更科功のレビュー一覧
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ある政党がダーウィンの言葉を誤って伝えたそうだ。
それは幾度も、各国で誤用される内容だという。
言葉は時には曲げられ、自己に都合の良いように解釈されるものだ。
言葉とは不完全で、解釈は難しいものだ。
本書でもダーウィンの言葉が登場する。
中でも印象的なものが、
「進化は進歩ではない」71頁
「存在の偉大な連鎖」を信じたい人が多い、という指摘であるが、まさにこの言葉は我々が心に留め置くべきことだろう。
「ある条件で優れている」ということは「別の条件では劣っている」ということだ(70頁)も同様に、忘れてはいけない。
だから、他人の欠点や動物の一部の性質を見ただけで、即ち自分より劣ると考えることは -
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この本で繰り返し言われていることは、ヒトは進化樹の一番上にいるわけでは無いと言うこと。人類が他の生物に較べて特に優れているわけではないということである。進化がすべて良いと言うわけでなく、腰痛だとか他の動物と較べて難産になったとかヒトが進化する中で抱えてしまった問題も多々ある。
面白いトピックスも満載である。
生きものの定義によっては台風も生きものといえる
窒素の捨て方の種による違い。人であれば尿にして捨てるが魚はどうしてるの
ヒトと腸内細菌の微妙な関係
大人になってもミルクを飲むのは人間だけ
ヒトとチンパンジーはどちらが原始的か・・・最終共通祖先からどちらの方が進化したか
一夫一妻制は絶対では -
購入済み
化石の分子生物学
現代のすりガラスを通さず、過去を直接的に見ることは、役に立つ立たないだけではなく、それだけ刺激的なのだ、と最後に好きなことを仕事にできるのは幸せですよね。
化石の分析という大雑把な本ではなく、高校生物レベルの平易な言葉で、得られた結果をまるで推理小説のように分析しているようでした。 -
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更科さんの本を読むのも4冊目なので、だんだん「この話、前にも出てきたぞ」と思うことが多くなってきたのだが、私のような粗末な脳みその持ち主は繰り返し学習することが重要なので、ノープロブレム。これでほんの少しでも確実な知識が定着すればラッキーである。文学作品ならこうは思えないが、そこがノンフィクションのいいところ。
これも進化の本ではあるが、膜、口、骨、目とパーツに注目して解説されている。
今回もなかなか面白かった。
更科さんのユーモアが発揮されている部分では、大学での講義もこんなふうにしているのかな、と楽しめる。
たとえば、リチャード・オーウェンがダーウィンの進化論を認めなかったのは有名な話だが -
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更科さんの本が面白いのは、文章が上手いからだと思う。
進化について、更科さん並みに理解している人は他にもいるだろう。しかし、これほどわかりやすく面白く書ける人はいないんじゃないか。
研究者や専門の学生に向けた文章ではなく、あくまで(生物学や進化に興味があるとはいえ)一般向けの本なのだから、あまり知識のない人にもわかるように書かないといけない。しかし、よく知っている人も読む可能性があるから、そういう人も納得させられないといけない。さらに最後まで読めるリーダビリティが文章と構成にないといけない。そのバランスのすばらしさ。
書き出しの台風のたとえも良いが、「私たちは小さい物なら、親指の先と人差し指 -
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人類は進化の終着点にいる、という自負なる認識に、様々な論拠を通して挑んでいる。へぇーと感心させられたり、そうなんだと新たな知見が得られたりで、読み進めることができる。ヒトは赤ん坊から大人になるに従い、能力の向上というプラス方向の成長しかないと思っていたが、そうではない事例が紹介されている。脳に関しては、他の書籍でも、赤ん坊から大人になるにつれ、不要な(
使われない)能細胞は消えていくという話を目にしたが、それが酵素レベルでも起きていることを教えられた。大人の中で、ミルクを飲むと、腹の調子が悪くなる人は、その答えを見つけられる。最近、新型のコロナウィルスが発生し、その解明に全力が注がれているが、 -
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なぜ私たちが生き残ったのか。
はっきり言って、たまたまだ。
かつて、ヒトには多くの種類がいた。
少し前までは、我々、ホモ・サピエンスは他の人類たちより優れていたから生き残ったのだと考えられてきた。
しかし、近年はその考え方に変化が訪れている。
私はこの話を聞いた時、時代は変化しているのだなと強く感じた。
人類の歴史を見てみると、誰が優れている、誰が劣っている(人種、性別、年代その他全て!)とひたすら想い続け、信じ続け、自分こそが選ばれたのだと思おうとしてきた。
でも、そうではないことに気づき始めた。
それは人類が、人類として、「知性」を活かし始めてきた証という気がする。
互いを尊重し、平等と思 -
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自然選択だけが、進化を引き起こすわけではない。
どちらの遺伝子が伝わるか、は偶然による。
そのため、遺伝子の出現頻度が集団の中で変わる。
これを遺伝的浮動といい、これも進化を引き起こす。
後半は、人間がなぜ、直立二足歩行か、の話が特に面白い。
直立二足歩行により、食べ物を持ってこれるようになる。
そこでとくをするのは、配偶者と自分の子供、
このとき、子供が自分の子である可能性がたかいほど、
運んでくる方にメリットがある。
直立二足歩行と同時に、人類は牙をなくす。
これは、オス同士が争う必要かなくなったから。
それは、一夫一妻という形態をとったから。
このため餌を運ぶ相手は、自分の子、とな