konaのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10巻で出来の悪い総集編が描かれた記憶が新しいままにこの巻で行われたのは物語のやり直しと先への進展かな
StoryⅠで描かれる事件はかなりあからさま。小田桐とあざかによる最初の事件という訳ではないけれど、本シリーズの最初に描かれた事件と瓜二つで関係者も登場する
10巻のあれが出来の悪い総集編だったなら、今回は出来の悪い模倣。山下和枝ほどの狂気も無ければ山下優紀子ほどの渇望も無い。あざかの気を引く為に用意された地獄は底が浅いが為に紅い女の醜悪さを改めて露見させるもの
ただ、あの時と違うのはあざかが見詰めようとした死が山下優紀子のものから小田桐の死に成りかけた事か
あざかは誰も助けない。そこには -
Posted by ブクログ
動けるようになって最初にした事が夢の中で関わった人達に救いの余地を授ける行為である点はもう本当に小田桐って感じ
しかも、その最中の自分は激痛に苛まれ続けているとか、どういう精神性をしているんだ……
それでも小田桐は人と関わる事も生き足掻く事も辞めないのだから、ここまで来ると身勝手な彼の生き方も主義思想のレベルに達しているのではないかと思えてしまうよ
夢から脱しつつも紅い女の影響からは完全に脱せられない小田桐達がまず行うのはあざかの死に繋がりそうな予言の妨害
その為にカニバリズムと集団自殺がコラボレーションした宴に参加するなんて本作の展開はどうかしてる…。
ただ、小田桐が連想したように主催者 -
Posted by ブクログ
この巻は凄かった…。異常事態はそこかしこに起こっているのに誰もそれを感じ取れない。異常に気付けぬ異常性、徐々に壊れていく小田桐の認識。そうしたズレが最高潮に高まった瞬間から始まる地獄は読んでいるこちらのメンタルまでゴリゴリと削ってくるものでしたよ……
雄介や久々津の復讐心が迸る一連の事件が終わった事であざかの前に横たわるのは退屈な日々だね。小田桐にとっては凄惨な事件から離れられる安らぎの時。けれど人の激情をこそ栄養のように啄むあざかにすれば緩やかな死を迎えているかのような日常でもある
訪れる依頼人が持ち込む事件すら退屈となれば、あざかは活動を停止してしまう。だからか、この巻は小田桐の積極的 -
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前巻にて、誰もが眉をひそめるような選択をして憎きあさとを助け出した小田桐
けれど、彼が自分の意志でその選択をしたならば、後悔が有ったとしてもあの道しか選べないなら、そこに絶望が有ったとしても彼なりの幸福に繋がっている可能性があると言えるのかな
今回はそれと似たような他者からの理解は難しくても当事者なりの幸福を追求するかのような話が目立った印象
冒頭から陰惨な行為が描かれるStoryⅠ、発作的に他者の眼球を抉る猟奇犯罪の話なんて随分とおぞましい
犯人の話を聞いてみても論理的であるようで居て決定機に破綻している。そもそも後悔しているだとかもう止めたいだとか口では言うのに、行動は全く言葉に沿っ -
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あさとを殺さないままに異界へ置き去った事でこの巻にて小田桐が意識するは罪の意識かな
多くの悲劇を生み出したあさとを殺すべきだったのではないか?異界にあさとを置き去りにしたのは酷い行為だったのではないか?
矛盾するようでいて解決を見ない小田桐の悩みはこの巻に充満している
だからか、登場した人物達も罪の意識を備えているね
小田桐が閉じられた学園で最初に向き合った事件も罪の意識が肥大化したような事件だったし、戻ってきた綾が求めたのも罪に応じて罰される事だった
小田桐は少女達の事件で何も出来なかった。綾に対して何もしないと宣言した
特に綾への台詞から小田桐は自身を断罪人にするつもりはないとの意識が読 -
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絶望に沈む小田桐にこの巻で突き付けられるのは己の過ち
あさとの指摘により罪に潰された彼はもはや立ち上がる気力もない。誰かが殺してくれるならそれで良いし、絶食による死が待つのならそれも良い
小田桐は生を捨てる事により過ちを犯した自分を罰しようとした
面白いのはその発想とて過ちだと突き付けてくる点だね
あざかは小田桐の死に意味は無いと突き付け、死を拒んだ姿勢を再考するよう促す。白雪は小田桐の過ちに意味があったと感謝し、その上で小田桐が俯き続けるなら別の誰かが犠牲になると示す
それらは小田桐が罪人であろうと立ち止まっていようと世は動き続けると脅迫してくるもの。だからこそ小田桐は自分を許すなんて理由 -
Posted by ブクログ
前巻ラストにて一般的で普通な信念を示した小田桐。それは他者の幸福を願う分には害のない代物だけど、相手がどうしようもなく追い詰められていたらどうなるの?と云う方面を描いたのが今巻のエピソードかな
と云うか、今巻では小田桐の追い詰められ具合が凄まじい事になっていたね…。静香に囚われていた時でさえ、ここまででは無かった気がするよ……?
