更科功のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
良書 わかりやすい文章とか論理的な文章には、何らかの一般性がある。そして、一般性があれば、それは人に伝えることができるはずだ。しかも、その一般性は、短い時間で簡単に伝えることができると思う。本書は、「科学に関する文章の書き方」の本である。
気になったことは次です。
・一番目に大切なことは、読者の立場になって考える
・二番目に大切なことは、読者が誰かを考える
・この本の目的は、わかりやすい文章を書けるようになることだ。そのためには、わかりにくい文章をかかなければいい。
・世の中には、「分かる文章」と「わからない文章」がある
・「わかる文章」には、「わかりやすい文章」と「分かりにくい文章」がある。
大江健三郎の文章は、「わかる文章」の中の「わかりにくい文章」だ。
本書の目標は、「わかる文章」の中の「わかりやすい文章」だ。
・その文章がわかりやすいと感じるか、わかりにくいと感じるかは、人によって違う。
ある分野に詳しくない人は、その分野の専門用語が多い文章は、わかりにくい
その分野に詳しい人は、専門用語が多い文章の方がわかりやすい
専門用語は、複雑な概念をひと言で示すことができるので、文章の内容を理解してくれる
・論理とは主張と主張のつながり方である。
・逆裏対偶
命題 AならばB
逆 BならばA
裏 AでないならばBでない
対偶 BでないならばAでない その命題が正しければ対偶も正しい
・文と文をきちんとつなげる 適切に接続の言葉を使う
順接 ①付加 そして、また、しかも、さらに、むしろ
②順接 だから、したがって、~ので、~から
逆接 ①逆接 しかし、だが、~が
②補足 ただし、もっとも
③対比 一方、また、しかし、だが、~が
換言 ①換言 すなわち、つまり
②例示 たとえば
他 ①選択 それとも、あるいは、または
②根拠 なぜなら
③転換 さて、ところで
・わかりやすい文
・短かければ短いほどいい
・長くても前から順に読んでいって意味がわかるもの
・省略できる語を省略する
・1つの語句には、1つの意味
・論理的な文章には図がたくさんあった方がいい。だが、図に負けて文章がわかりにくく、手を抜いてはいけないのだ。
・文章の内容によって、文を能動態にするのか受動態にするのかを決めること。主語が明記しにくい場合は受動態を使うこと。
・主語と述語を明確にする
・二重否定はできれば使わない、多用しない
・音が汚くても、わかりやすい文を優先する。でも、わかりやすい文であれば、音がきれいな文を選ぶこと(語が重複しないように書く)
・表記を統一する。区点、かぎかっこなど。
・パラグラフライティング:パラグラフの基本
①1つのパラグラフでは、1つのトピックのみを扱う。
②1つノパラグラフは1つのキーセンテンスと複数のサブセンテンスからなる
③キーセンテンスはパラグラフの最初におく
④キーセンテンスは直前のパラグラフの最後の文につなげるのではなく、直掩のパラグラフのキーセンテンスにつなげる
⑤サブセンテンスは、前後のパラグラフのキーセンテンスではなく、そのパラグラフのキーセンテンスだけにつなげる
⑥1つの文章は、1つのキーパラグラフと複数のサブパラグラフからなる
⑦キーパラグラフは文章の最初におく
⑧キーパラグラフは短くする
⑨場合によっては、キーパラグラフのキーセンテンスは、パラグラフの最初でなくてもよく、キーセンテンス自体がなくてもよい。
⑩場合によっては、キーパラグラフの内容と、サブパラグラフのキーセンテンスの内容を対応させるのもよい
・パラグラフライティング:論理
①1つのパラグラフでは、1つのトピックだけを述べる
②キーセンテンスはパラグラフの最初におく
・科学ライティング
科学の成果はすべて仮説 演繹、帰納、類比
仮説 検証、実証、反証
仮説は単純なほど良い
・科学と社会の架け橋になる文章
①紙芝居のような文章:科学を専門の職業にしていない人にでもわかるような文章
②トピックの並べ方がよい文章:論理の展開がわかりやすい文章
③読者によりわかりやすく伝えるために、あえて書かないことを決める。:何を書かないかを決めること
目次は以下の通りです。
はじめに
第1章 読書
