佐竹美保のレビュー一覧
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どうしても馴染めない部分があった。
それは「大家族」というところ。
私はこれが受け付けられない性格なのだ。
大家族がもつ温かさよりも、
無意識のうちに個人を縛り付けようとする
息苦しさが耐えられない。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズは、
実はクレストマンシーのシリーズで、
けっこう親や大人たちの子に対する支配を
描いていると私は思う。
それが今回だと、個々人から一気に
大家族という今まで以上に大きな存在になっている。
ところが今までと違うのは、
物語の前半は母性のマイナスよりも
つながりというプラスの方を出していること。
それが私には受け入れがたかった。
しかしやはり他の本と同じように、
徐々にマイナス面が現れてくる。
先祖たちからの教えに囚われ、
新しい価値観を認めず、
変化を受け入れようとしない。
どころか、そこから抜け出そうとする者を
否定して押しつぶそうとする。
それは物語の結末までずっと続く。
というかもっとも大事な局面で、
全員が重大な問いにさらされる。
ところが他の作品と違い、
今回はダイアナ・ウィン・ジョーンズは
はっきりとした結論を書けていない。
え、どっちなの?というくらい
ぼやけた結末になっている。
それは今までの舞台イギリスのような
はっきりとした物言いの国ではなく、
今回はイタリアという母性的な
何もかも飲み込んでしまう舞台の
呪いだったのかもしれないと思う。
答えをあいまいにするという意味で。
だから正直言って、
せっかくトニーノたちのがんばりで
高まったカタルシスが一気にしぼんでしまった。
物語の中盤から後半にかけて、
トニーノたちが冒険するところは
いつもながらワクワクして楽しかった。
トニーノの分身ともいえるパオロの
葛藤の描き方も好き。
やはりダイアナ・ウィン・ジョーンズは
子どもを描かせたら天下一品だと思う。
そして他の方々とは全く逆で、
この大家族の大人たちがみんな見事なまでに
イヤーな部分が描かれていると思った。
リカルドは典型的だし、おばさんたちも。
そこも著者のうまさだと私は思う。
(おばさんたちのことは良い面も描いていたけれど) -
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ネタバレ『金色のマギノビオン』を読んで、作者のおすすめされていた本。(紅茶王子の時と比べ、絵柄や描写が濃い アシスタントの方を入れていないそうで、凄。
服装や建物、風俗などどれだけ参考文献にあたっているのだろう)
マギノビオン=ウェールズ地方の神話、という意味。
ゲームをやっていないので(フェイト=運命・宿命)
アーサー王は名前位しか知らず、読み進めて大河ドラマというより夢枕獏氏の『陰陽師』のようなだな、と思っていたので 巻末訳者の『アーサー王伝説』の誕生解説有難い。
紀元6世紀=ローマ帝国や飛鳥時代
紹介されていた以下も読んでみたい。
『ブリテン王列伝』ジェフリー・オブ・モンマス:12世紀
『アーサー王の死』トマス・マロリー:15世紀
『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』マーク・トウェイン:20世紀
→トムソーヤの人だ。。。
金原氏の述べている通り、本作児童向けにて騎士としての格好良さに重点を置いているそうだけれど
それでも乙女や貴婦人やわちゃわちゃあるシーンは多いので(助け出されたが、特に求婚されなかった乙女は好みじゃなかったのか、騎士に既に相手がいたのか。。)
大人向けに振り切った作品はいろんな意味ですごそうだなぁ、と。
映画化や漫画化もしているのだろうなぁ。
槍が基本すぐ粉々になったり、血塗れでも死ななかったり、人の力で粉砕しすぎだろう、と思うけれど
神話だと思うと受け入れやすい。
そこまで機微が描かれておらず、短絡的に思えたり、「何故そうなる??!」という物語もあるので
山田南平氏のこれからどう描くかに期待したい。
(他の人の感想にあったけれど、マーリンの最期、ええええ???? という感じ。 キスしながらねだるって惚れていたら断れなさそうではあるけれど。。。)
『「…とはいえ、いったんある女性を心に決めたとなると、男というのはまず気持ちを変えることはありますましい。」』
『「わたしはライオネスの妹で、リネットとも、気性のあらい女とも呼ばれております」』
→これ、別に恥じていないのか、どういうトーンで言っているのか気になる。
『さて、ボーメン卿がたちさるとすぐにライオネス姫は後悔し、』
→ええ。。。
『「この指輪の魔力で、わたしはとても美しくなれるのです。」』
→魔法アイテム?? どうやって手に入れ、ライオネス姫が亡き後は争奪戦になるのか?? -
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百年以上前に建てられた頃には不思議な魔法がかけられているといわれていた、立派な洋館「ゆりの木荘」も、今では有料老人ホームとして利用されており、そこで暮らしている二人のおばあさん、モリノさんとサクラさんも平和な毎日を過ごしていたのだけれど⋯⋯。
