【感想・ネタバレ】化石の分子生物学 生命進化の謎を解くのレビュー

あらすじ

【第29回 講談社科学出版賞受賞】 ネアンデルタール人は現生人類と交配したか? ジュラシック・パークの夢は実現するか? 古代DNA研究が解き明かした生命進化の謎の数々を、わかりやすく紹介する。化石のささやきに耳を澄ませる生物学者たちの奮闘をつたえる好著! (講談社現代新書)

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DNA 分析の進化スゴ

昨年ネアンデルタールの博物館に行きました。あの種族が我々日本人にもゲノムを残していると思うと楽しいものです。最新工学と人類起源への探究心は素晴らしいです。
これ読んだ方に、デジタル時代の恐竜学をお勧めします。こちらは化石を最新技術で解析していて。目からウロコが落ちます。
土と生命の46億年史もグレートジャーニーが土と密接なつながりを持つ話などワクワクする話が満載です。

#アツい #深い #タメになる

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

(2012/10/17)
タイトルは堅いんだけど、中身は柔らかく、面白い!
ジュラシックパークの世界!
過去の化石からDNAを取り出すためにどんな手順を取っているか、
またそれがいかに難しいかがよくわかる。
とれたDNAが本当にその当時のその生物のものなのか、それともあとから付着したものなのかを
断するためには並大抵ではなく地道な作業の繰り返しがあるようだ。

きちんと作業して取り出したDNAからいろいろなことがわかる、というのはすごい。
推理小説並み。
女性特有の遺伝子だけが引き継がれるため、現代の人類の祖先は「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれるたった一人の女性に行きつくとか、
日本人を「縄文人顔」「弥生人顔」などというが、DNAで追いかけると実は、、、とか。
・・・私はミトコンドリアは男の遺伝子で、天皇制が男系なのはこのミトコンドリアを維持するためだと思い込んでた。
逆じゃん。というかDNA的にはもはや天皇制の根拠がないってことだ。血筋だけならば男だろうが女だろうがいいわけで。
天皇の声を遠ざける宮内庁を廃して、国民に身近な天皇家を守ればいいのではなかろうか。。話がそれた。

以下にこの本が面白いか、この目次の「問いかけ」からしてそそるでしょう。

第1章 ネアンデルタール人は現生人類と交配したか
第2章 ルイ十七世は生きていた?
第3章 剥製やミイラのDNAを探る
第4章 縄文人の起源
第5章 ジュラシック・パークの夢
第6章 分子の進化
第7章 カンブリア紀の爆発
第8章 化石タンパク質への挑戦

福岡伸一さんが世に出た「無生物と生物の間に」同様、
我々がなかなか知りえない世界をわかりやすく、面白く伝えてくれている新書だと思う。
なのにこのタイトルはないわなー。福岡さんのタイトルも微妙だけど、少なくともわくわくさせるタイトルではある。
が、「化石の分子生物学」、、、「学」ではねぇ。

それこそ第一章の「ネアンデルタール人は現生人類と交配したか」をタイトルにしてもよかったんではないかな。
「ミトコンドリア・イブ」でもいいかも。
このままだと多くの人の手に取ってもらえない。
私もdigで紹介されなかったら読まなかったと思う。だからせめて私のブログ読者の間だけでも何とか広めたいと思います。
これは面白いです!ぜひ!

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2024年09月20日

購入済み

内容も素晴らしいが

ネアンデルタール人や恐竜など興味深いテーマを題材にしているので、かなり専門的な内容なのだが投げ出さずに読み進めることができた。他の本でも色々と言及されているネアンデルタール人や恐竜と違い、先カンブリア紀の話は初めて読むので特に興味深かった。このような内容も素晴らしいが、科学というものに対する姿勢 態度の話が良かった。締めくくりの「大切なことは、自分に不利な証拠を探すこと」に感銘を受けた。

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2022年08月01日

Posted by ブクログ

化石のDNAやたんぱく質を調べる事で、古生物の生態や進化の歴史に迫ろうする、学者たちの奮闘を描いている。なかなか新しい学問分野で、これからの発展が期待できそうですね。

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2014年01月26日

Posted by ブクログ

化石からDNAをとったり、DNAから過去を見たりと、ダイナミックに古生物学を伝えていると思います。生物進化の中立説の説明もわかりやすかったですね。

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2012年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

