佐竹美保のレビュー一覧
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恋をして、そのひとのことで自分の中がいっぱいになってしまうキキ。
とんぼさんが夏休みには帰ってくると考えていて、けれど思う通りにはならなくてイライラしちゃったり、誰かから褒められチヤホヤされたりして、ちょっとふわふわ浮かれちゃう気持ちも判る。
思春期の不安定さが良くでていた巻だった。
仕事は仕事、と本気で取り組んだりせず「少しくらいなら……」と自分に甘えちゃうところとか、
楽しみにしていたことが取り上げられるようで、親切にしてくれる人に疑心暗鬼になっちゃったり、決して聖人君子ではない。そんなキキに「あぁ、もう、そんなことしちゃダメでしょう」とついお節介風吹かせてしまう私。
それでもここに -
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ネタバレ小さい頃から親に言われて来た言葉は
こころをしばる、という表現があったのですが
凄く良く分かります。
何か望む時、
それが親の言葉と反するものであったりすると
例えば悪い事ではない事であっても
自然にひかえてしまう、回避したり諦めてしまう。
親から伝わるものって大きいんだな、としみじみ思ったり。
子供が親から受ける影響のなんと大きい事か。
このシリーズ、最初の一冊目はただの児童書という印象が強かったのですが
だんだん深いところに触れて来て
色々思い返したり反省したり
大人になってから読んでも良い本だなあと思いました。
成長して行く心の葛藤や
親の心や思い、
魔女の話なのに魔女、といより「人 -
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ふたつの物語が併走して全体が進んでいく。
ひとつは、突然幽霊がクラスメートになって戸惑う主人公の視点、
もうひとつは、その幽霊が何十年も前に大好きだったという幻の連載小説そのもの。
前者は、いわゆる普通の小学校5年生の日常が描かれていて、
後者は、魔女の呪いにとらわれた哀しい少女たちが、
どうにかしてそこから自分たちと世界とを救おうとする話が描かれている。
全くテイストが違う両者なのだが、根底では、
「死んだものがよみがえるということ」という同一のテーマで繋がっている。
淡々としたタッチの魔法の国での話も予想外に惹きつけられて、
一気に全部読んでしまった。
面白い。
のだが、柏葉ファンとして -
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結婚して母親になったその後、といえば、当然子供達の話。
主人公は誰? という状態にはなっていましたが
今までの人達が、そこかしこに登場していました。
当然女の子が産まれると思っていた所に、男女の双子。
しかも性格は正反対で、魔女になりたいと思うのは男の子。
なろうかどうしようかと思うのは女の子。
母親はやきもきするし、娘は特別な自分になろうかどうかとうろうろしてるし
息子はなれないかと悪あがき中。
どうみても(?)娘のやりたい放題に目が行きます。
どこが弟の事を思っているのか、という感じがしますが
そういう文章が出てくる、という事は、思っている…んですよね?
とはいえ、背中を蹴られた状態と -
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離れ離れの日々が続いて、ついに戻ってくるだろう夏休み。
なのに肩すかしをくらって、がっくり状態。
何を意地になって会いに行かないのか…。
とはいえ、何だか微笑ましいものがあります。
子供達も大きくなって、昔撃ち落としてくれた男の子が泊りにきたりで
いつまでも子供は『子供』ではない状態に。
それを横目に、大人はやっと『大人』になった、という感じです。
柔らかくしてあるとはいえ、去って行ってしまった人がいます。
かと思えば、一緒に未来を紡ぐ事になった人もいます。
そして、未来が細くなってしまった…と思った人もいます。
何だか今回は、別れと出会いと出会うべきもの、が
たくさん詰まっていたような