池澤春菜のレビュー一覧

  • わたしは孤独な星のように

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    精錬されたタイトルと興味深い表紙のデザインにひかれて手に持ったものの、良い意味で裏切られてしまった。コミカルに、時に情緒的に作られたSF短編集。緩急がよいスパイスになってすらすらと読んでしまった。表題作『わたしは孤独な星のように』と『いつか土漠に雨の降る』がお気に入り。

    『わたしは孤独な星のように』
    祖母が星になった。少女はその祖母の最後の願いを叶えるために祖母の旧友と旅に出る。人が一人いなくなるということ。その喪失の表し方が印象的だった。その喪失に気付いた時、そばにいてくれる人がいることがどれだけのものをもたらすのか。世界観も相まってお気に入りの一作。

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    2025年12月31日
  • 別冊NHK100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆

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    ネタバレ

    私がかなり筒井作品を読んできたとはいえ、学生時代の集中した読書がメインで、その後は一気にペースダウン。さらには、私の読み方といえばほとんどエンターテインメント軸なので、各人のどの評を読んでも感心してしまう。
    本書全体の掲載記事にはとても丁寧な語彙の注釈・解説が全ページの下1/4の欄外に掲載されている。文学用語や作家名・作品名(私は極めて無知で助かる)だけでなく、常識ではないかと思うような昔の事件まで注釈になっている、と驚いたが、よく考えれば、私が年寄りだから知っていることが多いのだと気づいた。若い人は大阪万博や三島事件だって知らないのも無理はない。

    1. 中条省平(フランス文学者)
    テーマは

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    2025年12月15日
  • ぜんぶ本の話【毎日文庫】

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    ネタバレ

    父と娘、祖父も入れれば三代で作家であり、今なお本の世界に魅了されている二人がただただ延々とこれまで読んできた本のことや作家になるまでの人生を語り合うという内容。

    全編を通して特に海外文学の翻訳書への造詣が深い様子が描かれ、児童文学からSF、果てはミステリーまで数多くの本について語られている。
    私はこの本を読んだことでほしいものリストに20冊以上の本が増えた。うーん商売上手。

    これまでいくつか海外文学に手を付けたことはあるが、そのほとんどは途中で投げ出してしまい、苦手意識を持っていた。
    しかし、よくよく考えてみれば子どものころに読んだことのある有名な絵本は海外のものが非常に多く、それには原作

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    2025年12月05日
  • ぜんぶ本の話

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    著者のお二人を「理想的な親子」と言ったら、言い過ぎでしょうか?

    もちろん、見えないだけで、家族にはいろんな側面があると思います。
    でも、この本で本について語り合うふたりのやりとりには、
    まさに “同志” としての絆を感じる、信頼に満ちた空気が流れていました。

    私も父とはあまり多くを語りませんが、本のことだけは、なぜか少しわかり合えている気がします。
    父は、本を読む私を、どこかで信じてくれているような気がするんです。

    そして今は、幼い娘とも、いつかそんな関係が築けたら、と願ってしまいます。
    もしかすると私は、娘のために、少しずつ本を集めているのかもしれません。
    いつか彼女が困ったとき、つら

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    2025年11月13日
  • 別冊NHK100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆

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    NHK100分シリーズで、対象が筒井道隆、評者も個人的に気になる面々となると、これは読まない手はないわな。で、改めて本サイトで既読の筒井作品を確かめてみると、なんとまあ少ないこと。本書で取り上げられているものも、殆ど未読のものばかり。これはいけません。まずは積読状態にあるものから。

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    2025年08月07日
  • ぜんぶ本の話【毎日文庫】

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    本に対する知識が質、量ともにすごかった。読んでみたい本もたくさんあったけど、読書家三代の方が印象的で、なおかつとても良かった。

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    2025年07月26日
  • 火守

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    作者が電車の中で書き上げた本らしい
    そんな中で書かれたとは思えないくらい、静かなそして力強い内容だった
    挿絵も素晴らしく引き込まれた
    主人公のサシャがヒオリの元に帰らず火守との約束を守り、太陽を上げる仕事をやり遂げた
    凪の中で漂っている時の気持ちが何となく読み取れそうだった
    薄い本ではあるが内容は濃いと思った

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    2025年05月31日
  • ぜんぶ本の話【毎日文庫】

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    池澤夏樹、池澤春菜親子の読書対談。

    親子でこんなに深い読書の話ができるなんて素敵だなと思いながら読みました。

    読んだことの無い本たくさんあり、いろいろ読みたくなる一冊。
    何より、
    マシアス・ギリの失脚はまた読み直したいと思いました。

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    2025年05月22日
  • 火守

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    とてもよかったです。
    科学的な話をファンタジーに落とし込んだような、これがリアルだったら素敵だよなーと思うSF童話でした。
    池澤さんの訳も素晴らしく、ヒオリという名前の翻訳も素敵だと思いました。