分子古生物学とは何かを判りやすく説明している。
現生人類とネアンデルタール人との交配はあったか?
ジュラシックパークは実現するか?
ルイ17世は幽閉されて死んだのか?
好奇心をくすぐるテーマに沿って、分子古生物学の方法が説明されている。
最近の生物学の面白さが十分に伝わる。
中高生に是非読んでもらいたい。
理科離れが危惧されているが、こんな先生がいればきっとみんな理科を勉強したくなる。

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2012年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 本書は古代DNA(化石DNA)の研究の歴史と現状をわかりやすく解説した本である.映画ジュラシックパークでは,植物の樹液の化石である琥珀に取り込まれた蚊の血液から恐竜のDNAを抽出し,恐竜を復活させていた.あれが現実にできるのか.誰しもが夢を感じる部分だろう.このような古代DNAを扱う研究分野を分子古生物学という.著者はその分野の専門家である.その著者が,恐竜のDNAも含めて,分子生物学の進展を,ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは交配していたのか?,ルイ17世存命説,カンブリア紀の爆発(カンブリア紀初期における動物の急激な多様化),などとの話題を絡めて丁寧に解説している.また,本書の構成が面白く,前半部で肯定的に書いていたいくつかの古代DNAの研究結果が後半部で誤りであったことや疑いが持たれていることが明かされる.前半部で「へ~,こんなことまでわかるんだ!」という思いが,途中で見事に裏切られる例があるのだ.言ってみれば,本書を読み進める過程で,古代DNAの研究者たちの興奮と落胆が疑似体験できると言っても過言ではない.
 古代DNAの研究は夢があり,華やかであるが,古代DNAの研究は難しいのだ.DNAが何万年,何千万年,何億年と保存される可能性はきわめて低い.それゆえ,研究には慎重に期す必要があるし,他者による検証が必要なのだ.本書の最後に述べられている言葉が非常に印象的である.「科学者も人間なので,つい自分に有利な証拠を集めようとしてしまう.しかし,研究をする上で大切な事は,自分に不利な証拠を探すことである.自分で自分の仮説を反証するつもりで,観察なり実験なりを行うことだ.・・(略)・・.そして本来,自分を納得させることは,他人を説得するよりも難しいのだ.」まさにその通りだ.自分には嘘をつけない.研究者はまずは自分自身が,自分の研究の最大の批判者にならなくてはならないのだ.実は著者の更科さんは私の大学院時代の大先輩にあたる.DNA分析の指導などもしていただいていたが,空いた時間に研究のことなどを(ほとんどはゴシップ話でもあったが・・・)語り合った仲だ.上記の事は当時から常々更科さんが口にしていた言葉で,とても印象に残っている.そういう更科さんが,公正に,わかりやすくまとめた本書は,分子古生物学の現状を手軽に知る最良の書である.

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2012年09月21日

Posted by ブクログ

ふんぬーーっ!読みながら鼻息が荒くなるほど面白い。
ジュラシックパークは実現できるのか?ネアンデルタール人と現生人類は交配したか?などなど、目次を読むだけでも興味津々。専門的な内容もすごくかみ砕いた説明をされていて分かりやすい。もちろん専門的過ぎて理解できていないところもたくさんあるのだけれど、理解不能なところがあることをもってしてもあまりある面白さだ。そしてこの著者のすごいところは、読んでいるうちに「じゃああれはどうなんだ?」と降って湧いてくる疑問にも、ちゃんと答えを出してくれるところだ。
それにしても、化石やミイラからDNAを採るということが、これほど大変であいまいな作業だとは知りませんでした。分子生物学の手法というか作業って、案外アナログなんですね。

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2012年09月09日

Posted by ブクログ

化石に残るかすかな、しかしきわめて重要な、手がかりをめぐる分子生物学者たちの成功と失敗が紹介されています。

約20万年前に誕生したホモ・サピエンスと比べて、たとえば何千万年前の恐竜の化石から何かを知ろうとすることは相当に大変なことであることを知ることができます。では、なぞそのように大変な作業をつづけることができるのでしょうか。著者は、結論部において以下のように述べます。

