佐竹美保のレビュー一覧
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これまでのシリーズ史上もっとももどかしく、だからこそ人間味があるというか、共感する内容となっている。というのも、バルサもトロガイも出てこないため、「ここでうまくやっつけてくれる!」という人がいない。そのため、チャグムやシュガが自らの能力を限界まで発揮しつつも、勧善懲悪とはならない感じ。だがそれがよい(笑)
そしてサンガル家のしたたかな女性たち!純粋な心だけでは政治の世界は生きられないのよと言わんばかりに手練手管を披露していく。これは果たして子供向けの本なのだろうかと思ってしまう。
自分が南海の生まれ(でも船に酔う)ということもあり、非常に楽しく読めました。 -
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ネタバレ大きな栗の木の下にある祖母の家の歴史。
年末年始に祖母の家に遊びに来た孫の千尋、12歳。
立て続けに亡くなった曽祖母ハルの兄弟のために作られたお地蔵さま。
祖母律が子供の頃に出会った祖父との思い出と栗の木。
家出した律の行方を叔母と探した母さつき。
祖父が入院していることへの不安と肖像画を書いた叔母の桐子。
長い年月を家族の成長と共に過ごしてきた家と栗の木とお地蔵さまに想いを馳せる千尋。
歴史を感じる話。時代が変わるから、読み慣れない子にはちょっと難易度高いのかな。
でも家系図もあるし、女子が読んだら面白いと思うのかな。
高学年向けだね。 -
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魔法は存在するが厳しく禁じられている世界。そこにある寄宿学校の二年Y組で見付かった「このクラスに魔法使いがいる」とのメモ。そして魔法としか思えない様々な事件。魔法使いの疑惑から逃げるため、生徒たちが「クレストマンシー!」と古くから伝わる呪文を叫ぶのだった。
作者お得意の平行世界を扱った物語。歴史の事件が岐路となり多種多様の世界が生み出される。そこには魔法のある世界も、魔法のない世界もあり、その魔法の使われ方を監視する役職としてクレストマンシーがいる。そんなシリーズ物のひとつ。
シリーズ物ですが、これだけ読んでも面白いです。魔法使いがいるとの密告から、仲間外れにされていた生徒や厄介者の生徒に疑いの目が集まる。しかも本来魔法が存在する世界なので、不意に魔法使いの能力に目覚める者も現れる。
そこに妙に校則の厳しい学校の様子や、いじめっ子とのやり取り、魔法による騒動が加わり、しっちゃかめっちゃかになったところで大魔法使いクレストマンシーの登場。
しかし快刀乱麻のごとく魔法で解決とはせずに、いびつな世界の原因を探ろうとするというのも作品世界観の奥深さを垣間見させるのです。ほかのシリーズを読むことにより補完し合い、より作品世界を知ることになるのでしょう。
一癖も二癖もあるひねくれたキャラクターがたちが巻き起こす騒動も楽しい一冊でした。 -
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国を守るとして杖殿と呼ばれた魔女たちをどの王様も欲しがっていた。杖殿を召し抱えるために大金をもいとわない。だから、一般の人々は魔女とわかると金貨欲しさに王様に突き出すのだ。しかし、杖殿として使えないとわかると魔女はすぐに処刑されてしまう。だから魔女たちは名前を名乗らず、人間の女としてひっそりと暮そうとする。また杖殿としてお城で暮らす魔女も、常にお城を守ることに気を配らなくてなならない。そんな時代(世界)の魔女たちのお話。
短編集だが、世界観が統一されている。戦や処刑があるという設定ではあるが、実際にはその現場が出てくるわけではない。ゆったりとした世界観で楽しめる。 -
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つれあいのタンダとともに、久しぶりに草市を訪れたバルサは、若い頃に護衛をつとめ、忘れ得ぬ旅をしたサダン・タラム〈風の楽人〉たちと再会、その危機を救ったことで、再び、旅の護衛を頼まれる。シャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことができるサダン・タラム〈風の楽人〉の頭は、しかし、ある事情から、密かに狙われていたのだった。ジグロの娘かもしれぬ、この若き頭を守って、ロタへと旅立つバルサ。草原に響く〈風の楽人〉の歌に誘われて、バルサの心に過去と今とが交叉するとき、ロタ北部の歴史の闇に隠されていた秘密が、危険な刃となってよみがえる。
守り人シリーズは随分久しぶりなんですが、読み始めたら一気にあの世界の中へ引きずりこまれてました。作り込まれた世界観と相変わらず食事の場面が細かくてとても美味しそう!(笑)バルサとジグロの旅が回想として描かれていて、キイやサンサたちとの会話など、小さなところで若きバルサが背負った苦しみの深さが現れます。つらい中でもバルサのことを心から大事に思って気にかけていたジグロの気持ちもサリの目線から描かれていて、血は繋がっていなくとも2人は親子だったんだなあと実感するエピソードでした。どんな人生でもすべてをやりとげることは難しく、その先は未来へ託すしかないと言いながら、それでもできることを一つ一つ積み重ねていく彼女の生き方に読者たちは共感するのかもしれません。 -
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通勤電車の中で立ったままでも読み進めたくなる本でした。あまりののめり込みすぎに、座って読んでいた時は乗り越しそうにもなりました。
バルサが少女だった頃を思い返しながら辿る護衛の旅。あの時のジグロの想いに気付きながらのこの旅はまた、守る者と守られる者の心のありようを、大人になって幾多の経験を積んだバルサだからこそ気づけたこと、と綴られています。
上橋菜穂子さんご自身も齢を重ね、経験を積んだからこそ紡ぎ出すこと川出来る物語のように思います。
人生経験を積んだ中高年が楽しめる物語だと、思いました。今の子どもたちがこの物語を読めることに嫉妬します。でも、この作品の味わいは時を経てまた読み直すことでわ違う感情が湧き出てくるように思うので、いつも書棚の片隅に鎮座させいつでも手に取れるようにしておきたい、そんな作品です。
成長したチャグムに会いたいな。 -
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宅急便の仕事でも経験をつみ、もう新米魔女とはいえない、19歳になったキキ。コリコの町に来てからは6年がたち、たくさんの友人知人もできた。一方、遠くの町にいるとんぼさんとは、まだちょっとすれちがい気味(ジジの恋のほうは順調そうなのだけれど)……。そんなある日、キキの魔法が弱まり、高く空を飛べなくなってしまう。おまけに、ジジとも言葉が通じにくくなって……。キキは、魔女である自分を見つめ直してゆく――。
ジジと言葉が通じなくなったり、ほうきでうまく飛べなくなったり、ジブリアニメでキキが直面した困難がついに現れた。
ジジの言葉は、ジジの心変わりが原因。ほうきは、魔法が「イヤケガサシタ」からちょっと休憩してるのかも…とお父さんからの手紙。
お父さんからも、親友のモリさんからも、とんぼさんからも優しい手紙が届く。
大切な人が困難の中で落ち込んでいるときに、こんな元気の出る手紙が書けるようになりたいな。
自分の得意分野を使って、勇気付けられるようになりたいな。