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    2025年05月04日
  • 火守

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     SFでもファンタジーでもない。『三体』シリーズで知られる劉慈欣の唯一の「童話」。童話と言っても、(日本では?)子ども向けではないだろう。それなりに漢字を使って書かれており、特に難しいと思われる漢字以外にはルビは振られていない。

     世界の果ての島に住む火守の老人のもとへ、サシャが訪れる。少女ヒオリの病を治すためだ。世界に生きるすべての人は、空にその人だけの星があるという。サシャは天に上り、ヒオリの星の輝きを取り戻すのだ。

     なにか切ない気持ちにさせる物語だ。やはり子ども向けではない。

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    2025年04月29日
  • 火守

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    不思議な本だった。
    西村ツチカさんの絵とともに。
    本の中に入っていくというより、本のページがぶわっと自分の方までひろがって、本の世界が拡張して、現実の世界との境目が海辺のようにゆらゆらしている、不思議な本だった。

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    2025年03月14日
  • ぜんぶ本の話【毎日文庫】

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    池澤親子の対談本。海外文学中心に彼らの読書遍歴とともに多くの書籍が紹介される。世には多くの知らない本があるものだ。食わず嫌いせず分からないとこは読み飛ばしてひたすらに読むのが読書筋つける何よりの方法だなと改めてきづく。

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    2024年11月30日
  • わたしは孤独な星のように

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    色んなSFが楽しめる短編集。
    SFといっても化学や宇宙の難しい用語が並ぶようなタイプのものではなく、世界観は掴みやすい方かと思いました。

    最初の2篇は入り込むのにちょっと時間がかかったけど、3つめの「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」で急に、
    久しぶりに女子会をするからダイエットをしなきゃとSNSのアカウント(アカウント名もえたま)を開設して励む32歳の女性、
    という、ものすごく現実感のある話が始まって、
    そこでわたしはなんとなくこの本好きかも、思って一気に読みました。

    結局、このお話もとんでもない方向へ向かうわけだけど。笑


    AIddyの話は近未来の世界を1番リアルに描いている気がして、他

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    2024年10月23日
  • わたしは孤独な星のように

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    同じ作者によるとは思えない多彩なSF短編集。「糸は赤い、糸は白い」はキノコを植菌する近未来、二人の女子高生の恋愛感情。体温と甘酸っぱい湿り気に満ちていていい。
    一転、「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」は宇宙スケールに絶対痩せなくなったもえたまの独り言とオタクのスミスや脂肪ちゃんとの会話が疾走していて思えず笑ってしまう。
    「Yours is the Earth and everything that's in it」2038年のAiddyの独り語りで語られるサクランボ農場に生まれた青年の人生は、AIがまだぴんと来ていない自分にとって、なるほどAIによるユートピアってこういうことなのか、と

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    2024年10月11日
  • わたしは孤独な星のように

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    ネタバレ

    SFでありながら、人の柔らかさや暖かさを感じる短編集。表題作と祖母の揺籠が叙情的で好き。
    生命はみな孤独で、しかし他者と関わらずに生きることはできない。人ならざる姿となっても、人との関わり方が変わっても、世界がどんなに荒廃しようとも、結局人は誰かを愛し繋がりたくて、そして誰かを失って悲しむのだ。永遠の孤独を生きるセニョールたちに想いを馳せて。

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    2024年09月30日
  • わたしは孤独な星のように

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    こういうSFにありがちな絶望的な終わり方じゃなくて
    ほっこり優しい気持ちになれたりする
    池澤さんらしいなぁ
    設定がわかるまでちょっと時間かかるけど
    すぐそこにある近未来な設定が面白い!

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    2024年09月22日
  • わたしは孤独な星のように

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    あかりん言ってた通り
    糸は赤い、糸は白い がめちゃくちゃ好みだった。

    すごいSFなのになんとも言えない女子同士のリアルな感じが頭から離れない。

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    2024年08月16日
  • わたしは孤独な星のように

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    近未来SFぽいところがあって面白かった
    きのこの話はべつとして、ほかのはなしは語り手が、受け身ではないけれどちょっと浮いている(「まあいいか」みたいな印象がある)のが読んでいてここちいい

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    2024年07月02日
  • ぜんぶ本の話

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    いやいや、お二人を作りあげた愛しい本たち、あまりに私の好みと合致していて、読んでいる間は感動の連続だった。楽しかった!
    ちょっと昔の岩波少年文庫をイメージさせる本のカバーも嬉しい。
    池澤夏樹が福永武彦の息子だったというのは、初めて知った。そして、最後に紹介された母・原條あき子の作った練馬区立大泉第二中の校歌が素晴らしい!この学校で学ぶ生徒たちがうらやましい。

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    2024年03月26日
  • 火守

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    不思議な童話。毎日太陽を昇らせる火守、愛する女の子ヒオリの病を治したいサシャ。火守のお陰でヒオリの病気は良くなったけど、サシャは再会しない。火守にも止められなかったんだから、自分の村に戻ればよかったのに。そこが不可解。

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    2023年10月13日