「現在という磨りガラスを通さずに、直接過去を見ることができる快感は何物にもかえがたい。何かの役に立つからではない。いや、何かの役に立つかもしれないが、それが目的ではない。過去を知るということは、それ自体が知的好奇心を刺激する営みなのだ。」

「過去を知るということ」がもたらすのは「直接過去を見ることができる快感」。この快楽原則が分子生物学の探究を支えている、というのは乱暴すぎる議論でしょうか。

個人的には、現生人類が存在していなかった過去を化石を介して知ることの意義は、カンタン・メイヤスーが『有限性の後で」で述べている、化石を介して知るということの問題(いわゆる祖先以前性の問題)としても捉えられると考えています。つまり、科学と哲学を表裏一体の関係として考えることで、化石論は広がりと深まりをもつように思えるのです。

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2024年10月30日

Posted by ブクログ

現代のすりガラスを通さず、過去を直接的に見ることは、役に立つ立たないだけではなく、それだけ刺激的なのだ、と最後に好きなことを仕事にできるのは幸せですよね。
化石の分析の仕方を、結果だけではなく手法や測定原理を平易に説明している点が○です。

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2020年07月18日

購入済み

化石の分子生物学

現代のすりガラスを通さず、過去を直接的に見ることは、役に立つ立たないだけではなく、それだけ刺激的なのだ、と最後に好きなことを仕事にできるのは幸せですよね。
化石の分析という大雑把な本ではなく、高校生物レベルの平易な言葉で、得られた結果をまるで推理小説のように分析しているようでした。

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2020年07月18日

Posted by ブクログ

化石や剥製からDNAやタンパク質を抽出して解析し、現生生物のDNAと比較することが歴史を解き明かす手段となり得ることを紹介した本。

化石からのDNA解析において、外部から混入したDNAとの判別が難しいという事が様々な研究紹介を通じて理解出来ました。また、ジュラシックパークの世界には夢を抱かされますが、残念ながら、現実的では無い事も理解しました。

本書の最後で語られている、筆者の研究者としての信念や知的好奇心に感心させられました。

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2020年05月21日

Posted by ブクログ

ジュラシック・パークなどでも話題になった化石の分子生物学についての入門書。

入門書とはいえ、割と深く懇切丁寧に書いており、とても勉強になった。

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2017年03月04日

Posted by ブクログ

クライトンの原作『ジュラシック・パーク』を読んだ時、「これで恐竜が現代に蘇る!」と思ったもんですが、現実は無理っぽいようで。
化石の裏側っぽいことも書かれていて知ることも多かったです。

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2016年03月27日

Posted by ブクログ

「化石からDNA情報を取り出す」いわゆるジュラシックパークの世界は実現するのか?という内容である.恐竜のDNA解析がどこまで可能なのか,現在の状況について詳しく書かれている.また,古代DNA研究について知るための基礎知識としての分子生物学についてもわかりやすく説明されており,理解の助けになる.

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2013年11月19日

Posted by ブクログ

小さな小さな、細胞の中の細胞小器官の中のたんぱく質を構成するアミノ酸…分子生物学が扱うのはそのくらいのレベルの小さな世界だけど、そこには人間のロマンを燃えたぎらせる謎と魅力が詰まっていると思いました。

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2013年06月18日

Posted by ブクログ

恐竜だけじゃなく古生物とか進化論とかも好きな私にとっては、かなり興味の対象をカバーしてくれている本だった。逆に、帯や装丁(恐竜の絵が書いてある)に惹かれて買うと、外れかもしれない。塩基配列とかミトコンとかDNAの取り出し方とかも書いてある、文系恐竜好きからすると、かなりマニアックな本(笑)

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2013年05月06日

Posted by ブクログ

化石からDNAを取り出す。その方法や困難さを丁寧に描くことによって、ネアンデルタール人や恐竜のDNAから何が分かるか、学問の興奮の伝わる本でした。
現代に生きる細菌もホモサピエンスも同じだけ進化しているのだとする考え方が素敵。

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2013年01月12日

Posted by ブクログ

化石DNAの研究は、例えばジュラシックパークや冷凍マンモスの発見で、一時脚光を浴びることはあっても、その成果が、世間一般に広く知れわたることはほとんどない。殆ど岩石その物といってもいい大昔の化石から、僅かながらもDNAやタンパク質が採取できるというのは、なかなかの驚きだろう。
どことなく、古き良き時代の新書といった趣きのある本書。なかなかおすすめです。

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2012年12月25日

Posted by ブクログ

非常に分かりやすく書かれているので,高校生物程度の知識があればサラっと読めてしまいます.大学程度の内容に対する説明も親切で,他の本に解説を求めることなく,この本だけでしっかり理解できます.

