あらすじ
生物とは何か、生物のシンギュラリティ、動く植物、大きな欠点のある人類の歩き方、遺伝のしくみ、がんは進化する、一気飲みしてはいけない、花粉症はなぜ起きる、IPS細胞とは何か・・・。最新の知見を親切に、ユーモアたっぷりに、ロマンティックに語る。あなたの想像をはるかに超える生物学講義!全世代必読の一冊!!
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Posted by ブクログ
ダ・ヴィンチは地球を生物と捉えていた。
「生物」をどう定義するかで、地球も生物になり得る。
今は「自分の複製を作る」が定義の1つなので、地球は生物ではない。
本書は「生物学講義」というタイトルだが、生物に関する面白い話を聞いている感じ。
花粉症やアルコールの話題なんかも取り上げられていて、身近に感じる内容も多いので読みやすい。
・飲んだアルコールの30%は胃から、残りの70%は小腸から吸収される。
・体重が60キロの人だと、500mlのビールを8缶も飲めば、急性アルコール中毒になる可能性がある。
・アルコールは小腸からの吸収が早いので、胃に長く留めておきたい。食べながら少しずつ飲むのがいい。
・肝臓で分解できるアルコールは、1時間に10グラム(500mlのビールに含まれる量の半分)。
・アルコールは体のどこにでも入っていき、臓器を壊すことがある。だから、成長期の若者は飲んではいけない。
摂取したアルコールが体内でどのように処理されるかが説明されている。
アルコールがもたらす効果やどのくらいが適量かといった、吞兵衛に嬉しい話題はない。
休肝日を作るのがいいという話もよく聞くが、そういった話題もない。
毎日ビールを飲む自分に当てはめると、寝る頃にはアルコールはほぼ分解されているのかなと思われる。
私はある年から突然花粉症になったが、それ以来治らない。
飲酒、喫煙、運動不足、睡眠不足、ストレスが花粉症の要因だとよく聞くが、信ぴょう性に乏しい。
花粉症を改善する食事とかサプリメントを勧める人もいるが、これもあまり関係なさそう。
ある年から突然花粉症にならなくなった人が自分の周りにはいない。
花粉症については抗体の働きによるものなので、花粉の侵入を防ぐマスクとヒスタミンの放出を弱める薬の服用で対処するしかなさそう。
Posted by ブクログ
生物学は、わかるが美しいとは何?と気になり読みました。
内容は、高校で習う生物学を日常生活と関連付けて説明されておりとても分かりやすかったです。
挿絵もテーマを端的に描いていて良かったです。
生物学に対して苦手意識のある人は、この本から入ると苦手意識が薄れるかと思います。
Posted by ブクログ
生物学を平易な言葉でとても分かりやすく書いてあります。また、イラストがとても可愛いです。2本足のリン酸脂質が可愛くてお気に入りです。別の本で出てきたときに、頭の中でこのイラストが再現されました。
Posted by ブクログ
生物について現在地点のわかってるとことを、やさしく解説してくれる。
進化の話やシンギュラリティの話がおもしろかった。
しかし、先日読んだ熊楠の時代から100年くらいでこんなにわかることが増えてるのが、興味深い。
40億年の生命の歴史を考えていると、少子化問題とか環境問題とか、些末に思えるというか(もちろんヒトの1種類のみが増えすぎてる問題は重大事案だけど)、このパワーバランスも地球の生命体の一方向性に思える不思議。個人の意思でどうにかなるもんでもないのかな、て。栄えるも滅びるも環境次第というか。なるようになるという達観が得られる気がするな。
Posted by ブクログ
難しい話がたくさんあったがおもしろかった。
聞きなれない単語がたくさんあったので、読むのに時間がかかった。
が、わかりやすい例など入れており、話を身近に感じることができた。
化学式などもあり、学生時代を思い出した。
はじめににも記載されているが、「若い読者に」→「自分が若いと勝手に思っている」読者にぜひ読んで欲しい。
Posted by ブクログ
多くの人は高校卒業と同時に「生物」とはさよならして、
時間が経つほど習ったことを忘れていってしまう
が、そんな大人になってからでも「生物」のことを
もう一度楽しみながら知ることが出来る本
はじめに、がとても素敵な文章なので、
そこだけでも読んでみてほしい
Posted by ブクログ
「生物学」と銘打ってはいますが,科学的な考え方やこれまでの人類の科学の成果,あるいはちょっと哲学的な考え方について,解説されていて,わたしは,楽しんで読むことができました。
