池澤春菜のレビュー一覧
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父親と娘が、こんなふうに共に読んだ本のことを話し合うなんて、素敵だなぁ、と思う。しかも、こんなにも心ゆくまで・・・。
春菜さんが子供の頃、本にのめり込んでも、お父さんは見守っていた。「本を読むことは自閉ではない、自開なんだよ。だから心配ない」という池澤さんが素敵。
SFやミステリはあまり読まないのでさらっと読み、児童文学のこと、池澤さんの家族のことについてをしっかり読んだ。春菜さんが忘れられない、大好き、という物語でも、父はそうとは限らない。「出会うのに遅すぎたのかも」という。児童文学には、ふさわしい出会いの時期があるのだ。
夏樹さんは、父のいるうちは小説を書こうとしなかったこと。母は本を読 -
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Posted by ブクログ
池澤春菜さんのお名前は「本の雑誌」でお見掛けしていたけど、似た名前の方だなと長いこと思っていた。池上冬樹さんという書評の方もいらしたから、池のつく姓と春夏秋冬の名は語呂が良いんだなぐらいに思っていた。
父君の夏樹氏の書評は昔、良く読んだ。お嬢さんもかなりの読書家らしいので、小川洋子さん・平松洋子さんの「洋子さんの本棚」に似た感じかなと思って読む。
「岩波ようねんぶんこ」、知らなかった。「ムギと王さま」の挿絵が冒頭にある。積み上げた本の前で、本にのめり込んでる女の娘が春菜さんそのままだったんだろうな。冒険モノが多いのと、ナンセンスものが好きだったという。羨ましい。僕ももっとそういう読書したか -
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『フィクションを書くには、心理的にある一線を飛び越えなきゃいけないんだ。世の中には「嘘をついてはいけない」という倫理があるけど、フィクションってそもそも嘘だからね。(中略)言ってみれば万引きと同じ……というと語弊があるけど(笑)。最初は勇気が要る。でも、だんだん上手になるにつれて、大きなものが盗めるようになる。その一線は越えなきゃいけない。中途半端に事実に近いところだけ書いていても、結局半端なものにしかならない。』
これは小説を書こうか悩んでいるという春菜にした夏樹のアドバイス。だから、僕は池澤夏樹の本が好きなんだと思う。
じめじめとして、他人と自分に、つまり、人間に興味津々な日本の作風から