【感想・ネタバレ】絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのかのレビュー

あらすじ

700万年に及ぶ人類史は、ホモ・サピエンス以外のすべての人類にとって絶滅の歴史に他ならない。彼らは決して「優れていなかった」わけではない。むしろ「弱者」たる私たちが、彼らのいいとこ取りをしながら生き延びたのだ。常識を覆す人類史研究の最前線を、エキサイティングに描き出した一冊。

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ネタバレ

鹿島茂さんの「この1冊、ここまで読むか!」で、成毛眞さんとの対談で取り上げられていた本。
人類の700万年の歴史を、だいたい1日1章ずつ読んで、1週間で俯瞰させてもらった贅沢な体験でした。

特に、ホモ・サピエンスよりも脳の容量が大きかったネアンデルタール人がなぜ滅んだか、脳の消費エネルギーの観点からの考察に目から鱗、でした。
これからも目が離せない歴史のカテゴリーです。

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2025年09月25日

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700万年前にチンパンジーとの共通の祖先から枝分かれした人類。人類の系統において最初に進化した特徴は、直立二足歩行と犬歯の縮小とのこと。

30万年前のホモサピエンスの登場まで、多くの人類が登場し、そして絶滅していったが、ホモサピエンス登場後は加速的な感じを受ける。

ホモサピエンスとほぼ同じ頃に登場し、いち早くヨーロッパに移ったネアンデルタール人は、後にアフリカを出たホモサピエンスとの交雑を経て4万年前に絶滅した。同じ頃デニソワも絶滅。
ホモフロレシエンスは、インドネシアのフローレス島に95万年暮らしてきたが、5万年前ホモサピエンスが上陸してまもなく絶滅。
ホモサピエンスがオーストラリア大陸に進出したのが65,000年前で45,000年前には、多くの動物が絶滅しているらしい。

意図的ではないとは思うけど、考えさせる生き物だ。

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2023年11月14日

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現在地球上にいる人類はホモサピエンスのみ。ただ地球の歴史からすると約20種類の人類がいたらしい。なぜ霊長類から人類は生まれたのか。そしてなぜホモサピエンスのみ生き残り、今現在も増加している種なのか。とても知的好奇心をくすぐる内容でかつ平易な文章で書かれてあって読みやすかったです。

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2023年10月19日

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手軽に読みやすい新書なので、初めて人類史を読む人にもオススメできます。
内容は、サピエンス全史や「Nスペ 人類誕生」(テレビ番組)で追求していないところも多々あり、意見の相違も多々あるので、視点が広がりました。

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2022年04月20日

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ホモ・サピエンスのルーツを、時期毎に存在していた其々の人類の’滅び’に着目して辿ることにより、「何故ホモ・サピエンスが人類最後の1種になれたのか」を考える一冊。

何はともあれ鍵は’脳の発達’、そして天敵に食べられて減少する数以上に’子をたくさん産めること’、更には’どんな環境でも生きていけること’

ホモ・サピエンスが発展して数を増していく一方で、その影響に圧し出される形で直接的にしろ間接的にしろ他の何かの種が絶滅の危機に瀕している。

図らずも、そんなとりとめの無い事を思索するきっかけにもなった一冊。

本としてのコスパも良い。


4刷
2021.8.8

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2021年08月08日

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いや新しい人類史を学んでみるものだと。ちょっとかじったところではついネアンデルタールはサピエンスに滅ぼされたのだというような少し前のもっともらしい説を信じ切っているところもあり、そんな簡単なもんじゃないよというのが本書でよくわかる。変なファンタジーを廃しつつ、実は今いる1種類の人類、すなわち我々ホモサピエンス以外にも共存していた時代があるのだということが説得力を持って語られる。なぜ彼らが絶滅しなくてはいけなかったのか、も興味深い。ただ遺伝子的にいま見られているネアンデルタールとの交雑については最新研究までフォローされていないのでできれば続編か増補改訂版を出して欲しい。人類学がまだまだこれからわくわくできる学問であることがよくわかる。

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2021年04月25日

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700万年前に登場した人類は、進化の道を歩み、現在に至る。が、その道は真っ直ぐな一本道ではない。途中でアウストラロピテクスやネアンデルタール人に進化したものは絶滅し、我々=ホモ・サピエンスだけが生き残った。

本書はホモ・サピエンスの「進化史」ではなく、それ以外の人類の「絶滅史」を推測し、我々が生き残った理由を探る。

よく言われるのは脳が巨大化したことが人類の繁栄につながったということ。確かに、人類は他の動物より大きな脳を持っていた。が、絶滅したネアンデルタール人の方がホモ・サピエンスより脳は大きかったらしい。

