池澤春菜のレビュー一覧
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書店で必ずあるのがNHKテキストのコーナー。そこに「筒井康隆」と大きく書かれた薄い本が山積みで置かれていた。なぜ筒井康隆の本がNHKテキストなのか?と混乱しながら本を手に取ってみたら、別冊NHK100分de名著のシリーズ関連図書とのこと。他にも、有名人の本がいくつも置かれていた。この本は、今年のお正月にNHKで放送された内容を基に纏められたもの。筒井康隆大好き人間4人とカズレーザーが出演していたとのこと。4人それぞれが自分のスタイルで筒井康隆作品を解説する。そう言えば、昨年もNHK-BSで筒井康隆の特集番組が組まれていた。一時期、「残像に口紅を」がSNSで話題になり、どの書店でも文庫本がこれも
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ほんタメ文学賞あかりん部門を受賞された時に池澤春菜先生を知りましたが、声優さんとしての活動の内容を知ったらまさかのあの声も!あの声も!と大感動。YouTubeのオススメ動画でたまたま本屋さんで一万円分買い物をする企画のものに出演されていて、あ、知っている方だ〜と思い開いてみるとその圧倒的な知識量とSFへの熱量に大好きになりました!
ほんタメ文学賞の時からずっと積読していたものを引っ張り出して読んでみたところ
めちゃくちゃ面白い!!読みやすい!!!
SFへのちょっとしたハードルの高さは、小さい時に挑戦したスター・ウォーズの小説を読み切れなかったところにありまして。海外の方の名前が覚えにくいという -
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SF短編集。ちょっと新井素子的「女のコ感」を感じつつも、こちらの方が新井素子よりもちょっと年齢が上かな?って印象。全体的に結論が明確に出ないことで、ふわっとした余韻が残る。
祖母の揺籠、が一番気になる話だった。最初読み始めた時は「なんだ、これは?」という感じだったけど、何度か読み直すと希望があるような悲しいような印象。このまま気候変動を放置していると、陸の生活はこうなっていくよね(海のほうが流石にこうはならん気がするが)。
糸は赤い、糸は白い、も「それでどうなったんだろう、気になるな」という話だった。どのような形になってもコミュニケーションというのは悩ましいなぁ。
しかしSF作家ってアイ -
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読みやす面白い!!
時間がゆったり流れる作品もあれば、コミカルにどんどん話が進んでく作品もあって、ジェットコースターで振り回されている小説集。
Yours is the Earth and everything that's in itが好き。
空気感が良い。
もったりした感じの中にちょっと花が咲く時があって、それがすごく良かった。
糸は赤い、糸は白いも良かった。
恐ろしい結末になるんじゃないかとドキドキしながら読んで、終わりは終わりで息が止まった。
若い子のエネルギーに振り回された。
高校生くらいの子に読んでほしい作品。
この本を読むことでSFに興味を持ってほしい。
読んで大 -
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ほんタメ文学賞あかりん部門大賞受賞という事で久々に読んだSF。
小説集という事で一つ一つのお話は短くて、たくさんの世界を楽しめる素敵な物語ばかりだった。
ハラハラしたり、ゾワゾワしたり、キュンとしたり、さまざまな感情を楽しめた。
2つだけ繋がっている話があったけど全7本の物語はどれも味わったことのない未来や近未来や、違う国や世界の話もあったけも、時々今の現実に繋がるキーワードもあったりして、近くて遠い距離感だった。
コメディタッチのものや、ディストピアものもある中で、最後の表題作は世界や文化、人がどんなに変容しても、普遍的な想いを描いていて、最後の2ページで胸がギュンッと掴まれてしまった。
ぜ -
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池澤春菜「SFのSは、ステキのS+」に続く2冊目。初の小説集という。先に出典(初出一覧)を見たら、幾つかは既に読んでいる。最近偶然ではあるが、2回読むことでその作品の真価を再認識できることが判ったのでしっかりと読んでいきたい。久々に、作品を個別に語りたい。
「糸は赤い、糸は白い」
ステキS+で既に読んでいる。本作品で池澤春菜の素晴らしさに感動し、次の作品を読みたくなった訳だからこの本を買うことは自然な事。今回読むのは2回目なのだが、当然のごとくこの作品の評価は最上級に推したい。所謂、GLSF作品なのだが、GLとSF(マイコパシー)のバランスが良い。最近GL作品を読む機会が多くなってきたので目 -
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病気の恋人を治すため、サシャは火守の元へ赴く。
なんとあの「三体」の劉慈欣の児童書・絵物語です。日本版では西村ツチカさんが絵を描いているので、原書ではどのような雰囲気なのかちょっと興味がありますね。
ストーリーは月や星を行くとてもメルヘンな仕上がりで最後はふっと切なくて、他の作品で読み慣れた劉の印象はあまり感じられません。それでもところどころSF作家だなあ、と思わせる描写があったりして面白かったです。
この世界観を支えるのはなんと言っても西村ツチカさんの絵で、静謐な世界観を美しい、独特のタッチで描き出しています。西村さんといえば映画化もされた「極北百貨店のコンシェルジュさん」などの著作があり -
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劉慈欣氏初の童話。物語はサシャという青年が東の孤島に立っている場面からはじまる。淡々と描かれる情景描写。火守が持つ能力。サシャの願いが叶った後に描かれる火守の仕事に圧倒された。劉慈欣らしいラスト。私は少しだけ怖い。→
童話を読まずに大人になったので、深読みしすぎなのかもしれないが、火守の仕事があまりにも過酷で驚いた。若き火守となったサシャはこれからずーっと火守なんだろうし、背の高い老人はずーっと火守だったんだ。
誰かがやらなければならない仕事だし、でもそれを1人の火守にやらせるのはどうなんだろう
好きな描写は40ページ。三日月の船が星々の間を通る場面。星がぶつかるときに「夏の風になる風鈴の -
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ネタバレ父と娘の本に関する対談。
羨ましい。
私も、読んだ本について思う存分語り、読んでない本について存分に語られているつもりで、つまり第3の話者のつもりで読みました。
もう本を読みながら心の中で語る、語る。
だって児童文学、少年文学、SF、ミステリ、好きなジャンルの本ばかりなんですもの。
比較的少年文学は読んでいないけれど。
私はイギリスの文化(小説、音楽、映画)が好きなのですが、児童文学というのは圧倒的にイギリスが多いのだそうです。
なるほど、子どもの頃イギリスの児童文学を読みふけった結果、すり込まれたんやな。
物心ついた時から周りには本が当たり前にある環境で育った娘は、留学していた時、段