ただ、あの時との違いを見出すとするならば、被害者か加害者であるかという点かな。静香の時は完全に想像もしていなかった彼女の変容に巻き込まれたという形だった
けれど、今巻は小田桐が良かれと思ってした行動が結果的に関係者を死に至らしめている。それは終盤であさとが指摘したよ -
Posted by ブクログ
ヒルガオが首を吊った原因の1つ絡繰舞姫、彼女の足を粉々のたたき折り、死ぬことを考える雄介は行方を眩ませる。主人を守れなかった飼い犬は復讐を果たして、死ぬべきだと考える久々津。2人の目的を阻止しようと動く小田桐。その小田桐に執着するように現れる紅い女。誰が自身の目的を達成できるのか。
7、8割が雄介の話でそれに付随して舞姫の話になっていて、雄介の怒りと悲しみ、過去の行いへの自責の念と自己愛を捨てきれない絶望、いろいろな感情が渦巻き、雄介に共感し応援する自分がいた。そして、独特な感性と考えを持つ舞姫に嫌気がさしていたが、彼女の覚悟と矜持に驚き、見方が変わった。
9巻はそれだけでよかったと思う。久々 -
Posted by ブクログ
ヒルガオが首を吊って死んだ。それをきっかけに壊れてしまった雄介は死の原因の一端の絡繰舞姫、繭墨あさとの殺害を試みる。舞姫とあさとを守ろうと動く小田桐だが、守る対象は所在不明、それぞれがどう考え、どう動くのか。
雄介の話だが、前作に続き舞姫が出突っ張りだ。そして、異能者は考え方がぶっ飛んでいて、もはや小田桐すらも普通ではない。なので、雄介の悲しみに共感出来し、寄り添える人がいないのが切ない。強制的に気分のスイッチを切り替えて生活する雄介は日常生活でON/OFFを繰り返す読者と感覚はそう変わらないのかもしれない。それだけに読者としては雄介の言動に共感し、心配し、この先の幸せを望む気持ちが生まれた。 -
Posted by ブクログ
白雪の話、小田桐・雄介・幸仁3人が巻き込まれる話、雄介と七海が交わる非日常の話、あさとの話、全4話の短編集。
それぞれの話が、本編に入らない部分で何をしていたのか覗くことが出来るサイドストーリーになっている。ただ、それぞれの話を読んだ後の気持ちはみんなバラバラだ。
白雪の話は物悲しさが滲み出ていて悲しさを抱える白雪を応援したいと思った。
男3人がわちゃわちゃする話は読んでいて楽しめるが、人間の悪い部分と良い部分を感じるB.A.Dらしい所も盛り込まれていた。だが、珍しく不快感のない話だ。
B.A.Dの中随一の怖さを誇るキャラは頭の中が歪んでいる。話は雄介と七海だが、七海の異常さと雄介の正常さの対 -
Posted by ブクログ
集団自殺事件が多発し、その裏では繭墨あさとがいた。これまでの出来事で自責の念に囚われ動きを止めた小田桐。そんな彼のために狐の挑発にあえて乗った白雪は捕らわれてしまう。自分のために動いた白雪を救うために小田桐が動き始めたが、繭墨のもとを離れたがために戻って来た彼の目の前にあったのは繭墨の死体だった。
まさか、繭墨が死ぬとは思わなかった。これまでなんのかんの言っても繭墨は無敵だと思っていたが、本当に14才の少女だとある意味感心した。そして、小田桐の悩み、葛藤する時と踏ん切りのよさとのギャップが激しい。共感出来るのに恐怖すら感じる彼が面白かった。 -