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現世と来世における善行の積み重ねによる成仏を説く最澄に対して、この身そのままで自然神との一体化による即身成仏を説く空海。それぞれの教えは対極にありながら、われわれ日本人の心情と深く響き合う。両師とも、古来より根強くあった日本人の山や木に対する信仰を受け継いで、神と仏の融合をはかった点においては共通であった。二人は日本独自の仏教を創造し、日本人の倫理観、精神の拠りどころとして定着させたのである。
Posted by ブクログ 2023年05月02日
梅原氏が書かれた天台宗の本覚思想についての本や、空海の思想に関する本は別々に読んでいたのですが、本書は、最澄と空海を対比している本、ということでとても興味深く拝読しました。最澄と空海は平安時代に生きた日本仏教の二大巨頭で、この二人の交流関係自体もドラマになりそうな波乱の展開を見せます。
私自身、そ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月06日
最澄と空海、同じ時代に行きた僧でここまで差異がかるのが面白い。
とても分かりやすく書かれていて読みやすかったが、真言宗はやはり難解だな...と。
高野山は行ったことあるので、今度は比叡山、神護寺に是非行きたい!
また、徳一という人間も凄く気になった。謎だらけのようだが、彼の資料が今後出てきてくれると...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月22日
○最澄と空海の人物学と思想を分かりやすく理解出来る一冊
過去に梅原さんの他の書を読んで、最澄と空海についてもっと知りたいと思い購入しました。
本書では二人の生い立ちと天台宗、真言宗の成り立ち、お互いの確執などを梅原さんの考えを交えて解説しています。(もともと解説は難しいと思いますが、現代の私達...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年08月11日
最澄と空海。鎌倉新仏教に対する、加持祈祷の古い仏教として教科書では扱われていましたが、平安の2巨人を梅原猛さんが偲びます。彼らの生い立ち、思想までをカバーしてるので、どんな宗教家だったのかを理解する一助になるかと思います。
個人的に発見だったなと思うのは空海。空海のえらくポジティブな仏教は、閉塞感...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年03月24日
高野山で買って帰ってきてようやく読みました。
本当は高野山に行く前に読んでおけばよかったかな~
とりあえず最澄と言う人はすごい人だと思いました。そして空海はものすごいカリスマですね。当時の日本で文化の最先端を担っていた僧という存在は本当に考えに考え抜いて自分の信仰と言うものに向き合っていたんだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年06月07日
■空海を知るには最澄を知るべし■
空海は、同時代の先輩格であり、エリートであった最澄との対比で見ることで、輪郭がより際立つ。二人は偶然にも同じ遣唐使団で唐に渡っています。最澄は国費で、空海は自費。まずは本書でこの辺の事実関係を押さえた上で、HNK取材班の「「空海の風景」を旅する」を読むのがオスス...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月27日
最も澄める人ー最澄 空と海のような人ー空海
誰がつけたが知らないが、名前が人柄のすべてを物語っている。この偉人二人が同時代に存在した経緯とかを知ると、何かに導かれているようにしか思えない。
タイトルの通り最澄と空海の詳しい概略をまとめてくれている本。これだけで二人のことがだいぶわかる。これ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年07月13日
歴史の教科書では、どっちが何教を広めた偉い人
というのを覚えさせられるぐらいが関の山だった最澄と空海。
無宗教な上、6年間ミッションスクールに通っていた自分にとって
仏教というのはまったくの未知の存在。
入門編としてとてもわかりやすく、面白かった。
シュメールの神話で、都市文明を作った英雄ギルガメ...続きを読む
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