後書きにもあるように成功研究だけでなく,過ちにも注目しながら研究紹介がされているところが良いですね.コンタミネーションの恐怖,この本でも存分に描かれています.

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2012年12月17日

Posted by ブクログ

福岡伸一さんの「生物と無生物の間」(だったか)に次いで面白かったです。自分は文系で門外漢ですが、科学実験のプロセス、考え方の一端が分かりやすく書かれていて、良書と思います。

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2012年12月05日

Posted by ブクログ

分子生物学の成功と失敗について書かれており、テーマも興味深いものが多くページをめくる手が止まらなかった。
しかし生物構造の専門語も出てくるので、そこはもう少し一般向けに噛み砕いた方がよかったように思われる。

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2012年11月18日

Posted by ブクログ

 古代の化石から何とかDNAを抽出し解析しようとする科学者たちの悪戦苦闘を通して、「過去に直に触る」ことのロマンが描かれます。彼らの思考や作業はまるで論理パズルを解くかのようで、ベン図でも描いて整理しながら読もうかと思ったほどでした。また、DNA抽出をより確実に行おうと3,000回以上も同じ作業を繰り返した結果、かえって致命的なノイズを拾ってしまったユタ州の学者のくだりは、気の遠くなるような過去の暗闇に向かって必死に手を伸ばす科学者の労苦が、心底伝わる思いがしました。
 「ベストを追求したいのではなく、現象を認識したいのだ。これが科学の考え方である(p207)」・・・日頃、「結果」や「利潤」ばかりを追いかけ、現象の本質に思いを馳せる暇さえないサラリーマンとしては、たとえ困難でも彼らの生き様が眩く感じられました。

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2012年10月06日

Posted by ブクログ

「化石の分子生物学」って何?と一言で言えば「ジュラシック・パークの世界」となる。

マイケル・クライトンが琥珀に閉じ込められ化石となった蚊が生きていた時に吸った恐竜の血液から遺伝子を取り出し、恐竜を蘇らせるという作品を(米国で)発表したのが1990年。そのタイミングで琥珀のシロアリから古代DNAが発見され、更には映画が封切られた翌年の1994年には米国で8千万年前の恐竜の化石からDNAが発見されたという報告があり、この分野ではまさに現実と小説が錯綜するような興奮があったという。クライトンの先見性にはまさに驚く話であるが、その興奮がまさに化石の分子生物学の発展に多いに寄与したのであろうし、我々も今こうして興味を持って本書を手に取っているわけだ。

とは言え、化石から遺伝子を取り出すのは実に至難の技のようだ。なんと抽出される99%は本来の遺伝子ではなく地層に埋まっている間に混入してきたバクテリア等の微生物の遺伝子、そして化石を掘り出し分析する間に混入してしまうであろう人間からあらゆる生物の遺伝子だというのだ。ではどうやって本来のものでない遺伝子を除去するかと言えば、遺伝子的に近いと想定される現代の生物の遺伝子配列をお手本にして類似性を探し、それに当てはまるものを対象に調べるというのだ。まさに気の遠くなるような作業だ。

さてそんな中で恐竜のものとされた遺伝子とはどういうものだったのか、果たしてジュラシックパークは実現可能なものなのか、その答えは本書を読んで興奮を味わって貰いたい。

この手の新書では変に専門用語をちりばめ総花的に何が言いたいのか判らないものが多いのだが、本書は素人が知りたいと思う事を中心に話題を進めていきながら、かなり専門的なことも専門用語をなるべく使わずに簡略に説明されていて非常に読み易い。オススメの一冊だ。

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2012年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

化石からDNAを取り出して、その起源を探ろうという試み。様々な失敗談を含め、研究の過程を解説してくれるのだが、少し難解の部分もあり、結論だけ聞いて、満足している。古代や歴史上の謎を解明するために、DNAを分析するという夢のある話であるが、現実的に科学的に証明するのは難しい点が多いようだ。

