佐竹美保のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
5巻から15年の月日が経ち、キキは35歳。とんぼさんと結婚し、双子にも恵まれます。双子(女の子のニニと男の子のトト)はもう11歳。物語はこの双子が13歳になるまで(魔女になるか決めなければならない年齢)の、二人の心の葛藤とキキの母としての思いが描かれていきます。そこへこれまで登場してきた人物…ヤアくんとノノちゃん(結婚)ケケ(31歳)、ヨモギさん、ジジとヌヌと子猫たち、ママ先生…が絡み合って嬉しい気持ちになりました。魔女になれるのは伝統的に女の子。なのにニニは天邪鬼でふわふわ、むしろトトが魔女になりたがり悔しい思いを強いられます。そんな二人にキキの悩みは増える一方。どうしてもトトの気持ちにそっ
-
Posted by ブクログ
キキ19歳の春。13歳の新米魔女ライちゃんに昔の自分を重ね、大人になったかなと思いつつ、まだまだ失敗も悩みもたくさん。とんぼさんからの手紙が届く度、うかれたり落ち込んだり。仕事も時々失敗はあるけど、ヴェール運びが有名になったり、町長さんのキューピッドになったりと町には欠かせない存在に。ある日ちょっとした気持ちからキキは魔女の飛び方を自慢してしまいます。そんなキキに魔法が嫌気をさしたのでしょうか、ほうきは低空飛行しかしなくなり、ジジもお気に入りの猫ヌヌちゃんに合わせて猫語しか話さなくなっていきます…全巻通して10代の(ものすごく!)複雑な女心がうまく描かれているなあと思います。落ち込んだりうわつ
-
Posted by ブクログ
キキ17歳の夏。遠く離れた町の学校へ通うとんぼさんは夏休みも研究に夢中。手紙を通じての遠距離恋愛にもどかしさを覚えるキキ。周りの女の子たちはおしゃれをしたり男の子たちと遊んだり、どんどん大人っぽくなっていきます。キキは恋も仕事も魔女もみんな自分で選んだことなのに不満ばかりで自信をなくしつつありました。そんな気持ちが膨らみ、人まで疑いだしたある日、ほうきがなくなってしまいます…ほうきがなくなるザザさんのお話がとても強く印象に残りました。キキの物語は一見大きな事件はないけれど、自分の心の奥深くと向き合い、ものすごく大きなものを乗り越えるお話がたくさんあり、とても魅力的です。夕暮れ路のむこうのヨモギ
-
-
Posted by ブクログ
柏葉幸子の物語と、佐竹美保の挿絵は、私の中で最強コンビ!
小学校5年生の僕・カズは、ある夜、幽霊を目撃してしまう。
翌日、その子は同級生あかりとしてクラスにいた!
僕以外のみんなは、何のわだかまりもなく、その子と接しているが……
と、よくあるお話風。
ところが、柏葉さんは違います!
郷土史研究から帰命寺の不思議な由来を絡ませてきます。
一心に祈ると、亡き人が別のどこかで生き返る、
そんな信仰がかつてあったと。
さらに入れ子構造の別物語までご用意……
そこにこの幽霊あかりちゃんと重ねてみせるのです。
一粒で二度おいしい……(笑)
正直、あのエンディングはどうなのかな……
いや、むしろ -
Posted by ブクログ
何故キキの子供は双子なの?と思ったけれど、読んでみて納得。性格の違う二人の出会いや旅立ちが描かれます。
遠慮がちなトトも、一見わがままなニニもそれなりの悩みや夢があって。キキとは違うそれぞれの人生。
5巻では二十歳の主人公にちょっと違和感もありましたが、この巻はキキの子供たち二人を軸にして、子供の成長を描く児童書のポジションに戻ったと言えます。受け継がれて行く魔女の伝統が、母と子の間に繰り返される。でも、魔女になれぬ男の子の存在が、伝統とは違った道を歩んで行く。それぞれの旅立ち。
キキの母親としての葛藤もうなずけます。
シリーズは終わりとなりましたが、キキたちの住むコリコの街の風景