そのきっかけとなったのは玄関ホールにある昔のままの古時計と、かつてサクラさんが歌った記憶があるという手まり歌で、気が付いたら二人とも十歳の女の子になっていたのは、七十年程前の時代にタイムスリップしてしまったからだったのだが、その不思議な出来事にはある切ない理由が潜まれていたのです。
角野栄子さん、上橋菜穂子さん、柏葉幸子さんと、名だたるファンタジー作家の作品で描かれている、美しくも人懐こい雰囲気が魅力的な佐竹美保さんの絵と、不思議なものの特性を謎解きにも見事に活かした、富安陽子先生の物語との融合は、小学中級からという本書の対象年齢に寄り添った、シンプルな分かりやすさが特徴的でありながら、いろんな要素が最終的にはきちんと結び付く物語の構成や、富安先生ならではの特別な絆に心響くものがあったりと、毎度のことながら、その作り込みの素晴らしさには感嘆させられるのです。 -
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宝石(一部宝石以外も含む)にまつわる物語を8編収録。『水晶ー魔法使いの弟子』『ルビーー赤い目の悪魔』『ベゾアール石ー大草原の民サヌバ族の子』『猫目石ーツタンカーメン王の墓』『ムーンストーンー幽霊屋敷の双子の姉妹』『トルコ石ー旅人を守る石』『オニキスとアメジストー大きな屋敷の貴族の娘』『珊瑚ー魔石館の主人との約束』
児童書。一本あたりが短く読みやすい。良くも悪くも因果応報な話、頑張る人が報われる話、石にまつわる少し怖い話など。タイトルは魔石館とあるが、魔石館について触れられているのは最後の珊瑚の話だけ。
取り上げられているものは有名な石ばかりで、ベゾアール石は初めて聞いた。動物の胃でできる結石。記憶にはなかったが、検索したところハリーポッターにも登場するらしい。 -
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ゲームやら何やらで有名なアーサー王の物語。
アーサー王とかエクスカリバーとか聞いたことあるから、物語としてはどんなものか興味があって読み始めた。
なんか思ったよりアーサーの話が少ない。アーサーは王様だから当然なのかもだけど、アーサー自身が戦うんじゃなくて、円卓の騎士たちが活躍するもんだから、アーサーがかっこよかったところは、一番最初の、剣を岩から抜いたシーンのみだった。しかもこれはエクスカリバーじゃないし。なーんだ…
そして抜けない剣を抜くのは別にアーサーだけじゃないし。
マーリンの最期もなんだかなーだし、ランスロットもかっこいいのかあの人?だし、グウィネヴィアに至ってはなんだこの人状態で…
登場人物が多いのもまた大変だった。 -
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心地よい読後感ではあります/帰命寺にお祈りしたら死んだ人が帰ってきて別人として生きるがバレて指摘されたら消える/クラスメートのあかりは帰ってきた人らしい/カズん家が今の帰命寺だった/反帰命寺派のおばあさん水上里に本尊が盗まれた/消えるまでにあかりの願いを少しでも叶えようとするカズ/あかりの読みたかった小説「月は左にある」が作中作として描かれるが、途中で切れているので残りを捜す。著者は誰? って、すぐわかるか/あかりは消えるのか? 「月は左にある」の結末は?/佐竹美保さんの表紙絵に惹かれた。
■簡単な単語集
【あかり】信夫あかり。赤い玉が二つのぽっちりで髪をとめている少女。カズが見た幽霊にそっくり。同級生ということになっているがカズ(だけが)覚えていない。
【あかりの母】カズには透明に見える。
【アディ】作中小説の主人公。亡霊と人間の間にできた一族だと思われている。都で魔女に買われた。泥の中の金や宝石を見ることができる。
【安藤桂/あんどう・かつら】どうやら四十年前に十歳で亡くなったさおり=あかりの母らしい。
【石の魔女】作中小説の登場人物。アディを買った。
【井上】クラスメート。
【内丸小学校】カズの通う小学校。
【王子】『月は左にある』の登場人物。魔女、石の鳥の牢獄に囚われていた。
【オオカミの牙】『月は左にある』の登場人物。王子の友だち。以前魔女に使われていたが今は山賊? 表向きの商売は肉を扱う商人。裕福に暮らしている。
【おれ】→カズ
【カズ】主人公の「おれ」。佐田和弘。家は古くて広い。怖がりだからホラー番組を見る小学五年生。あだ名は「サード」。野球チームのポジションからだがなんでも三番手だからということもある。それは本性を他者に見せずひねているところがあるからだとねえちゃんは言う。
【帰命寺横丁】古い地図ではカズの家があるあたりの地名。帰命寺は祈れば死んだ人が帰ってくるがまったく関係ない知らない人として帰ってくるという寺で建物は存在しないが本尊は存在する。講のようなもので、信じる者が集まっていたのが帰命寺横丁で本尊を置くのを各家で回していたらしい。やがて信じる者もいなくなり現在はなんとカズの家の仏壇にある。現在の帰命寺は順一で、次代はカズになるらしい。
【キリコ】水上さんちの黒猫。青い目。この辺のボス猫。カズを見張っている?
