あらすじ
「小田桐君。理由なく人を殺せるぐらいでないと、狂っているうちには入らないさ」チョコレート片手に、彼女は僕に告げた。傲慢で冷酷で我が儘な偏食家。そして紅い唐傘を手にゴシックロリータを纏い、僕の絶望に突き放した微笑を浮かべる14歳の異能の少女、繭墨あざか。けど、あの満開の桜の下、彼女は言った。僕の傍にいてくれると──。第11回えんため大賞優秀賞。残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー!
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Posted by ブクログ
最近同作者の新作を味わった関係でこちらも読みたくなる欲に耐えられずつい読み始めてしまったよ
読んだのはかなり昔の筈なのにちょくちょく覚えているシーンがあるのは結構心に刺さる作品だったからなんだろうなぁ
紅い唐傘を差すゴシックロリータ姿の繭墨あざか、腹に鬼の子を宿す小田桐勤
メイン二人の設定だけでも強烈に惹き付ける力を持っているのに、作中に依頼人や関係者として登場する人物がそれぞれに狂気を宿しているものだから何もかも強烈
依頼人や関係者は登場時こそ発言が支離滅裂な事が多い。けれどあざかによってその思惑が解説される事で、それは狂気のままに一本気の通った人物であると判る
ただ、それは他者の理解を許す存在ではないから理解してはいけない。だというのに小田桐が生来持つ気質や腹の鬼が彼らと感情や記憶をリンクしてしまうが故に小田桐は狂気に接する苦痛を得てしまうという展開は恐ろしい
もう地獄から逃れられないと実感した小田桐はそれでも地獄を避けようとするね
それは生物として当たり前の行動なのだけど、地獄を忌避しながら地獄そのものの身体で地獄のような繭墨あざかの傍に侍る小田桐は矛盾の塊
だから基本的に彼は受動的で狂気は相手の方からやってくるか、小田桐は知らず知らずの内に引き寄せてしまう
その最たる例が繭墨あさとか
最初は友人の顔をして近づいて来たのに、彼が小田桐に齎したのは破滅と地獄と裏切り
彼の狂気が小田桐も静香も壊してしまった。その経験が小田桐の人生から全てを奪った
そんな彼が地獄の中で望んだのが「死にたくない」であり望んだ相手があざかだった。なら、それは一種の約束で
彼が地獄の中で選んだ一つが有るならば、その一つだけには誠実に有るべきで
今までも、そしてこれからも地獄ばかりな小田桐がそれでも自分の意志であざかの傍に戻ってきたシーンにはジーンと来るものがあったし、何よりも鬼の子と対面するシーンは本当に良かったよ
彼にとっては災厄の象徴で自分が普通ではないと意識付ける重石。腹が疼いた際には殴りつける事さえ有った
それでも無邪気な子供に静香と自身の面影を感じて、鬼の子を自分達の子供だと認知した。そして彼女に唯一の名前を付けた
その経験は小田桐にとって自分の人生を改め直す転機となるね
だから、あれ程に恐怖を覚えた静香さえも抱き締められた。それらは彼が自身の地獄を認められた象徴的なワンシーンだと感動してしまったよ
久し振りに読んだけど、想定以上に情緒を揺さぶられたというか結構楽しめてしまったよ
やはり良い作品は良いものだね
Posted by ブクログ
思ったよりもはるかにグロテスクな内容や、報われない話もありました。ストーリーを増すごとに世界観が広がっていき、こういうこともこの作品の中ではありなんだと、少しずつ明かされて行く感じがとても良かったです。また、登場人物の狂気の描き方が素晴らしく、ファンタジーであるのにとてもリアルな感じを受けました。
Posted by ブクログ
趣味の似通った友人に勧められて拝借し、手に取った作品。えんため大賞優秀賞を受賞した作品ということで期待しつつ読み始めたが、その期待の一回りも二回りも上を行く独特な作風に引き込まれた。
グロテスクでありながらも言葉選びが秀逸かつ耽美であり、映像的な表現の仕方が多い為世界観に入り込みやすかった。病み・鬱的な内容に耐性のある人には是非お勧めしたい。
キャラクター一人一人が強烈な個性を持っているのも見どころ。個人的には静香と雄介のぶっ飛び具合が非常にツボだった。
Posted by ブクログ
極めて悪趣味なゴシックホラーのような何か。ミステリっぽくもファンタジーっぽくもある。とにかく雰囲気とグロとキャラの個性で押していくスタンス。
気持ち悪いけどどこか甘ったるいのがチョコレートテイスト。
Posted by ブクログ
