川野靖子のレビュー一覧
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ネタバレ英国パラソル奇譚の第二弾、舞台はスコットランドです。
エジプトのミイラが出てきて、それに絡んで、当時のヨーロッパ人のエジプトや古代遺物に対する認識が見えるところが面白かったです。
略奪が当たり前であったことや、ミイラの包帯を外す「解包パーティー」なるイベントのことなど。
主役二人の新婚ほやほやラブラブっぷりは予想していたものの、そこにアイヴィの恋まで持ち上がって、話の半分くらいがラブラブ要素でできています。隙あらば、という感じには辟易するくらいで……(笑)
女性の登場も多く、恋の駆け引き(?)などもありつつ、なんだかんだで女性の強さが光ります。
男装の発明家、マダム・ルフォーの謎めいたキャラクターも魅力的。
ロンドンのライオール教授やアケルダマ卿があまり出て来なくて、両氏が好きなわたしとしては、やや物足りない感じでした。
しかし、アレクシアを狙う第三の存在や、ラストでの衝撃の事実と、続きが気になります……! -
Posted by ブクログ
架空の19世紀末、怪物が跋扈し地形も変化し続ける〈荒れ地〉を走る大陸横断鉄道で、偽名の女が父の死の真相を探り、列車の中で生まれ育った少女が冒険する…と書くと面白そうじゃん?
実際面白いんだけど、その設定以上の面白さはなかった。そもそも列車外の描写が中盤まで少な過ぎて〈荒れ地〉の脅威とか怖さがちっとも伝わらなかった。というか、ロードムービーの要素も時代小説の要素も、この設定でありながら絶妙にないので残念。ただ、登場人物達が何度も言及し、幕間でも引用されてきたガイドブックの著者が…という展開は良かったな。
長々と書いたけど、要は「甲鉄城のカバネリ」的な作品を期待して肩透かしを食らったんだ、私は。
勝手に期待して勝手にめちゃがっかりしている
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Posted by ブクログ
ハヤカワSF公式Xの宣伝を見て、面白そうだったので手に取ってみることに。
未知の生命体がはびこる<荒れ地>と化したシベリア。そのシベリアを横断し、モスクワと北京を行き来するシベリア鉄道。危険な<荒れ地>を横断するため、乗客らは乗車中に生じた事態に補償が無いことに同意して乗車する。
前回の運行で生じた"事故"が、車窓の設計に原因があったとして、ガラス職人である父親が糾弾されたことに納得できないマリヤ。<荒れ地>の解明に心血を注ぐ、博物学者のヘンリー・グレイ。列車の中で生まれてから外の世界に出たことのない、乗務員の少女ウェイウェイ。謎めいた無賃乗車の少女エレナ。様々な立場と思惑を持った人々を乗せ今、北京発モスクワ行の列車が出発する―――。
舞台は架空の19世紀。北京発モスクワ行の列車が"異形の地"と化したシベリア横断中に遭遇する"トラブル"を、様々な乗客/乗務員の視点で描く群像劇。シナリオ展開としての面白さはそこまでだったが、テキストを読みながら脳内で列車内の光景を映像化するのは楽しかった。映像映えしそうな作品。(解説でも触れられていたが、『スノーピアサー』を想起させられた。) -
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英国の新鋭サラ・ブルックスのデビュー長篇。
改変歴史ものSFで、北京とモスクワを結ぶシベリア横断急行の機関車の中で繰り広げられる物語。
人間が安心して暮らせる土地はターミナルである北京とモスクワに限られており、路線の途中の土地は<荒れ地>と呼ばれていて、未知の生命体が蔓延っている、という世界観。三人の語り手がおり、視点が章ごとに入れ替わる構成になっている。
これはかなり個人的な好みの問題だけど、この三人の語り手がいる、というのがちょっととっつきにくかった。後半になると章が細かく、視点人物の入れ替わりが激しくなって位置関係が把握しづらい。章ごとに切り替わるので、あまりに突飛すぎる視点変更というわけでは無いのだけど。
