更科功のレビュー一覧
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タイトルの通り、ダーウィンの「種の起源」を読んだふりができる本です。
非常に気になる一冊だったんですが、なんだか装丁が豪華で、タイトルもふまじめな感じがするし、値段も安くはないしで買うのをためらってました。
結果、読んで大正解の良本でした。
私もご多分に漏れず、種の起源を買ったのははや6年ほど前、そして読んでる途中で匙を投げて放置している人間の一人。
積読ではなく、こりゃ分からねーやと断読しているというありさまです。今後も読まねーだろなと小声で思っています。
この本を読んだ今、オリジナルをあきらめた私の判断は正解だったと思っています。
ダーウィンの種の起源の何が画期的だったのか?現在の知 -
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ダ・ヴィンチは地球を生物と捉えていた。
「生物」をどう定義するかで、地球も生物になり得る。
今は「自分の複製を作る」が定義の1つなので、地球は生物ではない。
本書は「生物学講義」というタイトルだが、生物に関する面白い話を聞いている感じ。
花粉症やアルコールの話題なんかも取り上げられていて、身近に感じる内容も多いので読みやすい。
・飲んだアルコールの30%は胃から、残りの70%は小腸から吸収される。
・体重が60キロの人だと、500mlのビールを8缶も飲めば、急性アルコール中毒になる可能性がある。
・アルコールは小腸からの吸収が早いので、胃に長く留めておきたい。食べながら少しずつ飲むのがい -
Posted by ブクログ
生物について現在地点のわかってるとことを、やさしく解説してくれる。
進化の話やシンギュラリティの話がおもしろかった。
しかし、先日読んだ熊楠の時代から100年くらいでこんなにわかることが増えてるのが、興味深い。
40億年の生命の歴史を考えていると、少子化問題とか環境問題とか、些末に思えるというか(もちろんヒトの1種類のみが増えすぎてる問題は重大事案だけど)、このパワーバランスも地球の生命体の一方向性に思える不思議。個人の意思でどうにかなるもんでもないのかな、て。栄えるも滅びるも環境次第というか。なるようになるという達観が得られる気がするな。 -
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(2012/10/17)
タイトルは堅いんだけど、中身は柔らかく、面白い!
ジュラシックパークの世界!
過去の化石からDNAを取り出すためにどんな手順を取っているか、
またそれがいかに難しいかがよくわかる。
とれたDNAが本当にその当時のその生物のものなのか、それともあとから付着したものなのかを
判断するためには並大抵ではなく地道な作業の繰り返しがあるようだ。
きちんと作業して取り出したDNAからいろいろなことがわかる、というのはすごい。
推理小説並み。
女性特有の遺伝子だけが引き継がれるため、現代の人類の祖先は「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれるたった一人の女性に行きつくとか、
日本人を「縄 -
Posted by ブクログ
ダーウィンの進化論を中心に、進化論の変遷や、進化生物学の考え方を学んだ。まず、分かりやすく軽妙な語り口がとても読みやすかった。
科学者といえど、それぞれの執着する価値観、世界観があって、学説が思い切りそれによって左右されているのが面白かった。科学といえどヒトの営みはそんなものなのかもしれない。
要不要論の否定や、遺伝的浮動の影響の大きさ、個体数の大小による変異への影響等、新しい考え方をたくさん学べて刺激的だった。
そして、変異(進化)は必然的に起こるがどんな方向性に向かうかはかなり偶然の要素が大きく、ある意味ではロマンもストーリーも存在しないというのが面白かった。そして進化論が依然誤解され続 -
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2023/09/06 読み終わった
コテンラジオの老いと死の回で紹介されていたので。あとは、深井さんがおすすめしていた同じ著者の「進化論はいかに進化したのか」が面白かったので。
なぜヒトには寿命があるのか、究極の答えは自然淘汰の結果だということ。つまり、そういう風に進化したから。だそうだ。
歴史的にさまざまな説が提唱されてきた:
- 体が大きい方が寿命が長い
- 代謝が少ない方が寿命が長い
- 次の世代に譲るため←循環論法
最近の説は20世紀後半のものも。でもそれも否定されている。
結局、自然淘汰で全部説明できる。これはきれいだと思った。
因果関係を間違えて認識していないかを常に