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2012年09月04日

Posted by ブクログ

化石に分子生物学の手法をあてはめて、解き明かすとい科学を紹介。

これにより、数十万年前までならDNA をとりだせ、
ネアンデルタール人がホモ・サピエンスと交配しとことを明らかにした。

でも、それ以上古くなると、できなくなってしまう。
残念ながら、琥珀の中の昆虫も、そのDNA は保存できない。

ロマンに挑戦する科学。

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2019年04月12日

Posted by ブクログ

ネアンデルタール人やら恐竜やら歴史上の人物やらのDNAをしらべる話。ホットな分野と思われる。

ミトコンドリアのパラドックス?ミトコンドリア・イブにかならずたどりつく理由。
ある時点では多様なミトコンドリアがいる。でも子供を産まない女性がいたり、産んでも男だったりするとそのミトコンドリアは子孫に受け継がれない。ミトコンドリアはそうして減る一方なのでそのうち生き残りは単一になる。それを遡ればイブになる。それでも現時点でミトコンドリアの多様性があるのは変異のため。

古代DNAの研究にはしばしばミトコンドリアDNAが登場する。それは核DNAは長いけれども細胞につき1つしかなく、一方ミトコンドリアは細胞内に多数あるので分析しやすいため。

生物が死ぬとアミノ酸のラセミ化が進行する。時間以外に温度、PH、加水分解の影響もある。大雑把にいってラセミ化が進んだ化石は状態が悪い

分子進化の中立説:分子レベルの進化的変化の大部分は自然選択ではなく、中立、あるいはほぼ中立な突然変異がおきた遺伝子が遺伝的浮動によって集団全体に広まったものである
分子の進化速度はほぼ一定、進化的変化のぜんぶが中立ではないので、実際には適応度や集団サイズが少し影響する
→ムズカシイ

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2018年11月05日

Posted by ブクログ

「うそだと言ってくれ!ジュラシックパークは実現できるんだ!」という嘆きに平静に理由を淡々と述べてくれた著者にまずは心からサンキュー。

普段からこういった系統の本を読んでいる人にとっては、すでに知っている事実の方が多いかと思いますが、上記の理由に納得感が得られてないサイエンスを標榜しつつサイエンスなハートが持てない人にオススメ。

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2017年09月27日

Posted by ブクログ

化石の中にある古代DNAや、化石タンパク質、
そして今生きている生物のDNAなどから
過去を知ろうとする学問、それが分子生物学。
どんな風に化石から情報を得るのか?
という専門的な話は、難しく完璧にはわからないものの、
非常に難しいのはわかる。
そんな学問が、数々の研究者たちにより
進化し続け、新しい調べ方が生まれている。

それによってわかったのは、人への進化の途中
今の現生人類の祖先が生まれる前に、すでに西アフリカなどに
ネアンダール人は存在し、ヨーロッパ人やアジア人の
遺伝子の中にはネアンアール人の遺伝子が混じっている
割合がアフリカ人のそれより非常に多い。

アフリカから現生人類よりも早く別れ西アフリカや
ヨーロッパ、西アジアに生活圏を持っていたようだ。
あの歴史の図表のネアンダール人のイラストは
今の研究結果などから見ると、あれほど猿に近いような
感じではなく、直立歩行もし、人らしい様子だったようだ。
だが、他の地域に移動することもなく、滅んでしまう。

また、フランス革命の伝説とも言える
ルイ17世の謎も、最近の研究で本人であることが判明。
塩基配列決定法の発明によるものだ。

この分野の研究者にとっても、恐竜の化石は
いつの時代にもロマンの羨望の的だ。
これは化石の年代や、どの地層に化石があったか、
諸々状態によって、また出土する個体の数の多さによって
研究の信憑性が大きく左右される。

あのコハクの中の生物の化石、
そうジュラシックパークにも登場する化石だ。

硬い石の中にあって、他から断絶された状態であっても
その中から遺伝子情報を正確に取り出すのはとても難しい。

また、最近の研究で、長いこと縄文人はアイヌの祖先
と思い込んでいたのだが、この分子生物学により、
縄文人のルーツは南アジアだけでなく北東アジアからも
全国に及んだ縄文人の中に、幾度も幾度も
人類が入っては混じりして
日本列島に住む人類の集団はゆっくりと均一化した。

