あらすじ
「小田桐君の好みは、ビキニだよ」繭墨あざかの手紙に水無瀬白雪は首を傾げた。一族の復興と、亡き兄を思い胸を痛める日々に降って湧いた疑問。彼が喜ぶビキニとはなんだろうか--『白雪は「びきに」を知らない』。私は繭墨あさとが怖い。その親友、小田桐勤も苦手だ。彼らの前で表情を作りそびれたあの日から、私の平穏な学校生活は不安に苛まれるものとなった--『私と異分子な彼と彼女と狐』。他2編で贈るチョコレートデイズ・セレクション第2弾!
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Posted by ブクログ
短編集第二弾。各キャラを掘り下げた話になってる。
3つは比較的明るめの話だが、最後はあさとの話で本編同様ダークな仕上がりになってる。
やはりあさとはこのシリーズでいまだに大きな存在になってるよね。
途中幸仁のメールに全力で笑ったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
呼吸止まるかと思ったわw「神」といい、ダークでグロでシリアスなはずのシリーズの中で本当にいい仕事をしてくれる。
思わず★5にしてしまったが後悔はしてない。
Posted by ブクログ
白雪の話、小田桐・雄介・幸仁3人が巻き込まれる話、雄介と七海が交わる非日常の話、あさとの話、全4話の短編集。
それぞれの話が、本編に入らない部分で何をしていたのか覗くことが出来るサイドストーリーになっている。ただ、それぞれの話を読んだ後の気持ちはみんなバラバラだ。
白雪の話は物悲しさが滲み出ていて悲しさを抱える白雪を応援したいと思った。
男3人がわちゃわちゃする話は読んでいて楽しめるが、人間の悪い部分と良い部分を感じるB.A.Dらしい所も盛り込まれていた。だが、珍しく不快感のない話だ。
B.A.Dの中随一の怖さを誇るキャラは頭の中が歪んでいる。話は雄介と七海だが、七海の異常さと雄介の正常さの対比が上手く書かれていると思う。
あさとがまだ小田桐と友人だった頃にどんな日常を送っていたかと思えば、思いっきり後味の悪い話で白雪と祐仁に謝れと思うほど、嫌な1冊だと思えるくらいだ。作者の構成の仕方の罠に見事にはまった読者が多いと思う。
Posted by ブクログ
幸仁のメールインパクトに笑ってしまった!最後の話は終わった話ではあるけれど、でも小田桐くんにとってのあさとはまだ続いているし、あの子も死んだとも生きてるとも書かれてないけど、生きていて何とか救いがあったりしたらいいなぁ。
Posted by ブクログ
短編集だからとはいえ、ここまであざかの登場シーンが少ない巻って珍しいかも
それだけキャラクターやサイドストーリーが増えてきたと言えるのだろうけど
『白雪は「びきに」を知らない』
2巻のアフターストーリーであり、更紗と蝶尾のその後、水無瀬家の復興、白雪と兄の絆など本編で描ききれなかった諸々を補完する内容となっているのだけど、「びきに」要素がめっちゃノイズ……!
いや、良いんだけどね!大半のシーンを白い着物を纏って過ごしている白雪が布面積の少ないビキニを着用する展開のレアさを考えれば、短編だから出来る荒業と理解できる
けど、白雪が背負う水無瀬家当主の重責とか、忘れていた兄の優しさとか、シリアスでじ~んと来る描写とのミスマッチ感が凄い…
特に兄が遺した犬を抱きしめる大変良いシーンが、白雪がビキニ姿である為にシリアスブレイカーになっている状況は何とも言えない(笑)
『テディベアへ願うこと』
こちらは5巻のアフターストーリー。最悪な事件の果てに小田桐が決断した行動の是非を遠回しに問うている印象
自分が不幸を背負う事になったとしても誰かの幸を願えるか?
