川野靖子のレビュー一覧
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魔法剣士ゲラルトと、不思議な力をもった運命の子シリの話。シリの成長物語。
家族からのクリスマスプレゼント本。「ファンタジーは、10代の主人公が、喋る人間外生物と一緒に悩んだりしながら頑張る話ばっかり」と言ってたら、ファンタジー&ゲーム好きの夫が「そうじゃないファンタジーがあることを証明する」と言って購入してきた。確かにそうだった。世界は暗い、登場人物は大人多め…甘酸っぱい若者特有の悩みに苦しめられてる人もいない…シリちゃんが清涼剤と言ってもいいかもしれない。
ただ、訓練シーン、戦闘シーンとかの細かい描写は、流し読みしちゃった。あと何故かシリちゃん含め登場人物ほとんどがなんか性に興味津々で、しかも話的に重要じゃないっぽい話だから、そこも流し読みした。キャラはしっかり作り込まれてて、そこは楽しかった。
私はファンタジーが苦手ではないことがわかったのが、今回の大きな収穫だった。
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ネタバレ種族入り乱れた政治と戦争の話だ。ゲラルトの言う中立は単なる傍観者というニュアンスではないようだ。綺麗事なのかもしれないが、みんなが憎しみや欲を捨てられたら戦争はなくなるのだろう。
シリが運命のために、周囲から命を狙われているのが不憫でならない。
イェネファーとゲラルトの間に「切望」があったというのは、「愛」よりも強い結び付きを感じて好きな表現だった。シリを守り育て導くことが共通の責任となり、表面的な諍いとは裏腹に深度は増していくように見える。
シリにとってイェネファーは魔法使いの先生であり、友人であり、姉のようでも母のようでもあったらいいな。
ドラマとリンクさせながら読んでしまうので純粋に小説の感想ではないかもしれない。 -
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Netflixのドラマが面白かったので原作がどんな感じなのか知りたくて読んだ。
スラブ神話を元に創られた壮大なダークファンタジー。シントラの姫・シリラ、白髪の魔法剣士・ゲラルト、魔法使い・イェネファーの三人を主役に物語が進む。
エルフやドワーフ、ハーフリング、魔法使い、魔法剣士、人間とのいざこざが会話の中からわかってきて面白い。ドラマ版は国と国との関係性や魔法院の立場など政治的な部分が理解できないところが多かったけど、原作でそこらへんが補完された。
ゲラルトの怪物との闘いは思ったよりもない。ドラマ版の良い所はアクションや魔法の迫力なんだなと再認識した。
トリスの印象はだいぶ違う!かなり女性っぽい部分をもつ人なんだな。ゲームもプレイしよう。 -
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ネタバレ主人公のフローラ717は或る巣箱の中で生まれた蜜蜂。フローラ族(フローラ=植物。花の種類も特定されていない、蜜蜂の世界では最下層の一族)は仲間の死骸の廃棄や巣の掃除を担当する「衛星蜂」の中の一匹。並よりはるかに身体が大きい規格外として生まれ、奇形を排除する警察蜂によって「排除」されるところを巫女を務めるシスター・サルビアに救われる。
そして、「実験」として、特別に育児室で働けるという破格の待遇を受けるが、シスター・サルビアからはサルビア族と対立する育児蜂のオニナベナ族の蜂たちの動静を報告するように命令される。
フローラ717には拒否する選択がなかった。
「受け入れ、したがい、仕えよ」
蜜蜂の世界は完全な階層社会、管理され、女王蜂と巣のために働き、働けなくなったもの、従わないものは排除される完全な管理社会だったのだ。
ここから先はこの小説の結末なども含んだ内容になります。
解説によれば一部創作もあるが基本的には蜂の生態を元にして、それを宗教的な規律で統制される社会として書かれているそうだ。
怪しげな企てを秘めた巫女、対立し合う族、蜜蜂同士がフェロモンを発して感情をあらわしたり、触覚同士を接触させて相手の意識を読み取ったり、記憶を共有する能力、スズメバチという外敵との戦いなどなど蜜蜂社会をベースとしたSFチックな冒険譚とも読める。
一方で巣を支えるのは全て雌の蜂であり、その雌蜂の間の支配関係、対立が描かれ、雄蜂は生殖行為以外では貢献しないが雌蜂に対して暴力的に振る舞うなど、一種のディストピア小説とも読める。ただ、蜜蜂の生態をベースにしているので、ディストピアが崩される事はない。
物語はフローラが衛星蜂であるにも関わらず産んでしまった卵から孵化した娘が、新しい女王蜂となり、新しい巣を得て、フローラはそれを見届けて、安堵して寿命を終えるのだが、新しい巣とは新しいディストピアの誕生を意味している。
蜂の生物としての遺伝子が変わらない限り、上下の立場の逆転はあっても基本構造は変わらないという皮肉にも見える。
最後におまけ。
蜜蜂の冒険譚といえば昭和40年代生まれにはタツノコプロのアニメ「昆虫物語 みなしごハッチ」をなんとなく思い出させる。当時20%以上の視聴率を得て大ヒットし、2年近く放送された子ども向けのアニメた。
ハッチは「みなしご」、つまり捨てられた子であり、自分の母親である女王蜂を探して一人旅をするので、管理社会に生きる話ではない。しかし、母親は女王蜂であり、階級闘争がある点や、スズメバチや蜂を捕食する相手との戦いがある点などは蜂の生態を元にしているので似ている。作者はどこかで日本アニメの名作として「みなしごハッチ」を見てないだろうかと思ってしまう。
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19世紀イギリス。人類と吸血鬼や人狼、ゴーストなどの「異界人」が共存し、貴族や上流階級の人々は舞踏会や晩餐会で社交を楽しむ時代。
