更科功のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
著者の次作『残酷な進化論』が面白かったので、遡って読んでみた。
第11章のミトコンドリア・イブに関する論理的な考察はシンプルだけどエキサイティングだ。
(サブタイトル: ミトコンドリア・イブはヒトの起源ではない。ミトコンドリア・イブはいつの時代にもいる。)
ネアンデルタール人は、脳が大き過ぎて燃費が悪いが故に、ホモ・サピエンスに競り負けた、というのは、逆説的でおもしろい。ホモ・サピエンスより大きい脳を使って、より上手に出来たであろうことが何か、という点は気になる。著者は、(文字がない時代においては俄然役に立つ)「記憶力」ではないかと推測している。現に文字が発明されて外部記憶に頼れるようにな -
Posted by ブクログ
ネアンデルタール人やら恐竜やら歴史上の人物やらのDNAをしらべる話。ホットな分野と思われる。
ミトコンドリアのパラドックス?ミトコンドリア・イブにかならずたどりつく理由。
ある時点では多様なミトコンドリアがいる。でも子供を産まない女性がいたり、産んでも男だったりするとそのミトコンドリアは子孫に受け継がれない。ミトコンドリアはそうして減る一方なのでそのうち生き残りは単一になる。それを遡ればイブになる。それでも現時点でミトコンドリアの多様性があるのは変異のため。
古代DNAの研究にはしばしばミトコンドリアDNAが登場する。それは核DNAは長いけれども細胞につき1つしかなく、一方ミトコンドリアは -
Posted by ブクログ
子どもの頃からコウモリは超音波でものを見ることができるのですごいなぁと思っていた。この本を読んだあとでも、その気持ちは変わらない。
超音波はただの音波に比べて波長は短いけれど、それでも数ミリの分解能しかなくて、細かな凸凹を見分けるのが苦手な感じだ。しかも音は空気を振動させて進むので、光に比べてとてつもなく遅い。
そう考えると、可視光でものを捉える人間の目はすごいなぁと思うのだ。
それから……それから……
子供の頃から、ヒトはサルより脳みそが大きいから、自分はサルより賢いんだと思っていた。ところが大きすぎる脳みそはエネルギー効率が悪く、ちょうど燃費の悪いアメ車のようなものらしい。文字の