佐竹美保のレビュー一覧
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シリーズ4作目。
本作も6遍の物語で構成されている。
ブラッドストーンの物語は、無駄と見える中にも大事なことが詰まっていることを教えてくれる。
想像力や、冒険は、将来の役に立たないと切り捨てられるべきものではない。
遊びが無駄なんて、立派な人間が言うことじゃない。
机の前のものだけしか見ない人間に、広い世界を知ったり新しいものをうみだすことは難しい。
アレキサンドライトは、プライドとは何かを考えさせる。
「嘲りすらも味方に変えられる強さを持て」と励ます言葉は時に辛い。
そんなに私は強くない、そう思う時もある。
けれども、強さは頑強さだけではない。
しなやかに、たおやかに、緩やかに、美しく。 -
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シリーズ3作目。
6個の宝石、鉱石の物語。
アクアマリンの物語は、海賊が登場する。
悪役である海賊の船長の名は「血染めのウルジー」、副船長は「ベラミス」。
その名前に、漫画『ONE PIECE』を思い起こす。
奪われたアクアマリンはどのような力を発揮するのか。
強すぎる力は何をもたらすのか。
短編ながら夢中になる。
フローライトは暴君としてその名を残すネロ皇帝と、彫刻家ラミウスの物語。
暴君のために私を使わないで、と嘆く石の心と、皇帝の命に従わなければ死ぬことがわかっている彫刻家と。
さて、どうやってこの状況を打開するのだろう?
石言葉や和名なども物語の最後に必ず記される。
図鑑や博物館 -
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5種類の石の物語。
今回は何らかの事情で、魔石館に来ることを拒む石たちの物語。
スタロウライトは十字模様のついた石。
いわゆる宝石ではないそうだが、初めて聞いたその名は、とても魅力的。
クリスチャンでなくても、その自然の姿は不思議に感じるし、お守りとされるのもわかる気がする。
スモーキークォーツは渋みのあるグレーがかった水晶。
くじけない心、という石言葉を持つが、この煙水晶は、変わることを面白がっている節があり……。
さてさて、いい方に転がるか、悪い方に転がるか。
ちょっとビターな物語。
ガーネットはお馴染みの赤い宝石。
ルビーに似た(金額だけでいうとルビーよりちょっとお手頃で、私も持っ -
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前回の魔女の宅急便からすぐに5巻に手を出した。気になって気になって。キキとトンボの青春満載の恋が甘酸っぱい。ものすごい塩梅。キキのザ・女子な部分とかでも気丈に振る舞ってるところとか、キキに大丈夫だよって言ってあげたくなる。(そもそも私は恋愛経験がほぼないが)トンボの何かに夢中になってる男の子の魅力が100%表現されつつ、鈍感で鈍くて、そこじゃないよ!っていう不器用な男の子も表現されてて、二人が可愛くて仕方なかった。手紙で数ヶ月に一回やりとりするっていうのも今の時代からすると新鮮で、いいなーって思いながら読んでた。ジジも恋をして、少しずつ変わって行って、キキよりその子ってなっていって、キキはそれ
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停泊していた船が動き出してしまい、15人の少年たちを乗せた船は孤島へ流れ着いた。
知恵と勇気と一致団結しながら、2年もの歳月を彼らは、その島で生活していく。
まず、登場人物が多いので、挿絵があって助かった。
把握するまでに何度見直したことか。
少年たちは出身地も様々で、その国々の個性が少年たちに反映されているようだ。
プライドの高いイギリス出身のドニファンには、「また君か…」と何度も思ったし、ドニファンに常に味方する少年たちは、まるでハリーポッターのマルフォイ+αそっくり。
それでも、年齢もばらばらの少年たちが、年長者たちに統率されながら、規律を作り、知恵を絞り、2年という長い歳月を乗り越 -
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ネタバレキキとトンボが結婚して、双子のこどもニニとトトが13歳の旅立ちを迎えるまでの話
シリーズ全体を通して、魔女の魔法と市井の魔法が描かれていたように思うけど、トトの存在でそれが明確化
魔法って何?という問いに明確な回答は明示しないし、なにか劇的な問題や解決があったわけではないけども、日々を失敗しながら生活していくなかで少しずつでも成長していくという展開は貫いてあった
ケケとトトが互いに半分魔女でシンパシー感じているのが面白い
ここの関係をもっと深掘りして読みたいな
ヨモギさん再登場も嬉しい
キキは母になっても相変わらず
最後まであまり好きにはなれなかった
察してちゃんは一緒にいると辛かろう