ゴスロリ愛好家であったのと表紙が気になり購入。
確かにグロい描写があったが、想像さえしなければ別に平気。
人物がかなり歪んでる。途中その重さに休憩をいれたほど。
内容はかなり面白いと思う。2巻も購入するつもり。
Posted by ブクログ
表紙で買ったのですがとても私的にお気に入りです。
あざかの立ち位置が好きです。そしてその設定が大のお気に入り
まぁ。とあるレビューでかの方の小物と同じですとありましたが、それはそれとして良い。唐傘が異界通じていて、異能者一族、そしていつかは殺される運命の妹、あざかがあざかで無くなったが為に狂信者になった兄
この設定がツボでした。
この残酷で切なく、醜悪で美しいミステリアス・ファンタジーずっと買います
Posted by ブクログ
またしても直感購入した本はミステリーだった!まぁ、どっちかというとホラーなのかな、うん。
いや、個人的には「ゴスロリ!(ガタッ」って軽い(?)気持ちでの購入だったのだが・・・
結構グロかったり、人の狂気というのが描かれててまさに私好みの作品で大満足だった。
えんため大賞の受賞作品らしいが、ココロコネクトの人気で全然知らなかった(確かにこれは読者を限定する気がする)。久々に面白そうなシリーズに出会えた。
Posted by ブクログ
書店で見かけた時に黒色の表紙に目を奪われ、手に取り帯紙に書かれていた読者の声を見て興味を持ち購入。
人物の描写がリアルでテンポよく話が進み、続きが気になり一気に読破しました。
表紙とは裏腹に中身は非常に「濃い」作品だと思います。
こういう世界観が好きな僕にはたまらないです。
Posted by ブクログ
ホラーとミステリーが混ざった救いようがない物語。狂ったホームズと平凡な善人のワトソン、5つの話で繭墨の性格と性質、小田桐の性格と性質が分かる1冊になっていて軽いご挨拶といった印象を受けた。
Posted by ブクログ
チョコが主食かと聞きたくなる少女と
それに付き合う男性。
連続短編5話分。
一体彼らがどういう関係で、どうして一緒にいるのか。
『兄』とは何なのか。
ちらちらと出てくる彼女の『家』についても
兄についても、男性の腹の中身にも。
一応すべての謎が判明してくれます。
が…昼どらとは違うどろぐっちゃな人間関係。
特殊と言えば特殊ですが、理解できるような
できないような…。
最後の話だけ、どの人の事か、と考えていたのに
きれいさっぱり騙された。
というか、引き込まれた?
誰というより、どれも信じてはいけません??w
Posted by ブクログ
グロテスクと儚い美しさ、奇跡の共演
開始早々、空からxxが降ってくるなど、猟奇的な描写の連続。しかし、現実感のない幻想的な雰囲気が強いからか、気持ち悪い・恐ろしいとは感じなかった。
異能で冷酷な少女・あざかと、感情を表に出さない青年・小田桐。2人に舞い込んでくる依頼は救いようのないものばかりだが、絶望の中から僅かな希望を掬うように、美しい情景を切り取って見せてくれた。
Posted by ブクログ
内容…★★★
人物…★★★★
文体…★★★★
なんか読んでると、お腹痛くなる。
繭さんと小田切くんの関係性は好き。
こういう、もやっとした絆は萌える。
一瞬はっきりする絆に尚萌える。
その他の部分は前評判がよかったから
引きずられてるのかもしれないけど。
Posted by ブクログ
面白い。その一言に尽きる。
ライトノベル というイメージで読むと大分違っていた。
登場人物の歪み方が面白い。けれど文はしっかりしてて読みやすい。
ただ、稀に意味の分からないタイミングでのグロテスクな描写が出る。蛇足かな、といった感じ。
そしてライトノベルだから仕方がないかもしれないけれど、挿絵が読む気を削がせる程度に邪魔だった。
Posted by ブクログ
久々のラノベ。ホラーでファンタジーでミステリ。
ちょっとグロ要素強いけどその辺はライトノベルなんでそこそこの臨場感。
ファンタジー要素が少しでも入ってる作品ってここぞの時の予定調和に使われがちだけど、この作品はその辺りの自制がしっかり効いていると思う。1巻ラストのストーリーは作者の筆力が存分に発揮されていて引きこまれた。
主人公繭墨あざかがルックスやしゃべり方や能力までかなりの完璧キャラだからそう感じるのかもしれないけど男ももうひとくせ強いキャラの登場を望む。
それにしても片桐翻弄されすぎ…
グロだから地上派ムリっぽいけどCSとかOVA化してほしい。
Posted by ブクログ
キャラがライトノベルふうなホラミスで良くある形式を出ていない