著者いわく、脳は大きければ良いというものではない。大きな脳を維持するためには大量のエネルギーが必要なため、食事に多くの時間が取られてしまう。しかも、巨大な脳も使い道がなければ、宝の持ち腐れだ。ネアンデルタール人は巨大脳を活用することができず、その高カロリー体質で滅んでしまったと、著者は推測する。

そして現代の我々も脳は縮小する方向に進化している。言葉や文字、コンピューター、AIなど、脳の機能を補助するモノに囲まれ、脳にはかつてほどの機能を必要としなくなった。今の人類は大きくなりすぎた脳を小さくすることで、進化しているらしい。

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2020年02月23日

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人類の祖先について、知識がない人でもわかるように丁寧に解説した良書。
数万年以上前の人類の生活に思いを馳せ、とてもロマンを感じた。

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2019年12月18日

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ヒトの祖先とチンパンジー類の祖先が分岐してから約700万年。現生人類である我々にいたるまで、どのようなヒトの種が現れ、どのように生活し、別の種と交わり、どのように絶滅していったのか。著者は化石や住居跡、道具、DNAなどの証拠や他の類人猿との比較などから人類史を構築し、大きな一つの「ストーリー」として提示する。我々がなぜ今のような形で生きているのか、この「ストーリー」から考えると、必然的な部分もあるが、かなりの部分で偶然の要素も大きかったと思わずにいられない。
人類史に関する本は以前も読んだし、NHKスペシャルでも見ていたので大体の事は知ってるつもりだったが、この本では人類史の「ストーリー」を語るための細かな部分の説明に説得力があり、納得感と、700万年間の全体としての繋がりやスケール間がわかりやすい。(それについてはTV番組なのでしょうがないがNHKスペシャルはかなり曖昧だったと思う。)
それでいて新書として読みやすい文章で説明がされていて、難しい部分が無い。この分野に興味がある誰でもにオススメできる本だと思う。

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2019年09月23日

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啓文堂新書大賞でみて。

非常に面白かった。
難しい単語を使っていないし、
例えが絶妙でわかりやすかったし。

例えば、
人間と人間以外の動物に隔たりがあるのは、なぜか。
人間が徒競走で圧倒的な1番となったのは、
足が1番速かっただけでなく、
2番手から25番手の走者が休んだから。
つまり、2番手から25番手の人類が滅んだから、とか。

むかし、馬に噛まれた人がいて、でも電車に乗って帰った、
それは馬が草食動物であり牙をもってないためで、
犬歯が小さいため殺人には凶器が必要な人類も同じだ、とか。

森から草原に追い出されたことが、
人類が人類である直立二足歩行の始まりであったという説は知っていたが、
その直立歩行が敵を見つけるには便利だが、敵にも見つかるとか、
見つかったら最後、短距離走に弱い直立歩行では逃げられないとか、
確かに言われてみればそうだ、という点を指摘されるのは、
ある意心地よい感じ。

類人猿の中での人類の二大特徴である、犬歯の小ささと直立二足歩行から紐解かれた、
人類誕生はこんな感じ。
発情期がなく、授乳中も交尾化なことから、
おそらく一夫一妻制であった人類は、
自分の妻子に食糧を運んでくるために直立二足歩行を進化させ、
雄同士争う必要がないので犬歯は小さくなった。

既成の知識がひっくり返されるのも、
背負い投げをきっちり決められたようで、気持ちがいい。
石器や骨格の研究から、
脳が大きくなって石器を使い始めたのではなく、
石器を使い始めてから(肉を食べられるようになり)、
消費エネルギーの高い脳を大きくすることができた、とか。

石器については、
獲物を倒すために使われていたのではなく、
最初、死肉を食べるために使われていた、とか。

さらに、
草原で動物の死骸を探して食べるのには、
長距離歩行、長距離走が可能という直立二足歩行が利点となり、
さらに肉を妻子の元に持って帰ることより、
ホモ属が生き残っていった、とか。

種として生き残るためには、
個体としてる強くなることよりも、
集団として食べられるよりも多く産めば良いとか。

また、以前より抱いていた疑問、
ホモ・サピエンスより体格が良く、狩猟生活に向いていそうなネアンデルタール人が
なぜ滅んだのかということについても書かれていた。

端的に言えば、寒さとホモ・サピエンスだが、
ホモ・サピエンスの、動き回るのが得意な燃費の良い細い体、
寒さに対する優れた工夫と、力を必要としない優れた狩猟技術だろうということだった。

ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの交雑については、
もうちょっと触れてほしかったかな。

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2024年05月23日

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私たちはホモ・サピエンスだが、遺伝子的に1番近しい生物はチンパンジーやボノボだと言う。
けど、そのチンパンジーと私たちの間にはかつて絶滅した人類がいた。
それがネアンデルタール人やアウストラロピテクスなど。
最古の人類は今はサヘラントロプス・チャデンシス。

チンパンジーと、人類はどのように枝分かれしたのか、そこからホモサピエンスへ行き着くまでに何があったのか。
後半少し疲れた所もあったが興味深く読んだ。
私たちが増え続けるには他の生物を犠牲にしなければいけない。それが現実だそうだ。

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2018年10月27日

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また、ネアンデルタールの運命に思いを馳せる。

ホモ・サピエンスに至るまでの人類の進化の過程に存在した彼らが同時に存在した世界があったにも関わらず、何故滅びたのか。人間の嫉妬は、自らと似ている「競争射程範囲」の対象に起こる。それは、欲の対象とその獲得プロセスが競合するからだ。チンパンジーやボノボが我々と共存でき、近縁種と共存できなかった理由はそこにあるのかもしれない。交配が可能だったために自然と淘汰されたという考えもあるが、遺伝子の比率からは、そのような平和的かつ均等な付き合いには感じられない。

本書が、兄弟姉妹の事を色々と教えてくれる。チンパンジーの授乳期間は4~5年と長く、その間は次の子供を作らない。人間は、毎年のように子供を産むことも可能。オランウータンは、子供が5~6歳になって自立するまで、母と子の2頭だけで生活する。人間にはいずれの生き方も可能だが、その生き方が幸せかどうかは分からない。

人間とは。現在の肉体から過去を想像する。ヒトの直立二足歩行はチンパンジーの四足歩行の4分の1しかエネルギーを使わないことがわかった。チンパンジーやゴリラには、マラソンを完走することは無理だが、ヒトには可能。走る人類という話は他の本でも読んだ。それと脳の話。昔の人類の脳は大きかった。私たちホモ・サピエンスの脳が小さくなった理由は、脳に与えられるエネルギーが少なくなったからではなく、大きな脳がいらなくなったから。文字が発明されたおかげで、脳の外に情報を出すことができるようになったり、論理が発展して少ないステップで答えに辿り着けるようになり、脳の中の思考が節約できたり。

― それとも、昔の人類がしていた別のタイプの思考を、私たちは失ってしまい、そのぶん脳が小さくなったのだろうか。

今の人類は何か別の思考を失ってしまったのだろうか。何だかネアンデルタールの運命を考えながら、失った思考の事も気になり、センチメンタルな読書となった。サピエンスの我々は、絶滅を避けられた存在だというのに。

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2025年10月10日

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人類進化の歴史が丁寧にまとめられている。ネアンデルタール人やホモ・フローレシエンシスが絶滅した年代も更新されている。

最初に進化した人類の特徴は、直立二足歩行と犬歯の縮小の2つ。オスが子育てに協力して一夫一婦制かそれに近い社会を作るようになり、メスや子に食物を手で持って運ぶために直立二足歩行をした。同種内で争うことがほとんどなくなったので、犬歯が小さくなったというシナリオが考えられる。

初期人類は足の親指を大きく広げられ、樹上生活もしていたが、アウストラロピテクスでは足の親指は他の指と並行になり、かなりすぐれた直立二足歩行をしていた。主に草原の食物を食べていたが、草食動物も食べていた。石器も使っていたかもしれない。

ホモ・エレクトゥスは走ることができるようになり、汗をかいて体温を下げるために体毛を失った可能性がある。ホモ・エレクトゥスは、アシュール石器を用い、火も使った可能性がある。

ホモ・エレクトゥスでは前頭葉にブローカ野ができ、ホモ・ハイデルベルゲンシスでは舌骨の形が変わり、ネアンデルタール人では脊椎骨の穴が広がって、FOXP2遺伝子が変化したことから、言葉は段階的に発展したと考えられる。

ネアンデルタール人との交雑によって、ホモ・サピエンスは寒い環境に適応する体色や体毛に関する遺伝子を受け継いだ。

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2023年04月11日

Posted by ブクログ

ざっくりとした人類史の概要が分かりやすくまとめられていると思う。サピエンスやネアンデルタール以前の人類史はあまり触れてこなかったから新鮮で興味深かった。「サピエンスはネアンデルタール人よりも優れていたから生き残った」訳ではないということは、進化生物学や他の歴史学について考える上で忘れてはならないことだと思った。