北海道の縄文人のDNAデータは、日本の本州人よりも
北東アジアとの結びつきが濃い。独自集団がいたようだ。
その上現代のアイヌのデータとも大きく違っていて
直系の子孫とはもはや考えにくい結果だった。

化石から情報を得るのは、古ければ古いほど
実験結果が安定せず不確かな要素が付きまとう。
カンブリア紀の爆発的な種の広がりについても、
まだ想像の域を出るものではないが、
生物はある生物を捕食するようになって
爆発的に増えていったというのが主流だ。

さて、研究が進むと子供時代の常識をはるかに超えて
驚くような事実を、見れるんでしょうね。

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2017年08月20日

Posted by ブクログ

化石から遺伝子を取り出すことの難しさがよくわかりました。琥珀の中も完全に保存されているわけではなかったのですね。
論理の入り組んだ事項の説明部分については、図表がもっとほしいなあと思いました。

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2013年02月05日

Posted by ブクログ

率直にいって拍子抜けする内容でした。(笑)映画などの影響から勝手に現状の研究の到達点を想像していたのも悪かったのですが(といってもそんな突拍子もない話を夢想していたわけでもないですが)、題名が題名だけに無理からぬところもあるのではという感じです。
分子生物学についての方法論や様々な試みについての記述はいろいろと興味深かったです。が、結局のところ「化石の」と頭に付けた場合、成果のあったのは第一章のネアンデルタール人だけということですね。むしろ古代DNA分析の限界を強く感じさせる内容になっています。
それにしても本書ではいろいろと学ぶことも多かったのですが、いかんせん文章表現が下手すぎてかなり退屈でもありました。(笑)結論だけを早く知りたい自分みたいな横着な素人にとっては(笑)、本書での結論は箇条書きにすれば何行かでしかなく、説明途中で延々と実験手段の解説があるのはまあ我慢するにしても、この一文があればもっと説明がわかりやすいのになあとか、この文のおかげで思考過程が妨げられるなあとかいう箇所がいくつもあり、さらにあからさまな誘導質問を長々と続けられたり、余談にもならない全く関係ない話が挿話されていたりすると、力が抜けてしまって・・・。(笑)それにジュラシックパークのような研究とかカンブリア紀の爆発など、「化石の」については煽るだけ煽って、がっかりというパターンが続く展開も何とかならなかったものか。まあ、著者は「分子生物学」という学問をわかってもらいたくて、新書ということもあり、肩に力が入り過ぎたのかもしれません。(笑)
ところで、本書の最後の言葉は、著者は「分子生物学」と重ね合わせているということですが、本分野は将来進展し現状の到達点を大きく超えていると思われ(またそうであることを望みますが)、その時は本書は「役に立たない本」になっているはずですので、これも矛盾ですね。(笑)
意外だったのは、DNAってこんなにも世の中にうじゃうじゃ氾濫しているんですね。びっくりしました。(笑)

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2012年12月28日

Posted by ブクログ

日経BOで紹介されていたので読んでみました。
分子生物学と言うもの自体がなんだべと言う感じで読んだのですが、なかなか面白い内容でした。
化石からDNAとかタンパク質を調べると言う話なので、ジュラシックパーク的なネタを期待して読んだのですが、それ以外も興味深い内容がありました。
ジュラシックパーク的なネタでは、やはり恐竜時代のような太古の化石からDNAを取り出したりするのは極めて困難だという印象が深まりました。
実験の内容など、難しい所もありましたが、読みやすい本だとおもいます。

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2012年11月17日

Posted by ブクログ

テーマは面白いのだが、科学的に正しく記述しようとするあまり、専門用語が頻出し、一般の読者としては読みづらい。たとえ話も唐突にでてきたりして(またそれがわかったようなわからない話だったりする)面食らうこともしばしば。現代新書よりもブルーバックスの方がよかったのではないか。
ポピュラー・サイエンスの書物は難しいことを平明に書かなければならないので、著者の文章力が問われる。その点、スティーヴン・ジェイ・グールドはつくづく偉大だ。

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2012年08月26日

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