池澤春菜のレビュー一覧
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児童書、少年小説、SF、ミステリー、そして「作家の父を持つこと」について、父娘が初めて語らった対談集。
春菜さんが学校の図書室の本を読みきって「転校したい」と言った伝説を持つのも頷けるほど、二人の児童書知識がものすごい。私は岩波ようねんぶんこ及び岩波少年文庫とは縁遠く、挙げられている本のなかで読んだことがあるのはダールくらいだった。幼い頃から日本の作品より海外のものが好きだったというところは共感。子どもの本に詳しく、けれど読書傾向に口出ししない両親がいるのは羨ましい。
二人が今の職業に行き着くまでを語った最後の章も興味深かった。福永武彦と原條あき子のあいだに生まれ、女であるがゆえにキャリアを諦めなくてはならなかった母と叔母のことを常に考えながら仕事をしているという夏樹さんの思い。春菜さんが声優になった経緯や、変名でアニメの脚本にも関わっていることは初めて知った。穏やかな口調ながら、二人の闘いの記録を読むような気持ちになった。 -
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猫集会をテーマにした文とコラボの写真集。
・猫のカラー写真 沖昌之
・エッセイと物語 「毛玉」前田司郎
「化身」池澤春菜 「猫をやめたい」いしいしんじ
・解説「猫集会の科学」今泉忠明
猫たちは何処へ行くの?何故集まっているの?
なんだか不思議な猫集会をテーマにした写真とエッセイ、物語。
そろそろかな・・・行こう!・・・一緒に・・・挨拶して・・・集まる。
三々五々集まって・・・猫集会・・・時が経ち・・・解散・・・またね!
そんな感じの猫たちの写真が並ぶ合間に、猫集会をテーマにした
エッセイ、物語が顔を出します。最後に猫集会の研究の話。
集会?な場面の猫たちの様子は、等間隔だったり、触れ合ったり、
寛いだりと違うけど、人の視線に対しての拒否を思わせる視線は、
猫たちだけの不思議な集まりなんだなぁと感じます。
ともあれ、猫好きには楽しい写真集です。 -
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池澤春菜さんのSFに纏わるエッセイ。
『乙女の読書道』が非常に面白かったのでこちらも。
これは、ある程度SFをよくご存知で
既読の本がたくさんある方の方が面白いかも。
SFの作品紹介にとどまらず、SFと距離の近い
サブカルのいろいろに、たくさん言及してらして
それからSFへの発想や、作品との連想を
広げておられるので。
池澤さんの書かれている内容が、ツーカーでわかる
程度に知識量があれば、お腹を抱えて笑って読めた
だろうと想像がつきます。
但し!私のような、ちょろっとしかSF読んでない
ヒトであっても、大丈夫。
最後の脚注…用語集が素晴らしいSFガイドになって
います。『乙女の読書道』とは重複してない作品も
たっくさん収録されてますので、そちらをお読みに
なった読者様も、最後のページまでガッツリどうぞ。
そして何よりも、この本の中に出てきた作品を
手にとって読んでみましょう。
本なんて、読まなきゃ始まらない。
一冊面白かったら、また次って読む中で、絶対
詳しくなっていけるはず。
わぁーん!知らないことたくさん!って
腰を引けてないで、ふーん、なんか格好いい…
と読んでいきましょう。
そのうち私達だって、どこかで池澤さんと
出会っても(まずないでしょうが)
『あの本良いですよね!」
「これおすすめですよ!」
なんて話せるくらい、SFが得意になってるかも。
冗談はともかく。
本の収納や整理についてのくだりや、他のヒトの
本がどうしても気になるとか、本好きあるあるも
満載で、笑っちゃいますよ。同類だって(笑)
SF以外の趣味のお話も満載なので
どれかちょっとでもあなたの好みにヒットしたら
なお楽しい本だと思います。
無論、出てきた本は全部書誌データ取りましたとも!
またその作業の楽しいこと!わくわくしました。
楽しい本ですけど、一個だけ難があるとしたら
それは段組みと、字の大きさ。
ものすごく字が細かいので、若干見づらくて。
工夫すればもう少し読みやすくなったんじゃないかな。
SFマガジンも、覗いてみようかなんて思いました。
えへへ。 -
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著者の池澤春菜さんは出版区の本ツイに出ていたのがきっかけで知り、声優の仕事をしながら本も書いてるのか〜と興味本位で開いたのがきっかけだった。
こちらはAIや地球温暖化など、現代の社会問題も多く落とし込まれているSF作品。『糸は赤い、糸は白い』では、人間がきのこの菌を脳に植え付けることで、他者とマイコパシー(言語なしでの意思疎通)が出来るようになり、辛さなどの感情を共有できるようになった世界を描いていて面白い。「この友情や恋愛は永遠に続くに違いない」とか「ウチら何があっても一生一緒」と屈託なく思えてしまう、思春期あるある。
『あるいは脂肪でいっぱいの宇宙』は、コメディ色満載のダイエットギャグSF。かと思えば後編で地球外生命体との邂逅まで果たす。なんだか聞いたことある題名だと思ったが、SF作家のアヴラム・デイヴィッドスンの『あるいは牡蠣でいっぱいの海(旧邦題)』、もしくは筒井康隆の『あるいは酒でいっぱいの海』をオマージュした題名のようだ。多分前者の方かな?
表題作の『わたしは孤独な星のように』の、叔母が死んでしまった後の旅の中で、突然波が押し寄せたように「もう会えない、もう会えない」と叔母の死を理解してしまうシーンは、自分が祖母を亡くした時とぴったりリンクしてしまい少し泣いた。
叔母が主人公にしたお願い(弔い)を主人公自身が成し遂げることで、折り合いをつけていく過程を描いている。全体的に好きな作風だったが、時々何が面白いのかわからない独特なギャグが入ってくるのだけ苦手だった。 -
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食とともに歴史を知ることができる良書。
筆者の台湾愛と食への貪欲なまでの追求に感心する。
写真よりも文字が多い所も旅行記の区分けで考えると風変わりであるが、読みやすく楽しい気持ちにさせられた。
一点、残念なところをあげると、ルビのふりが少なく台湾独特の漢字を読めないまま通過しなければいけない所。
不勉強な自分を反省しつつも、「これくらい読めて当然」的な印象を受けて少ししんどかった。
とはいえ、台中市長の言葉をこの本から知ることができて本当に良かった。素晴らしい人格者を知るきっかけとなっただけでも読んだ価値がある。
数多の資料と向き合って、不都合な事実も書いて下さった筆者に感謝したい。