の思想を読み説くのが本書の内容なのですが、僕はそういうのを求めていたわけじゃないので、ちょっとがっかりでした。
    『地獄の思想』というタイトルから、地獄の体系と歴史が書いてあると思っていたのですが、どうもそれらは末節のようです。

    生の中...続きを読む
  • 人類哲学序説
    西洋文明により、豊かで便利な生活が生まれ、デカルトの哲学に基礎づけられて自然科学文明が勃興し、近代医学の発展があった。
    著者は、西洋文明の偉大さを認めながらも、「現代は、もうそのような科学の進歩を謳歌する思想がそのまま通用する時代ではない」と近代西洋的な人生観では、駄目であるという。
    確かに今まで人...続きを読む
  • 人類哲学序説
    人類文化を持続的に発展せしめる原理とは?......

    かつてとんでもないSF映画があった。
    「インデペンデンスデイ(ID)」。
    地球人が宇宙人のマザーシップにコンピュータウイルスを感染させてバリアを破壊、攻撃するというあまりにも想像力プアーなあらすじは、ゴールデンラズベリー賞の最低脚本賞にもノミネ...続きを読む
  • 最澄と空海(小学館文庫)
    最も澄める人ー最澄   空と海のような人ー空海

    誰がつけたが知らないが、名前が人柄のすべてを物語っている。この偉人二人が同時代に存在した経緯とかを知ると、何かに導かれているようにしか思えない。

     タイトルの通り最澄と空海の詳しい概略をまとめてくれている本。これだけで二人のことがだいぶわかる。これ...続きを読む
  • 人類哲学序説
    老いてなお血気盛んな哲学者・梅原猛の「人類哲学宣言」。
    主義主張的には個人的に相容れなさそうな部分もあるけれど、それにしても著者の年齢にしてこの意気は凄いと思います。
  • 人類哲学序説
    「草木国土悉皆成仏」をキーワードとして日本仏教・文化を説明できるとの考え方が貫かれている明快な日本文化、哲学の入門書だった。特にデカルト、ニーチェ、ハイデッガーの説明は最高! デカルトが近代哲学の父としてどれだけ重要な存在なのかが、改めてよく分かった。デカルトの人生を生きていく規則(4つの格率)、方...続きを読む
  • 人類哲学序説
    これは久々にいい本を読みました。
    実は梅原猛の本って全然読んでなくてどんな人なのかもよく知らなかった。
    草木国土悉皆成仏。これがキーワード。この世の生きとしいけるもの、草木は勿論のこと国土までが成仏できるのだ、という教え。
    デカルト、ニーチェ、ハイデッカーの思想を解説しつつ、「これは西洋の哲学の流れ...続きを読む
  • 人類哲学序説
    著者が行なった同タイトルの講義(全5回)をまとめた1冊。講義体の語り調の文体であること、極力平易に哲学を伝えようと努められていることもあり、「哲学」の本としてはとても理解しやすいと感じた。デカルト、ニーチェなどの哲学感から、今後を支えるであろう人類哲学、森の思想まで、なるほどと思えるところの多い本で...続きを読む
  • 人類哲学序説
     久々に待ちかねて買った本。

     著者はもともと西田幾多郎にあこがれ、「西洋哲学」学者ではなく、独自の哲学の完成を志していた。その彼がある時期から仏像評論やら古代史ならびに仏教研究へ、はては縄文・アイヌ研究へと手を広げる。初期のころの作品から追い続けている読者からすると、自前の哲学の完成という初志と...続きを読む
  • 人類哲学序説
    これほどわかりやすく「哲学」を書いていただくとうれしい限り。
    青春時代に悩まされた哲学者の理論をあっさりと解説してくれてます。
    しかも、日本人の起源にも触発されて、考え方も変わりました。
    とにかく、平易な文で読みやすいし、特別、洗脳しようなどという傾向もありません。
    純粋に、今こそ、日本の文化、思想...続きを読む
  • 梅原猛の『歎異抄』入門
    西洋哲学の行き詰まりから、
    その思想に基づいた近代とその果ての現代もまた行き詰る。
    若い頃、西洋哲学を研究しており、、
    それを日本に根付いた東洋的な思想で打開しよう、と考えた
    梅原猛さんに興味を持ったので、
    読みやすそうな本を選んで、読んでみました。

    当時の僧の偽善を謗り、人間の持つ欲望を認めて、...続きを読む
  • 学ぶよろこび : 創造と発見
     「君子の学は己の為にす、人のためにせず」という言葉がある。真理を前にしたら、孤立しても構わないという勇気が君子たる人間の態度である。一方、小人は他人からの評価のため、出世のために学問をするのである。どちらが人間として尊敬できる行き方であるかはいうまでもない。新しい仮説の発見にまさる喜びはない。だか...続きを読む