更科功のレビュー一覧

  • 若い読者に贈る美しい生物学講義―――感動する生命のはなし

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     「生物学」と銘打ってはいますが,科学的な考え方やこれまでの人類の科学の成果,あるいはちょっと哲学的な考え方について,解説されていて,わたしは,楽しんで読むことができました。
     著者が挙げる「たとえ」もわかりやすくて,読者の理解を助けてくれると思いますし,文体も大変親しみやすいです。
     「生物とは何か」から,進化論,ウイルス,iPS細胞まで,大人でも,もう一度「生物学」の勉強をすることができます。
     類書でも,お薦めの1冊です。

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    2021年06月25日
  • 若い読者に贈る美しい生物学講義―――感動する生命のはなし

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    生物学系の読み物は、福岡氏の書籍も含めて
    割と面白くて好きです。中には、難解で理解できないもの
    もありますが、この本は非常にわかりやすく面白く読めました。進化の仕組み、がんのこと。など理解できたとは
    言えないとは思いますが、面白かったです。

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    2021年05月31日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    いや新しい人類史を学んでみるものだと。ちょっとかじったところではついネアンデルタールはサピエンスに滅ぼされたのだというような少し前のもっともらしい説を信じ切っているところもあり、そんな簡単なもんじゃないよというのが本書でよくわかる。変なファンタジーを廃しつつ、実は今いる1種類の人類、すなわち我々ホモサピエンス以外にも共存していた時代があるのだということが説得力を持って語られる。なぜ彼らが絶滅しなくてはいけなかったのか、も興味深い。ただ遺伝子的にいま見られているネアンデルタールとの交雑については最新研究までフォローされていないのでできれば続編か増補改訂版を出して欲しい。人類学がまだまだこれからわ

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    2021年04月25日
  • 若い読者に贈る美しい生物学講義―――感動する生命のはなし

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    高校で生物ちょろっとやった時はつまらなかったが、これは面白い。そもそも「生物って何だろう」「科学ってどういうもの?」という話やシンギュラリティの話、進化の話や生活に関わる技術の話。
    どれも興味が沸きやすい話題で、かなり噛み砕いて書かれている。

    高校生物や高校化学の知識が少しあるとより読みやすいが、前提知識なしでも楽しく読める部分も多い。
    一章が短いのも読みやすくてよかった。

    1番の感想は、生物の「定義」も「分類」も「年齢」もしょせん人間の尺度でしかないんだなあ、ってこと。

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    2021年04月07日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    読みやすくて面白い! 進化論の本はそれなりに読んでるつもりだったけれど、目から鱗の点多々。

    人間の手のほうがチンパンジーの手よりも原始的、という一点だけでも、人類が進化の最終形態であるかのような自己認識をコテンパンに覆すのに十分。

    二足歩行が生存競争上有利な要素として進化の方向性が出始めたのは、草原に降り立った時ではなく樹上生活のときだろう、という考察は、エビデンスに基づくというよりは思考実験的な説明文だったが、説得力充分だった。

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    2021年03月04日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    腰痛、難産などの不都合を抱える人体。だがそれは必要な進化だった。
    そもそも生きる・死ぬとはなにか、進化はなんのためにあるのか…。

    【生きているとはどういうことか】
    ではまず「エネルギーを吸収している間だけ一定の形をしていて(散逸構造)、ときどき同じものを複製する」とする。するとガスコンロや台風なども「生きている」と表現できることになる。
    いわゆる生物は、細胞膜とか皮膚とか何らかの仕切りで外の世界と区切られている。
    つまり何らかのかたちで膜に包まれた有機物ができて、ある程度長く存在して、複製する散逸構造を持ったものができた、これが生物。
    すると、生きる構造になった結果、生物が生まれたのだから

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    2020年11月06日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    学校で習ったことの記憶を辿ると、多くの生き物がいる中で哺乳類はそのピラミッドの頂点にあり、さらに「ヒト」はその上を極めています。確かに我々「ヒト」は他の生物を利用したり食べることで生きています。

    頂点に至る過程で私達は様々な進化を遂げてきたのですが、この本によると、その進化は「不完全」であるということが解説されています。不完全なので、私達の身体にある臓器は今も進化しているらしいです。環境に応じて進化というか対応していくのでしょう。私達は完全ではない、だからまだ変われる、というのは希望が持てた感じがしました。

