【感想・ネタバレ】化石の分子生物学 生命進化の謎を解くのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

分子古生物学とは何かを判りやすく説明している。
現生人類とネアンデルタール人との交配はあったか?
ジュラシックパークは実現するか?
ルイ17世は幽閉されて死んだのか?
好奇心をくすぐるテーマに沿って、分子古生物学の方法が説明されている。
最近の生物学の面白さが十分に伝わる。
中高生に是非読んでもらいたい。
理科離れが危惧されているが、こんな先生がいればきっとみんな理科を勉強したくなる。

0
2012年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 本書は古代DNA(化石DNA)の研究の歴史と現状をわかりやすく解説した本である.映画ジュラシックパークでは,植物の樹液の化石である琥珀に取り込まれた蚊の血液から恐竜のDNAを抽出し,恐竜を復活させていた.あれが現実にできるのか.誰しもが夢を感じる部分だろう.このような古代DNAを扱う研究分野を分子古生物学という.著者はその分野の専門家である.その著者が,恐竜のDNAも含めて,分子生物学の進展を,ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは交配していたのか?,ルイ17世存命説,カンブリア紀の爆発(カンブリア紀初期における動物の急激な多様化),などとの話題を絡めて丁寧に解説している.また,本書の構成が面白く,前半部で肯定的に書いていたいくつかの古代DNAの研究結果が後半部で誤りであったことや疑いが持たれていることが明かされる.前半部で「へ~,こんなことまでわかるんだ!」という思いが,途中で見事に裏切られる例があるのだ.言ってみれば,本書を読み進める過程で,古代DNAの研究者たちの興奮と落胆が疑似体験できると言っても過言ではない.
 古代DNAの研究は夢があり,華やかであるが,古代DNAの研究は難しいのだ.DNAが何万年,何千万年,何億年と保存される可能性はきわめて低い.それゆえ,研究には慎重に期す必要があるし,他者による検証が必要なのだ.本書の最後に述べられている言葉が非常に印象的である.「科学者も人間なので,つい自分に有利な証拠を集めようとしてしまう.しかし,研究をする上で大切な事は,自分に不利な証拠を探すことである.自分で自分の仮説を反証するつもりで,観察なり実験なりを行うことだ.・・(略)・・.そして本来,自分を納得させることは,他人を説得するよりも難しいのだ.」まさにその通りだ.自分には嘘をつけない.研究者はまずは自分自身が,自分の研究の最大の批判者にならなくてはならないのだ.実は著者の更科さんは私の大学院時代の大先輩にあたる.DNA分析の指導などもしていただいていたが,空いた時間に研究のことなどを(ほとんどはゴシップ話でもあったが・・・)語り合った仲だ.上記の事は当時から常々更科さんが口にしていた言葉で,とても印象に残っている.そういう更科さんが,公正に,わかりやすくまとめた本書は,分子古生物学の現状を手軽に知る最良の書である.

0
2012年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

化石からDNAを取り出して、その起源を探ろうという試み。様々な失敗談を含め、研究の過程を解説してくれるのだが、少し難解の部分もあり、結論だけ聞いて、満足している。古代や歴史上の謎を解明するために、DNAを分析するという夢のある話であるが、現実的に科学的に証明するのは難しい点が多いようだ。

0
2012年09月04日

「学術・語学」ランキング