著者が挙げる「たとえ」もわかりやすくて,読者の理解を助けてくれると思いますし,文体も大変親しみやすいです。
「生物とは何か」から,進化論,ウイルス,iPS細胞まで,大人でも,もう一度「生物学」の勉強をすることができます。
類書でも,お薦めの1冊です。
Posted by ブクログ
生物学系の読み物は、福岡氏の書籍も含めて
割と面白くて好きです。中には、難解で理解できないもの
もありますが、この本は非常にわかりやすく面白く読めました。進化の仕組み、がんのこと。など理解できたとは
言えないとは思いますが、面白かったです。
Posted by ブクログ
高校で生物ちょろっとやった時はつまらなかったが、これは面白い。そもそも「生物って何だろう」「科学ってどういうもの?」という話やシンギュラリティの話、進化の話や生活に関わる技術の話。
どれも興味が沸きやすい話題で、かなり噛み砕いて書かれている。
高校生物や高校化学の知識が少しあるとより読みやすいが、前提知識なしでも楽しく読める部分も多い。
一章が短いのも読みやすくてよかった。
1番の感想は、生物の「定義」も「分類」も「年齢」もしょせん人間の尺度でしかないんだなあ、ってこと。
Posted by ブクログ
10年前に生物基礎で学んだ知識が抜け落ちていることもあり理解が難しい説明も多くあったが、総じて生物学の面白さに触れることができた。
特に人間に着目して説明をしている17章あたり以降が印象的だった。
・人間は直立二足歩行である理由(解明されていない中で行われている仮説論証も興味深い)
・人間はその他生物と比較して優れている生き物なのか
・退化の反対は発達であり、進化の中に退化と発達は含まれている
他の生物学の本も今後読んでいきたいと思う。
Posted by ブクログ
若い読者に贈るとありますが、私のようなクソジジィにも楽しく読めます。
「平均寿命は屋久杉より人間の方が上」
そうだよね。樹齢2000年とか言ってもその木だけだし。多くは苗木にすらならずに枯れていくし。あと殆どは生きながら死んでる(死んでる心材と生きてる辺材)細胞はせいぜい30年とも。
だから何と言われそうだけどなんか心が軽くなった。死期が近づくとこういう話がいちいちひっかかっちゃう。ジジィになっても死にたいくないのよ。とはいえもうすぐなんだろうけど。
「植物の挿木。寿命って?」
いやほんとそれ。他の章でもミドリムシって何歳?ってのもあったけど。てかここでは触れられてなかったけどベニクラゲいるじゃん?
あいつマジものの不老不死でしょ。
最近YouTubeで見たけど他のクラゲは身体を傷つけて2匹接触させてたら神経繋がって1匹に合体してたし。ここまでくると逆に神様いて欲しいね。
「全ての生き物には寿命設定したけど、でもベニクラゲちゃんは特別なのっ!」とか言って欲しい。あとロイコクロリディウムやハリガネムシについても聞きたいわぁ。(どんな目的があってアレ作った?)
「ヒトは多くの動物に対して強烈な劣等感を持っている。足が遅いからだ。(二足歩行の最大の欠点のひとつ)」
今回この文章が一番好き。
足が遅いことへの劣等感って初めて聞くフレーズ。でもこれって度々聞くあの疑問(もしくは常識)に繋がるのよね。「小学生の時は足が速いとモテる」ってやつ。あのモテは強烈な劣等感の裏返しってこと?うーむありえるかも。
ライオンや虎から逃げる必要は無くなったけど、まだ走ることに対しての執着があるのかもね。
居眠りして観てないテレビを消すと怒るっていうのが、夜中の猛獣避けの焚き火が消えることへの恐怖からきてるという話(ほんまかいな)と同じくらい好き。
「多様性大事。てか人間増えすぎ。(そのこと自体が多様性を失っている)」
こういう「行って帰ってきた視点」を持ちながら論じたいですねぇ。
「鯉→(尿素)→カエル→(羊膜卵)→ヒト、イヌ→(尿酸)→トカゲ、ニワトリ」
この系統樹いいわぁ。覚えておこう。
作者は繰り返し生き物に優劣なんてない、どれも40億年生きてきた最新の形みたいなことを主張してますがほんとそうですね。
ただ多くの(私なんて特に)人間が「人間様 is No.1!」みたいに思い込んで他の生き物を見下してる(飼うわ殺して食うわ飾るわ、その生き物の赤ちゃんの飲み物を奪ってカルシウム!とか言っちゃうわ)その基となってるのは「だって俺たち脳でけぇし」(頭の良さ)なんでしょうけど、これもさっきの多様性の話とちょっと似てるというか。