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2022年10月22日

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非常に知的好奇心をくすぐられた一冊。
隣人のネアンデルタール人。
自分たちがネアンデルタール人なんて呼ばれ方をしているともしらないだろう。

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2022年05月18日

Posted by ブクログ

人類の進化の歴史について書かれている。読みやすくて一気読みした。人類の成り立ちについて整理出来た。
初期の人類の祖先は弱くて捕食されるものとして生きていたのだろうが、直立歩行をして、石器を作り、走るのが早くなり、脳が大きくなり、ある時に世界に広がる力を持った。ホモエレクトゥスの時にその特異点がきたようだ。その後にネアンデルタール人とホモサピエンスという兄弟種が出来、一方は絶滅し、一方は生き残った。しかし交雑してネアンデルタール人の遺伝子は現代に受け継がれている。その辺の人類の黎明期の物語は非常に興味深い。人類が自我を獲得し、世界を発見し、世界に広がり、ネアンデルタール人という兄弟と出会った時に何を考えたのだろうか。その時の記憶は神話などに残っていたりするのだろうか。想像するとタイムスリップしたような気持ちになる。
しかし、人類の拡大と共に、多くの動物を絶滅させていることも書かれており、人類の罪についても考えてしまった。

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2022年02月20日

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なぜホモサピエンスが生き残ったのか?しかも近い人類がいない理由についても書かれていて、面白かった。その他にもホモ・サピエンスの脳は大きくなっているものだとばかり思っていたけれど、実はむしろ小さくなっているのだということも新しい発見だった。

進化論で考えられている通り、環境の変化にたまたま適応できたから生き残っているだけでそういう意味では、何のために生きて何を目標にいきるのかを考えること自体よくわらなくなって来た。
最近well-beingと言われるとおり、そのままいてるだけでいいんだろうなぁと思った。

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2021年12月01日

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人類は、私達ホモ・サピエンスの他に、ネアンデルタール人など、色々な種類がいたみたいです。
ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスより体も大きく、脳も大きかったみたいです。
なのに、、、ホモ・サピエンスが勝ち残った!!

とても興味深い内容でした。
ぜひぜひ読んでみてください

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2021年08月13日

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ユヴァル・ノア・ハラリ氏のサピエンス全史などを読む前にと手に取りました。

古生物学の分野には疎いのですが、純粋なる興味に基づいて読み始めると、学術名が乱立しているのと、イラストや表が少ないため素人目には見にくさを感じました。

しかしながら、筆者が一般人が考慮する定説や固定観念に対して丁寧な反論(根拠やデータに基づく)を多数展開しており、面白さがあります。
私たちが発展している理由を、脳が大きく進化したから、賢い知能があるからと短絡的な判断をするのではなく、具体的な根拠やアナロジーに基づく考え方をしています。
また、古生物学の様に、すべての知見を得られない状況での推測においては筋が通るだけではいけない、、、これはビジネスの場でも通ずるのかもしれないと感じさせられました。

更に人類史への知識がついた後に読み直し、筆者と同じ目線で内容を読み解けるようになりたい本ですね。 

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2021年01月22日

Posted by ブクログ

科学的知見に基づいた的確な仮設が読んでいて心地良い。『サピエンス全史』の前に読んだが、この本によって、前提を押さえられたので『サピエンス全史』がより深く理解できた。

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2021年01月21日

Posted by ブクログ

なぜ私たちが生き残ったのか。
はっきり言って、たまたまだ。
かつて、ヒトには多くの種類がいた。
少し前までは、我々、ホモ・サピエンスは他の人類たちより優れていたから生き残ったのだと考えられてきた。
しかし、近年はその考え方に変化が訪れている。
私はこの話を聞いた時、時代は変化しているのだなと強く感じた。
人類の歴史を見てみると、誰が優れている、誰が劣っている(人種、性別、年代その他全て!)とひたすら想い続け、信じ続け、自分こそが選ばれたのだと思おうとしてきた。
でも、そうではないことに気づき始めた。
それは人類が、人類として、「知性」を活かし始めてきた証という気がする。
互いを尊重し、平等と思える日が、いつかくる(その前に滅んでしまう可能性も捨て切れないが)。

さて、以前NHKスペシャルで知っていた話をこうして文章として復習してみると、その奇跡に驚かされる。
完全に滅んだと思われるネアンデルタール人やデニソワ人の遺伝子が我々の中に生きているそうだ。
以前は場所も限られていただろうが、他人の行き来が激しい昨今では、私や、あるいは隣人が、もしかしたらネアンデルタール人の遺伝子を持っているかもしれない。
なんだか、SF的だ!
こうして多様性を高めたことで人は増えた。
やはり、多様性は強い。