ゲームを進めていたら急に操作キャラクターを変更されちゃうような感じ。
ストーリーにも色々な要素の片鱗が混ぜ込んであり「危険な土地を走り抜ける超巨大列車」という奇抜な設定一本だけに頼って書かないぞ、という意欲は凄く感じた。多角的で多要素。この辺りは作者のテーマであろうとも思ったので、この目まぐるしさこそ意図であるのかもしれない。
この驚異的な<荒れ地>を旅行する人向けのガイドブックからの引用が章のエピグラフとして添えられている。この列車に乗る人間たちから一番信用されている本、という設定のガイドブックだ。
旅行に行くとき、見るべきものを見逃すことが無いよう、危険な目に会わないよう、人はガイドブックを読むけれど、旅行とは今までに無い体験、予想外の出来事も一緒に期待する。そうした人間の矛盾した欲望と行動力が渦巻き、異形たちも蠢く、生命力のあふれる物語だった。 -
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プレステでウィッチャー3をプレイしたのである。
人が多すぎ&当たり前のように説明なしで人名が出てくるので誰がどなたでなんとやら。シリとシリルって同一人物なの?状態だったので原作にトライ。
結論から申し上げれば、私が読むべきは先ず短編集であった。親切にも冒頭部分に短編集収録作品のあらすじ&人物説明があったので事なきを得る。
ゲームではスカしたイケオジ、犬に囲まれてすぐお亡くなりになるゲラルド先生だが、本を読めばそんな態度の裏に深いお考えがあることも少しわかる。うんうん、簡単に白黒つけちゃいかんよね。しかし彼女とうまくいかなかったからって彼女の友達とただならぬ関係になるのはお考えが浅すぎますぞ。ご本人もそれに関してはやっちまったなと思っておられるようですが。
人間模様と思惑の説明に終止して、実際の行動はお腹が痛い元カノを馬車で輸送してただけのような気がするけど、不思議なことにそれがまあまあ面白い。でも次に読むんなら短編集。 -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
ウィッチャーシリーズにおいて時系列が最初の作品。ウィッチャーの冒険やイェネファーとの出会いを描く。
【感想】
ウィッチャーシリーズは完全に未見でゲームやドラマなどにも触れずに初めて読んだのがこの本。
一番最初に感じたのは世界観の飲み込みにくさ。説明などは一切ないし、ファンタジーものでよくある世界地図などもないので、フワフワした状態で話を読まねばならない。
また、オゾンの匂い〜などの化学用語が出て来たりおとぎ話を空想の話だと言う割には、魔法も怪物も出てくるので彼らの価値観がよく分からなくなる。
しかし、ストーリーの皮肉なテイストは思わずくすりと笑ってしまうし、一貫して登場人物が皆俗っぽく生きるのに必死な様子が面白い。指輪物語と比べた時のエルフのしょぼくれた様子に笑ってしまう。
サブタイトルの「最後の願い」もその内容が分かった時には思わず笑った。要はこれ◯◯しないと出られない部屋じゃん…。
イェネファーが前段階でゲラルトにお前が欲しいのは人間性だろ?と問いかけているのも良いフリになっている。ゲラルトは十二分に俗な人間だよ…… -
Posted by ブクログ
ゲームから興味持ち原作読んでみたがこれは読みづらい。さも当たり前のようにエイダーンだのマハカムだのとわけわからない言葉が出てくる。そこがウィッチャー世界をより深いものにしている、フレーバーテキストなんだと思うが、くどいぐらい登場するので嫌になってくる。ゲームでも実際には登場しない地方についてよく語られるが、てっきり小説ではそこが舞台になるのだと思っていた。展開もかなり遅い。逆を言えば丁寧な進め方なのだが、あまりにも展開が進まないので退屈。会話も周りくどい言い回しや、知ってて当然と言わんばかりに過去の出来事が引き合いに出される。ソドンの戦いと何度も聞いたことか。訳者あとがきの方がずっと分かりやすいのはいかがなものか。