更科功のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあとがきにあるように前半は地球科学の話で、後半は生物学の話でありました。 たとえば「圧力が非常に低ければ、液体は存在しないのだ。宇宙空間の圧力はかぎりなくゼロに近いので、液体は存在できない。」「地球の中心部にある核は、鉄やニッケルなどの金属でできており、外核と内殻に分けられる。この外核にある液体の金属が動くことによって、電流が流れる。その電流が電磁石となって磁場を発生させ、地磁気として観測されるようだ。」は科学の話。「ラン藻の光合成による大気中や海水中における酸素濃度上昇が、真核生物の出現の必要条件になっていた可能性は高いだろう。」は生物学+地球科学の話。
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Posted by ブクログ
古代の化石から何とかDNAを抽出し解析しようとする科学者たちの悪戦苦闘を通して、「過去に直に触る」ことのロマンが描かれます。彼らの思考や作業はまるで論理パズルを解くかのようで、ベン図でも描いて整理しながら読もうかと思ったほどでした。また、DNA抽出をより確実に行おうと3,000回以上も同じ作業を繰り返した結果、かえって致命的なノイズを拾ってしまったユタ州の学者のくだりは、気の遠くなるような過去の暗闇に向かって必死に手を伸ばす科学者の労苦が、心底伝わる思いがしました。
「ベストを追求したいのではなく、現象を認識したいのだ。これが科学の考え方である(p207)」・・・日頃、「結果」や「利潤」ば -
Posted by ブクログ
「化石の分子生物学」って何?と一言で言えば「ジュラシック・パークの世界」となる。
マイケル・クライトンが琥珀に閉じ込められ化石となった蚊が生きていた時に吸った恐竜の血液から遺伝子を取り出し、恐竜を蘇らせるという作品を(米国で)発表したのが1990年。そのタイミングで琥珀のシロアリから古代DNAが発見され、更には映画が封切られた翌年の1994年には米国で8千万年前の恐竜の化石からDNAが発見されたという報告があり、この分野ではまさに現実と小説が錯綜するような興奮があったという。クライトンの先見性にはまさに驚く話であるが、その興奮がまさに化石の分子生物学の発展に多いに寄与したのであろうし、我々も -
Posted by ブクログ
読んだフリができる気は全くしない。。。
種の起源は、神学書。
最初の生命は神が作ったとしているから。
ただし、神学書の部分はそこまでで、
生命の多様性の説明は科学として進化で説明ができるとした。
従来、個々の種は全て神が作ったとされてきた。
そうではなく、変異が生じ、それが自然淘汰され、異なる種に文化していく。
ダーウィンは、変異の原因こそ誤ったが、
そこから得られる結論は正しかった。
ダーウィンの説は、極論すると、全ての生命には起源となる種がある、と。
中間種がないのは、両極の種と競争したときに、どちらと比べても中途半端なので絶滅してしまうから。