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「嘆こうが悔やもうが、それが君という人間だよ」チョコレートを齧りながら繭墨あざかは言う。唐繰舞姫の足を奪い、復讐を果たした嵯峨雄介は失踪した。久々津は雄介を殺し、自身の死をもって主を守れなかった償いをするという。この憎悪の連鎖を止めなければいけない。彼が死ねば僕は一生後悔する。久々津の拷問から逃れた僕は、駆けつけた白雪の助けによって雄介の行方をつきとめるが--残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー第9弾!
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Posted by ブクログ
ヒルガオの死を嘆き悲しみ暴走する雄介を通して、改めて己の不出来も愚かさも悟った小田桐。けれど、日傘達を死なせた時のように立ち止まらずに済んだのは、愚かであろうとも行動する重要性を知っているからか ただ、この小田桐は満身創痍でありながら新たな危険に自ら飛び込むそれはそれで危ういタイプと化しているんだけ...続きを読むど どれだけ言葉を尽くしても、復讐を果たしてしまった雄介も、復讐に奔ろうとする久々津も最早止められない。そもそも腹に鬼を宿している以外の特別性を持たない小田桐では彼らを止める術がない それでも小田桐が彼らを止めようとするならば、それこそ言葉を尽くすしか無い。そうした悪足掻きを辞めなかったからこそ、小田桐は久々津が目を逸らしていた感情を見つけ出し、雄介と真に向き合う事が出来たと言える 小田桐の行動は何もかもが破れかぶれに見える。あざかであれば小田桐のそんな行動を冷笑しつつも見逃してくれる事が多かった けれど、決してそうはならないのが白雪だね。彼女以上に小田桐を想う存在は居ない。小田桐を一人で危険な目に遭わせようとはしないし、彼を助けたいと考えている そのような相手だからこそ、小田桐も彼女を危険な目に遭わせたくないと思う その関係は誰かを大切に想う事で生じる衝動の強さを象徴するものだね。その強さはこの巻で生じた諸々をも象徴している 一方で衝動の強さなんて実の処はそう簡単に実行できるものでもないと描いているね それを示したのが雄介か。彼を追い詰めたのはヒルガオの死であるように思われた。けれど、実際は大切な人が死ぬまで動けなかった愚かな自分から目を必死に逸らす為に復讐に奔っていただけ そうして嘆き悲しむ雄介に対し、小田桐が言い放ったのは良い意味で彼を許し、今更復讐しても意味が無いと改めて突きつけるものだね トドメとして、詭弁であったとしても朝子と秋が雄介に生きてほしいと願っているならば最早雄介に死ぬ事は許されなくなる。それを超える衝動を彼は持ち合わせていない 異様さを増したのは紅い女が登場した事によって あのシーンは本作随一の醜悪さを持っていたよ…… 舞姫の足を戻した見返りとして誰かの足を差し出せ 唯でさえ返答のしようがないその問いは互いの本音が露わになってしまう事で破綻の色合いを濃くするね 誰だって他人の為に自分の足を失って良いとは思わない。おまけに憎しみ合う関係なら尚更に本音はどす黒いものになる ここで面白くも有りながら醜くも有るのが、口先では自らの足を差し出すと言う点だろうね。建前と本音、あまりに乖離した両者の言葉は人間の嫌な部分をコレでもかと表出させ人間嫌いとさせかねないもの 雄介や久々津のように欺瞞へと陥れば他者を憎み見下すだけに終わってしまう。何故なら上手くやれば自分の望みは叶うから だからこそ小田桐は自身の欺瞞も愚かさも理解した上で、それを理由として自身を差し出すなんて愚かが過ぎるね。けれど自分を愚かであると認めない限り進めない道でも有ったのではないかと思えてしまう だとしたら、本音が見えなくなった後で雄介が口にした安堵はもしかしたら建前かもしれないけれど、それでも尊いものだと思えたよ 人は簡単に自分の為に復讐へと身を浸す事が出来る。でも、同時に他者の無事を喜ぶ心だって持ち合わせている 建前かもしれなくても、激痛と喪失の中で小田桐より自分で良かったと口に出来た雄介の言葉ほど人間性を表したものはないように思えたよ そうして雄介が他者の無事を喜ぶ言葉を吐けたなら、次の段階へと進める 期せずして雄介と舞姫は同じような足になった。一度は潰れて、戻る筈が無かった足が戻ってきた。