他の生き物への優位性が頭の良し悪しに依ってるんだとすれば(知能が高いから殺すなとかもありますよね、馬とか鯨とか)じゃあ人間同士でも頭の良し悪しであからさまに差別(区別?)しても良くね?みたいな。そんなこと改めて言わなくてももうそうなってんじゃんって声もありそうですけどもっと明確な身分の差とかありそうなもんですけどね。また別の網がかかるのかな。
唯一イマイチ納得いかないのは牙を失ったことと一夫一婦制などから推測される「人類は平和な生き物」論。まぁそうかも。そうかもなんだけど。
やっぱ凶暴なんじゃないかなー。それとも僕が思ってるより他の生き物がずっと凶暴なのか。
Posted by ブクログ
まんべんなく、基礎的な内容の生物学を網羅した本。
発行が2019年ということもあり、コロナ前なのでコロナウイルスや、ウイルスに関する新しい知見などは含まれていない。そういう意味では、最新とはいいがたい内容ではあるが、生物学・科学というものの考え方について、わかりやすくレクチャーされている良書であるように思う。
またAIについての基礎項目も挙げられていて、下手なAI論の本よりもわかりやすく説明されているのが面白い。
特に『シンギュラリティ』は、言葉だけがひとり歩きしている場面を良く見聞きするが、このあたりもかみ砕いて説明されているため、とてもわかりやすい。
全体として目新しいものはないが、タイトル通り美しく整頓されているので、読みやすく理解しやすい本だと思う。
残念なのは、やはり遊びの部分が時折差し挟まれるイラストのみというところだろうが……生物学・科学はもっと猥雑であっても良いような気がしている。
Posted by ブクログ
・一回通読。進化論はいかに進化したかと一部重複あるものの、新たな知識をいくつも得ることができた。そして相変わらず読みやすいし楽しい。例え方が巧みなのかな。
・細胞膜の構造、散逸構造、後口動物、花粉症や癌の仕組み、など勉強になった
・生命の起源、系統樹、細胞内共生、近縁種間交雑、あたりを深掘りして知りたくなった
Posted by ブクログ
大変分かりやすい。噂通りの良書。それぞれの生物がそれぞれ進化、即ち、変化する環境に応じて変化して生き延びてきた、ということ。よって、生物に高等、下等はない。なんとなくヒトが進化のトップのように思い上がってるけど大間違い。多様性を喪失させて周囲の生物、環境、そして自らをも弱体化させている。なるほど。再認識。
Posted by ブクログ
第1章 レオナルドダビンチの生きている地球
モナリザを書いた理由
地球と人間は似ている
第2章 イカの足は10本か
第3章 生物を包むもの
第4章 生物は流れている
生物は平衡状態ではない
平衡…分子の出入りが同じで、見かけ上無変化
生物は散逸構造である
散逸…エネルギーが熱に変化する不可逆過程
第5章 生物のシンギュラリティー
自然選択は生物の条件
第6章 生物か無生物か
代謝をしない生物はいるか …ロボット
複製を作らない生物はいるか …自然選択がない
仕切りのない生物はいるか …台風
第7章 様々な生物
細菌やアーキアは下等な生物と言う偏見
第8章 動く植物
生きている時から樹木の大部分は死んでいる
心材(シンザイ)は死んでる(シンデル)
第9章 植物は光を求めて高くなる
なぜ裸子植物は高くなれるのか
第10章 動物には前と後がある
口がある方が前
第11章 大きな欠点のある人類の歩き方
人類の2つの特徴
直立2足歩行と、牙を失ったこと
人類以外に直立2足歩行をする生物はいない
直立2足歩行の利点
1.太陽光にあたる面積が少なくなる
2.頭が地面から離れるので涼しくなる
3.遠くが見渡せる
4.大きなのを下から支えられる
5.歩くときのエネルギー効率が良い
6.両手があくので武器が使える
7.両手があくので食料を運べる
直立2足歩行の欠点
移動速度が遅い
第12章 人類は平和な生物
人類は平和な生物
チンパンジーに比べ小さいヒトの犬歯
昔は人類は凶暴な生物だと思われていた
犬歯の縮小700万年前
最古の石器は330万年前
→武器のお陰で牙が縮小したのではない
→オス同士の争いが穏やかになった仮説
直立2足歩行の利点と一夫一妻的な社会
一夫多妻や多夫多妻ではオス同士が争う
オスが子育てに参加
一夫多妻…子が多くオスは子育てしにくい。
多夫多妻…食物を子に運ばないオスのほうが
生存率が高く子も残せるはず。
一夫一妻…子育して生存率が高まれば遺伝。
進化で重要なのは子供の数
強い仮説ではないが、現在では最強の仮説
第13章 減少する生物多様性
多様性が高いと生態系は安定する
第14章 進化と進歩
人は進化の最後の種ではない
尿素…タンパク質→アンモニア→尿素
洋膜卵…卵を乾燥させない
