池澤春菜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
池澤夏樹さん、春菜さんの、本が大好きな親子だから実現した濃厚な対談です。対話形式だから読みやすい。
読書を趣味にしたいけど、どうせなら良いものを手に取りたいという方にオススメ。決して本を読む事は偉いとか、沢山読んだ奴が勝ち、なんて事はなく、出てきた本の中から自分の心にささったものを手に取ってみる。合わないと思ったら本を閉じてOK。そんな、ゆるーい感じで未知の本とのマッチングをしてくれる本です。
お二人とも知識量が半端なく、賢い方同士の会話って、聞いていて興味深いし、得られるものが多々ありました。
また、自分の好きな本が取り上げられていると嬉しいですね。 -
Posted by ブクログ
SFアンソロジー7作品短編集。
Genesisも3冊目となり、人の想いの数だけSFの世界があることを、あらためて知る構成。
SFは日常のそこかしこに息づき、私たちの人生に奥行きと彩りを添えてくれます。
『エレファントな宇宙』
アクションSF。ミリタリー好きな方に超オススメ。
宇宙から高次元生命体が飛来した。
その生命体とコンタクトした人間は、憑依され、未知数の破壊力を持つに至った。
最新鋭米陸軍部隊と特殊作戦に挑む3作目。
…前作を読んでいた方が、より楽しいかもしれない。
『メタモルフォシスの龍』
近似未来SF。
恋をしてはいけない世界で恋をしたひとたちの悲哀を描いた作品。
独特な文で -
Posted by ブクログ
お父様が最高の本読み仲間であるという池澤春菜さん。
羨ましいです。
私の父も本が大変好きでしたが、もうこの世にいないので、話ができません。(50代で早逝しました)
私事で恐縮ですが、高校のときビクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』をどちらが早く全巻読めるか、競争したことを思い出しました。父は完読したけれど、私は遂に完読できずじまいでした。
そして、皆さんご存知かと思いますが、春奈さんのおじい様は福永武彦さんです。
でも、春奈さんは、読むこと、書くことは血でなくて、環境だとおっしゃっています。
私は目下、SFが読んでみたいけど、何を読んだらわからないジャンルなので、春奈さんの「SFはパパの書庫が -
Posted by ブクログ
ネタバレ父と娘、祖父も入れれば三代で作家であり、今なお本の世界に魅了されている二人がただただ延々とこれまで読んできた本のことや作家になるまでの人生を語り合うという内容。
全編を通して特に海外文学の翻訳書への造詣が深い様子が描かれ、児童文学からSF、果てはミステリーまで数多くの本について語られている。
私はこの本を読んだことでほしいものリストに20冊以上の本が増えた。うーん商売上手。
これまでいくつか海外文学に手を付けたことはあるが、そのほとんどは途中で投げ出してしまい、苦手意識を持っていた。
しかし、よくよく考えてみれば子どものころに読んだことのある有名な絵本は海外のものが非常に多く、それには原作 -
Posted by ブクログ
著者のお二人を「理想的な親子」と言ったら、言い過ぎでしょうか?
もちろん、見えないだけで、家族にはいろんな側面があると思います。
でも、この本で本について語り合うふたりのやりとりには、
まさに “同志” としての絆を感じる、信頼に満ちた空気が流れていました。
私も父とはあまり多くを語りませんが、本のことだけは、なぜか少しわかり合えている気がします。
父は、本を読む私を、どこかで信じてくれているような気がするんです。
そして今は、幼い娘とも、いつかそんな関係が築けたら、と願ってしまいます。
もしかすると私は、娘のために、少しずつ本を集めているのかもしれません。
いつか彼女が困ったとき、つら -
Posted by ブクログ
色んなSFが楽しめる短編集。
SFといっても化学や宇宙の難しい用語が並ぶようなタイプのものではなく、世界観は掴みやすい方かと思いました。
最初の2篇は入り込むのにちょっと時間がかかったけど、3つめの「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」で急に、
久しぶりに女子会をするからダイエットをしなきゃとSNSのアカウント(アカウント名もえたま)を開設して励む32歳の女性、
という、ものすごく現実感のある話が始まって、
そこでわたしはなんとなくこの本好きかも、思って一気に読みました。
結局、このお話もとんでもない方向へ向かうわけだけど。笑
AIddyの話は近未来の世界を1番リアルに描いている気がして、他 -
Posted by ブクログ
同じ作者によるとは思えない多彩なSF短編集。「糸は赤い、糸は白い」はキノコを植菌する近未来、二人の女子高生の恋愛感情。体温と甘酸っぱい湿り気に満ちていていい。
一転、「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」は宇宙スケールに絶対痩せなくなったもえたまの独り言とオタクのスミスや脂肪ちゃんとの会話が疾走していて思えず笑ってしまう。
「Yours is the Earth and everything that's in it」2038年のAiddyの独り語りで語られるサクランボ農場に生まれた青年の人生は、AIがまだぴんと来ていない自分にとって、なるほどAIによるユートピアってこういうことなのか、と