また、舞姫は恨みの連鎖を自分で終わらせる矜持も見せた その上で雄介にヒルガオの願いが届けられたなら、最早雄介には復讐に身を浸す理由なんて無い、許されない きっと彼は多くの想いを抱えた上で生きていけるのだろうね ただ、雄介はそれで納得と整理が出来たとしても、帳尻合わせの外に居た久々津が復讐を辞める理由は無い 特に久々津が小田桐を通して状況の理不尽さを説いたシーンは強烈。帳尻が合ったから、自分が失ったものを相手も失ったから許せだなんて都合が良過ぎる。久々津が提示した天秤は確かに真実の姿だろう だからこそ、小田桐が反証として提示したもう一つの真実こそ何よりも大切であると思える。人は誰かを容易に傷つけるのに、傷ついた誰かを心配する心も持ち合わせている。 誰もが復讐に奔ろうとした状況を、一瞬にして互いを心配し合う状況へと変えた小田桐の行動は凄いものだと思えたよ…… 小田桐は彼が信じる人間性を証明した。それは多くの犠牲と愚かさの上に成り立つものだろうけど、それは小田桐の信念と呼んで差し支えない程のものとなった だから紅い女の誘いを打ち破る礎ともなって 小田桐は彼が過ごす日常へと帰ってきた、左手と共に 何か異常な事が起こっているのにその痕跡が消失した光景はこれから始まる更なる異常の始まりであるように思えたよ…
ヒルガオが首を吊った原因の1つ絡繰舞姫、彼女の足を粉々のたたき折り、死ぬことを考える雄介は行方を眩ませる。主人を守れなかった飼い犬は復讐を果たして、死ぬべきだと考える久々津。2人の目的を阻止しようと動く小田桐。その小田桐に執着するように現れる紅い女。誰が自身の目的を達成できるのか。 7、8割が雄介の...続きを読む話でそれに付随して舞姫の話になっていて、雄介の怒りと悲しみ、過去の行いへの自責の念と自己愛を捨てきれない絶望、いろいろな感情が渦巻き、雄介に共感し応援する自分がいた。そして、独特な感性と考えを持つ舞姫に嫌気がさしていたが、彼女の覚悟と矜持に驚き、見方が変わった。 9巻はそれだけでよかったと思う。久々津が意味不明で不愉快でしかなかった。人の話は聞かない、自分の考えを曲げない、意見が通らないと人を傷つける、姫さまを免罪符にする。こじらせ男がこじらせたせいで無駄にみんなが傷ついたのは読んでいて嫌な気分になった。
雄介は、ヒルガオの復讐のため、舞姫の足を襲撃して遁走します。一方、彼女を守れなかったことに責任を感じた久々津は、雄介を殺して自分も死ぬことを誓い、雄介の居場所を探します。 憎しみの応酬を断ち切るため、小田桐は2人の後を追い求めます。ところが、久々津があさとに、舞姫の足を取り戻してほしいと願っていた...続きを読むことが分かります。約束どおり舞姫の足は元に戻りますが、その代償として、小田桐、雄介、久々津の3人の中から一人が、彼らの前に現われた、どことなくあざかを思わせる女性に、自分の足を差し出さなければならなくなります。舞姫の足を傷つけた雄介と、彼女を守りきれなかった久々津は、ただちに自分の足を差し出そうとしますが、小田桐は声を上げることができません。 小田桐は、他の人たちを救いたいという彼の願いが単なる自己満足でしかないことに直面させられながらも、そんなどうしようもない自分自身の姿と向き合い、そんな自分自身に踏みとどまろうとします。 その後、女に足を奪われた雄介のために舞姫が尽力し、小田桐たちが「犬」であることに自閉しようとする久々津のもとに向かって彼を救おうとして、事件は終息を向かえることになります。 愛する者を守れなかった雄介、自分を「犬」に貶めていた久々津、そして、中途半端に他人を救おうとする小田桐の3人が、一連の事件を通じてそれぞれ自分自身と向き合うことになるストーリーで、心理描写が過多にすぎて若干重く感じてしまったのも事実ですが、ストーリーそのものは十分に満足できる内容でした。
この作品で初めて良かったと、心底から良かったと思えたエンディングでした。 だからこそ・・・次が恐ろしい
ただただ涙腺崩壊回。雄介の話。久々津の話。舞姫の話。繭さんは空気。キレイな偽善も醜い本音もただそれだけじゃない。 雄介が笑えて良かった。
雄介も久々津も復讐する事も死ぬ事も簡単に手放そうとはしないけれど、それを止めようとする小田桐さんも身を挺してでも止めようとしててお互いの意地の張り合いみたいな印象を受けました。それは赤い女に招かれ、代償として足を失うのが誰か決めるという場面でも表れていたと思います。
個人的に☆は4.5ぐらい。 内容は5だが、少しくどさが気になったから。 他の方のレビューにある通り、このシリーズで珍しく泣けた。 次は最終章のあざか編だそうで。
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