この手の話は同工異曲で作るのが楽そうだ
これといった特徴もないが全体としてそれほど悪いわけではないので
文章量を半分にして同筋を描いてみるとどう変わるか見てみたいかも
Posted by ブクログ
「繭墨霊能探偵事務所」を開く14歳の少女・繭墨(まゆずみ)あざかと、その助手を務める19歳の小田桐勤(おだぎり・つとむ)の物語。
第1巻では、事務所に持ち込まれるいくつかの依頼を解決しながら、小田桐があざかのところで働くようになった経緯が明かされます。あざかの兄の繭墨あさとは、あざかが名乗り出るまで、繭墨家の次期当主となるはずでした。繭墨家を抜け出した彼は、ただの退屈しのぎという理由で小田桐に接近し、彼とヤンデレ少女・深山静香(みやま・しずか)を結びつけ、さらに静香を使って、小田桐の腹中に「鬼」の子を宿します。ところが、あさとの期待に反して、鬼は小田桐の身体の中で成長を続け、雨香(うか)と名づけられます。そんな彼を引き取ったのが、あざかでした。
今回はキャラクター紹介の意味が強いストーリーですが、ダーク・ミステリらしい雰囲気の作風を十分に楽しめました。
Posted by ブクログ
唐傘とゴスロリのアンバランスさと美しいコントラストで久しぶりにライトノベルを買ってしまいました。異能の者、アヤカシなど好みのジャンルでしたが、文章が頭に入ってきにくい印象です。伏線というか「謎」の部分を明確にさせる狙いがあるのかもしれませんが、文章に■■などと伏字を使うのはいかがなものかと…
Posted by ブクログ
淡々とした文章で紡がれる怪奇譚。グロテスクで生理的に受け付けない人もいると思うが、そこを乗り越えれば面白い話。繭墨を可愛いと思えるかは貴方次第。
Posted by ブクログ
第11回「えんため大賞」優秀賞作品の今作。美少女と
チョコレートとゴスロリと唐傘...そして残酷で
グロ度高めなミステリアスな怪異の数々。
ライトノベルらしい要素が盛り込まれたデビュー作
ですが、終始シリアス目なトーンがまず、好みで
思いのほか引き込まれてしまいました。
ヒロインの「繭墨あざか」の持つ謎めいた能力と
その生い立ちや因縁。そしてその助手にして
主人公の「小田桐」が秘めた怪異の謎と彼の過去が
後半にシンクロして明かされる手法は新しく、
ゾクリとする快感があります。
ただし、時系列が「小田桐」視点で何度か切り替わるのですが
その部分がやや、読み難いかな...と思ったりもして。
既にシリーズ化され、続編が出てるので、暫くは
追って読みたくなる作品。まだまだ、今後に
楽しみな伏線も盛りだくさんだし、楽しみです。
Posted by ブクログ
あまり面白いとは思わなかった。けど、嫌いではない。
ホラーなのかミステリーなのかファンタジーなのかよく分からなかった。微妙に感じた。ぐろい描写がしたいだけ?
キャラクターやお話の設定は結構好き。次巻に期待。
Posted by ブクログ
最初の面白かった。
二人のやりとりや関係性も非常に趣深かった。
けれど「B.A.D.」の核ともいえる
繭墨兄とのお話の、だらだらとした展開にはちょっとうんざり。
ま、そーゆーお話の進め方をする意味も意図も必要性も
ある程度は理解はできているつもりなんですけど。
やっぱり、後半以降は好きになれないかな。
Posted by ブクログ
醜悪で美しい。人間の暗黒面を描いた作品と書いていたので買いましたが、歪んでいるキャラクター達が、まるで演技をしているかのような嘘臭さがあり、そこまで醜悪とは思えませんでした。
けれども美しくはありました。なので★3つ。あざか様が可愛いし。
Posted by 読むコレ
第11回「えんため大賞」優秀賞作品の今作。美少女と
チョコレートとゴスロリと唐傘...そして残酷で
グロ度高めなミステリアスな怪異の数々。
ライトノベルらしい要素が盛り込まれたデビュー作
ですが、終始シリアス目なトーンがまず、好みで
思いのほか引き込まれてしまいました。
ヒロインの「繭墨あざか」の持つ謎めいた能力と
その生い立ちや因縁。そしてその助手にして
主人公の「小田桐」が秘めた怪異の謎と彼の過去が
後半にシンクロして明かされる手法は新しく、
ゾクリとする快感があります。
ただし、時系列が「小田桐」視点で何度か切り替わるのですが
その部分がやや、読み難いかな...と思ったりもして。
既にシリーズ化され、続編が出てるので、暫くは
追って読みたくなる作品。まだまだ、今後に
楽しみな伏線も盛りだくさんだし、楽しみです