    以下は気になったポイントです。

    ・宇宙空間を移動する宇宙船は、細長い形がよい。宇

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    2020年04月02日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    地球上の生物は長い年月をかけて進化を続け、今も続いている。一般的な考えでは「進化」とはバージョンアップであり、その頂点に人類がいる、ということだろう。が、本書で語られる「進化」とは単なる変化であり、その生物にとって良いこともあれば、悪いこともある。生物にとって何より重要なのは次世代を残すことであり、そのためには犠牲にされた能力や残された欠陥もある。進化は進歩ではないのだ。

    今の人類だって、多くの欠陥を抱えている。直立二足歩行は脊椎や骨盤に過度な負担がかかるし、心臓の血管は非常に細くて心筋梗塞の可能性が高い。生まれたばかりの子供が自立するのに長い期間が必要。チンパンジーやゴリラよりも劣り、原始

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    2020年03月12日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    生物の進化に関する最近の理論。ヒトが生物進化の到達点かというテーマで進むさほど残酷でない進化論。

    新書ならではの実に分かりやすい進化論。進化は決して完璧なゴールがあってそれに向かっているんけではなく、あくまでも偶然の産物。結果として飛んだり二足歩行したりの役に立っている。

    鳥や恐竜の肺の方がヒトのものより効率的だしタコの眼の方が構造は優れている。

    心臓病、腰痛や難産などヒトならではの課題についても述べられている。

    広く浅く進化に関する内容を紹介した一冊。もっと各テーマを深く掘り下げるきっかけとしたい。

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    2020年02月27日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    700万年前に登場した人類は、進化の道を歩み、現在に至る。が、その道は真っ直ぐな一本道ではない。途中でアウストラロピテクスやネアンデルタール人に進化したものは絶滅し、我々=ホモ・サピエンスだけが生き残った。

    本書はホモ・サピエンスの「進化史」ではなく、それ以外の人類の「絶滅史」を推測し、我々が生き残った理由を探る。

    よく言われるのは脳が巨大化したことが人類の繁栄につながったということ。確かに、人類は他の動物より大きな脳を持っていた。が、絶滅したネアンデルタール人の方がホモ・サピエンスより脳は大きかったらしい。

    著者いわく、脳は大きければ良いというものではない。大きな脳を維持するためには大

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    2020年02月23日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    「人類が生まれるための12の偶然」を読んだので一層興味深く読むことが出来ました。進化というのがどういうことなのか、人間が一番優れて進化して他の生き物は進化しなかったみたいなイメージしかなかった私には、人間が進化していない部分もいっぱいあることが新鮮でした。地球という枠組みの中で生きていくためには、死ななければ子孫を残せない運命になるのも事実なんだろう。学術的にどうなのかはわからないですが、こうした想像をめぐらして進化を考えるのも楽しいものです。

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    2020年01月04日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    人類の祖先について、知識がない人でもわかるように丁寧に解説した良書。
    数万年以上前の人類の生活に思いを馳せ、とてもロマンを感じた。

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    2019年12月18日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    ヒトの祖先とチンパンジー類の祖先が分岐してから約700万年。現生人類である我々にいたるまで、どのようなヒトの種が現れ、どのように生活し、別の種と交わり、どのように絶滅していったのか。著者は化石や住居跡、道具、DNAなどの証拠や他の類人猿との比較などから人類史を構築し、大きな一つの「ストーリー」として提示する。我々がなぜ今のような形で生きているのか、この「ストーリー」から考えると、必然的な部分もあるが、かなりの部分で偶然の要素も大きかったと思わずにいられない。
    人類史に関する本は以前も読んだし、NHKスペシャルでも見ていたので大体の事は知ってるつもりだったが、この本では人類史の「ストーリー」を語

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    2019年09月23日
  • 爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―

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    ■最古の人類であるサヘラントロプス・チャンデンシスから最後の人類であるホモ・サピエンスまでには数え方にもよるが,およそ25種の人類がいたことが分かっている。
    ・そしてそのすべての人類が直立二足歩行をしていたと考えられている
    ・したがって私たち人類はおよそ700万年間も直立二足歩行をしている
    ・直立二足歩行をしているということは両手が歩く役割から解放されているということ
    ・だが脳は大きくならなかった
    ・石器も作らなかった
    ■現在のチンパンジーの脳は約400㏄である。最古の人類サヘラントロプス・チャンデンシスの脳も大体400㏄である。その後の様々な人類,例えばアウストラロピテクスの仲間も大体400