イタリア人の父の容姿と奔放な性格を受け継いだためか、ロンドンの社交界では異端のオールド・ミスとして知られるアレクシアは、異界族の力を無効化してしまう特殊能力の持ち主、「反異界族」だった。
家族にもこの能力を秘密にしているアレクシアだが、ロンドンの異界族で彼女を知らないものはいないはずだが、舞踏会の夜、無登録の吸血鬼に襲われ、逆に刺殺してしまう…
優雅で知的で勝気な主人公の魅力はもちろん、彼女と人狼捜査官で伯爵のマコン卿との異種族間ロマンスもからめてあり、なかなか楽しめた。
ユーモアミステリなのかファンタジーなのか迷いつつ、とりあえずファンタジーに。
続きもあるようなので、のんびり読み進めよう。 -
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前回、ソウルレスのアレクシアと人狼のマコン卿との間には子供が出来ないはずと不貞を疑われて実家に帰ったアレクシア。
反りの合わない実家でなんて、じっとしていられるはずもなく、安住の仮寓を探します。ところが、彼女の子供がマコン卿との子だと信じてくれた?!吸血鬼たちから命を狙われ…ロンドンを離れることに。
行き先は、彼女が妊娠可能だという資料を持っていそうなテンプル騎士団の本拠。つまりイタリア。
暗殺者を躱し、フランスからイタリアへの大旅行の末、彼女は望む証拠と、夫からの謝罪を手に入れることは出来るのでしょうか。
身重だと言うのにアレクシア、大変な大旅行。お腹の赤ちゃんは大丈夫かしらと、他人事ながら活劇にハラハラしますが…まあそこはそれ。
彼女を研究しようと命を狙うテンプル騎士団に囚われても、彼女の振る舞いはちゃんと貴婦人。大冒険に、ちょっとクラシックな戦い方になかなか賑やかではありますが、殺伐としていないので、安心して笑って読むことが出来ます。
マコン卿との愛の顛末は…いえ、世界一かわいい痴話喧嘩は、ご自身で結末をどうぞ。
バラすの野暮なんですもの。
やっぱりね。両思いは正義です。はい。
次ではアレクシア、ママになってるかしら。どこかふんわり優しい、ロマンス小説のようでパンクSFな面が盛りだくさんの本シリーズ、そこらの少女小説やスチパンコミックに飽きた諸氏・諸嬢に、ぜひご覧頂きたいです。
ちょっと憂鬱で不機嫌な日曜。
退屈なんか吹き飛ばしてくれますよ。 -
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ゲーム Witcherシリーズの原作小説の翻訳書。
Witcherシリーズにのめりこんだ口なので、その延長線上で購入。
時系列としてはWitcher 1より前の時期の物語で、Witcher 3の物語の背景となる、主人公ゲラルト(Geralt)とシリ(Ciri)との出会い、ケィア・モルヘン(Kaer Morhen)での幼きシリの日々、一方で暗躍を見せ始めるニルフガード(Nilfgaard)や北方諸国(Northern Realms)の国王や魔法使いたちの策謀を描いている。
Witcher 3の前日譚、あるいはWitcherシリーズの設定資料としてみると非常に楽しい。
ゲームで駆け回った世界で、物語が進むにつれゲーム内で会った登場人物たちがそれぞれの思惑でゲラルトの前に現れる。ゲーム内ではテキストで示唆されていたエピソードが小説で描かれていたり、ゲーム内で見られた悪癖や振る舞いが小説でも見られるので、ゲームを思い出してにやにやしながら読んだ。
あの骨太なストーリーにはそれを支えるしっかりと練りこまれた設定・世界観があったのかと改めて実感する。
ただ、この本単独は物語の序章部分しか書かれていない。世界観説明が終わって話が動き出すところで終わっている。
話を始めるためにはそれだけ書かなければいけないことが多い、ということでもあるのだろうとは思う。だが、文庫本サイズで約400ページかけて事態がほとんど動いていない、というのは、シリーズでも一巻内で起承転結が入る日本のファンタジー系のライトノベルに慣れた身としては、カタルシスが得られずもやもやした。
次巻でどこまで物語が進むのか、そしてシリーズ全巻が発売されるのかが気になるところである。 -
Posted by ブクログ
今回はロンドンで起こる"異界族人間化現象"の原因を探るためマコン夫人となったアレクシアが飛行船で向かったのはかつて夫 マコン卿が捨てた人狼団。そこでアレクシアはさまざまな事件を乗り越え自身の性質"反異界族"の本質に触れることになります。
しかし大部分が解決に向かおうというときにアレクシアとマコン卿に危機が訪れ、二人は引き裂かれることになります。果たして二人はこの危機を乗り越えることが出来るのか…次巻に期待します。
今巻もアレクシアの物怖じしない行動力にはワクワクしました。そして終盤で唐突に物語が大きく展開したのは驚かされました。また個人的に相変わらず各場面を細かく描写しておりドキドキしました。早く次を読みたいと強く思います。 -
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ネタバレ吸血鬼、人狼といった異界族が人間(昼間族)と共存する19世紀の英国の世界が舞台。
オールドミス(26歳)のアレクシアの冒険譚。
でも、単なる冒険譚ではなく、恋愛要素も豊富。
マコン卿の見かけ年齢がどのくらいなのかとても気になりました(どこかに描写ありました?)
ラブシーンの描写はもう少しマイルドでもよかったかなぁ、と個人的には思います(どの位の年齢層を読者として想定しているのかが、やや疑問が残ります…)。
最初は世界観が上手く掴めなかったけど、一旦、その世界観に入り込めれば軽いタッチで描かれているのでサクサク読めました。
アレクシアは知識人で、勝気で行動力があり、なかなか魅力的な女性です。
続編も読んでみようと思ってます。