池澤春菜のレビュー一覧

  • 火守

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    胸がむず痒いような温まるような感じがする。自分の小さい頃のアルバムを見たときのような気持ちになった。ノスタルジックっていうのかな?
    この本の舞台には行ったことも、見たことも無いはずなのに、何故か故郷を懐かしむような気持ちになれる。不思議です。

    小説を頭の中で映像化して読むタイプの私にはぴったりでした。
    毎回頭の中で思い浮かんだ絵より綺麗でより鮮明な映像が見えました!あっぱれ

    三体も挿し絵付きで見てみたいと思ったけどけど、最後は抽象画みたいになって無理だろうなー。却下!!

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    2022年04月12日
  • 火守

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    劉慈欣本人が、過去のエッセイ(ありとあらゆる可能性の中で最悪の宇宙と最良の地球:三体と中国SF)で述べている次の内容に照らし合わせれば、今作もしっかりSFだなと思う。
    『SFは可能性の文学である。われわれの住む宇宙もまた無数の可能性の一つだ』

    『聞くまでもなく、これこそ太陽だった。』のとことか素敵。
    この童話は、自分達と違う理の世界が存在していいんだ、ということを優しく説いてくれていると思う。

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    2022年02月26日
  • ぜんぶ本の話

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    池澤夏樹さん、春菜さんの、本が大好きな親子だから実現した濃厚な対談です。対話形式だから読みやすい。
    読書を趣味にしたいけど、どうせなら良いものを手に取りたいという方にオススメ。決して本を読む事は偉いとか、沢山読んだ奴が勝ち、なんて事はなく、出てきた本の中から自分の心にささったものを手に取ってみる。合わないと思ったら本を閉じてOK。そんな、ゆるーい感じで未知の本とのマッチングをしてくれる本です。
    お二人とも知識量が半端なく、賢い方同士の会話って、聞いていて興味深いし、得られるものが多々ありました。
    また、自分の好きな本が取り上げられていると嬉しいですね。

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    2021年08月04日
  • ぜんぶ本の話

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    池澤さん父娘の対談集。読書歴、書評、創作を引っくるめ『本』について語り合う。ジャンルが多岐に渡り、本が読みたくなる本だった。

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    2020年12月25日
  • Genesis されど星は流れる

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    SFアンソロジー7作品短編集。
    Genesisも3冊目となり、人の想いの数だけSFの世界があることを、あらためて知る構成。
    SFは日常のそこかしこに息づき、私たちの人生に奥行きと彩りを添えてくれます。


    『エレファントな宇宙』
    アクションSF。ミリタリー好きな方に超オススメ。
    宇宙から高次元生命体が飛来した。
    その生命体とコンタクトした人間は、憑依され、未知数の破壊力を持つに至った。
    最新鋭米陸軍部隊と特殊作戦に挑む3作目。
    …前作を読んでいた方が、より楽しいかもしれない。


    『メタモルフォシスの龍』
    近似未来SF。
    恋をしてはいけない世界で恋をしたひとたちの悲哀を描いた作品。
    独特な文で

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    2020年12月01日
  • ぜんぶ本の話

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    お父様が最高の本読み仲間であるという池澤春菜さん。
    羨ましいです。
    私の父も本が大変好きでしたが、もうこの世にいないので、話ができません。(50代で早逝しました)
    私事で恐縮ですが、高校のときビクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』をどちらが早く全巻読めるか、競争したことを思い出しました。父は完読したけれど、私は遂に完読できずじまいでした。

    そして、皆さんご存知かと思いますが、春奈さんのおじい様は福永武彦さんです。
    でも、春奈さんは、読むこと、書くことは血でなくて、環境だとおっしゃっています。
    私は目下、SFが読んでみたいけど、何を読んだらわからないジャンルなので、春奈さんの「SFはパパの書庫が

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    2020年07月27日
  • ぜんぶ本の話【毎日文庫】

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    ネタバレ

    父と娘、祖父も入れれば三代で作家であり、今なお本の世界に魅了されている二人がただただ延々とこれまで読んできた本のことや作家になるまでの人生を語り合うという内容。

    全編を通して特に海外文学の翻訳書への造詣が深い様子が描かれ、児童文学からSF、果てはミステリーまで数多くの本について語られている。
    私はこの本を読んだことでほしいものリストに20冊以上の本が増えた。うーん商売上手。

    これまでいくつか海外文学に手を付けたことはあるが、そのほとんどは途中で投げ出してしまい、苦手意識を持っていた。
    しかし、よくよく考えてみれば子どものころに読んだことのある有名な絵本は海外のものが非常に多く、それには原作

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    2025年12月05日
  • ぜんぶ本の話

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    著者のお二人を「理想的な親子」と言ったら、言い過ぎでしょうか?