ミトコンドリア・イブの話も面白い。
何十万年後に、私が、ミトコンドリア・イブかもしれない。
うわあ、ロマンがある!
これは母からしか受け継がれないもの。
だから男しか生まれないと、そのミトコンドリアはそこで終わりだ。
ミトコンドリアは完全に女系。
たった300ページ足らずの本に広がるロマン。
その間だけ、遥かなる夢を見よう。

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2019年11月24日

Posted by ブクログ

ホモ属にはサピエンスしかいないのは、本当に不思議です。多様性がないなか、サピエンスはどのように進化せずに止まってしまうのではないかと思いました。
もしくは他の種族を絶滅させていったように、自分たちを絶滅させてしまうのかな?

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2019年10月19日

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人類(ホモ・サピエンス)がなぜ他の類人猿と異なり生きながらえることができたかを丹念に検証した一冊。

人類についてここ最近の研究でわかってきたことが網羅されており、とても勉強になった。

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2019年10月11日

Posted by ブクログ

もし、絶滅した人類が生きていたら…

現生人類とは異なる点で、より優れた知性を持っていたかもしれない、というのは新鮮な視点だった。
我々が生き残ったのも賢かったからとは限らないと書かれていて、なるほどと思った。裏を返せば、滅んだ人類が、わたしたちよりも賢者であった可能性は十分ある。もしかしたら彼らは、大地も海も汚さずに、優れた文明を開けたもしれない。

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2019年09月07日

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 2018年の本で、今はさらに人類史は発達していようが、成程というところが多々あった。
 ホモ・サピエンスがなぜ生き延びたか、体格も脳の容量(1550cc)も大きいネアンデルタール人を結果的に絶滅に至らしめたのは、ホモ・サピエンスの人口の増加、集団的社会力、他種からのDNAを受け継いだ適応力などなど、勿論言い切れないことがあろうが、そういったことが複雑に絡みあっているのは確実なのであろう。
 人類の起源を探索するというのは、個人的でなく多くの人が興味をそそられるテーマであり、時たまこういった本を読み返してみたくなる。

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2022年08月13日

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なぜ「私たち」が生き延びたのか?非常に難しい問いかけにもかかわらず、わかりやすく尚且面白い例えで説明してくれています。なるほど〜とうなりながら読み進めることができました。

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2022年02月24日

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著者の次作『残酷な進化論』が面白かったので、遡って読んでみた。

第11章のミトコンドリア・イブに関する論理的な考察はシンプルだけどエキサイティングだ。
(サブタイトル: ミトコンドリア・イブはヒトの起源ではない。ミトコンドリア・イブはいつの時代にもいる。)

ネアンデルタール人は、脳が大き過ぎて燃費が悪いが故に、ホモ・サピエンスに競り負けた、というのは、逆説的でおもしろい。ホモ・サピエンスより大きい脳を使って、より上手に出来たであろうことが何か、という点は気になる。著者は、(文字がない時代においては俄然役に立つ)「記憶力」ではないかと推測している。現に文字が発明されて外部記憶に頼れるようになって以降、ホモ・サピエンスの脳は更に小容量化しているのだそう。

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2021年03月31日

Posted by ブクログ

内容は知ってることばかりで知識欲は満たされなかったけど説明の文章はとってもいいな
私もこういう風に説明できるようになりたい

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2020年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第3部ホモ・サピエンスはどこに行くのか、が読みたくて購読。ミトコンドリア・イブの考え方やネアンデルタール人との比較が分かり易かった。ただ、はっきりしない事ばかりなので「〜らしい」「〜のようだ」という推定が多い。そんな見解もあるのか、というスタンスで読むのが良いと思う。

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2019年09月10日

Posted by ブクログ

知ってるようで、あまり理解していなかった、ホモ・サピエンス。もう少し年表や地図があればもっとよく理解できると思う。読んで何となくイメージしたつもりだが、理解できていないところも多々あるだろうなぁ。

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2019年08月16日

匿名

思い込みと説明不足

一夫一婦制度の導入がアウストラロピテクスが草原で生き残り、サピエンスが他の人類より生き残った魔法の理由らしいが、いつから導入されたのか、全く推論でしかない。アウストラロピテクスが多産が故に生き残ったんなら、その後の人類も同じ形質のはずで、サピエンスが生き残った理由にならない。
根幹部分で説得力がない、良くある科学的に見せかけた未熟な推論

#笑える

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2021年07月04日

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