佐竹美保のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ私の頭の中で、
ジブリの映像が映し出されるほど、
わくわくがあふれている作品。
どうしても館が舞台のため、
展開が限定された話になるのだけれど、
途中で意外な世界の広がりを見せるし、
ラストで館から飛び出すことで、
それまでちょっと停滞していたお話が
一気に動き出して心が動かされる結末へと
むかっていくところが好き。
子どもが自立していく姿を
見事に描いているなと思う。
自立していくためには、
家族から離れ、別の場所で
試練を乗り越えていかなければならない。
もう一つ大事なことは、
象徴的に親殺しをしなければならない。
なぜならば、
子どもはそれまで親の定めた運命に
乗っかって生きてきたから。
自分の人生を生きるためには、
それらを壊さなければならない。
そんなことをちゃんと描いている。
ところで特に心に残ったのはラストの
母親とゲイブリエルの会話。
「私のもとに誰もいなくなってしまう」
「人のことをかまわない人間は
おうおうにしてそうなるものです」
まさにその通り。 -
Posted by ブクログ
NHKラジオの飛ぶ教室で、子どもの日を前に、親子で読む児童文学として推薦された一冊です。
イギリスでファンタジーの女王と言われた作者の代表連作、大魔法使いクレストマンシーの少年時代を描いたもの。悪ガキのクリストファーが世界の危機を救う物語で、最後のドレイトとの駆け引きや、城のリーダーとして防御体制を組織的に作り上げていく成長ぶりに、読み手としても盛り上がりました。
偉大な人は親との縁が薄いことが多いものですが、このファンタジーの主人公クリストファーもその1人です。父親も母親も生きているのですが、父親は顔を覚えていないほど影が薄いし、母親は冷めた人で息子を応援しつつも利用しようとする人です。それでも父親はクリストファーにとって正しい選択をするところが、さすが父親です。
一方で、その影ともいうべき存在が母方の伯父で、彼の企みで、クリストファーは知らず知らず悪に加担していき、世界の危機を作っていきます。けれど、面白いことに、それがクリストファーを目覚めさせるのですね。
このような父ー伯父の対に対して、母ー家庭教師という対もあるのですが、こちらは2人とも伯父とつながっていて、父ー伯父ほど、分化していません。このようなバランスの悪さも、世界の危機を招く背景にあるのかもしれません。
文庫でも出版されています。読み応えのある物語ですので、大人も楽しめるでしょう。