更科功のレビュー一覧

  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    ある政党がダーウィンの言葉を誤って伝えたそうだ。
    それは幾度も、各国で誤用される内容だという。
    言葉は時には曲げられ、自己に都合の良いように解釈されるものだ。
    言葉とは不完全で、解釈は難しいものだ。

    本書でもダーウィンの言葉が登場する。
    中でも印象的なものが、
    「進化は進歩ではない」71頁
    「存在の偉大な連鎖」を信じたい人が多い、という指摘であるが、まさにこの言葉は我々が心に留め置くべきことだろう。
    「ある条件で優れている」ということは「別の条件では劣っている」ということだ(70頁)も同様に、忘れてはいけない。
    だから、他人の欠点や動物の一部の性質を見ただけで、即ち自分より劣ると考えることは

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    2020年09月21日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    この本で繰り返し言われていることは、ヒトは進化樹の一番上にいるわけでは無いと言うこと。人類が他の生物に較べて特に優れているわけではないということである。進化がすべて良いと言うわけでなく、腰痛だとか他の動物と較べて難産になったとかヒトが進化する中で抱えてしまった問題も多々ある。
    面白いトピックスも満載である。
    生きものの定義によっては台風も生きものといえる
    窒素の捨て方の種による違い。人であれば尿にして捨てるが魚はどうしてるの
    ヒトと腸内細菌の微妙な関係
    大人になってもミルクを飲むのは人間だけ
    ヒトとチンパンジーはどちらが原始的か・・・最終共通祖先からどちらの方が進化したか
    一夫一妻制は絶対では

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    2020年09月05日
  • 化石の分子生物学 生命進化の謎を解く

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    現代のすりガラスを通さず、過去を直接的に見ることは、役に立つ立たないだけではなく、それだけ刺激的なのだ、と最後に好きなことを仕事にできるのは幸せですよね。
    化石の分析の仕方を、結果だけではなく手法や測定原理を平易に説明している点が○です。

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    2020年07月18日
  • 化石の分子生物学 生命進化の謎を解く

    購入済み

    化石の分子生物学

    現代のすりガラスを通さず、過去を直接的に見ることは、役に立つ立たないだけではなく、それだけ刺激的なのだ、と最後に好きなことを仕事にできるのは幸せですよね。
    化石の分析という大雑把な本ではなく、高校生物レベルの平易な言葉で、得られた結果をまるで推理小説のように分析しているようでした。

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    2020年07月18日
  • 化石の分子生物学 生命進化の謎を解く

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    化石や剥製からDNAやタンパク質を抽出して解析し、現生生物のDNAと比較することが歴史を解き明かす手段となり得ることを紹介した本。

    化石からのDNA解析において、外部から混入したDNAとの判別が難しいという事が様々な研究紹介を通じて理解出来ました。また、ジュラシックパークの世界には夢を抱かされますが、残念ながら、現実的では無い事も理解しました。

    本書の最後で語られている、筆者の研究者としての信念や知的好奇心に感心させられました。

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    2020年05月21日
  • 爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―

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    更科さんの本を読むのも4冊目なので、だんだん「この話、前にも出てきたぞ」と思うことが多くなってきたのだが、私のような粗末な脳みその持ち主は繰り返し学習することが重要なので、ノープロブレム。これでほんの少しでも確実な知識が定着すればラッキーである。文学作品ならこうは思えないが、そこがノンフィクションのいいところ。
    これも進化の本ではあるが、膜、口、骨、目とパーツに注目して解説されている。
    今回もなかなか面白かった。
    更科さんのユーモアが発揮されている部分では、大学での講義もこんなふうにしているのかな、と楽しめる。
    たとえば、リチャード・オーウェンがダーウィンの進化論を認めなかったのは有名な話だが

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    2020年05月01日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    更科さんの本が面白いのは、文章が上手いからだと思う。
    進化について、更科さん並みに理解している人は他にもいるだろう。しかし、これほどわかりやすく面白く書ける人はいないんじゃないか。
    研究者や専門の学生に向けた文章ではなく、あくまで(生物学や進化に興味があるとはいえ)一般向けの本なのだから、あまり知識のない人にもわかるように書かないといけない。しかし、よく知っている人も読む可能性があるから、そういう人も納得させられないといけない。さらに最後まで読めるリーダビリティが文章と構成にないといけない。そのバランスのすばらしさ。
     書き出しの台風のたとえも良いが、「私たちは小さい物なら、親指の先と人差し指

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    2020年03月08日
  • 進化論はいかに進化したか(新潮選書)

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    進化論の変遷や詳しいことを知りたいと思って手に取った。前半は非常に自分の需要にマッチしていて、ダーウィンの進化論がどのように解釈されたり誰がどのような主張をしたりしたかがまとめられていてよかった。
    しかし後半はちょっと違う毛色だったので残念だった。
    欲を言えば中立説などの話については数学的な解説が欲しいと思っていたので、他の本をあたってみようと思う。

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    2020年03月06日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    進化とはこんなものだという小話がいくつも続く感じ。結論があるというわけではないけど、読み物として読むのにはちょうど良い。この手のテーマは読んでてもあんまり食指が動かず読み進め難いことも多かったけど、この本はズンズン読めた。
    200224

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    2020年02月25日
  • 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

