武川佑のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イメージは中世版ゴールデンカムイ。
日本の歴史では戦国時代に当たる北海道。道南一帯を支配していた蠣崎家と以前から居住していたアイヌは互いに緊張した関係にあった。主人公は謎多き屈強なアイヌの壮年シラウキと領主蠣崎の次女「稲姫」。
ヒグマに襲われた稲姫を助けたシラウキ。稲姫は礼を尽くすが行き違いから和人とアイヌの抗争に発展、
シラウキは稲姫を人質に逃走する。コタンでアイヌの優しさに触れた稲姫は自分が何もしらなかったことを恥じる。前面抗争を避けるためコタンの長と和睦の道を探る。蠣崎家の主君、出羽国の安東氏に仲介を依頼。稲姫とシラウキは海峡を超え苦難の旅に出た。道南と北東北を舞台に数々の困難を駆け抜け -
Posted by ブクログ
歴史小説。
世は戦国時代、アイヌと和人は和睦ができるのか?が、テーマかな。当時のアイヌや日の本の和人の振る舞いや生活などよくわかる。アイヌは字を持たない人種なので和人に書面で色々騙され原住民であるのに迫害されちゃうんだよね、、。
しらなかったんだけどアイヌは北海道だけじゃなく東北にも住んでいた!
海を渡り東北へー、そして限りある時間のなかでお話は急速に展開していって、、、。稲の成長っぷりと、シラウキとのお互いへの思いやり。他の登場人物も自分の矜持に従いしなやかに活躍する姿がかっちょええ。
いや想像よりずっとワクワクした小説。金カムラブなので絵としても想像できてとても嬉しい小説だった。
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購入済み
具足というユニークな視点から
語られる歴史物語。そして、我々がよく知る歴史に巧みに織り込まれていて実に興味深く、面白かった。。私が初めて読んだ武川氏の小説で、他の作品も是非読んでみたい。
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Posted by ブクログ
複数の著者の鎌倉時代初期の歴史小説を集めたアンソロジーである。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』と重なる。
澤田瞳子「さくり姫」は絵師の目を通して源頼朝の同母妹・有子を描く。坊門姫と呼ばれ、一条能保の妻となった人物である。後藤基清が有子の乳兄弟として登場する。基清は能保の家人と知られているが、ここでは忠誠心は有子にのみ向けられている。史実の基清は讃岐守護を務め、一条家に仕え続けた。嫉妬深さや悪女と伝えらえる北条政子の人間味が明らかになる。これは『鎌倉殿の13人』と重なる。
武川佑「誰が悪」は和田合戦を描く。和田合戦の前に畠山重忠が冤罪で滅ぼされた。和田義盛は畠山重忠を討ちたくなかったとする