あまりに難しい問い掛けはけれど最後に幸仁が実践して見せた事を思えば不可能ではないと判る。しかし、あの女性がテディベアを小田桐に託したように、そう簡単に実現できるものではない。自分で不可能難題に挑戦するよりも他者に委ねてしまった方が楽
同様に小田桐が異界にあさと置き去りにしてしまった行為も他者に委ねた結果と見る事が出来るのかもしれない
一瞬はあさと相手に情けを掛けようとしてしまった。それをあざかやあさとの言葉に身を任せるようにしてあさとを異界に置き去りにした。それが自分の幸福に繋がると信じて
6巻で小田桐がした更なる選択は議論の余地が多分にある…というかむしろ確信を持って正しくないと言えるもの。けれど、あの選択こそ小田桐には自分やあさとの幸福を願えるものだったのかもしれない
『七海と雄介の危険な一日』
生きるため意識的にぶっ壊れて常識から外れている雄介、常識に留まる為に意識的に非常識を認識から外している七海
性格的には真反対で相性としても最悪な筈なんだけど、自分の行動に迷いがないという点では一致している
だから出逢えば罵りあう関係なのに、ひったくり犯を前にすれば流れるような連携を見せる
一方で精神面は雄介よりも小学生の七海の方が遥かに成熟しているね。というよりも、面倒なものに気付きつつもそれを意識に含めないという点には類を見ない精神性を感じられる
そういった精神性を持っているから、雄介が陥る地獄を察しながらも関わらず、それでいて情けない姿を見せる雄介を叱咤して彼に必要なバットを授けてみせる
雄介と七海の2人って相性は最悪である事は確かなんだけど、同時に相性最高でもある不思議な関係である点が見えてくる面白いエピソードでしたよ
『私と異分子な彼と彼女と狐』
作者が後書きで述べているように「人を呪わば穴二つ」という言葉がこれ以上ない程に似合うエピソード
話としては小田桐が地獄に陥る直前の時系列であるためか、小田桐とあさとの関係は非常に良好というか普通の高校生っぽい
けれど一人称の主体となる美和は2人や小田桐に纏わりつく静香を危険な存在と認識しているのが印象的。己を殺して生きる美和にとって、掘り返してはならない過去を探り当ててしまうかもしれない3人は恐怖を覚える相手
その意味では美和があさとを恐れる限り美和があさとの力に翻弄される事はなかった筈。彼女の安全圏が崩れたのはそれこそ彼女の所業によるもの
結局、殺した筈の過去は全く殺されてなど居らず彼女を脅かす為に訪れたというわけだ
興味深いのは、あさとは彼女に能力を使いながらもそれ以上はしなかった点か
後の時系列であさとが起こした様々な事件を思うと美和にあさとがした行為は非常に控えめ。破綻が判りきった願いを叶えただけ。それ以上の条件付けを彼女にしなかった
美和の破滅はあさとにとって娯楽では有るだろうけど遊びではないし、それを小田桐と関わらせる事もない。この点を無意味に深読みすれば、この後に生じた小田桐と静香の接近は目に見える以上にあさとの精神を揺らがした。そう考える事も出来るのかもしれないと思えたよ
Posted by ブクログ
ビキニ、テディベア、危険な日、異分子。
事件としてはシリアスだったのに、最期の落ち。
そう言えば、着たまま着物を羽織ったわけで…な1話目。
テディベアは、確かに難しいものがあります。
が、その根本に『自分の幸せのために』願うのであれば
いけそうな気がしますが…どうでしょうか?w
ものすごくソリが合わないというのに、こういう時には
きっちりとはめ込まれる二人。
これはこれですごいですけど…同族嫌悪??
異分子に至っては、すごい状態になってます。
周囲を操作し、自分の良いような環境を作る。
それはそれですごい手腕ですが
因果応報というべき落ちもすごい。
さすが狐、というべきか…。
二重の意味で騙された気がします。
Posted by ブクログ
第1話「白雪は「びきに」を知らない」は、あざかから小田桐の好みはビキニだと教えられた白雪が、ビキニに挑む話。
第2話「テディベアへ願うこと」は、小田桐と雄介、そして白雪の世話をしている少年・水無瀬幸仁が、映画館で見知らぬ女性から、願い事を叶えてくれるテディベアを受け取る話。
第3話「七海と雄介の危険な一日」は、犬猿の仲の七海と雄介が、いっしょに誘拐されてしまう話。
第4話「私と異分子な彼と彼女と狐」は、小田桐やあさとの学生時代の物語。あさとが所属していた文芸部の部長を務める美和という少女が、過去から逃れようとして罪に手を染める話です。
第2話、第4話がとくにおもしろく読めました。それ以外でも、第1話はビキニを前にして恥ずかしがる白雪の姿に萌えますし、第3話は七海の心遣いが伝わってきます。