池澤春菜のレビュー一覧

  • 火守
    中華SFの大作『三体』の劉慈欣による、今のところ唯一の童話、だそうです。
    挿絵たっぷり、余白たっぷりの絵本の体裁で70ページほど、短ければ数十分もあれば簡単に読み終わってしまう1冊ですが、余韻も感じる素敵な1冊でした。

    こういう「夢(夜見る方です)」のような展開を、綺麗にして世に出す、というのは物...続きを読む
  • SFのSは、ステキのS
    昔はなぜ豪(※爆走兄弟レッツ&ゴー!!)の人がSFの書評?なんて思ってましたが、今となっては至極当然のことですよ。
    好きなものを好きなように好きなだけ語る。何てステキなことでしょう。SFからはみ出るのもまた一興。
    その語りや行動がジャンルを活性化させる一因となっているのもステキ。
  • ぜんぶ本の話
    本が好きな父娘が本について語り合う。ただそれだけなのに面白い。ただそれだけだから面白い。
    児童文学から始まり、SFやミステリへと。物語の面白さが溢れ出す。正直自分とは本の好みは違うけど、だからこそ面白いのかも。
    さあ本を読んで本を語ろう。
  • 火守
    難しい設定はあまりなくて綺麗な挿絵で場面想像しやすく絵本を読む感覚でさらりと読めた。
    少年サシャの好きな女の子の病気を治すために、願いを叶えてくれる火守という老人に弟子入りして、捕鯨してロケットに必要な材料揃えたり、月面に行ったり幻想的な物語。
    女の子の命を救っても、火守との約束を果たして仕事を引き...続きを読む
  • ぜんぶ本の話
    書評集付録で対談を読んだことがあったけど、本作は純粋に親子二人の対談本。自分もその場に居合わせて、一緒に読書論を交わし合ったような気分を体験できる。内容がちんぷんかんぷんだとそうはいかないけど、本書はちょうど良い感じ。本好き同士の話は面白い。そして、父・夏樹氏の発言から引いたこのフレーズに、自分の感...続きを読む
  • 火守
    SF作家による童話。愛する女の子の病を治してもらうために火守を訪ねたサシャと、毎日海から上がってくる太陽に火を灯すという重要な責務を負う火守の物語。
  • ぜんぶ本の話
    小説家の池澤夏樹氏、声優であり日本SF作家クラブ会長を務める池澤春菜さんがひたすら本について話す対談本。親子というよりも気の置けない友人同士のような喋りは冒頭で語られる「最高の本読み仲間」という関係がしっくりくる。登場するのはいずれも自分が読んだことのない本ばかりで非常に興味がそそられました。特に海...続きを読む
  • 火守
    『三体』の劉慈欣が書いた童話で、表紙がとてもお洒落な絵本。短い話だが、サシャの生き方を考えさせられる。大事にすべきことは何なのか、守るべきことは何なのか。しばらくして読み返したら、どう感じるだろうか。手元に置いておきたい素敵な本だ。
  • ぜんぶ本の話
    本が大好きな親子の対談本。知らない本の名前がいっぱいでした。
    当然の如く読んでる御二人の読書量には舌を巻きます。
    ふたりして毒を吐いてるところ、ミステリオタクの会話みたいで良かったです。

    「とにかく一度書いて、しばらく放っておくといいよ。半年くらい置く。そのあと、読み返すと、きっと欠点が見つかるか...続きを読む
  • SFのSは、ステキのS
    SFマガジンに連載されていたエッセイをまとめた一冊。各回にcocoさんの四コマ漫画、巻末に用語集までついた贅沢な仕上がり。羨ましいほどのSF愛で読み応えがあった。そもそもSFというカテゴリーは、ロマンス、ミステリー、ファンタジー等々、多様なジャンルをまるっと包んでしまうから、自力で好みの一冊に辿り着...続きを読む
  • ぜんぶ本の話
    児童書、少年小説、SF、ミステリー、そして「作家の父を持つこと」について、父娘が初めて語らった対談集。