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    2019年04月27日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    啓文堂新書大賞でみて。

    非常に面白かった。
    難しい単語を使っていないし、
    例えが絶妙でわかりやすかったし。

    例えば、
    人間と人間以外の動物に隔たりがあるのは、なぜか。
    人間が徒競走で圧倒的な1番となったのは、
    足が1番速かっただけでなく、
    2番手から25番手の走者が休んだから。
    つまり、2番手から25番手の人類が滅んだから、とか。

    むかし、馬に噛まれた人がいて、でも電車に乗って帰った、
    それは馬が草食動物であり牙をもってないためで、
    犬歯が小さいため殺人には凶器が必要な人類も同じだ、とか。

    森から草原に追い出されたことが、
    人類が人類である直立二足歩行の始まりであったという説は知ってい

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    2024年05月23日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    私たちはホモ・サピエンスだが、遺伝子的に1番近しい生物はチンパンジーやボノボだと言う。
    けど、そのチンパンジーと私たちの間にはかつて絶滅した人類がいた。
    それがネアンデルタール人やアウストラロピテクスなど。
    最古の人類は今はサヘラントロプス・チャデンシス。

    チンパンジーと、人類はどのように枝分かれしたのか、そこからホモサピエンスへ行き着くまでに何があったのか。
    後半少し疲れた所もあったが興味深く読んだ。
    私たちが増え続けるには他の生物を犠牲にしなければいけない。それが現実だそうだ。

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    2018年10月27日
  • 宇宙からいかにヒトは生まれたか―偶然と必然の138億年史―

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    真実をありのまま見ることは時に残酷だ。

    ロマン・ロランの
    「世界に真の勇気はただ1つしかない。世界をあるがままに見ることである。そしてそれを愛することである」
    とあるが、

    地球は奇跡の星でも、
    母なる大地でもなく、
    永遠に続くものでもなく、
    40億年の地球の生物の歴史において、人類で200万年以上に渡って存続した種はいない。

    人類が消滅しても生物は存在し、太陽系が消滅しても、宇宙は存在し、宇宙が消滅しても、別の宇宙は存在し、この果てしない物語は続く。

    そうした世界をありのままに見つめ、愛すること。
    それは勇気だなと感じさせる著書。

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    2017年11月27日
  • 宇宙からいかにヒトは生まれたか―偶然と必然の138億年史―

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    約270ページで、宇宙の誕生からヒト(ホモ・サピエンス)がこの地上に存在するまでの歴史を語ってくれている。コンパクトだけど、濃密であり、かつ“特異な視点”での語りもあり大変面白かった。
    (「地球史学」という過ぎ去ったことだけど、人類がその叡智を使って少しづつ解明していくという分野はロマンを感じる。そこには研究者の解釈の幅が効かせられる範囲があるから)

    では面白かった点をもう少し具体的に語ろう。
    ひとつは①科学者のものの見方が、われわれ一般人とは違うところを感じながら読めたこと、
    その代表的なところは、世の中にある現象を「徹底した分類」によって整理して、理論立てていこうとする姿勢。 世

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    2017年09月22日
  • 爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―

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    各器官の進化の過程を歴史的に考察されている。進化の過程を歴史的に紐解いていくため、現在の自分自身の存在も時代の流れによって形成された刹那的なものであると思わされるような視点の広がりを感じられた。

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    2016年12月24日
  • 宇宙からいかにヒトは生まれたか―偶然と必然の138億年史―

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    地球科学も生物学もまったく素養がないので、酸性雨、相転移等々、まず出てくる言葉が理解できないので大変でしたが、ネットで調べながら読みました。どこまで理解できたか怪しいですが、真核生物の起源をはじめ、分からないことだらけと記す著者の姿勢に好感を持って、ぐいぐい引き込まれてなんとか読み終えました。「生物(ヒト)というものは、生きるために生きている。存在するだけでも大したものだ。」その通りですね。

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    2016年05月07日