1・1 読書のことを考える
1:2 二番目に大切なこと
1・3 読者の目的を考える
1・4 「論ぜよ」と「述べよ」
1・5 審査員が知りたいこと
1・6 自分も読者
1・7 一番大切なこと
第2章 論理と接続
2・1 大江健三郎の文章はわかりにくいけれど
2・2 「そもそも」の意味
2・3 根拠は正しくても結論が正しくない
2・4 論理とは何か
2・5 風が吹けば桶屋は儲かるか
2・6 逆・裏・対偶
2・7 文と文をきちんとつなげる
2・8 接続表現① 順接、付加
2・9 接続表現② 逆説、補足、対比
2・10 接続表現③ 換言、例示
2・11 接続表現④ 接続表現を使わなくてよい場合
第3章 わかりやすい文章
3・1 わかりやすい文章は最高の文章ではない
3・2 文は短く
3・3 文を短くするにはどうするか
3・4 省略できる言葉を削る
3・5 1つの語句には1つの意味
3・6 便利な語句
3・7 注意すべき語句
3・8 能動態と受動態
3・9 主語と述語・二重否定
3・10 明確な文
3・11 音がきれいな文
3・12 表記が統一された文
第4章 パラグラフ・ライティング
4・1 論理的な文章の基本
4・2 パラグラム・ライティングの歴史
4・3 パラグラム・ライティングについての誤解
4・4 パラグラム・ライティングとはどういうものか
4・5 パラグラム・ライティングのルール①
4・6 パラグラム・ライティングのルール②
4・7 パラグラム・ライティングのルール③
4・8 パラグラム・ライティングの論理①
4・9 パラグラム・ライティングの論理②
第5章 科学ライティング
5・1 創造論者の考え
5・2 科学の成果はすべて仮説
5・3 仮説の検証
5・4 仮説が反証されたとき
5・5 反証可能性
5・6 アドホックな仮説
5・7 アドホックな仮説が認められる場合
5・8 仮説は単純なほど良い
5・9 推測では新しい情報が得られる
5・10 推論のまとめ
5・11 仮説のシナリオ
第6章 科学と社会の架け橋
6・1 紙芝居のような文章
6・2 トピックの並べ方
6・3 何を書かないか
おわりに
参考文献
索引 -
購入済み
内容も素晴らしいが
ネアンデルタール人や恐竜など興味深いテーマを題材にしているので、かなり専門的な内容なのだが投げ出さずに読み進めることができた。他の本でも色々と言及されているネアンデルタール人や恐竜と違い、先カンブリア紀の話は初めて読むので特に興味深かった。このような内容も素晴らしいが、科学というものに対する姿勢 態度の話が良かった。締めくくりの「大切なことは、自分に不利な証拠を探すこと」に感銘を受けた。
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Posted by ブクログ
ホモ・サピエンスのルーツを、時期毎に存在していた其々の人類の’滅び’に着目して辿ることにより、「何故ホモ・サピエンスが人類最後の1種になれたのか」を考える一冊。
何はともあれ鍵は’脳の発達’、そして天敵に食べられて減少する数以上に’子をたくさん産めること’、更には’どんな環境でも生きていけること’。
ホモ・サピエンスが発展して数を増していく一方で、その影響に圧し出される形で直接的にしろ間接的にしろ他の何かの種が絶滅の危機に瀕している。
図らずも、そんなとりとめの無い事を思索するきっかけにもなった一冊。
本としてのコスパも良い。
4刷
2021.8.8 -
Posted by ブクログ
いや新しい人類史を学んでみるものだと。ちょっとかじったところではついネアンデルタールはサピエンスに滅ぼされたのだというような少し前のもっともらしい説を信じ切っているところもあり、そんな簡単なもんじゃないよというのが本書でよくわかる。変なファンタジーを廃しつつ、実は今いる1種類の人類、すなわち我々ホモサピエンス以外にも共存していた時代があるのだということが説得力を持って語られる。なぜ彼らが絶滅しなくてはいけなかったのか、も興味深い。ただ遺伝子的にいま見られているネアンデルタールとの交雑については最新研究までフォローされていないのでできれば続編か増補改訂版を出して欲しい。人類学がまだまだこれからわくわくできる学問であることがよくわかる。