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    人類は進化の終着点にいる、という自負なる認識に、様々な論拠を通して挑んでいる。へぇーと感心させられたり、そうなんだと新たな知見が得られたりで、読み進めることができる。ヒトは赤ん坊から大人になるに従い、能力の向上というプラス方向の成長しかないと思っていたが、そうではない事例が紹介されている。脳に関しては、他の書籍でも、赤ん坊から大人になるにつれ、不要な(
    使われない)能細胞は消えていくという話を目にしたが、それが酵素レベルでも起きていることを教えられた。大人の中で、ミルクを飲むと、腹の調子が悪くなる人は、その答えを見つけられる。最近、新型のコロナウィルスが発生し、その解明に全力が注がれているが、

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    2020年01月30日
  • 爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―

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    とても読みやすく、進化というものを概観するには最適。
    カンブリア爆発、魚と両生類、鳥と恐竜、二足歩行と人間と脳、などなど。

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    2020年01月27日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    なぜ私たちが生き残ったのか。
    はっきり言って、たまたまだ。
    かつて、ヒトには多くの種類がいた。
    少し前までは、我々、ホモ・サピエンスは他の人類たちより優れていたから生き残ったのだと考えられてきた。
    しかし、近年はその考え方に変化が訪れている。
    私はこの話を聞いた時、時代は変化しているのだなと強く感じた。
    人類の歴史を見てみると、誰が優れている、誰が劣っている(人種、性別、年代その他全て!)とひたすら想い続け、信じ続け、自分こそが選ばれたのだと思おうとしてきた。
    でも、そうではないことに気づき始めた。
    それは人類が、人類として、「知性」を活かし始めてきた証という気がする。
    互いを尊重し、平等と思

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    2019年11月24日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    ホモ属にはサピエンスしかいないのは、本当に不思議です。多様性がないなか、サピエンスはどのように進化せずに止まってしまうのではないかと思いました。
    もしくは他の種族を絶滅させていったように、自分たちを絶滅させてしまうのかな?

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    2019年10月19日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    人類(ホモ・サピエンス)がなぜ他の類人猿と異なり生きながらえることができたかを丹念に検証した一冊。

    人類についてここ最近の研究でわかってきたことが網羅されており、とても勉強になった。

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    2019年10月11日
  • 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか

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    もし、絶滅した人類が生きていたら…

    現生人類とは異なる点で、より優れた知性を持っていたかもしれない、というのは新鮮な視点だった。
    我々が生き残ったのも賢かったからとは限らないと書かれていて、なるほどと思った。裏を返せば、滅んだ人類が、わたしたちよりも賢者であった可能性は十分ある。もしかしたら彼らは、大地も海も汚さずに、優れた文明を開けたもしれない。

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    2019年09月07日
  • 進化論はいかに進化したか(新潮選書)

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    自然選択だけが、進化を引き起こすわけではない。
    どちらの遺伝子が伝わるか、は偶然による。
    そのため、遺伝子の出現頻度が集団の中で変わる。
    これを遺伝的浮動といい、これも進化を引き起こす。

    後半は、人間がなぜ、直立二足歩行か、の話が特に面白い。
    直立二足歩行により、食べ物を持ってこれるようになる。
    そこでとくをするのは、配偶者と自分の子供、
    このとき、子供が自分の子である可能性がたかいほど、
    運んでくる方にメリットがある。

    直立二足歩行と同時に、人類は牙をなくす。
    これは、オス同士が争う必要かなくなったから。
    それは、一夫一妻という形態をとったから。

    このため餌を運ぶ相手は、自分の子、とな

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    2019年04月08日
  • 爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―

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    わかりやすくて良い

    さらさら読める

    宇宙ができて、原子ができて、星ができて、崩壊して、重い原子ができて、重い原子でできた星ができて、生命ができて、太陽の強弱や、月との引力バランスや、環境の変化でグラグラ揺すぶられてるうちに、気づいたらこんな本を読んでる自分がいるということに思いを馳せることは楽しい

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    2018年11月23日
  • 宇宙からいかにヒトは生まれたか―偶然と必然の138億年史―

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    宇宙・地球誕生からヒトの繁栄まで一気通貫にやっている
    億年単位の時間がかかったとはいえ、よくもまあただの化学物質からここまで発展したものだと感動を覚える。
    負のフィードバック効果で気温が上がると二酸化炭素は減っていった
    酸素は猛毒だが高いエネルギー生成には欠かせない
    最終祖先ルカ
    適応放散
    などの話が印象に残った

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    2018年09月01日
  • 爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―

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    進化の過程でエビデンスになるのが化石だが,都合の良いものが発見されるわけではない.しかし,様々な仮説を証明する化石が出てくることは,ミステリーのような感じがしている.非常に分かりやすい記述で一気に読破.やはり第10章の 「命」生命は物質から作れるか が面白かった.これが最大の謎だろう.DNA→RNA→タンパク質 という遺伝情報の流れはすべての生物が共有していること,これは驚きだ.

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    2017年04月25日
  • 化石の分子生物学 生命進化の謎を解く

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    ジュラシック・パークなどでも話題になった化石の分子生物学についての入門書。

    入門書とはいえ、割と深く懇切丁寧に書いており、とても勉強になった。

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    2017年03月04日