    もちろん、見えないだけで、家族にはいろんな側面があると思います。
    でも、この本で本について語り合うふたりのやりとりには、
    まさに “同志” としての絆を感じる、信頼に満ちた空気が流れていました。

    私も父とはあまり多くを語りませんが、本のことだけは、なぜか少しわかり合えている気がします。
    父は、本を読む私を、どこかで信じてくれているような気がするんです。

    そして今は、幼い娘とも、いつかそんな関係が築けたら、と願ってしまいます。
    もしかすると私は、娘のために、少しずつ本を集めているのかもしれません。
    いつか彼女が困ったとき、つら

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    2025年11月13日
  • 別冊NHK100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆

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    NHK100分シリーズで、対象が筒井道隆、評者も個人的に気になる面々となると、これは読まない手はないわな。で、改めて本サイトで既読の筒井作品を確かめてみると、なんとまあ少ないこと。本書で取り上げられているものも、殆ど未読のものばかり。これはいけません。まずは積読状態にあるものから。

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    2025年08月07日
  • ぜんぶ本の話【毎日文庫】

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    本に対する知識が質、量ともにすごかった。読んでみたい本もたくさんあったけど、読書家三代の方が印象的で、なおかつとても良かった。

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    2025年07月26日
  • 火守

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    作者が電車の中で書き上げた本らしい
    そんな中で書かれたとは思えないくらい、静かなそして力強い内容だった
    挿絵も素晴らしく引き込まれた
    主人公のサシャがヒオリの元に帰らず火守との約束を守り、太陽を上げる仕事をやり遂げた
    凪の中で漂っている時の気持ちが何となく読み取れそうだった
    薄い本ではあるが内容は濃いと思った

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    2025年05月31日
  • ぜんぶ本の話【毎日文庫】

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    池澤夏樹、池澤春菜親子の読書対談。

    親子でこんなに深い読書の話ができるなんて素敵だなと思いながら読みました。

    読んだことの無い本たくさんあり、いろいろ読みたくなる一冊。
    何より、
    マシアス・ギリの失脚はまた読み直したいと思いました。

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    2025年05月22日
  • 火守

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    とてもよかったです。
    科学的な話をファンタジーに落とし込んだような、これがリアルだったら素敵だよなーと思うSF童話でした。
    池澤さんの訳も素晴らしく、ヒオリという名前の翻訳も素敵だと思いました。

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    2025年05月04日
  • 火守

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     SFでもファンタジーでもない。『三体』シリーズで知られる劉慈欣の唯一の「童話」。童話と言っても、(日本では?)子ども向けではないだろう。それなりに漢字を使って書かれており、特に難しいと思われる漢字以外にはルビは振られていない。

     世界の果ての島に住む火守の老人のもとへ、サシャが訪れる。少女ヒオリの病を治すためだ。世界に生きるすべての人は、空にその人だけの星があるという。サシャは天に上り、ヒオリの星の輝きを取り戻すのだ。

     なにか切ない気持ちにさせる物語だ。やはり子ども向けではない。

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    2025年04月29日
  • 火守

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    不思議な本だった。
    西村ツチカさんの絵とともに。
    本の中に入っていくというより、本のページがぶわっと自分の方までひろがって、本の世界が拡張して、現実の世界との境目が海辺のようにゆらゆらしている、不思議な本だった。

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    2025年03月14日
  • ぜんぶ本の話【毎日文庫】

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    池澤親子の対談本。海外文学中心に彼らの読書遍歴とともに多くの書籍が紹介される。世には多くの知らない本があるものだ。食わず嫌いせず分からないとこは読み飛ばしてひたすらに読むのが読書筋つける何よりの方法だなと改めてきづく。

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    2024年11月30日
  • わたしは孤独な星のように

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    色んなSFが楽しめる短編集。
    SFといっても化学や宇宙の難しい用語が並ぶようなタイプのものではなく、世界観は掴みやすい方かと思いました。

    最初の2篇は入り込むのにちょっと時間がかかったけど、3つめの「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」で急に、
    久しぶりに女子会をするからダイエットをしなきゃとSNSのアカウント(アカウント名もえたま)を開設して励む32歳の女性、
    という、ものすごく現実感のある話が始まって、
    そこでわたしはなんとなくこの本好きかも、思って一気に読みました。

    結局、このお話もとんでもない方向へ向かうわけだけど。笑


    AIddyの話は近未来の世界を1番リアルに描いている気がして、他

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    2024年10月23日
  • わたしは孤独な星のように

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    同じ作者によるとは思えない多彩なSF短編集。「糸は赤い、糸は白い」はキノコを植菌する近未来、二人の女子高生の恋愛感情。体温と甘酸っぱい湿り気に満ちていていい。
    一転、「あるいは脂肪でいっぱいの宇宙」は宇宙スケールに絶対痩せなくなったもえたまの独り言とオタクのスミスや脂肪ちゃんとの会話が疾走していて思えず笑ってしまう。
    「Yours is the Earth and everything that's in it」2038年のAiddyの独り語りで語られるサクランボ農場に生まれた青年の人生は、AIがまだぴんと来ていない自分にとって、なるほどAIによるユートピアってこういうことなのか、と

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    2024年10月11日
  • わたしは孤独な星のように

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    ネタバレ

    SFでありながら、人の柔らかさや暖かさを感じる短編集。表題作と祖母の揺籠が叙情的で好き。
    生命はみな孤独で、しかし他者と関わらずに生きることはできない。人ならざる姿となっても、人との関わり方が変わっても、世界がどんなに荒廃しようとも、結局人は誰かを愛し繋がりたくて、そして誰かを失って悲しむのだ。永遠の孤独を生きるセニョールたちに想いを馳せて。

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    2024年09月30日
  • わたしは孤独な星のように

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    こういうSFにありがちな絶望的な終わり方じゃなくて
    ほっこり優しい気持ちになれたりする
    池澤さんらしいなぁ
    設定がわかるまでちょっと時間かかるけど
    すぐそこにある近未来な設定が面白い!

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    2024年09月22日