    春菜さんが学校の図書室の本を読みきって「転校したい」と言った伝説を持つのも頷けるほど、二人の児童書知識がものすごい。私は岩波ようねんぶんこ及び岩波少年文庫とは縁遠く、挙げられている本のなかで読...続きを読む
  • ぜんぶ本の話
    とてもディープな読書対談でした。かっちりと手応えのあるものをたくさん読んできたお二人の姿がくっきりと見えてきます。親子ですけれど、すごく対等な、ちょっとドライな仲の良さも、嫌味がなくて好感が持てます。一箇所だけ、他の方に対して「あれ?ちょっと上から目線??」と、どきっとした箇所があり、読んだ私の感じ...続きを読む
  • ヒミツのヒミツの猫集会
    猫集会をテーマにした文とコラボの写真集。
    ・猫のカラー写真 沖昌之
    ・エッセイと物語     「毛玉」前田司郎  
       「化身」池澤春菜  「猫をやめたい」いしいしんじ
    ・解説「猫集会の科学」今泉忠明
    猫たちは何処へ行くの?何故集まっているの?
    なんだか不思議な猫集会をテーマにした写真とエッセイ、...続きを読む
  • ぜんぶ本の話
    中学校のお友達のキヨちゃんのお父さんが半村良だった、というエピソードに「へぇ」3つ。
    (キヨちゃんは苗字の略だったようで)
  • ぜんぶ本の話
    本をたくさん読む人たちは、もちろんどんな才能があっても、本が好きという立場ではわたしたちと同じところに立ってくれる。読書というのは贅沢な趣味だな!!池澤夏樹さんの読書エッセイも絶対好きだと思うから読みたいし、こういう人たちのセレクトショップには信頼が置けるので、河出の全集も少しずつ揃えられたらなと思...続きを読む
  • SFのSは、ステキのS
    池澤春菜さんのSFに纏わるエッセイ。
    『乙女の読書道』が非常に面白かったのでこちらも。

    これは、ある程度SFをよくご存知で
    既読の本がたくさんある方の方が面白いかも。

    SFの作品紹介にとどまらず、SFと距離の近い
    サブカルのいろいろに、たくさん言及してらして
    それからSFへの発想や、作品との連想...続きを読む
  • SFのSは、ステキのS
    SFマガジン連載のエッセイ。COCOさんの4コマ漫画も楽しい。

    毎晩寝る前に少しずつ読む。
    池澤父もまさか娘がここまでのSF者のなるとは夢にも思わなかったに違いない。どれだけのめり込むかで楽しみの深さも違ってくる。のめり込んだ者が勝ちというかハッピー!の典型ではないか、と最近のめり込めない自分を振...続きを読む
  • SFのSは、ステキのS+
    隔月で刊行されているSFマガジンで、小説以外で必ず見るのが、酉島伝法、宮崎夏次系、SF BOOK SCOPE、観光局、柿崎憲、そして本書の基になる「SFのSは、ステキのS」。作者は、知ってる、知ってる、声優の花澤香菜・・・じゃなかった、池澤春奈だった。ええ?どちらも声優だし、どちらも歌手だし、どちら...続きを読む
  • 火守
    ・結果的に絵本になっているでしょうか。
    ・太陽の運行を司る火守は孤島でたった一人、一生続けねばならない過酷な仕事だがサシャは身体を壊した愛するヒオリの星を治してもらうことと引き換えに火守を引き継ごうとする。
    ・絵がとても美しいです。それだけでも手に入れる価値はあるかも。
    ・SF小説『三体』はいずれ読...続きを読む
  • 火守
    SFの人の作品だからSFかと思って読んだら、童話だった。SFと思ってた影響で、月やロケットのつくりが気になってしまった。最初から童話と思って読んでいればもっと違ったかもしれない。挿絵が好み。火守のタイトルに最後は納得。