尿酸…水分を尿で減らさない
「存在の偉大な連鎖」を超える進化
自然選択で生物が進化することを発見
安定化選択…平均的な個体が子を多く残す
方向性選択…極端な変異の個体が子を多く残す
第15章 遺伝の仕組み
第16章 花粉症はなぜ起きる
数十億とも言われる抗体の種類
第17章 がんは進化する
がん細胞が免疫にブレーキをかける
第18章 一気飲みしてはいけない
第19章 不老不死とips細胞
Posted by ブクログ
マーケティング重視の変な邦題をつけられた話題の翻訳書みたいなタイトルだが、内容はとてもよい。
100%正しいと言えることはないという科学の立場や、生物に高等も下等もないという視点、生物に深い関心のない一般の人にこそ読んでほしい内容が豊富である。
途中までは大局的な内容で非常によいのだが、「第15章・遺伝のしくみ」から突然、限定的で難解な話が始まる。まるで別の本に変わったかのようだ。編集上の都合でもあったのだろうか。どうしてもiPS細胞に触れたかったのだろうか。
メモ
・流れの中で形を一定に保つ構造を散逸構造という(P.71)
・散逸構造をしているものの中で一番長生きしたものが生物と呼ばれるようになった(P.77)
・マグロから見た場合、サメよりもヒトの方が近縁(P.115)
Posted by ブクログ
わかりやすくて、興味をそそる。
序文が良かった。
少々雑多な感は否めないが、私のように少し興味を持って生物学に触れてみたい人にはちょうどいいかと思う。
Posted by ブクログ
口の話がいい。
ニンゲンの日常社会においては顔の主役は目だと思うけど、生物機構からすると口なんだねえ。
まず栄養。だから口ありき。言われれば納得だけど今までにない発想でとても面白かった。
Posted by ブクログ
受精卵に原口できて
反対側の細胞壁に到達して
消化管になる
原口が口になるパターンと
原口が肛門になるパターンがある
ヒトは後者
口から栄養を取り入れる
口のある側が前面
なるほどー!
管の内側と外側って感覚
通り抜けるって考えると
なるほど、それはたしかに
外界という気もする。うむ。
Posted by ブクログ
高校でも選択しなかったし、生物学の本は多分初めて。イラストとかもあって何もわからない自分にも生物学の面白さを教えてもらいました。(といいつつも、終盤普通に難しかったけど。。笑)
Posted by ブクログ
人類の進化、特に人類の脳の大きさが縮小している点について、興味深く読ませていただいた。著者の他の進化論や、「創造の自然史の痕跡」などビクトリア朝の論争などの話を読みたい。
Posted by ブクログ
高校生物の授業をかわいいイラストと分かりやすい言葉で教えてくれます。
著者の更科さんのスタンスというか、書き方が素敵でした。
最初に科学とはなんぞやから入り、科学の解き方を説きます。そして宇宙や地球や生物の話から、段々と具体的にしていき、花粉やガンの話にまで落とし込む。
節々に「分かることもあれば分からないこともある。断定できることもそうでないこともある。」的な中立な伝え方をしてくれる。多様性を説くからこそ、読書をどちらにも偏らせない伝え方だなと思った。
先生の授業を一度聴いてみたいです。
Posted by ブクログ
がんの仕組み、IPS細胞とは何か、植物が上に水を運べる仕組みなど、生物学の知識を広く知れた。IPS細胞の実用化に向けた課題なども知れるとなお良かった。
Posted by ブクログ
細胞、動物、植物、人類の進化、遺伝、がん、iPS
細胞など生物学の様々なトピックを平易な文章と可愛らしいイラストで紹介した本書。
生物学の面白さは感じられたが、タイトルに掲げたような生物学の「美しさ」や生命の「感動」を表現している文章とは思えず、時々くどい、または回りくどい説明が気になった。
帯にあるような「極上の」とまではいかないが、入門書としては良書だと感じる。
Posted by ブクログ
ところにより難しいと感じたところがあったけどとても良い本だと思います。
生物学を知らない初心者に向けて書かれていていました。特に印象に残ったのはダーウィンの件です。
自分が思っていた史実とは違ったこと。(一般的に多くの人々が誤解していると思いますが)
話も生物学の講義を聞いているような語りで進められるので読んでて飽きません。
教養の一環としてオススメです。
Posted by ブクログ
生物には縁遠い分野の人間だけれども、面白いと思える話題から最後は感心させられるオチまで引っ張っていってくれる本でした。肩肘張らずに読み進められます。