更科功のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書で示される、「進化の道筋は一直線ではない」という指摘について、それだけでも驚きに値する。
これはヒトが進化の頂点にいる、というある考え方とは全く異なる。
例えば、我々人類が賢さの象徴としてあげる「手」(及びその機能)だけで見れば、チンパンジーの方がヒトより進化している。
これは結構衝撃だった。
決して、ヒトは生物の中で最も優秀だ、などとおごった考えを持っていたつもりはないが、
どこかでこんなに細かな動きができるのは賢いからだという思い上がりを持っていたのだろう。
そんな気持ちを戒められた。
質の高い眠りが知性を作る、という第4章の話は非常に興味深い。
だとしたら妊娠中の母体がぐうぐう眠り -
Posted by ブクログ
【自由研究】人はなぜ老いるのか?③
死なない生物がいるのに人類はなぜ、老いと死を選んできたのか?そして今、それを拒むことは何を意味するのでしょうか?
* * *
『4つの仮説』を乱暴にまとめてひとことで言うなら〈絶滅しないため〉と言えそうです。
絶滅しないために死を選んだのであれば、それを拒むことは〈絶滅〉を意味するのでしょうか。
地球上の生物は絶滅と繁栄を繰り返しています。何億年も繁栄した恐竜でさえ絶滅しています。
著者はAIが絶滅の限界を超えるかもしれるないと言います。人類も絶滅するかもしれませんがAIにより新たな人類=〈超人類※〉が誕生するのかもしれません。※lem造語
それはAI -
Posted by ブクログ
後半の例がくどい
前半まではわりといいと思った。接続表現の使ひ方や、わかりやすい書き方、パラグラフ・ライティングのルールは役に立つ。また、出題した問題も適切で、理解の一助になってゐる。
しかし、5章の科学ライティング以降は、例がくどくなり、読みづらくなる。たとへば、アブダクションと演繹と仮説の関係性がわかりづらい。その説明に費やす例が、創造論者だったり、スナメリだったり、カラスだったり、超能力だったりして、てんでんばらばらなのも原因のひとつ。
ほかにも気になったのは、著者の文学趣味である。書きぶりを見ると、どうやら文学を高尚なものだと思って憧れてゐるらしい。
大江健三郎の文章が、わ -
Posted by ブクログ
著者の次作『残酷な進化論』が面白かったので、遡って読んでみた。
第11章のミトコンドリア・イブに関する論理的な考察はシンプルだけどエキサイティングだ。
(サブタイトル: ミトコンドリア・イブはヒトの起源ではない。ミトコンドリア・イブはいつの時代にもいる。)
ネアンデルタール人は、脳が大き過ぎて燃費が悪いが故に、ホモ・サピエンスに競り負けた、というのは、逆説的でおもしろい。ホモ・サピエンスより大きい脳を使って、より上手に出来たであろうことが何か、という点は気になる。著者は、(文字がない時代においては俄然役に立つ)「記憶力」ではないかと推測している。現に文字が発明されて外部記憶に頼れるようにな