【毛皮商】かつてハミを買った。大切にしてくれ魔女に売ってくれと請われても断ったがハミは魔女にさらわれた。
【桜陽一】クラス委員の一人。
【佐田元治/さだ・げんじ】カズの祖父。
【さっこ】クラスメート。
【信夫あかり/しのぶ・あかり】→あかり
【順一】居候。中国へ発掘調査に行ってる。父親の従弟。居候と言いつつ、本家は順一の方。
【ソラマメ】副校長のあだ名。
【田辺】クラスメート。
【タマ】隆盛寺の猫。
【町会長】「やぶや」という蕎麦屋の隠居。
【月は左にある】『デイジー』という月刊誌に掲載されていた小説。著者は「ミア・リー」。あかりが読みたいと言っていた。
【ねえちゃん】中学一年生。
【ハミ】『月は左にある』の登場人物。魔女、石の鳥の牢獄に囚われていた。
【ハムスター】クラスで飼っているハムスターの名はボンレスとムッチー。
【春川次郎】クラス担任。あだ名は演歌。
【水上里/みなかみ・さと】おばあさん。マンションのミナミハイツ暮らし。八十歳を超えているので古いことを知っているかもしれない。派手な格好がよく似合う。帰命寺という名前をゾンビみたいだと言い、そのことがわかる人が存在すると言った。愛車はマーキュリー。
【山形あゆみ】クラスメート。
【山辺みずき】クラス委員の一人。
【裕介】老舗の呉服屋の若旦那の風格が身についている同級生。家族が忙しくてコンビニめしのときは嬉しい。
【ゆきな】クラスメート。
【隆盛寺】水上里さんから紹介された寺。プロレスラーみたいな巨体。
【老人会の理事】昔、社会科の先生をしていたらしい。 -
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シリーズ4作目。
本作も6遍の物語で構成されている。
ブラッドストーンの物語は、無駄と見える中にも大事なことが詰まっていることを教えてくれる。
想像力や、冒険は、将来の役に立たないと切り捨てられるべきものではない。
遊びが無駄なんて、立派な人間が言うことじゃない。
机の前のものだけしか見ない人間に、広い世界を知ったり新しいものをうみだすことは難しい。
アレキサンドライトは、プライドとは何かを考えさせる。
「嘲りすらも味方に変えられる強さを持て」と励ます言葉は時に辛い。
そんなに私は強くない、そう思う時もある。
けれども、強さは頑強さだけではない。
しなやかに、たおやかに、緩やかに、美しく。
自分ではマイナスと思っている部分だって私の力になる。
少しだけ視点を広げてみよう。
もうダメだ、と思っていたことが解決できるかもしれない。
邪悪なサファイアの話も面白い。
美しく魅力的なものが必ずしも正しく清らかではないことを示してくる。
人生は難しい。
今日正しいとか良いとか思ったものが明日には一転するかもしれない。
生きていれば一度ならず間違った選択肢を選ぶこともある。
それでもとんでもない間違いを回避するため、私たちはいろいろな物語を聞き、考えに触れ、想像しなければならない。
決めつけは厳禁。
自分の考えに対しても、相手の考えに対しても。