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Posted by ブクログ
700万年前にチンパンジーとの共通の祖先から枝分かれした人類。人類の系統において最初に進化した特徴は、直立二足歩行と犬歯の縮小とのこと。
30万年前のホモサピエンスの登場まで、多くの人類が登場し、そして絶滅していったが、ホモサピエンス登場後は加速的な感じを受ける。
ホモサピエンスとほぼ同じ頃に登場し、いち早くヨーロッパに移ったネアンデルタール人は、後にアフリカを出たホモサピエンスとの交雑を経て4万年前に絶滅した。同じ頃デニソワも絶滅。
ホモフロレシエンスは、インドネシアのフローレス島に95万年暮らしてきたが、5万年前ホモサピエンスが上陸してまもなく絶滅。
ホモサピエンスがオーストラリア大陸に進出したのが65,000年前で45,000年前には、多くの動物が絶滅しているらしい。
意図的ではないとは思うけど、考えさせる生き物だ。
Posted by ブクログ
ホモ・サピエンスのルーツを、時期毎に存在していた其々の人類の’滅び’に着目して辿ることにより、「何故ホモ・サピエンスが人類最後の1種になれたのか」を考える一冊。
何はともあれ鍵は’脳の発達’、そして天敵に食べられて減少する数以上に’子をたくさん産めること’、更には’どんな環境でも生きていけること’。
ホモ・サピエンスが発展して数を増していく一方で、その影響に圧し出される形で直接的にしろ間接的にしろ他の何かの種が絶滅の危機に瀕している。
図らずも、そんなとりとめの無い事を思索するきっかけにもなった一冊。
本としてのコスパも良い。
4刷
2021.8.8
Posted by ブクログ
いや新しい人類史を学んでみるものだと。ちょっとかじったところではついネアンデルタールはサピエンスに滅ぼされたのだというような少し前のもっともらしい説を信じ切っているところもあり、そんな簡単なもんじゃないよというのが本書でよくわかる。変なファンタジーを廃しつつ、実は今いる1種類の人類、すなわち我々ホモサピエンス以外にも共存していた時代があるのだということが説得力を持って語られる。なぜ彼らが絶滅しなくてはいけなかったのか、も興味深い。ただ遺伝子的にいま見られているネアンデルタールとの交雑については最新研究までフォローされていないのでできれば続編か増補改訂版を出して欲しい。人類学がまだまだこれからわくわくできる学問であることがよくわかる。
Posted by ブクログ
700万年前に登場した人類は、進化の道を歩み、現在に至る。が、その道は真っ直ぐな一本道ではない。途中でアウストラロピテクスやネアンデルタール人に進化したものは絶滅し、我々=ホモ・サピエンスだけが生き残った。
本書はホモ・サピエンスの「進化史」ではなく、それ以外の人類の「絶滅史」を推測し、我々が生き残った理由を探る。
よく言われるのは脳が巨大化したことが人類の繁栄につながったということ。確かに、人類は他の動物より大きな脳を持っていた。が、絶滅したネアンデルタール人の方がホモ・サピエンスより脳は大きかったらしい。
著者いわく、脳は大きければ良いというものではない。大きな脳を維持するためには大量のエネルギーが必要なため、食事に多くの時間が取られてしまう。しかも、巨大な脳も使い道がなければ、宝の持ち腐れだ。ネアンデルタール人は巨大脳を活用することができず、その高カロリー体質で滅んでしまったと、著者は推測する。
そして現代の我々も脳は縮小する方向に進化している。言葉や文字、コンピューター、AIなど、脳の機能を補助するモノに囲まれ、脳にはかつてほどの機能を必要としなくなった。今の人類は大きくなりすぎた脳を小さくすることで、進化しているらしい。
Posted by ブクログ
ヒトの祖先とチンパンジー類の祖先が分岐してから約700万年。現生人類である我々にいたるまで、どのようなヒトの種が現れ、どのように生活し、別の種と交わり、どのように絶滅していったのか。著者は化石や住居跡、道具、DNAなどの証拠や他の類人猿との比較などから人類史を構築し、大きな一つの「ストーリー」として提示する。我々がなぜ今のような形で生きているのか、この「ストーリー」から考えると、必然的な部分もあるが、かなりの部分で偶然の要素も大きかったと思わずにいられない。
人類史に関する本は以前も読んだし、NHKスペシャルでも見ていたので大体の事は知ってるつもりだったが、この本では人類史の「ストーリー」を語るための細かな部分の説明に説得力があり、納得感と、700万年間の全体としての繋がりやスケール間がわかりやすい。(それについてはTV番組なのでしょうがないがNHKスペシャルはかなり曖昧だったと思う。)
それでいて新書として読みやすい文章で説明がされていて、難しい部分が無い。この分野に興味がある誰でもにオススメできる本だと思う。
Posted by ブクログ
啓文堂新書大賞でみて。
非常に面白かった。
難しい単語を使っていないし、
例えが絶妙でわかりやすかったし。
例えば、
人間と人間以外の動物に隔たりがあるのは、なぜか。
人間が徒競走で圧倒的な1番となったのは、
足が1番速かっただけでなく、
2番手から25番手の走者が休んだから。
つまり、2番手から25番手の人類が滅んだから、とか。
むかし、馬に噛まれた人がいて、でも電車に乗って帰った、
それは馬が草食動物であり牙をもってないためで、
犬歯が小さいため殺人には凶器が必要な人類も同じだ、とか。
森から草原に追い出されたことが、
人類が人類である直立二足歩行の始まりであったという説は知っていたが、
その直立歩行が敵を見つけるには便利だが、敵にも見つかるとか、
見つかったら最後、短距離走に弱い直立歩行では逃げられないとか、
確かに言われてみればそうだ、という点を指摘されるのは、
ある意心地よい感じ。
類人猿の中での人類の二大特徴である、犬歯の小ささと直立二足歩行から紐解かれた、
人類誕生はこんな感じ。
発情期がなく、授乳中も交尾化なことから、
おそらく一夫一妻制であった人類は、
自分の妻子に食糧を運んでくるために直立二足歩行を進化させ、
雄同士争う必要がないので犬歯は小さくなった。
既成の知識がひっくり返されるのも、
背負い投げをきっちり決められたようで、気持ちがいい。
石器や骨格の研究から、
脳が大きくなって石器を使い始めたのではなく、
石器を使い始めてから(肉を食べられるようになり)、
消費エネルギーの高い脳を大きくすることができた、とか。
石器については、
獲物を倒すために使われていたのではなく、
最初、死肉を食べるために使われていた、とか。
さらに、
草原で動物の死骸を探して食べるのには、
長距離歩行、長距離走が可能という直立二足歩行が利点となり、
さらに肉を妻子の元に持って帰ることより、
ホモ属が生き残っていった、とか。
種として生き残るためには、
個体としてる強くなることよりも、
集団として食べられるよりも多く産めば良いとか。
また、以前より抱いていた疑問、
ホモ・サピエンスより体格が良く、狩猟生活に向いていそうなネアンデルタール人が
なぜ滅んだのかということについても書かれていた。
端的に言えば、寒さとホモ・サピエンスだが、
ホモ・サピエンスの、動き回るのが得意な燃費の良い細い体、
寒さに対する優れた工夫と、力を必要としない優れた狩猟技術だろうということだった。
ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの交雑については、
もうちょっと触れてほしかったかな。
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