あらすじ
「小田桐君。理由なく人を殺せるぐらいでないと、狂っているうちには入らないさ」チョコレート片手に、彼女は僕に告げた。傲慢で冷酷で我が儘な偏食家。そして紅い唐傘を手にゴシックロリータを纏い、僕の絶望に突き放した微笑を浮かべる14歳の異能の少女、繭墨あざか。けど、あの満開の桜の下、彼女は言った。僕の傍にいてくれると──。第11回えんため大賞優秀賞。残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
趣味の似通った友人に勧められて拝借し、手に取った作品。えんため大賞優秀賞を受賞した作品ということで期待しつつ読み始めたが、その期待の一回りも二回りも上を行く独特な作風に引き込まれた。
グロテスクでありながらも言葉選びが秀逸かつ耽美であり、映像的な表現の仕方が多い為世界観に入り込みやすかった。病み・鬱的な内容に耐性のある人には是非お勧めしたい。
キャラクター一人一人が強烈な個性を持っているのも見どころ。個人的には静香と雄介のぶっ飛び具合が非常にツボだった。
Posted by ブクログ
久々のラノベ。ホラーでファンタジーでミステリ。
ちょっとグロ要素強いけどその辺はライトノベルなんでそこそこの臨場感。
ファンタジー要素が少しでも入ってる作品ってここぞの時の予定調和に使われがちだけど、この作品はその辺りの自制がしっかり効いていると思う。1巻ラストのストーリーは作者の筆力が存分に発揮されていて引きこまれた。
主人公繭墨あざかがルックスやしゃべり方や能力までかなりの完璧キャラだからそう感じるのかもしれないけど男ももうひとくせ強いキャラの登場を望む。
それにしても片桐翻弄されすぎ…
グロだから地上派ムリっぽいけどCSとかOVA化してほしい。
Posted by ブクログ
第11回「えんため大賞」優秀賞作品の今作。美少女と
チョコレートとゴスロリと唐傘...そして残酷で
グロ度高めなミステリアスな怪異の数々。
ライトノベルらしい要素が盛り込まれたデビュー作
ですが、終始シリアス目なトーンがまず、好みで
思いのほか引き込まれてしまいました。
ヒロインの「繭墨あざか」の持つ謎めいた能力と
その生い立ちや因縁。そしてその助手にして
主人公の「小田桐」が秘めた怪異の謎と彼の過去が
後半にシンクロして明かされる手法は新しく、
ゾクリとする快感があります。
ただし、時系列が「小田桐」視点で何度か切り替わるのですが
その部分がやや、読み難いかな...と思ったりもして。
既にシリーズ化され、続編が出てるので、暫くは
追って読みたくなる作品。まだまだ、今後に
楽しみな伏線も盛りだくさんだし、楽しみです。