武川佑のレビュー一覧
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タイトルの通り、「陰陽師(夢枕獏著)」の基軸に、夢枕先生をはじめとするさまざまな作家の短編がまとまったトリビュート小説集。
過去作もありつつも、話や時系列が整っていて、初めて「陰陽師」の世界を読む人でも入りやすい内容になっている。
各作家の作品が、平安時代を飛び出したり、メインの晴明や博雅が出つつも、第三者の視点であったり、出なかったりと、意外な新鮮さがあって面白かった。
5作家・6作品の中では「遠輪廻(武川佑著)」が印象的かつ好きな内容だった。
「陰陽師」の世界の時間軸より時を経た舞台であるにもかかわらず、「陰陽師」の世界としっかり結びついており、作品内の美しい儚い描写に読み入ってしまうものがあった。
歌や桜で結びつく縁というところも良いし、鬼を退治することを目的としない対峙の仕方も興味深かった。 -
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十人の人気作家が作る、妖しげな世界。
「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
世界がループするのだ。
ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。
『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
どちらだ。
どっちなんだ。
いや、どちらでも構わないだろう。
もうすぐ、スモモの季節。
あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べられるだろうか?
「かぐわしきひと」「喪中の客」はどちらも気味の悪さで際立つ。
前者は自分の思い込みに騙され、そして、終わりの凄惨さに胃液が上がってくる。
後者は、自分の見ている世界が本当に正しいのか、わからなくなる。
それにしても、あの客人は一体なぜきたのだろう?
そちらの方が、より、恐ろしい。 -
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【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
アンソロジーシリーズ。
この面子だし、と思って読み始めたのが
間違いだった…
想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
夜、部屋で一人で読んでいられないページが
何度もあった。
大好きな米澤穂信の
「わたしキャベンディッシュ」も、
あーー、これが伏線でこうなる感じかぁ
のんきに思っていたあたし。
伏線は伏線でも回収先が違っていて
安定の穂信のぞわぞわ感。
乾ルカの「かぐわしいひと」なんか
ここから先は、もう読めない……と
次の日に
持ち越したくらいなのに
その怖さに上塗りされるように
壊れていく人間の怖さがくる。
えーーー??そっちーーー??!みたいな…
そんな中、
なんとも言えない感情と思いに溺れたのが
窪美澄の「真珠星スピカ」
母と娘、父と娘。
このそれぞれの【2人きりの時間】には
切なさとやりきれなさ、
それに希望が詰まってる。
まだ読んだことがない作家さんも多かった。
少しずつ読んでみたい。
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決戦シリーズ第7弾。今回の舞台は「長篠の戦い」。
主戦場が設楽原だったということでタイトルになってます。鉄砲三段撃ちで有名なあの戦いです。
武田側は信玄ありきだったのだなぁ、と改めて感じました。偉大な先代の影響から、勝頼も宿老たちも逃げられなかったのだなぁ、と。信玄の遺産で勝ち続け、この戦いで使いつくしてしまったわけか。
そこから前を向く「ならば決戦を」。
少しでも残そうとする「くれないの言」。
敗北から這い上がろうとする話は、涙を憶えます。その後の武田の顛末を知っているだけに。
「表裏比興の者」は、伊東潤の「天地雷動」との相似として面白いです。真田昌輝と釣閑齋の作戦は似たものだけど、導き出した根底が全く違う。
「決戦!設楽原」の中で同時に読んでみたかった、と思いましたね。
いやー、こういう風にいろんな角度があるから歴史小説はおもしろいや。